同窓会

私は同窓会というものにあまり興味が無い。中学校の同窓会が5年に1回、高校は毎年、案内が来るが、今までに出席したのは中学校の同窓会に10年ほど前の一度きりだ。小学校と大学は案内をもらった記憶すら無い。
何らかのきっかけで昔の知人と出会って、その当時の話題で盛り上がることは楽しい。しかしこの楽しさは過去を振り返るものであって、それが将来につながることは無い。
一度だけ参加した時の印象で言えば、毎回のように同窓会に参加するメンバーが何人かいて、その人たちで仲良しグループのような雰囲気が出来てしまって、初参加というような人間はその輪の中に入りづらいのだ。
もちろん、そのクラスでの人気者だったり、スポーツや学業で目立った成績を残したような人であればそういうことも無いのだろうが、別に何の取り柄も無く、良くも悪くも目立たない存在だった私などは、彼らの記憶にはほとんど残っていないのだろうと感じた。
実は今夜は、かつて勤めていた会社でのとある製品担当チームの同窓会である。その製品が会社でそれなりの売り上げを上げていたのはもう25年くらい前のことだ。その会社に中途採用で入社して、最初に配属されたグループだった。
まだ若くて仕事にも燃えていた頃で、会社員時代で言えば全盛期だった。自分のやりたいことが、かなりのレベルでやりたいようにやらせてもらえた時代だった。ちょうど時代もバブル真っ盛りで、ボーナスが年間7ヶ月なんて年もあった。
仕事そのものはかなり忙しい時だったが、結果的にはマラソンもその頃が全盛期だった。
その製品に関わった人間はトータルでは50人近くになると思うが、今もその会社に残っているのはおそらく半分以下だろう。
時代はすっかり様変わりしてしまった。しかし単純に『あの時代は良かった』とは思わない。今の方が良い面もたくさんあるし、私の今までの歩みは、自分という人間にとっては必然の道筋だったように思う。
この同窓会も2〜3年ごとにやっているが、毎回参加者が減ってくる。特に会社を辞めた人にその傾向が強い。私などはもっとも早く会社を辞めた人間だが、それでもしつこく参加している。
同じ目標を持って仕事に携わったというのは、単にたまたま同じクラスだったというのとは随分気分も違う。同窓会嫌いの私でも、こういうのは楽しみである。