ダイトレ全コース(後半)

レースの時は、ダイトレ最高峰の金剛山まで来ると、大きなヤマを越えたと感じる。もうこれ以降は長い登りは無く、距離的にはまだまだあるが、これまでに較べるとアップダウンもぐっと減る。しかし今回はまだまだ先が長い。
伏見峠からしばらくはちょっとした登りや緩いアップダウンの繰り返しで、距離の割には標高が下がらない。逆に言えば、レースならほとんどが走れる地形の部分だ。しかし今日の足の状態では快調に走るという訳にはいかない。緩い下りで走ると左足の痛みが出るので、早歩き程度で何とかごまかしている。
ずいぶん進んだ感じがしたので、行者杉は気付かないうちに通り過ぎてしまったかと思ったが、実はまだ先だった。
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レースではこの先で本来のダイトレコースから別れて天見へ下って行くのだが、そのあたりで一度休憩しようと思う。レースの時にチェックポイントのある場所だ。
『天見』と書いた小さな標識があったが、いつもの別れはもっと先だと思って、こんな道もあるのかと思いながら進んだところ、記憶に無い階段の下りになった。しばらく下ると『山の神』と書いた標識がある。これは道を間違ったと思って階段を上り直して戻ったが、どうにも分かれ道のようなものは見あたらない。GPS は電池が切れかけで、まったく当てにならない。
登山地図で確認したところ、さっき見た『天見』の標識がいつもの別れで、すでに紀見峠への道に入っていることがわかった。しばらく下りると林道、そして車道に出た。もう間もなく紀見峠だ。車道脇にトイレとベンチがあったので、ここで腰を下ろして、シューズのヒモを緩めて、長めの休憩にする。GPS は完全に電池が切れた。9:15 くらいだっと思う。
おにぎりを食べて、ライトジャケットを上下とも脱ぎ、帽子も脱ぐ。15 分くらい休んで、紀見峠へ向けて再スタートだ。もし足の痛みがおさまらなかったら南海の紀見峠駅へ行けばいいだろうと思って走り出したが、先ほどしばらくシューズを脱いだのが良かったのか、足の具合は良さそうだ。
紀見峠という標識を越えて下りになると、後ろからランナーが追いついてきた。槇尾山まで行くと言ったところ、『それならダイトレのコースを行った方がいい』と言われた。本来の分かれをすでに通り過ぎていたようだ。GPS が使えなくなったらさっそくのロストだ。
ロスタイムは 10 分くらいだったが、もしあの時にあのランナーに出会わなかったら、あのままどんどん下って行ってしまったかも知れない。いくら何でももう少し行けばおかしいと思ったかも知れないが、あのまま下ると駅に行ってしまうので、駅への誘惑に負けてリタイアしていたかも知れない。
今回、無事完走できたのは、ここであのランナーに出会えたおかげかも知れない。が、その時はこのまま駅まで下ってしまえば止めることができたのに、という気持ちも心の底には若干あった。
本来のコースは紀見峠の手前(今回は戻ったので峠を少し越えてから)に分かれがあった。すぐに山道になって、いきなり結構な登りだ。その後、登ったり下ったりして、岩湧山三合目への長い登りが始まる。
事前に地図でルートを見ていた時は、紀見峠以降は距離はあっても消化試合程度の気持ちで、しっかりと確認していなかったのだが、実は岩湧山は 900m 近くある大きな山だった。結構な登りが延々と続く。まるで岩橋峠から葛城山へ向かうような感じだ。
途中のベンチで梅干しとアミノ酸の錠剤を補給する。根古峰を越えてしばらく行くと、左に車道が見えて、しばしで車道に出た。しかしすぐにまた山路に入る。GPS が使えなくて不安なので、地図を手に持ったまま進む。いつの間にか足の痛みはあまり感じなくなっている。
少し下ったら駐車場が見えて、その先にススキの穂の生い茂った、岩湧山の山頂と思える山が見えた。
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本当の頂上はまだこの少し先だった。岩湧山へ登るイベントが開催されているようで、頂上にはゴールゲートが設置されていて、ナンバーカードを着けた人がたくさんいた。頂上に着いたのは 11:23 だった。
