蒜山三山

先の三連休を楽しみにしていた方はたくさんおられただろうと思う。私は土曜日に随行の仕事が入っていたけれど、残りの二日で遠出しようと考えていた。

ところがまたもや台風。土曜日の講座は中止になった。日曜日は天気が回復する予報だったが、台風通過の最中に翌日の準備をする気分にはなれず、それに山はまた強風や大雨で荒れている可能性がある。

最後の月曜日はと言うと、関西から東はどこも降水確率が高く、とても山へ行けそうな雰囲気ではない。

しかしせっかくの三連休。どこへも行かずに終える訳にはいかない。

行くとするなら西に向かうしかない。

天気予報によると大山あたりは降水確率はそれほど高くない。しかし昼頃に雨雲が発生しそう。

以前にこのあたりを通りかかった時、蒜山の山脈が美しかったのを記憶している。端麗な三山だった。

大山は随分以前に登っている。その時の印象で言えば、バリエーションルートにでも行かない限りはまた行きたいと思えるほどの山ではなかった。もはやそんなルートには行かない。

ちょっと遠いけれど、蒜山なら早朝発で日帰りできるだろうと思った。三山を縦走してぐるっと一周すればちょうどいいくらいの行程だ。

朝4時半に家を出て、途中でカップ麺とおにぎりの朝食。そしてコーヒー。想定外の道間違いがあって、起点の塩釜ロッジに着いた時はもう8時を過ぎていた。

準備を整えて出発したのは8時半だった。三山は雲に隠れて見えない。

まずは南側の自転車道路を走って、下蒜山の登山口に向かう。

1時間足らずのジョグで登山口に入る。そばの駐車場はすでに満杯で、路上駐車も何台かある。足元はぐちゃぐちゃ。

駐車場がいっぱいだったので氷ノ山の再来を恐れながら進む。ほどなく傾斜が急になってきて、木の階段が現れた。

さらに急になって、鎖の斜面が続く。最近の雨のせいで滑りやすい。

登山者にはそこそこは出会うけれど、氷ノ山ほどは多くない。それにこの道の状況なら小学生の団体に出会うようなことは無いだろう。

急登を上がり切ったら気持ちのいい笹の稜線になった。比良の稜線のよう。ただし展望は無し。

10時20分、登山口から1時間足らずで下蒜山の山頂(1100.4m)に到着した。

展望も無いので写真を撮ったら早々に先に進む。

幻想的でいい雰囲気。ブナ林?

たまにガスが切れて下界が見える時がある。

ヤマラッキョウ。

リンドウ。

最低鞍部のフングリタワ。

また鎖斜面の登り返しがあって、11時23分、下蒜山からほぼ1時間で中蒜山(1123.4m)に到着した。

そろそろ補給したいタイミングではあったけれど、山頂は人だらけなので先に進む。少し下ったところにちょうどいい具合のスペースがあったので、そこで今日初めて腰を下ろしておにぎり休憩にした。天気予報通り、小雨がぱらついてきた。

幸い、雨は本降りになることはなく、最後のピークの上蒜山を目指す。フラットな場所は走った。ほんのちょっとだったけれど。

登りにさしかかるとまたもや鎖斜面。蒜山はどの山も結構厳しい。氷ノ山のような混雑ではなかったのはそういう山容のせいもあるのだろう。

12時5分、上蒜山(1202m)に到着した。

地形図によると少し北西にあるピークが上蒜山となったいたので、そこまでピストンするつもりだったけれど、標高はここの方が高く、標識にも「上蒜山」と書かれていたので、ここから下山することにする。

展望場所から蒜山高原を見下ろす。

シラヤマギク(ゴマナ?)。

12時51分、無事上蒜山登山口に下りてきた。

しばらく未舗装路を下る。何かを放牧しているのだと思うが(フンの臭いがぷんぷん)、今は何もいない。正面は蒜山の南側の山々。

舗装路に出たら走る。ほどなく自転車道路に合流した。

今日はウォーキングのイベントが行われているようで、ちょうどこの自転車道路がコースになっている。みんな反対向きに歩いているので、不審な目で見られる。

1時40分、塩釜ロッジに戻ってきた。

思っていたより早く戻って来られたので、温泉に寄って帰ることにする。

休暇村蒜山高原のラドン温泉へ。いいお湯でした。

蒜山三山は期待以上の山々だった。下から全容を望むことはできなかったけれど、以前に見た時の記憶ではいずれも顕著なピークを形成していて、実際に歩いてもその通りの地形だった。

結果的に今日のコース取りはベストだったと思う。急な鎖斜面がたくさんあるが、今日の方向だとそのほとんどが登りになる。今日のような雨上がりの滑りやすい状態では反対向きはかなり歩きにくかっただろうと思う。

温泉でさっぱりして気分良く帰路についたのだが、帰りは工事渋滞に巻き込まれて家まで4時間かかってしまった。

遠かったけれど、なかなかいい山でした。ただし再訪は無いと思うけれど。