トレランポールの是非

来年の UTMF はトレランポールは全コース使用不可になったらしい。目的は自然保護とのこと。
ポールの使用は登山ではずいぶん以前から一般的だったが、普及してきた頃からそういう意見は少なからずあった。つまり石突きで地面を傷つけるということだ。
私自身は登山でポールを使ったことは無い。それは自然保護というような高尚な理由ではなくて、単に余計なものを持ちたくないというだけのことだ。ただ、自分自身バランスが悪いので、本当は使った方が良いとは感じていたし、その気持ちは今も変わらない。
トレイルレースではポールの使用を制限している大会も少なくない。ただしその理由はほとんどが、混雑によるトラブル防止のためだ。私自身、前の人のポールが目の前に振り出されて、危ない思いをしたことは何度かある。
しかし自然保護という理由は今ひとつしっくりこない。トレランポールの使用がそこまで自然を傷つけるものなのだろうか。それよりも、多くのランナーが一時に登山路を駆け回る方がよほどインパクトが大きいように思う。
トレランは最近、結構なブームになってきているようだが、一般の人たちからは冷ややかな目で見られている面もかなりあると思う。特に普通の登山者などはトレイルランナーを嫌っている人は多いと思う。私自身、元々山屋から走り始めた人間なので、その感覚は良くわかる。静かな登山道をバタバタと走り抜けられるのは迷惑だろうと思うし、私も登山者とすれ違う時はいつも小さくなって、おとなしく歩くようにしている。
レースの開催にしても、地元の自然保護団体などとの交渉が難しいことが多いそうだ。
たとえ歩きの登山でも多くの人が山に入れば何らかの自然破壊は発生するし、登山者でもポールを使う人はたくさんいる。むしろ初心者向きの書物や講習会などでは安全面からポールの使用を推奨しているのではないかと思う。
自然破壊というのは議論すればキリが無いし、いくら議論しても絶対的な結論が得られるようなものではない。自然保護か安全重視かというのもきっちり線引きできるようなものでもない。
トレランポールを使わないことによってどれだけ自然破壊が抑制できるのかはよくわからないが、まぁ意図はわからないでもないというのが正直なところだ。
とは言ってもキャノンボールにはトレランポールを持って行くつもり。ただし使う場所は限定的にすると思うが。