山上ヶ岳

日曜日は雪の大峰シリーズ第三弾で、山上ヶ岳へ行ってきた。大峰三度目にしてようやく好天が期待できる条件だった。
正月に敗退した経験から、今回はトレッキングシューズ、そして新たにアマゾンで購入した中国製の 10 本爪アイゼンで出動した。
しかし気温は思ったより高めに感じたので、前日に用意しておいた山スキー用のジャケットはやめていつもの雨具にして、ピッケルもやめて山スキー用の折りたたみ式ピックの付いたストックを右手に持って、左は普通の山スキー用ストックにした。
これまで通り、途中のコンビニで朝食とコーヒーをとって、またしても道を間違えたりして(毎回、違う所で間違える)、洞川温泉を越えて奥に向かった。
母公堂(ははこどう)から先は冬は通行止めということになっているらしいが、実際には轍があって、結構車が入っている。
この奥にも駐車場があるのだけれど、ムリに入って面倒なことになっても困るので、母公堂の前の駐車場に停めることにした。ここからなら歩いてもそれほど大した距離ではない。

歩き出したのは6時 50 分だった。
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前の二回とは違ってすでにすっかり明るくなっている。
しばらく車道を行くが、路肩に車が何台か止まっている。洞川温泉の手前でも路肩に多くの車が止まっていたけれど、どうも釣り客のようだ。
20 分少々で清浄大橋に着いた。
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ここにも大きな駐車場があった。1日 1,000 円の有料だが、誰もいなかった。車は2台ほど停まっていて、先ほど車道で横を走って行ったと思われるワゴンが深雪にスタックしていたが、お手伝いをしている時間は無いのでさっさと通り過ぎた。
さて、山上ヶ岳はおそらく日本で唯一残っていると思われる女人禁制の山。ここから先は女性は入れない。
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しばらく木の階段が続く。
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そろそろ雪が出てきた。
出発してちょうど1時間で一本松茶屋。
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この中でアイゼンを着けようと思っていたら、中で二人パーティがアイゼンを着けていたので、そのまま素通りした。
いよいよ完全に雪道になってきたので、道ばたでアイゼンを着けた。初めてのアイゼンで、バンドの締め方は練習してきたつもりだったのだけれど、いざ本番になると忘れてしまっていた。
樹林帯で展望はほとんど無いけれど、空は快晴だ。
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大きな岩につららがかかって、岩陰に小さなお地蔵さん。
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せっかくの好天で気持ちいいのだが、どうもアイゼンの具合が良くない。締め方が正しくないのか、ずれてきている感じだ。
ずれている箇所に木の枝をはさんだりしてみたけれど、すぐに取れてしまった。
冬用のプラブーツで履いていたような本格的なアイゼンではないので、あまり信用できない。チェーンスパイクよりはマシという程度だ。おそらくこの程度の山が使用できる限界だろう。2000m を越えるような山では使えない。
歩き出して2時間ちょっとで洞辻茶屋に出た。
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振り返ると、左に大天井ヶ岳、右は小天井ヶ岳。
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洞辻茶屋の建物を抜けると右側に仁王像。目つきが恐かった。
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この先の分岐で左に入ったが、少し登るとロープが張ってあった。しかしその先にもトレースがあったので、そのまま登ったのだが、急斜面の木の階段は朽ちていておまけに雪がかぶっている。トレースも消えた。
ストックのピックを使って強引に這い上がったが、どうもここは行ってはいけない箇所だったようだ。
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ここを過ぎると、またしっかりしたトレースに合流した。
いよいよ大峰山寺のエリアへ。
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お寺の建物と、おそらく山上ヶ岳のピークであろう山容が見えた。
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山門をくぐる。
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少し行くと開けた地形になっていて、山頂は右側のようだ。
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10 時ちょうどに山頂(1719.4m)に到着した。
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山頂は展望があまり無いので、少し下りた開けたプラトーで腰を下ろした。
正面は八経ヶ岳と弥山、右が稲村ヶ岳。
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単独行の方が一人、休んでおられたが、おそらく一人で静かな方がいいだろうと思って(私ならそうなので)、少し離れた場所でおにぎり休憩にした。
10 分ほどで腰を上げて、当初の予定だった大普賢岳の方へ向かおうとした。
が、まったくのノートレース。
無雪期でもそこそこの距離があるのに、まさか一人ラッセルで進む気にはならない。
と言うことで、あっさりと戻ることにした。
行きにパスした西の覗に寄ってみる。
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どれくらいの崖なのかわからないくらい落ち込んでいる。
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行きに登った間違った箇所は正しいルートを下った。しかしここも部分的には雪の不安定な箇所もあって、おもちゃのようなアイゼンではあぶない斜面だった。
そうしたら下から上がっている単独の人に出会った。一本松茶屋で出会った二人パーティと思ったのはたまたま一緒になっただけだったのだろうか。
さらに洞辻茶屋の手前でももう一人に出会った。
結果的に、この日に山上ヶ岳を登ったのは私を含めてたったの四人だったようだ。こんな快晴の日曜日にこんなに登山者が少ないとは思わなかった。
大普賢岳を止めたので、かわりに大天井ヶ岳へ向かってみようかと思った。しかしここもノートレース。
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少し進んでみたけれど、思い湿雪でスネまでもぐるので、これはムリだと思った。
登山口には 12 時 15 分に下りてきた。
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また車道を歩いて、12 時 35 分に母公堂に戻った。
山上ヶ岳なら冬でも天気が良ければかなりの登山者がいるのではないかと思っていたけれど、予想外に静かな登山が楽しめた。登山者が少ないおかげで大普賢岳へは行けなかったけれど、快適な山行だった。

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