白倉山、青根ヶ峰

吉野の宮滝から五社トンネルの上あたりに顕著な突起が見える。あまり登山の対象として考えたことがなかったのだけれど、ガイドブックに「白倉山」としてルートが紹介されていた。

以前に宮滝から南に越えた五社峠を経由して蜻蛉の滝と繋がっている。青根ヶ峰までも行けそうだ。

と言うことで 4/5 の日曜日、蜻蛉の滝に車で向かった。

蜻蛉の滝のそばの駐車場に車を停めた。

ちょうど7時に出発した。まずは車道をジョグで東川(うのかわ)に向かう。正面右が白倉山。その左が五社峠。

吉野川右岸の桜が美しい。

「匠の聚(たくみのむら)」に向かう。

登山口がわかるかどうか不安で、左に入る林道でちょっと迷ったけれど、地図ではもう少し先のはずと思って進んだところ、しっかりした道標に出会った。

青根ヶ峰ときっちり表記されているのを見て安心した。

結構しっかりした登りが続いて、30 分ほどで白倉山(587.7m)に到着した。

少し先の展望場所(NHK の電波塔が建っている)まで行って、これから歩く予定の尾根。左端が青根ヶ峰。足下はジョグで通過してきた西河の集落。

山頂からの下りはかなりの激坂だった。普通の登山道でこんな坂はちょっと経験をしたことが無いくらいで、しかも左側は急斜面なので、ヘタに足を滑らせるとタダでは済まない。

道がわかりにくくて一度間違った方向に入ってしまったけれど、gps のおかげですぐに気がついて、20 分足らずで五社峠の川上鹿塩神社(読み方不明)。前回はここまでは上がらなかった。

峠には山仕事の方の車が2台停まっていた。前回は気がつかなかったけれど、この右側の斜面に踏み跡があった。

少し登ったら山仕事の方に出会って少しお話しして、先に向かった。道はわかりにくいが、所々にテープがあるのと、稜線が明瞭なので、さほど苦労は無かった。

五社峠から 30 分足らずでまたしっかりした道標に出会った。

稜線はこの左斜面を登っていくのだけれど、なぜか青根ヶ峰は下の方向を指している。おそらくここを下ると蜻蛉の滝に出ると思う。

ひょっとしたら蜻蛉の滝から青根ヶ峰に向かう道のことなのかも知れないと思って、稜線を忠実に辿ることにした。

実はここが「王峠」だということが帰ってからわかった。

道は完全に無くなったけれど、たまに古い赤テープがある。

ヤブはさほど濃くないので何とか進める。地形がわかりにくい場所が一部あったけれど、gps のおかげで稜線をはずさずに進めた。

しばらくテープも見なくなったけれど、30 分ほど進んでいたら突然踏み跡らしいものが出てきた。おまけに新しいテープが貼られている。

そして「佛ヶ峰(668.5m)」という三角点に出た。

これでもう安心と思ったところ、この先の踏み跡がまったく見当たらない。おまけにこの先、右側に古いネットが張られていてすんなり進めない。

ヤブが濃くなってきたけれど、ここは強引に進むしか無い。ネット沿いに進んだところ、突然左側にしっかりした道が見えた。

一体この道はどこから? 登山地図にも地形図にも書かれていない。気になって少し戻ってみたけれど、かなりしっかり続いていそうなので先に進むことにした。

するとほどなく前に二人の女性パーティがいた。楽しげにお話ししながら歩いている。どうもかなり一般的な登山道のようだ。

追いついてしまったので「この道はどこから?」と尋ねたところ、蜻蛉の滝からとのこと。

帰ってからヤマレコなどで調べたところ、蜻蛉の滝から青根ヶ峰へ行く道としてよく使われているらしい。どうしてこんな道が登山地図に載っていないのだろう。

さらに先ほど三角点のあった「佛ヶ峰」は「大谷山」というのが一般的だそうで、昨年末あたりの記録でも上の写真のプレートは「大谷山」と写っている。

いったいどういうことかと思ったが、写真をよくよく注視してみると、このプレートは針金で吊るされている。おそらく表と裏で表記が違うのだろうと思う。

ガイドブックに記載されている王峠の東にある佛ヶ峰はどこかわからなかった。

ガイドブックに記載されているルートをしっかり見てみると、王峠から大谷山の下あたりまでは稜線ではなく、その下をトラバースしている。王峠の標識に従って青根ヶ峰方向に向かっていれば、踏み跡の無い稜線のアップダウンをやる必要は無かったのだ。

そんなことがわかったのは帰ってからで、一体この道はどうなっているのか、そればかり考えながら歩いていた。

そうするうちに開けた広い道に出た。

展望が開けて、ここからもまた高見山。

金剛山(左)と大和葛城山(右)。

10時25分、青根ヶ峰(858.1m)に到着した。

ここは展望が無いので、下に降りて眺めのいい場所でおにぎり休憩にした。コブシ? タムシバ?

帰りは途中で出会った道を下ってみようかという気持ちもあったけれど、予定通り以前に登った音無川のルートで下ることにした。

蜻蛉の滝に近づいてきたら散策路があったので、そちらに入った。あまり人が来ていなさそうな散策路の展望場所からの眺め。

前回は滝そのものは見なかったので、今日はじっくり眺めて帰る予定。思ったよりも立派な滝だ。

吊り橋を渡って左岸に行くと、白倉山・青根ヶ峰の標識が。

これがあの道に繋がっているのかも。ぜひ訪れたいと思っていた聖天窟(しょうてんのいわや)はこの上かも知れないと思って登ってみた。

数分登った所にありました。

役行者がここで修行したと伝えられている。洞窟の中は?

私は山中での一人テント泊は平気だけれど、こういう場所はちょっと不気味。

そしてようやく蜻蛉の滝と間近でご対面。

これは立派です。落差 50m とのこと。おそらく私が日帰りエリアで見た滝では最大級だと思う。布引の滝は雄滝が 43m となっている。ちなみに布引の滝も役行者の行場だったとか。

布引の滝はあまり近くまでは行けないけれど、ここはすぐそばまで近づけるので迫力は何倍も優っている。

ちょうど 12 時に駐車場に戻ってきた。枝垂れ桜はまだ満開ではない感じ。

時間があるので今日も、これまで何度も前を通りながら立ち寄る機会のなかった宮滝の中荘温泉に行ってみた。

老人福祉センターに併設されている温泉で、露天も水風呂も無いシンプルな施設だけれど、非常に清潔な感じでした。ホームページの割引きクーポンを使えば 500 円。

後から思うと調査不足でつまらないミスをしてしまったけれど、これはいつものこと。準備万端で資料をトレースするような山行きが楽しいかと言うとそういう訳でも無いので、結構満足できる一日だった。

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