六甲縦走キャノンボールラン

六甲縦走キャノンボールランは今回で7回目の参加になる。毎年、春と秋の二回の開催で、初参加は2013年の3月だった。
これまで春秋それぞれ3回づつ参加していて、結果は須磨スタートゴールの春は2回完走、1回は序盤の転倒で膝を痛めて往路のみで終わった。宝塚スタートゴールの秋は3回とも完走している。
2年前の篠山マラソンを最後にロードレースから退いてしまった今、唯一参加したいと思えるのがこの大会だ。しかし今回はこれまでに比べるとワクワク感が乏しかった。
土曜日は気温が低くて寒かった。しかし動けば身体も暖まるだろうと思って、上はノースリーブのメッシュシャツに長袖ジップシャツ。下はヒザ下までのタイツにカーフサポーターにした。ウィンドブレーカーはザックにしまっておく。シューズはもちろん HOKA の Rapa Nui。
前回から始まった夜間片道クラスのせいか、参加者がずいぶん多い。前回はそれほど増えたとは感じなかったのだけれど。
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定刻の9時より2分ほど早めにスタートになった。今回は後ろの方からのんびりスタートする。
階段を上りきる頃には身体も暖まってきた。
序盤に出てくるエイドは今回もアルコール類ばかりで、寒いのでパスする。
菊水山は0時 15 分に到着。
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菊水、鍋蓋の登りは適度なペースの集団に入ったので、ほとんど疲れを感じずに行けた。
鍋蓋から下りて、大竜寺でようやくまともなエイドに出会えた。ここで一口おにぎりと豚汁をいただく。
さらに市ヶ原でも予想外のエイドが。ここでも小さなおにぎりと具入りスープをいただいた。おいしかった。
摩耶山の登りはほとんど前後に誰もいない時間帯が続いた。
スタートして5時間 20 分ほどでようやく掬星台に到着した。相変わらずここのカレーはおいしい。
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エイドを出たとたん、寒さで震えがきた。しかしここからもおおむね登り基調なので、そのうちに暖かくなるだろうと期待してそのまま進んだ。
しばらくすると震えは収まったものの、かなり寒い。これまでのキャノンボールで最も低温だったと思う。風が無いのが幸いだ。
このあとのエイドも酒やコーラだけだったのでパス。
寒いが、東六甲縦走路に入れば多少はマシになるだろうと思ってそのまま進む。
一軒茶屋あたりのおそらくこの日の最高標高点あたりでは手がかじかんでなかなかうまくシャッターが押せなかった。
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摩耶山あたりまではおおむね想定通りの展開で、いつもなら掬星台まで来れば山場は越えたと感じるのに、今日は何故か気分がまったく盛り上がらない。むしろ意欲が落ちていく感じだ。
ロングレースではこういうことは必ず一度はあるので、そこをしのげばまた復活してくると期待しているのだが、なかなか復活の兆しが見えない。
東六甲縦走路で下りに入ると一段とモチベーションが落ちてきて、もう片道で終わってしまおうかという気分になってきた。
そろそろ夜が明けてきて、宝塚の街が望める。
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9時間1分で塩尾寺下の折り返し地点に到着した。タイムはそれほど悪くはないが、気持ちはもうほとんど切れている。
もうこのまま帰ってしまおうという気分だったけれど、とにかく持ってきたおにぎりを食べて一服した。
一息ついたらやはりこのまま帰るわけにはいかないという気持ちが出てきた。
ウィンドブレーカーを羽織って、急な階段を須磨に向かって上りだした。
しかしその気持ちは5分ともたかった。はやりもう緊張感は失ってしまっていたし、身体が進むことを拒んだ。
結局、急な階段をまた下ることになった。
広場で身なりを整えて、宝塚の駅に向かって下った。片道コースに参加する人達がたくさん登ってきた。陸上クラブの知り合いにも出会った。
2年前のこの大会で転倒の影響で片道で終わった時、キャノンボールはもう卒業と思った。しかしエントリーの時期になるとなぜか見過ごすことができなかった。
おそらくこの大会が気に入っていたのだと思う。
しかし実際のところは「大会」というものに対する意欲がなくなってきていたのだと思う。
マラソンで納得のいく走りができなくなってからも何度も大会に参加したけれど、完走しても満足感のようなものはまったく無く、ただ「やれやれ」と感じるだけになっていた。
今回のキャノンボールも、これまでなら感じていたような楽しさを覚える局面がまったく無かった。ただ義務感だけで足を進めていたようなものだった。
六甲全山往復というのはそんな気持ちでできるほど楽なものではない。
もう潮時だと悟った。
このところ自分で計画した山行きの楽しさが一段と増しているのも大きな要因の一つに違い無い。
UTMF と同様に、キャノンボールにも感謝している。こんなに身近でこれほどの満足感の味わえる大会は他には無かった。
ランナーとしての参加はもう無いと思うけれど、機会があれば私設エイドをやってみたいという気持ちは前から持っている。
けんこう堂やチンタ、ロールアウト他、ボランティアでこの大会の運営に携わっていただいている皆さま、本当にありがとうございました。