六甲スノートレイル

昨日は久しぶりのトレイルで、雪の六甲を楽しんできた。

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雪は間違い無くたっぷりあるだろう。ひょっとしたら東六甲縦走路ではラッセルもあるかも知れないと思って、沢登り用のゲイターを持っておいた。
ウエアは、上は登山用長袖下着シャツと薄いフリース、下は登山用のフリース。下はフリースだけでは寒いかもと思ったが、結果的にはちょうどいいくらいだった。手袋は登山用のもの。
雪の状態が不安な東六甲縦走路を序盤にクリアしておきたいと思って、宝塚スタートにした。今日はできれば塩屋ゴールにしたい。
最初の登りは車道ではなく登山道を行く。しかし昨秋の台風の影響か、上部で道がよくわからなくなって、本来のルートよりも若干下の方で車道に出た。
すでに路肩には雪が残っていて、塩尾寺を越えるとルート上にも雪が出てきた。急登を終えたあたりで雪がびっしりという状態になったので、スパイクを着ける。
スパイクのおかげで雪の影響もあまり感じず、無雪期とあまり変わらないくらいのペースで進める。このルートは上の方で、花崗岩が崩壊してぼろぼろになった急登部分が何カ所かあって、ずるずる滑って非常に歩きにくい。しかし雪がかぶっていると普通の急斜面と変わらないので、無雪期よりも歩きやすいくらいだ。
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身体は少し汗ばむくらいの暖かさだが、厚い手袋をしている手はまったく温まらない。
2時間ほどでドライブウェイに出て、ここでスパイクを脱ぐ。そして一軒茶屋で腰を下ろして小さな大福を一つ補給。今回は熱いお茶を少し持ってきたのだが、これがおいしい。
六甲でこんな樹氷を見られるとは思わなかったという眺めにうれしくなる。
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しばらくは登山道とドライブウェイを交互に行く。登山道はしっかり雪に覆われているが、これくらいならスパイク無しでも何とかなる。スパイクを着けて舗装道路を延々と走る訳にはいかないのだ。
アゴニー坂も何とかクリアして、3時間半ほどで掬星台へ到着。ここで腰を下ろしてまた小さな大福とジェルを補給する。そしてスパイクを着装。
摩耶山の下りは案の定、雪がびっしり。しかししばらくすると雪が消えたので、もう大丈夫だろうと思ってスパイクを脱いだ。ところがちょうどそのタイミングで、下から上がってくる人たちはみんなアイゼンを着けている。まだ下にも雪があるのだろうかと不安になるが、そのまま下る。
少し下るとやはりまた雪が出てきた。しばらくはそのまま下ったが、完全に氷化した部分が出てきた。ほぼ平坦なところだったので、ヤバイなと思いながらも一歩を踏み出したところ、ものの見事にすってんころりん!! お尻はさほど強打しなかったが、支えた腕が痛い。しばらく痛みをこらえる。
もう少し下ったところでまた氷化した部分が出てきたので、さすがに諦めて再度スパイクを装着した。
あたりに雪がすっかり無くなったところでまたスパイクを脱いで、あとは市ヶ原まで順調に下った。
この後は鍋蓋と菊水のダブルパンチルート。ムリをしないように進む。鍋蓋は特に問題も無く越えて、天王吊り橋を渡る。
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このあとに、道のそばに池のある部分がある。平坦なルートなのだが、ちょっとした段差が部分的にあって、ちょうどその段差を越えようとしているときに前方に人が見えて、足元への集中力が途切れた瞬間、段差に躓いてまたまた転倒!!
