びわ湖毎日マラソンの終焉

びわ湖毎日マラソンが来年で終わるという報道があった。

大きなショックを受けた。

私はびわ湖毎日マラソンに出場したことはない。実際は「したことはない」のではなくて「できなかった」のである。

私の全盛期の頃は男子では福岡国際マラソン、東京国際マラソン、びわ湖毎日マラソン、別府大分毎日マラソンの4大会がテレビで全国中継されるメジャー大会で、女子は東京国際女子マラソン、大阪国際女子マラソン、名古屋国際女子マラソンの3大会だった。

その頃の日本のマラソン大会は世界の趨勢とは異なっていて、これらはいずれも上位選手だけが出場できる大会で、市民マラソンはトップ選手は出場しない別のカテゴリーのような位置づけになっていた。

その一方で、世界ではボストンやロンドン、ベルリン、ニューヨーク、シカゴなど、いずれもトップ選手から市民ランナーまで何万人ものランナーが参加する大会が一般的だった。

市民ランナーはいろんな人がいるので一括りにはできないが、多くの市民ランナーは日本のこういう大会に参加できることを目標に、そして夢として憧れていたのではないだろうか。

私もそんな中の一人だったので、別府大分毎日マラソンの参加記録をクリアできた時は、それまでの人生で最大のよろこびの瞬間のだった。

しかし東京マラソンの発足がきっかけで、日本のマラソン大会も世界の潮流に乗ることになった。

そのこと自体を否定するつもりは毛頭ないのだが、かつてのエリートマラソンが次々と無くなっていく、もしくは市民マラソン化していくことが非常に寂しかった。

おそらく運営資金の問題などもあるのだろう。

オリンピックや世界陸上となるとあまりにもハードルが高すぎるので、もう少し手の届く場所にあって、けれどそれほど簡単ではない、参加できただけで満足感が得られるような大会がいくつかはあってほしかった。

そういう位置づけで今まで残っていたのが男子はびわ湖毎日マラソン、女子は大阪国際女子マラソンだけだった。

その最後の砦であったびわ湖毎日マラソンがついに来年で終わりを遂げることになってしまった。

この2大会だけは何としても維持してほしかった。

非常に落胆している。

が、視点を変えれば、無くなる方がすっきりしていいかも知れない。

今のほとんど市民マラソン化してしまった別府大分毎日マラソンをテレビで見ると、「これがあの別大か・・・」とがっかりしてしまう。

これも時代の流れなのであろうが、昔の夢が壊されてしまったようで、落胆の感を禁じ得ない。

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