経ヶ岳から三国峠、根来坂峠へ

昨日は秋晴れの好天だったので、練習会をさぼって高島トレイルの南部を歩いてきた。
高島トレイルに行ったというよりは、地図を見て設定したルートがたまたま高島トレイルの一部分だったという感じ。

久しぶりに土日に予定が入っていなかったので、天気が良ければ遠出しようかと以前から考えていた。ラストチャンスの白山にでもと思ったりしていたのだが、金曜日の随行が結構疲れた。歩きそのものはそれほどではなかったけれど、何度も乗り換える交通機関の長さに疲れてしまった。
土曜日は長距離運転する気分になれず、かと言ってせっかくの好天の休日を山田池の練習会だけで終えてしまうのはあまりにももったいない。もはやロードレースを目指しているわけではないのだ。
そんなわけで地図を見て直前に設定したのがこのコースだった。
朽木の桑原橋近くに車を置いて、ここからまず経ヶ岳。それから北西に向かって三国岳(さんごくだけ)を経て地蔵峠、三国峠(みくにとうげ。地形図には三国岳と表記されているが、登山者の間では三国峠と呼んでいる)。
さらに北東に向かって根来坂峠(ねごりざかとうげ)から百里ヶ岳まで足を延ばして鯖街道を桑原に戻るというコースを設定した。
gps 用にルートを引いたら 28km くらいだった。終盤の数キロは平坦な車道なので、これなら楽勝だと思った。
7月に久多へ行った時に使った湖西道路経由で1時間 40 分ほどで桑原橋に到着して、ヤマレコで得た情報で橋を少し越えた所のちょっとしたスペースを見つけた。
たまたま年配の男性がタバコを吸いながら立っておられたので、恐る恐る「ここに車停めても大丈夫ですか?」と尋ねたところ、「どうぞどうぞ」という気軽なお返事。ほっとした。
準備を整えて出発したのは8時 20 分だった。
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ここはちょうど高島トレイルの南端になる。
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ヤマレコの情報では今日の予定コースはおおむね道ははっきりしているようで、迷う心配はあまり無さそうだ。
と思って気楽な気持ちで進んだらいきなりコースミス!!。山手に入らなければならないところをそのまま沢沿いに進んでしまった。ほんの数十メートルで堰堤になって引き返した。
さらに山手に入ってすぐ、はっきりした道をそのまま真っ直ぐ進んだら急に道が消えてしまった。
あわてて戻ったら斜面を這い上がるのが正式ルートだった。
ロスタイムはほんのわずかだったけれど、まったく想定外のスタートだ。
かなりの急登が続く。途中で中高年の3人パーティを追い抜く。
朽ちて読めない札の残るお茶屋跡。
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歩き出して 45 分で稜線(丹波越)に出た。峠には年配の男女がおられた。意外と登山者がいる。
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一旦ここから南に向かって経ヶ岳を目指す。
道はかなり不明瞭だ。かすかな踏み跡と所々にある古いテープをあてにして歩いていたら、突然林道に飛び出した。こんな林道は地図には載っていない。
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林道を進むと下って行くので、強引に稜線の方を歩いてみたが、また林道に出てしまった。
経ヶ岳とおぼしきピークが右前方に見えたあたりでまた山道に入った。
かすかな踏み跡のある急斜面を這い上がって、スタートして1時間少々で経ヶ岳のピーク(889m)に到着した。
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帰りはしばらく林道を進んだが、どうも山道に戻る所を通り過ぎてしまったようだ。適当に斜面を這い上がって gps のトラックを頼りにうろうろしたが、なかなか元の峠に戻れない。
古いテープが見つかったと思ったらまた変な方向に行ってしまったりして、結局戻るのに行きと同じくらいの時間がかかってしまった。
ここからも道は非常にわかりづらかった。ちょうど落ち葉の季節なので、落ち葉に覆われていてどこが道なのかさっぱりわからない。
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まぁどこでも歩けると言えば歩けるのだが。
中高年の5人ほどのパーティがこちらに向かってくるのに出会った。彼らもトレースを見失っていた。
三国岳(959m)へはルートから少しだけ西に入った所にピークがある。
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7月に来たばかりで、こんな山にこんなにすぐに再訪することになるとは思いもしなかった。
何だかんだで出発してからすでに2時間が経過している。思ったより時間がかかっていて、今日のコースはそれほど甘くないという気がしてきた。
それでもこのあたりからは少しルートがはっきりしてきた。所々に黄色の「高島トレイル」というテープが巻かれている。
古屋(ふるや)からの道が合流する岩谷峠。
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カベヨシ(818m)でおにぎり休憩にした。三国岳から1時間かかっている。
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好天だがずっと樹林帯なので日射しは避けられている。それでも気温はやはり高めで、冷えることを想定して少し厚着(ノースリーブメッシュシャツの上に長袖ジップシャツ)で来たので暑い。水分の補給量がいつもより多い。
林道のある地蔵峠まではここから 30 分くらいでいけるのではと思っていたが、結局 45 分ほどかかった。
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峠に下りる手前で単独行の男性が登ってくるのとすれ違ったが、この時間(12時過ぎ)にこれからどこへ向かおうというのだろうか。
