平湯尾根から乗鞍岳

乗鞍岳はこれまで無雪期の登山の対象に考えたことは無かった。上部まで車道が通っているし、天候さえ見極めればおそらく一番簡単に登れる 3000m 峰だろう。
西側や南側には渋い登山道があるけれど、登山口までのアプローチが大変だったり、距離が長かったりと、そこまでして行きたいと思えるほどの魅力は感じられない。
先日の乗鞍スカイライン歩きは突然の行き先変更で行ったもので、予め計画していたプランではなかった。装備が不十分で 2800m で敗退となってしまったのだけれど、スカイラインの桔梗が原のあたりから北側の尾根に登山道が続いているのを見て、帰ってからちょっと調べてみた。
私が持っていた古い登山地図では平湯から沢沿いの破線ルートが記載されていたのだけれど、今は尾根伝いの道があって、しっかり整備されているらしい。さっそく新しい登山地図を購入した。
このルートなら早朝発で一日で乗鞍岳を往復できそうだ。標高差 1700m くらいで、それなりの充実感も得られそう。先日はピークまで行けなかった心残りもあるので、そのモヤモヤを解消するためにも早めに実行したい。それに観光シーズンになると山頂エリアは観光客でごった返しそうだ。
昨日(6/17)の日曜日は好天予報で絶好の機会だった。前日の土曜日の昼頃に家を出て、一路平湯へ向かった。