ベンチに腰を下ろしてジェルを補給して、早々に先を急ぐ。イベントの参加者が下山するので、下山者がたくさんいる。ただ、単なるハイキングのようなイベントではないので、下山者もそこそこのスピードで下って行く。
前に3人ほどいて、私にとっては若干余裕があるくらいのペースで下って行くので、あえて抜くことはせずにしばらく後を付いて行った。
そのうちに前の二人が後ろに回って、男性の後ろを追いかけるような形になったところ、その男性が声をかけてきた。自分はこのイベントとは関係が無く、一人で屯鶴峯からやってきて、槇尾山まで行くつもりということを話すと、『それなら前へどうぞ!!』と譲られてしまった。
もう少し速く行きたい気持ちはあったが、足の状態が状態なので、これくらいがちょうどいいのではないかと感じていたので、道を譲られたのはありがたいやら困るやら・・・。しかし譲られてしまうと、スピードアップしないわけにはいかない。ちょうど地形的にもわりと走れるくらいの路だ。
致し方なく走り出したところ、予想外に走れる!!。しばらく早歩き程度で来たので走る筋肉が休めたのか、足の痛みもほとんど無く、気分良いトレランモードになってしまった。
そのまま一気に下って、イベントのスタート地点になっている滝畑を通過して、本日最終ステージの槇尾山への路へ入った。もうこれでよほどのアクシデントでもない限りは完走間違い無しだ。
ここからもかなり急なアップダウンが続いたが、最後の急登を何とか登り切って、ようやく施福寺へ到着。観光客だらけだ。
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参道の長い階段を下って、コミュニティバスの乗り場に到着したのは 13:37 だった。12 時間もあれば踏破できるだろうと思っていたが、実際には 13:50 ほどかかった。しかしこれで心置きなくダイトレを卒業できると思うと、本当にうれしかった。

ダイトレ全コース(前半)

昨日は予定通り、ダイトレの全コース走破へチャレンジしてきた。
精神的にも肉体的にも、途中で何度もリタイアを考えたが、何とかギリギリで持ちこたえて、最後まで走り通すことができた。ただし GPS の電池が途中で切れたため、地図の履歴は紀見峠手前まで。

より大きな地図で ダイトレ を表示
本当に行くかどうかを最終決断したのは土曜日の夕方だった。前日にはけっこう期待感を感じていたのだが、いざとなると不安が大きくなってきて、いつものクセで何か止める口実が無いかと探しだしていた。
しかし一度はやると決めたこと。ここで大きな理由も無いのに止めてしまうと、後々後悔をずっと引きずることになるし、いずれにしてもいつかはやらなくてはならないテーマだ。それならはやり今回、何としても実行に移そうと思い直して、夜の 10 時に家を出た。
ウエアをどうするかを迷ったが、上は長袖の登山用下着にランニング用の長袖ジップダウンシャツ。アプローチ用にウルトラライトジャケット。下はロングタイツ。アプローチ用にはウルトラライトパンツということにした。雨の心配は無さそうだ。防寒対策にネックウォーマーにもなるふわふわしたフリースの帽子を入れた。トレランポールは無し。そしてシューズは、今日の午前中に届いた新しい Salomon の XR Crossmax Neutral。
京橋と鶴橋で乗り換えて、近鉄の関屋駅へ着いたのは 11 時 39 分。途中、河内山本駅で反対ホームに信貴山口行きの電車が見えた時、あれに乗って、勝手知った生駒のコースに変更しようかという誘惑に一瞬かられた。
思った以上に寒い。着替え用の長袖下着シャツを持ってきているが、それ以外にはもう着るものが無い。これでこの先、一段と寒くなる時間帯に 1000m を越える金剛山へ向かって大丈夫だろうかと不安を感じる。取りあえずジャケットは上下とも着たままで、ヘッドランプとハンドライトで関屋駅をスタートした(23:47)。
ここからレースのダイトレで上がる岩屋峠までは未知のコースだ。
