坂本から比叡山

比叡山は何度も歩いているけれど、これまで歩いたのはほとんどが京都側からの道で、滋賀県側の道はあまり歩いたことが無い。

京都人の感覚では比叡山は京都の山なのだけれど、最高峰の大比叡(おおひえ)は京都滋賀の県境で、延暦寺は滋賀県である。

延暦寺の僧侶たちはだいたい大津市の坂本あたりに住んでいるので、比叡山は滋賀県の山と言ったほうが適切なように思われる。

比叡山で修行した最澄は坂本の生まれで、延暦寺の主要エリアもすべて滋賀県側なので、滋賀県側の道も歩いておかなければならないという気持ちは以前からあった。

まだまだ下界は酷暑なのでできれば標高の高い山へ行きたいところだけれど、週末の予定などの関係で近場の比叡山に向かうことにした。

8/30 の土曜日、電車で JR 比叡山坂本駅に向かった。

駅のそばの木陰のベンチで準備して8時過ぎに出発した。日吉大社の参道を西に向かう。鳥居の右側に見えるのが八王子山。禿げている部分が金大巌(こがねのおおいわ)のある所。

道がよくわからず、案内板を見てまずは東本宮へ。

ここから急な林道を 20 分ほど上がって、右が牛尾宮、左が三宮。

この二つの建物の間の奥に金大巌。

琵琶湖がきれいに見下ろせる。

ここのすぐ下までは林道で、ちょうど作業の軽トラが停まっていたが、ここからは神宮寺道の山道に入る。少し進むと右の斜面に踏み跡があったので辿ってみたところ、八王子山の山頂(381m)に出ることができた。

道に戻って数分で神宮寺跡に建つ奥総社。

しばらく登山道を行くと、朽ちた林道に出た。

左側にある三石岳(みついしだけ)へ登れる道がないか探しながら進んだが、左側はずっと壁のような状態で踏み跡らしきものは見当たらない。

三石岳を越えて少し進むと左に朽ちた林道の分岐があったので、そちらに向かったところ、最後はヤブ斜面を少し登って三石岳の三角点(675.6m)に出ることができた。

また林道に戻ってしばらく行くと恵心僧都御墓。恵心僧都(えしんそうず)は良源(りょうげん。元三大師)の弟子で、『往生要集(おうじょうようしゅう)』を撰述した。仏教僧のお墓なのに鳥居が立っている。

さらに進むと恵心院。

お次は秘宝館(重要文化財)。これって何?

10時27分、元三大師堂に到着。元三大師(がんざんだいし)は平安時代の天台宗の僧侶で、「延暦寺中興の祖」と呼ばれている。

中からお経が聞こえていた。靴を脱ぐのが面倒なので中には入らず。山門前のベンチでちょっと休憩。

横道に入って、元三大師御廟。ここも前に鳥居が。

横川中堂。

11時ちょっと前に横川のバスターミナルに出た。ここからはしばらく馴染みのルートになる。

せりあい地蔵から一周トレイルコースに入って、玉体杉。

この前で御所を遥拝します。

この道は 20 回くらいは歩いていると思うけれど、南へ向かうのはおそらく初めて。おかげでトレイルランナーと頻繁にすれ違う。

青龍寺への道に少し入った木陰でおにぎり休憩にした。

そして西塔の釈迦堂。

浄土院。

トレイルコースから分かれて根本中堂方向に向かう。坂本に下りるのでタダで入れてもらう。

大講堂まで来ると観光客がいっぱい。

根本中堂は改装中。参拝料を払っていないので中には入らず。

坂本に向かって、途中で法然上人得度の跡地。法然上人は浄土宗の開祖で、比叡山で修行した。

しばらくコンクリートの坂道を下る。

ほどなく未舗装路になって、午後1時12分、本坂を日吉大社まで下りてきた。

日吉大社は入山料がいるので中には入らず。

すぐそばにあった走井元三大師堂。

朝に来た道を下って行くと、「女人牛馬結界石」を発見。

さらに下ると最澄生誕の寺と言われる生源寺(しょうげんじ)。

最後は着替えとビールのために平和堂に向かって、午後1時36分にゴールした。

本坂は昼過ぎでも登ってくるハイカーに何人か出会ったけれど、横川への道は一人も出会わなかった。朝だったので下ってくる人はいない時間帯だったと思うけれど、歩く人は少なそうな感じだった。

しかし稜線のトレイルコースはやはり人が多くて、仕事でもなければもういいという感じ。比叡山を歩くのならトレイルコースをはずした回峰行の道が良さそうに思う。