ここで道の左側に落ちると池にはまってしまう。こんなところでこの季節に池にはまったりしたら、とんでもないことになる。着替えは持ってきていないし、公共交通機関からも遠く離れている。
身体が左側に振られたのでヤバイと思って、ほんのわずかの瞬間になぜか冷静にあたりを見ることができて、ちょうど右手の位置にあった石のでっぱりをしっかり掴んで、池への転落を阻止することができた。
私が転倒するのは滑りやすい場所を除いては、だいたいにおいて注意力が一瞬途切れた時である。ぜんぜん関係無いことをぼんやり考えていて、足元のでっぱりに足をひっかけてこけるということもよくあるパターン。
まぁトレイルを走っていればこういうことがたまにあるのは避けられない。
いよいよ菊水山への登りだ。宝塚から須磨へ向かう時は、菊水山を登り切るとゴールが見えてくる感じになる。その先もまだまだ小さなアップダウンが控えており、須磨アルプスの難所もあるのだが、反対向きの場合に掬星台へ到着した時と同じような感覚だ。
菊水山の登りは30分もかからない程度なのだが、なぜか急激に疲れを感じてきた。何とか頂上まで行って、そこで一服しようとおもったのだが、どうもそこまでは持たなさそうな雰囲気。ちょうどマラソンで、ほんの1kmくらいの間に急激にペースダウンするような時と同じで、ここはこれ以上頑張らずに休憩を入れた方が良いと判断した。
10分ほどでタマゴサンド一切れとジェルを補給して再スタート。宝塚からほぼ6時間で菊水山に到着した。
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今回初めて、神戸の街をしっかり眺めた。
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須磨から来る時はだいたいここまで3時間で来られるのだが、何故か下り基調になる反対方向の場合は残りに3時間以上かかる。そんなことを考えながら階段を下って行った。
これまでよく使ってきた水場は上にゴルフ場があることを知ってから止めたのだが、ちょうどその先にわき水の流れている所は発見して、水を補給した。
丸山の住宅街は今回もよくわからない場所があったが、何とか小さな標識を見つけて大きなロストも無くクリアできた。
高取山を越えて、妙法寺の住宅街へ向かうあたりでまた疲労感が襲ってきた。近くに水道のある公園があるのを知っていたので、そこのベンチでまた休憩。タマゴサンドの残りの一切れを食べて、水を補給する。
このあたり、車道をくぐる歩道の階段がたくさんあって、これが以外とこたえる。
そしていよいよ須磨アルプスへ。ここは何度通っても緊張する。
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いつも多くの人でごったがえしているのだが、さすがにこの季節は人が少ない。と言うより、誰も見えない(実際には一人だけすれ違った)。
ここは危険箇所を越えてからのしばらくの登りが以外と厳しい。崩れやすい不安定な足場の急登なので、気分的にも疲れる。
栂尾山周辺では、前回に初めて知ったトラバースルートをうまく見つけることができた。来月のキャノンボールでもこちらへ行こう。
400段階段を下りて、高倉台の住宅街で歩きながら最後のジェルを補給。スーパーはパスする。
このあたりで9時間近くになってきた。あと30分くらいだろうか。今回は塩屋まで行こうと思っていたのだが、もう須磨でいいかなという気分になってきた。
鉄拐山を越えると明石海峡大橋が見えてきた。いよいよゴールが近づいてきた感じ。
旗振茶屋で写真を撮る。
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さて、須磨へ降りようと階段を下りだしたのだが、このまま須磨に下ると後悔するのではないかという気持ちが頭に湧いてきた。確かに疲れてはいるが、まだ限界まできているわけではない。体力も時間もまだ残っているのに最後をカットすると、きっと下で後悔すると思って、やはりここは当初の目的通り、塩屋へ向かおうと思い直して、下った階段を上りなおした。
しかしこのあたりは遊園地になっていて、登山道がどこなのかさっぱりわからない。昨年、一度塩屋から登ってきたことがあるのだが、その時のかすかな記憶とはまったくつながらない。GPSのルートと較べながらうろうろするが、登山道らしきものが見つからない。
散策路をなんどかうろうろして、ようやく登山道らしきものが見つかった。
住宅街まではわずかな距離だった。前回は本来の全山縦走路ではなく、駅の近くから山道に入れるルートを取ったので、どこかにそのルートと合流する所があったはずだが、どうも見落としたようだ。
目指したルートよりはずいぶん北側に降りてしまったようで、適当に左へ左へと住宅街を下って行く。メインストリートのようなはっきりした道がないので、自分がどこにいるのかさっぱりわからなくなってきた。おまけに地図も持ってきていない。
途中で通りがかりの人に尋ねたところ、このまましばらく行くと塩屋駅に出るとのことで、ほっとした。あとからGPSでトレースをたどってみると、本来の全山縦走路だったようだ。
最後で思いがけない余計な時間がかかってしまって、結局はトータル10時間くらいになったが、やはり目的通り塩屋まで行って良かったと思う。
タイム的には満足はしていないが、前半の雪道のわりにはタイムはあまり落ちていないし、終盤も緩い登りはそこそこジョグで行けた。
あとは、やはりエネルギーの補給は序盤からしっかりと計画的にやらなければならないということを思い知らされたということだろう。いつもジェルを2〜3個くらいしか持って行かないが、キャノンボールでは片道5個くらいは補給するくらいでないといけないと思う。ハセツネでもトップ選手は10個くらいは持つようだ。
ジェルは高いのでついつい節約したくなるが、嵩とカロリーを考えると、ここぞという時はやはりあまり節約しない方が良さそうだ。
でも、久しぶりに楽しい一日でした。