救急車デビュー

先週の金曜日、河口湖から帰ってきて病院へ行って点滴を受けて、週末をおとなしく過ごしたせいで、日曜日には体調もかなり回復していた。これなら月曜日からはほとんど通常の生活に戻れるだろうと感じていた。
なぜか夕方あたりから腰痛が出てきたのだが、こういうことはまれにあって、数日で自然と治まるので、それほど深くは考えなかった。
ところがその腰痛が、時間と共に次第に強くなってきた。夕食後に風呂に入る時は湯船に入るのに手すりにつかまらないとうまく動けないくらいになって、これはちょっとまずいと思って早々にフトンに入った。
しかし横になっても痛みは強くなる一方。
原因らしきものは思い当たらないのだが、強いて言えば木曜日と金曜日に新幹線とバスに長時間乗ったことくらい。
ひょっとしたら大腰筋の拘縮による腰痛かもと思って、大腰筋のストレッチをやってみたら、多少は効果があったように感じた。しかしこの時にはすでにそういう動きをするのもかなりの苦痛だった。
月曜日の朝はさらに悪化していて、フトンから起き上がるのも何かにつかまらないとダメで、階段の手すりにつかまって何とか下に下りた。
家人が心配して病院へ行こうと言ったが、病院はつい先日に行ったばかりというような訳のわからない理由で行く気にならず、様子を見ることにした。
低周波治療器を当てて改善を祈ったが、症状はさらにひどくなる一方。ほんのわずかな動きでも腰に強い痛みが走って、上体を起こすことすらままならない。
もうダメと諦めて、少し離れた場所にあった携帯を死にものぐるいで取って、家人に帰ってきてくれるように連絡した。
さて問題は、どうやって病院へ行くかだ。
タクシーを呼んでも部屋からタクシーまでの移動は自分では到底不可能で、誰かの肩を借りて動けるというような生やさしい状況ではない。
病院に問い合わせてみたが、救急車しかないだろうとのこと。
たかが腰痛ごときで救急車なんて!!、と思ったが、もはやそれしか選択肢が無い。
119 番してみたら来てくれるとのことなので、おとなしく救急車のお世話になることにした。
電話したらほんの数分でサイレンを鳴らして来てくれた。
その時は二階の部屋にいたので、どうやって下ろすのだろうと少し不安だった。持ち上げられるとかなりの激痛が走りそうだ。
救急隊員は3人だった。
まず一人の人が症状を簡単にチェックして、腰が動かせないということを確認した模様。
そこで運搬する前に腰を固定するために、空気圧で固めるようなものを巻いてくれた。
当然、それを巻くためには一旦腰を上げなければならないので、この時は痛いだろうと覚悟していたが、ほとんど痛みもなくすっと持ち上げてくれた。さすがと感心した。
腰を固めたら身体をやわらかいシートのようなものに乗せて、狭い急な階段を3人でスムーズに運んでくれた。
救急車は、付き添いで乗ったことはあるが、自分が客(?)になるのは初めてだ。
つい先日来たばかりの病院に、今度は救急車で搬入されることになってしまった。
病院に着いたら病院のベッドに乗せ換えてもらうのだが、救急隊員の作業のスムーズさには本当に感心した。
こんなサービスをタダで受けて申し訳ないという気持ちだった。
診断結果は今回も特に骨などに問題は無いということで、よくある原因不明の腰痛でしょうとのこと。
痛みのひどい周辺に痛み止めの注射をうってもらって、さらに座薬の鎮痛剤を入れてもらい、帰りは何とかタクシーで自力で帰ってくることができた。
痛み止めを打って朝よりはマシになっているとは言え、まだまだ十分に痛い。
一番困ったのは、風邪の症状がまだ残っていて、セキが出ること。これが激痛なのだ。
ノドの奥に痰がからんでいるので、できることなら深いセキをして痰を切りたいのだが、そんなことできるはずもなく、いつまでもノドの奥がゴロゴロしたままセキを繰り返すことになる。
そんな苦痛が2日ほど続いたが、水曜日にはかなり改善してきた。
まだ姿勢によっては腰の痛みは出るけれど、自転車でちょっと外出して買い物をするくらいはできるようになった。
何よりも心配だったのは、来週の月曜日に登山教室の随行があること。
この講座は今月から新たに担当することになったものなので、いくら何でも初回にピンチヒッターを頼むということだけは避けたかった。
幸い、超初心者向け講座なので、ほとんどハイキングのようなものだ。
それにしても先月末からの一連の出来事は一体何だったんだろうという感じ。UTMF が終わったということも何か夢の中の出来事だったような感覚だ。
ここまで体調の悪いことが続くと、残念とか悔しいとかいう気持ちすら感じなくなってしまう。

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