三国峠への登り口がよくわからなかった。最初、林道をさらに奥の方へ少し行ってしまったが(gps のルートがその位置だった)、三国峠側の斜面から離れるのと、以前に随行で三国峠へ行ってここへ下山した時、確か峠の少し東側に下りたような記憶があったので、戻って少し東へ下ったところ、無事道標を発見した。
ここの登りもなかなかの急登だ。以前に来た時は下りだったのだが、小雨で滑りやすかったと書いている。
途中一カ所少し下って登り返す所があったが(まったく記憶にない)、このあたりのトレースを見失ってしまって、とんでもないヤブに突入してしまった。しかしこのまま突っ切るしかない。
5分ほど格闘して何とかトレースに戻ることができた。こういうロストが一番痛い。
地蔵峠から 40 分ほどで三国峠(776m)の山頂に到着した。山頂なのだがなぜか峠と名づけられている。
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そろそろ補給したかったが、人が多くて煩わしいので、写真を撮っただけで眺望も眺めずに早々に下山した。
前回来た時に沢筋を上がってきたクチクボ峠までは 10 分足らずだった。ここでどら焼き休憩。
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地図を開いてこの先を考える。すでに午後1時。根来坂峠まではまだまだ距離がある。
この季節の日暮れの速さを考えると、根来坂峠2時というのが百里ヶ岳へ向かうタイムリミットだろうと思った。それを過ぎると下山後の車道で日が暮れてしまうだろう。ヘッドランプは持ってきているけれど、狭い車道の薄暗い道を走るというのは事故に遭う典型的なパターンだ。この道は鯖街道ウルトラマラソンなどで何度か通っているので、そこそこ車が走るということは知っている。
途中で東側に展望の開けた場所があった。東山などの朽木の稜線や、その向こうに比良山系が見えているはず。足元にはこの後で走ることになるであろう県道もちらっと目に入る。
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この稜線も部分的にはアップダウンが厳しかった。根来坂峠2時はもはや不可能で、おにゅう峠から車道を下ろうかと思った。
オクスゲノ池では東向きに方向転換するのだが、そのまま北へ行きそうになった。
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落ち葉の少ない季節ならもう少しスムーズに歩けるのかも知れないが、それにしてもトレースの不明瞭なコースだ。こんなコースを gps 無しで地図とコンパスだけで迷わずに歩けるような人は天才じゃないかと思った。
このあたりはおそらく歩く人も少ないのだろう、素晴らしい自然が残されていて、こんな美しい光景を独り占めできるのはありがたいことだ。景色や風景にはあまり感動を覚えない私でも、この光景にはさすがに立ち止まって見とれてしまった。
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おにゅう峠手前のジャンクションピーク手前の斜面の眺望も素晴らしかった。
一番高いのはおそらく武奈ガ岳。その左側がツルベ岳だと思う。
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横に目を向けると根来坂峠下の車道が見える。
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おにゅう峠に着いたときはすでに2時半を少し過ぎていた。
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このまま車道を下るつもりで走り出したが、思ったより車が多いのに閉口して、根来坂峠までのトレイルに入ることにした。
根来坂峠には午後2時 45 分に到着した。これで鯖街道に合流したことになる。
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百里ヶ岳への道を見送って下り始めたが、やはり百里ヶ岳へ向かうべきだったかもという気持ちがふつふつと湧いてきた。体力的にはまだ余裕があったので、問題は時間だけだった。あと1時間早くスタートしていればと思ったが、いささか軽く見過ぎていた。
少しやり残しがあるくらいの方がいいのだと自分に言い聞かせて、足元に気を付けて下った。
鯖街道ウルトラマラソンを最後に走ったのはまだほんの2年前のことなのだが、もう記憶が曖昧になっていた。
このあと車道に出て少し下ってからまた山道に入って、そのまま下まで山道が続いていたように記憶していたのだが、実はもう一度車道に出てから再度山道に入っていた。
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これで今日の山道は終了。
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小入谷(おにゅうたに)に出る手前で水の流れを二カ所渡らなければならない。最後の最後で足を濡らせたくなかったのだが、二カ所目の最後の二歩で結局濡らすことになってしまった。
ここは「おにゅうだに」と読むのだが、小浜側の「遠敷」も「おにゅう」と読む。県境を隔てて北側と南側で、おなじ発音で字が異なる地名があるというのは不思議な感じだ。
車まではあと 5km くらいだろうか。午後4時に着くかどうかというところだ。もし百里ヶ岳へ行っていたら間違い無く車道で夕暮れになった。
生杉(おいすぎ)の大宮神社。
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古屋(ふるや)のあたりは何となく記憶がある。
車に戻ったのは4時ちょっと前だった。約 28km、7時間 40 分だった。
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家にメール連絡しようと思ったが、au の携帯は圏外。しかし docomo 回線のスマホは問題無かった。そろそろ MNP で全面的に乗り換えるべきだろうか。
鯖街道ウルトラマラソンではこのあたりの車道は長くて、小入谷から久多まで 17km くらいある。車で走りながら、よくこんな道を走ったものだと自分で感心した。もう二度とやることは無いだろう。