スタートは平湯スキー場で、問題は車をどこに置くかということ。平湯のキャンプ場は駐車料金 1000 円。むかし山スキーで金山岩に行った時はスキー場の駐車場に置いたのだけれど、ここにはレストランがあって、無雪期にはこの店の駐車場という雰囲気になっている。ちょっと停めにくい。
安房トンネルの入り口のそばにちょっとした駐車スペースがあるのだけれど、ちょっと落ち着かない感じ。
スキー場の横の車道を上がって行くと、平湯の大滝公園の駐車場があった。ありがたいことに、公園は閉鎖されているけれど駐車場は使用可とのこと。
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ここならスキー場までもすぐだし、駐車スペースはたっぷりあるので迷惑にはならないだろう。早めにすき焼き鍋で一人宴会して、7時過ぎにはシュラフに入った。
2時起床。おにぎりとカップ麺、コーヒーといういつもの朝食を摂って、2時55分に駐車場を出発した。
今回、新しいスマホのカメラを初めて夜間に使ったのだけれど、どういう訳か霧がかかったようなぼけた写真しか撮れなかった。
スキー場の麓の柵に入り口があることは前日に確認しておいた。
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※下山時の写真
ゲレンデの斜面を上がって行く(左側の緩い斜面)。
ゲレンデの最上部に着いた時、横の方でがさごそという音が聞こえた。びっくりしてそちらを見てみたら、放牧されている羊の群れだった。向こうも夜中にライトが近づいてきたのでびっくりしたのだろう。しかし暗闇で動物の群れに出会うというのは心臓に良くない。
さらに少し上がって、約1時間で登山道の入り口に到着した。これまでに標高差で 500m ほど上がった。
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※下山時の写真
この時期は4時前になると東の空が白んでくる。前方に金山岩。山スキーへ行った時はこの尾根をスキーで登った。
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イワカガミがいたるところに。白い花は何かわからん。
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ご来光は運悪く樹林帯だった。
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5時半に乗鞍権現社に到着した。
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展望が開けて剣ヶ峰が見えてきた。右端は四ッ岳。
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このあたりからルート上に残雪が出てきてルートがわかりにくい。しかもここは下りで、雪面もまだ堅い。とは言ってもここでチェーンスパイクを装着するのはちょっと面倒なので、何とかポールを支えにして下る。
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このあとまたルートが稜線上に出るあたりから風が強くなって、体感温度が一気に下がってきた。この先がどうなるかわからないので、風が当たらない場所で中綿ジャケットとライトジャケットを羽織った。今日持ってきた防寒具はこれがすべて。あとはペラペラのオーバーパンツのみ。
いよいよ展望の素晴らしい稜線歩きになった。振り返ると北アルプス。笠ガ岳から槍穂高連峰。風は治まっている。
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スカイラインに近づいたあたりにはキバナシャクナゲ(ハクサンシャクナゲ?)が随所に。
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ようやくスカイラインのすぐそばまでやってきた。しかし最後にちょっとした雪面を越えなければならない。
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斜面の左側がこの下どうなっているのかわからないので、念のためにチェーンスパイクを装着した。しかしチェーンスパイクは硬い雪面には良く効くけれど、軟雪にはあまり効果が無い。トレランシューズはキックステップができないので、慎重に上がった。
7時11分、出発して4時間15分でスカイラインに出た。緩い登りはスロージョグで、汗ばみながら畳平のバスターミナルに到着した。左の赤い三角屋根が先日テントを張った建物。すでにバスは何台か到着していて、登山者がたくさん登りだしている。
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ここのベンチでおはぎ休憩にして、ジャケットを2枚とも脱いだ。快晴無風の絶好のコンディション。
前回来たときにここから剣ヶ峰方面に斜めの道が上がっているのを見ていたのでそこを行こうと思ったのだけれど、実は道ではなくて、立ち入り禁止の看板が立っていた。前回ショートカットして這い上がった場所も今日は立ち入り禁止。やむなくV字に大回りすることになってしまった。
前回急な雪面をトラバースした場所は実はしっかりした道があって、今日はすっかり整備されている。ちょうど断念して引き返したあたりの斜面はなかなかの急傾斜で、ムリをしなくて良かったと思った。
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何カ所か残雪の斜面があったけれど、チェーンスパイクは着けずに進んだ。あと少し。
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8時48分、出発して6時間弱で剣ヶ峰(3025.7m)に到着した。山頂は 360 度の絶景。標識のバックは白山。
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北アルプス。
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左は八ガ岳。真ん中奥は南アルプス。その手前は中央アルプス。
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御岳。
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展望を楽しんだら早々に下山。雪面の下りはチェーンスパイクを装着した。しかし登りの登山者が多くて、すれ違いに時間がかかった。
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時間的には余裕があるので、富士見岳(右)と大黒岳(左、だいこくだけ)にも立ち寄って行く。
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富士見岳(2817m)と言うくらいなので富士山が見えるかと期待したけれど、残念ながらそれは叶わず。
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富士見岳と大黒岳の間のコルは前回携帯の電波を求めて来たところ。ここのベンチで腰を下ろしておにぎり休憩にした。
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大黒岳の山頂エリアにはミヤマキンバイとハクサンイチゲがいっぱい。
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山頂(2772m)には御来光遙拝所がある。
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イワウメ。
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その後はしばしスカイラインを歩いたり走ったり。
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この稜線を下る。手前の雪面の上部を越えて行く。10時35分にスカイラインを離れた。
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途中、花の写真をいくつか撮ったけれど、ほとんど名前はわからず。
午後1時ちょうどに登山口に下り立った。気分的にはもう下りてきた感じだけれど、これからのゲレンデ歩きは結構長い。何せ標高差でまだ 500m 下らなければならない。最後の消化試合に備えておはぎ休憩。
朝、羊の群れに出会ったゲレンデトップ。
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スキー場のコースはスキーで滑るとあっと言う間だけれど、チンタラ歩くと結構長い。ようやくゴールが見えてきた。
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駐車場に戻ったのは午後1時45分だった。行動時間10時間50分。距離は約 29km でした。
このあとは当然、ひらゆの森へ。わりと空いていて、これまであまり入ったことの無かった露天の奥の方のフロも堪能しました。
好天に恵まれて、温泉も空いていて、おまけに帰りの道も渋滞も無くスイスイで、会心の一日だった。

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