GPS のルート表示を確認しながら進むが、新しい住宅エリアに入るとさっそくわからなくなった。屯鶴峯とおぼしき山影をコースの目安にして進むが、早くもコースロスト。GPS の表示が安定しないので、現在地がどのあたりなのかはっきりわからない。
適当に進んでいると車の多い道に出て、GPS の表示が安定してきて、ようやく現在地を把握し、正しいルートに戻ることができた。そんなことでウロウロしているうちに身体が暖まってきたので、きれいな公衆トイレでジャケットを脱いだ。パンツも脱ぎたかったが、シューズを脱がなければならないのが面倒で、しばらくこのまま行くことにした。
屯鶴峯の階段ではダイトレの起点石を少し探してみたが、見つからなかった。階段を上がって、少し行って例の奇岩を少し登ったが、休憩ベンチのようなものがあって、その先のルートがわからなかったので、ここで引き返すことにした。
二上山への道はすぐにわかった。ようやく山道に入ってほっとしたが、これから明るくなるまではおそらく誰にも会わないだろう。むしろ誰にも会いたくない。こんな深夜の山道で他人に出会うのは不気味だ。
さっそくダイトレ名物の階段が始まった。ダイトレはこれがイヤなのだ。自分のリズムで歩けないし、階段を歩いていると山を歩いている感じがしない。こういうのを称して一般的には『登山道が整備されている』と言うのだろうが、私には山の風情を破壊しているとしか思えない。ただ、自然の山路だと人がたくさん歩くとどうしても荒れてくるので、その保護のためという面は理解できなくはないが。
二上山のピークはカットして、いつの間にやら岩屋峠を通過して、竹之内峠に出た。ここは数年前、初めてのダイトレのレース前に試走で通って以来だ。本番のレースではここは通らない。
試走の時もここで道がわからなくてウロウロさせられたが、今回も少しウロウロした。正規ルートに入ったら休憩エリアがあったので、ここで腰を下ろしてジェルを補給する。このあたりだと動いているとまださほど寒くはない。
レースのダイトレのコースと合流すると、また登山道になる。時々フラットな部分もあるが、おおむね登り基調。徐々に気温が下がってくるのがわかる。しかしこの程度なら動いていれば寒くはない。
岩橋峠でまた休憩して、葛城山へ向けて長い登りに入る。右側には大阪南部、左側には奈良の夜景が時々見える。樹林帯なので、木の間から明かりがちらっと見えると一瞬どきっとする。
走り出せば気持ちも乗ってくるかと思っていたが、さすがに深夜の単独走ではなかなかそうもいかず、おまけにだんだん寒くなってくるので、むしろ気持ちは後ろ向きになってくる。途中で分岐に出会うと、一瞬下界へ向かってしまいたい気持ちが頭をもたげる。しかしこんな時間に下りてもバスはもちろん、電車も走っていない。
うんざりさせられる階段を何とか登り終えて、葛城山に到着したのは午前4時過ぎだった。レースの時はここまでだいたい2時間で来るのだが、今日はすでに4時間以上かかっている。休憩所の自動販売機のそばにベンチがあって、ちょうど明るくて風もしのげるので、腰をおろして休憩する。
パンを一切れ食べて、寒いのでジャケットを着て、そしてフリースの帽子をかぶる。
下り始めは風があって寒かったが、風がなくなると一気に暑くなってきた。頭は汗がにじんでいるし、身体も少し汗ばんできている。こういう時に汗をかくのはあまり好ましくない。しかし間もなく登りになるので、このまま足を進める。
水越峠でまた一瞬ルートがわからなくなったが、フェンスの隙間にコース設定されているのを見つけて一安心。
休憩場所で湧き水をコップ一杯飲んで、いよいよ金剛山への登りに入る。金剛山へはほとんどずっと登り一辺倒というイメージだったのだが、こうやってゆっくり登っていると、途中に以外と走れるような部分がある。レースではこういう部分は一気に走ってしまうので、ほとんど記憶に残らないのだろう。
なかなか気持ちが上向いて来ない中、どうにか金剛山までやってきた。もう6時前だ。しかしここまで来れば、少しは気持ちも楽になってきた。ここで止めるわけにはいかない。
