京都一周トレイル

先月は週末に用事が続いて、UTMF の2ヶ月前という時期なのに月間走行距離が 300km にも満たずに終わってしまった。唯一の成果は水晶岳だが、それもほぼ1ヶ月前のこと。
UTMF がほぼ3週間後ということを考えると、長い距離や時間をかける練習ができるのはこの週末が最後になる。しかし日曜日は雨模様なので、土曜日がラストチャンスだった。
できればロードでの長い距離の練習をやっておきたかったが、いくら猛暑は過ぎたとは言えまだまだ暑い。
と言うことで、先日トライして嵐山で終わってしまった京都一周トレイル全コースを、上桂まできっちりと仕上げることにした。
前回と同様に始発で出かけて、伏見稲荷を6時前にスタートした。
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この時間帯はまだ涼しかった。四ツ辻からの眺めも快適。
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住宅街を過ぎてようやく山道に入る。
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このところ雨が続いているためか、路面は結構濡れている。
7時前に清水山を通過。
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インクラインは7時25分で、悪くないペースだ。
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日向大神宮からの道は、このところいつも雨の岩戸のあるコースを行っているので、久しぶりに以前の本道の方へ行ってみることにした。ところがこの道、滑りやすい急なアップダウンで、こちらを行く人は少ないのではないかと感じた。
大文字山に向かっていると、前からランナーが。何と陸上クラブの仲間ではないか。職場に向かっているとか。
彼は 100km ウルトラは7時間少々。鯖街道ウルトラマラソンは何度も優勝している実力者なので、これくらい朝飯前なのだろう。
気楽に走っていたら、何とロスト!!。ちょっと変だなと思ったら、gps のルートからどんどんはずれてきた。このあたり、最近林道が延びてきていたりして、おまけに分かれも随所にあるので、注意していないと思わぬ道迷いになってしまう。
大文字山は8時17分くらいだった。腰を下ろしてジェルを補給する。
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いつも通り朝鮮学校の校庭を横切って、バプテスト病院脇から山道に入る。
この先はいつも沢沿いの道を行っているのだが、今日は久しぶりに瓜生山を経由してみることにした。しかしトレイルルートの分かれより早く尾根道に入ってしまったようで、いかにも人があまり歩いていない感じ。蜘蛛の巣もたくさん残っている。しかし上に行けば瓜生山に向かうはずなので、そのまま進む。
少ししたら右側を少し下った場所に道標が見えて、そこがトレイルルートだった。
9時11分に瓜生山に到着。
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このあたりからしばらくは快適に走れる場所なのだが、どうも調子が上がらない。何となくエネルギー切れのような感じがしたので、早めに対処しておこうと思って少し脇道に入って総菜パンを半分食べた。
帰ってからトラックデータを過去の記録と較べてみると、このあたりから徐々にペースが落ちてきていた。
雲母坂に出会う手前の沢で水を補給する。
雲母坂に入った展望場所は今日は素通りしようと思っていたのだが、ちょうどすぐ後ろにトレランのグループが来ていたので、すぐ後ろにつけられるのはイヤなので彼らを先行させるために展望場所で写真を撮った。
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このグループはそれほど速くないので、私とあまりペースが変わらない。おかげでこのあとしばらくこのグループの後をぴったりと追いかけるような位置になってしまった。
私は山でもロードでも、練習会を除けば極力一人でマイペースで行きたい方なので、こういうのは精神的に疲れる。その影響かどうかわからないが、比叡山山頂エリアに出る直前で彼らと別れてから急に疲れが出てきて、明らかなガス欠症状になってきた。
スキー場跡の芝生に腰を下ろして、しばらく休憩することにした。空腹感があったので本当は固形物を食べたかったのだが、こういう状態になった時にジェルの補給だけでどの程度の効果があるのかを試してみようと思って、あえてジェルだけの補給にしてみた。
しばし目をつぶったりして、10分少々休んで再スタートした。何とまた、あのトレラングループに出会ってしまって、また気分が落ちた。
彼らは私より後から出発して追いついてきているので、私より速いペースで進んでいるのだが、何故かしばしば前方に現れる。
横高山の登りではまた追いついてしまった。
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水井山でまた追いついてしまったので、私はここでおにぎり休憩にした。
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しかしこのあたりでは前回よりペースが落ちていることがはっきりしてきて、完走に不安を感じるようになってきた。一時期よりは涼しくなったとは言え、やはりこういう持久的な運動をやるにはまだまだ暑い。
静原の自動販売機でいつも通りコーラを買ったが、近くのベンチに腰を下ろしてゆっくり飲んだ。
鞍馬には1時半くらには着きたかったのだが、もうすでに2時を過ぎていた。
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ただ、この時はまだ気持ちは前を向いていて、自動販売機でポカリのボトルを買って、ザックのポケットの水と入れ直した。
ここからしばらく車道になるのだが、ここは前回とはまったく違ってまともに走れず、スロージョグでおまけに時々は歩きになるくらいだった。すぐそばを電車が通るので、思わず誘惑にかられそうになる。
二ノ瀬の小さな橋は、今回は通行できるようになっていた。
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夜泣き峠への登りの手前で、階段に腰を下ろして総菜パン休憩にした。
冷静に考えると、今回はもはや時間切れだ。このまま進むとどう考えても上桂は9時は過ぎる。夜間走になるのは覚悟してきているのでヘッドランプは用意しているが、そこまで気持ちを持たせる自信が無くなってきた。
最大の問題は、途中でリタイアできる適当な場所が無いということ。
そんなことを考えていたら、何とまたあのトレラングループがやってきた。ずっと前に進んでいると思っていたのに。
随分迷ったが、今回はここで終了することにした。

前回に嵐山までは行っているので、今回はアクシデントが無ければ完走できると思っていたが、逆に変な余裕があって緊張感を持って臨むことができなかった。何だかんだ言っても 70km ほどあるコースなので、そんなに簡単に完走できるものではないのだが、それにふさわしい心構えができなかったのだ。
UTMF のおかげで京都一周トレイル全コースや比良縦走、水晶岳などにチャレンジしてきたが、おかげで自分にとって一番楽しいのは決められたコースを行くことではなくて、自分で目標を決めて地図を眺めながらコースを選択して、それを実行することなのだということがはっきりとわかって、レースやわかりきったコースを辿ることに対する興味がかなり薄れてきてしまったのだ。
何か UTMF が完走できなった場合の予防線を張っているようなのが自分でもイヤなのだが、これが今の偽らざる本音だ。
このコースに再挑戦することはもう無いだろう。京都一周トレイルコースを自分の意志で行くことももう無いだろうと思う。