白馬乗鞍岳

今頃の季節は私のような中級レベルの山スキーヤーにとっては、信州あたりの山が一番安全に楽しめる時期だ。まさか先月の北海道だけでお終いにするわけにはいかない。

先日の北海道は 10 年以上ぶりの本格的な山スキーで、復活できるかどうか不安は大きかった。二年前の敗退も大きなトラウマになっていた。

なので道具も 10 年以上前に買ったものをそのまま使っていたのだが、経年劣化なども感じていて、このまま使い続けるのは危ないと思っていた。

幸い北海道遠征が満足できる結果で終わったので、またしばらく山スキーに取り組んでみようと思って、思い切って板、ビンディング、ブーツを新調した。それをぜひ早く試してみたいという気持ちもあった。

ということで、ガイドブックを参考にして、笹ヶ峰から火打山。そして白馬に移動して栂池高原から白馬乗鞍岳。最後に針ノ木岳という計画で出かけた。

4/21(水)の朝。何とナビでは通れることになっていた笹ヶ峰への道が、実はまだ冬期通行止めだった。

幸いまだ時間が早かったので栂池へ移動したが、ゴンドラ運行開始時間よりも早い8時前に駐車場に到着した。

休日は結構混雑するので平日に来たのだが、それでも駐車場にはすでに結構な数の車が停まっていた。

*赤が登り。青が滑り。

まずはゴンドラで上に上がる。スキー場は上のエリアだけが営業している。

ロープウェイを乗り継いで自然園まで上がって、ここからシールで歩き出す。すでにいくつかのパーティが出発して行った。

またもや前回と同じルートミスをしそうになって、あわてて戻って正規ルートを進む。正面に天狗原の端が見える。

しばらく登ると白馬乗鞍岳が見えてきた。ただし山頂はさらに向こう側。

白馬三山。真ん中やや右が白馬岳。コルの左に杓子岳。その左が白馬鑓ヶ岳。

出発して1時間足らずで天狗原に出た。いつの間にか今日の先頭になっていた。

ここからは傾斜が急になるので、新調したクトーを装着した。その間に後ろから来た単独行の人が先行していった。

急な部分を上がって、ジャンクションピークが見えてきた。先行者はこちらに向かって行ったが、私は乗鞍岳のピークに向かう。一昨年はここから先はハイマツになっていたが、今日はまだしばらく雪が繋がっている。

山頂エリアはだだっ広くてどこが山頂かわからない。とりあえず白馬三山。

その左に五竜岳(真ん中)と鹿島槍ヶ岳(左の双耳峰)。

振り返ると行く予定だった火打山(真ん中)。そして左に焼山。両山とも 15 年くらい前に北側の笹倉温泉から登った。

スキーを脱いで、gps を頼りにハイマツ原を彷徨って、ようやく大きなケルンを発見した。11 時 30 分、白馬乗鞍岳の山頂に到着した。

実は三角点はジャンクションピークにあって(2436.5m)、最高標高点(2456m)はスキーを置いてきたあたりになる。

スキーを置いた場所に戻っていたら、ハイマツ原をスキーを履いたままやって来る人がいた。

さて、シールを剥がして、二年前に散々だった斜面を滑る。

思ったよりも急に感じたが、それにしても雪が重い。実は天狗原からもう一度登り返して違う斜面を滑ろうかと思っていたのだが、この雪ではもういいという感じ。傾斜が緩くなると自然とブレーキがかかってしまうくらい(「ストップスノー」と言う)。

木の茂っていない斜面に向かったら足元に栂池山荘が見えた。

二年前に1時間くらいかかって下りてきた斜面を 10 分少々で下って、今日は下りはロープウェイには乗らずに林道を滑り下りた。

まだ昼過ぎなので、ゴンドラの駅のそばでおにぎりやどら焼きなどでのんびりした。

白馬乗鞍岳の山頂まで行けたのでそれなりの満足感はあったが、標高差にして 600m くらいのルートだったので、本当の満足感にはほど遠い。かと言ってこの雪質ではもう一度登り返して滑ろうという気にはならない。

昔なら今頃は非常にいい時期だったのだが、最近はもうこの時期では賞味期限切れなのだろうか。北海道でも思いのほか雪質は重かった。

温泉は先月このあたりにゲレンデスキーで来た時に行った、姫川温泉・天神の湯へ行った。ここは露天風呂から目の前に白馬連峰を眺めることができる。

いつも通り白馬のザ・ビッグで買い出しして、サンサンパークに車を停めた。