ここからは整備された道をしばらく下っていくことになる。何とここで、ライトを点けて登ってくる人たちに何人か出会った。この山はそういう人たちが結構おられるようだ。
ところが突然、右足の甲の横あたりに痛みが出てきた。せっかくの走れる下りなのに、これでは歩くしかない。ロングトレイルでどこかに痛みが出ることはよくあることだが、だいたいはそのうちに収まってしまう。しかしこの痛みはちょっと気になる。
せっかくここまで来て、気持ちが前向きになってきたのに、おかげでまた弱気の虫が騒ぎ出してきた。ここからなら千早赤阪へ下りる簡単な道がある。まだバスは走っていないだろうが、少し待っていれば走り出すだろう。
しかしこれまでの階段にうんざりさせられて、もうダイトレはたくさんという気持ちもかなり強くなってきている。ここでリタイアしたら、どうしてももう一度は再挑戦しなければ気持ちがおさまらないだろう。となると、またこの階段を上ってこなくてはならないわけだ。それはできれば避けたい。何とか今日を最後にしたい。とにかくここで少し休憩して、それから様子を見ることにしよう。
店の陰で風を避けて、大福餅を食べる。そろそろあたりもうすら明るくなってきた。
10 分ほど休憩して、再スタート。ここで痛みが治まっていなければ諦めて下りるしかない。本音の部分では下りたい気持ちと下りたくない気持ちが半々というところだったが、幸か不幸か痛みは再発せず、覚悟を決めて先へ進むことにする。
そうと決めたらあとは何が何でも最後まで行くしかない。とギアを入れ直したところ、なぜか GPS の電池が残り少なくなっているという警告。まだほんの数時間しかたっていないのに、どうしたのだろう。GPS が本当に必要なのは、未知のルートになる紀見峠以降なのだ。
その刹那、今度は左足のくるぶし付近を急な痛みが襲ってきた。感覚的には疲労というよりも、靴紐の締め方の具合によるもののように感じられる。新品のシューズでいきなりロングルートを走ったせいだろうか。このシューズはヒモがちょっと変わっていて、細い糸のようなものにストッパーがついていて、引っ張るだけで締められるようになっている。便利と言えば便利なのだが、何となく徐々に緩んでくるような感じもするし、微妙な調整がやりにくい。
登りでは大丈夫なのだが、下りで足が前の方にずれるような力がかかると、思わず立ち止まるほどの痛みになってきた。右足の痛みは小康状態という感じで、あちらが収まればまたこちらというモグラ叩き状態だ。
ただ、普通に歩くぶんには何とかなるので、ここまで来たらもうタイムにはこだわらずに歩きでも最後まで行こうという気持ちになってきている。ガスってはいるが、夜も明けているので、真夜中とは気持ちも違ってきている。
そんな不安な気持ちを抱えながら、幻想的な樹林帯を進んで行った。
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第9回六甲縦走キャノンボールラン・復路編後半

通常の片道の時は、摩耶山まで来ればゴールが見えてくる気分になれるのだが、往復となるとそこまでの安心感は無い。しかし大きな山場は越えたという安堵感はあった。
掬星台のエイドはいつもカップラーメンのサービスがあるので、ここでお腹を満たそうと楽しみにしていたのだが、何とまたしても品切れとのこと。周りにはカップ麺を食べている人が何人かいたので、ギリギリで終わってしまったようだ。
かなりがっくりきたが、幸いなことにおにぎりがいくつか残っていたので、それをいただくことにした。トレラン中のおにぎりはそのままではなかなかノドを通らないので、水を飲みながら無理矢理流し込んだ。
少しはお腹も満たされたので、10分くらいで重い腰を上げる。時間は午後2時少し前。通常の片道ならここからあと3時間半くらいだが、今日の場合はあと1時間くらいは余分に見ておく必要があるだろう。宝塚のゴール最終が当初の設定では6時半なので、かなりギリギリだ。スタートが少し遅れたのでその分、時間が延長されることを期待しよう(実は須磨のスタートで、ゴール最終は午後7時という案内がされていたようだが、私は聞きそびれた)。
登りでは結構汗をかいたが、上まで上がると以外と風が冷たくて寒い。アゴニー坂を下ってから少し行くと、想定外のエイドが現れたが、飲み物は水とワイン!!とのことで、パスする。このあたりは歩道の緩い下りなのだが、それでももうまともには走れない。かろうじて『歩いてはいない』という程度だ。
一旦、石段の山道に入ってしばらく登って、またドライブウェイに出る。ここからはしばらくやや登り勾配の車道が続く。早歩きが精一杯だ。
記念碑台でまたエイド。ここではコーラをいただく。
みよし観音というのを初めてしっかり見て、ガーデンテラスを通過。そして極楽茶屋のエイドに到着した。ザ・デストロイヤーが迎えてくれた。
だいぶ寒くなってきたので、暖かいスープをいただく。
ドライブウェイと登山道のショートカットを交互におりまぜて、本日最後のエイドの一軒茶屋に到着。ここでいただいた、具の入ったカレースープはおいしかった。かなり寒くなってきたが、これからは下りなので、上着は着ずに行くことにする。
時間は午後4時少し前。昨夜は登りでここまでほぼ2時間だったが、今日は下りでもそれ以上かかるだろう。元気ならガンガン走れる部分なのだが、今日はもうそれはムリというもの。いやらしいことに、距離はまだたっぷりある。おまけに、右足の親指から拇指球あたりにかなり痛みを感じてきた。まるでシューズがきつくてツメが当たっているような感じの痛みなのだが、実際のところはそういうことではなさそうだ。
東六甲縦走路に入ってすぐに3人のグループに抜かされてからは、誰にもあわない。前回は最後の2時間ほどは5人くらいのグループが自然にできて、ダベりながら歩いたのがかなり気分転換になったのだが、今回はまったく正反対の状況である。まるで八ガ岳スーパートレイルの関門手前の下りのようだ。ただ、今日は道を間違える可能性は極めて低いので、八ガ岳の時のような不安感はまったく無い。しかし急な下りでは右足が痛い。
そんなわけで、独りぽっちで淡々と歩いていたら、下から猛スピードのランナーが駆け上がってきた。何事かと思ったら、何と、今度は UTMF チャンピオンの原良和さんではないか。すぐ後ろはおそらく奥さんの朋子さんに違いない。完全な本気練習モードだったので、挨拶を交わしただけだった。
それにしてもこの時間に空身で上へ向かって、どういう練習スケジュールなのだろう。ドライブウェイまで上がってから折り返してくるのだろうか。
大谷乗越は5時10分くらいだった。まだ明るいが、秋の夕暮れはあっと言う間に真っ暗になる。塩尾寺まであと30分くらいだろう。何とかヘッドランプ無しで行きたいのだが。
しかしその期待もむなしく、塩尾寺近くの急な下りに入る前に、かなり暗くなってしまった。このあたりは樹林帯で陽もあたらないので、あきらめてヘッドランプを出した。しかし何とか6時半までにはゴールできそうだ。寒いが、もう少しなのでこのまま行く。
塩尾寺からは車道を下る。最初のショートカットは階段なのでそちらへ行ったが、次の山道急勾配ショートカットは昨夜と同様、車道をたどることにした。
一般登山者の何人かと前後しながら急な車道を下って行く。昨夜のようなムダな大回りも無く、左に曲がって川沿いの細い道を下る。ゴールはもうすぐそこだ。幸い、右足の痛みもあまり気にならなくなっている。
2回目となると前回のような感慨は無いが、それでもやはりこれだけの距離を時間をかけてたどって来ると、胸にこみ上げてくるものはあるし、終わってしまうのが少し寂しいという気持ちも多少は湧いてくる。こんな気持ちをしっかりと心に焼き付けようと強く意識しながら、ゴールを目指した。
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車道に出て、ローソンの角を右に曲がって、最後の階段だけは何とか走って上がって、湯本台広場のゴールに到着したのは6時20分だった。
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第9回六甲縦走キャノンボールラン・復路編前半

須磨浦公園の駅前には片道コース(スピード)の参加者がたくさん集まっている。天気も良く、今日は暑くなりそうだ。
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復路は少し長めの報告になりそうなので、2回に分けて書こうと思う。
スタートの予定は7時半。休憩が1時間少々というのはちょうどいいくらいだ。足をマッサージして疲れを取って、復路スタートの準備をした。
いつものパターンで、復路スタートの時間が7時45分になるとのこと。おそらく宝塚到着は暗くなってからになるだろう。
集団の後ろの方からスタートする。結局、おにぎりは到着しなかった。蒸しパンを食べておいてよかった。
スタート直後に右側の階段のショートカットに行くのだが、ここが大渋滞になっている。参加者は300人少々くらいだが、二人は並べないくらいの狭い階段なので、しばらく待っていなければならない。いくらあせらないとは言ってもスタート直後にただ待っているのはあんまりなので、多くの人と同じく、大回りのヘアピンコースへ行った。次の階段からは幅が広くなるので、歩きのペースならスムーズに行ける。
思ったよりは楽に旗振茶屋まで上がって、ここからは少しトレイルを走る。スピードの人たちがどんどん追い抜いて行くが、気にせずに自分のペースで行く。目標は10時間以内だが、まずは完走できなければ話にならない。
高倉台の横断橋の緩い登りも走りのリズムで乗り越えて、いよいよ栂尾山への階段登りである。狭い階段なので、ここで一人遅れたりすると厳しい目に遭うのだが、何とか流れに乗って登り切ることができた。
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集団について走っていたが、詳しい人が前で先導しているようで、栂尾山の頂上は手前でトラバース。横尾山もやや細い道をトラバースして頂上をパスして行った。しかし私は集団からは徐々に遅れ気味になり、道幅の広い場所ではしばしば後続に道を譲ることになる。
渋滞が予想された須磨アルプスは以外とスムーズに通過して、馬の背での写真撮影もパスして先を急ぐ。
妙法寺住宅街の最初のエイドでコーラとスポーツドリンクをいただいて、交差点を越えてからはいつものショートカットで高取山への登りに入る。
丸山の住宅街あたりまで来ると、緩い登りでも走るのが厳しくなってきた。ジェルでエネルギー補給をする。
鵯越を過ぎて、水道局の前で二つ目のエイド。ここは往路にもあったところだ。往路の時は小さなおにぎりがあったのを覚えていたので、須磨で食べられなかった分を補給したいと思っていたが、すでに無くなっていた。往路の時よりは具の少なくなったスープとお茶をいただく。
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いよいよ復路最初の難関の菊水山への登りにさしかかる。登りは最初は苦しいが、5分くらいすると身体が慣れてきてリズムに乗れるようになる。こうなるとしばらくはそのまま登り続けることができる。ちょうどそういうリズムになってきたところ、前方が長い列になっていて、ゆっくりペースでしか登れなくなってしまった。3歩登ったら少しストップという状態でイライラする。しかし仕方ない。
結局、菊水山の頂上までずっとそのままで、復路スタートから3時間20分ほどかかった。できればあと10分くらいは早く着きたかった。
今度は頂上エリアはパスしてすぐに下りにかかる。例の横道への目印を逃さないようにと注意していたのだが、それでも見逃してしまって、無駄な下りと登りをやることになってしまった。ほんのわずかのことなのだが、こういうミスは精神的ダメージが結構大きい。
天王吊橋を渡って、第二の難関の鍋蓋山への登りに入る。こういう登りは嫌いではないのだが、このあたりからかなり疲れを感じてきた。どうもガス欠ぎみのようだ。ここを登って下ると次のエイドなので、何とかそこまでは頑張ろうと思うが、目に見えて身体が重くなってきた。
これはヤバイ!!。リタイアという気持ちがチラッと頭をかすめたが、今回は宝塚に荷物を預けているので、リタイアしてもまた宝塚まで行かなければならない。これは何としても避けたい。
いよいよ手持ち食料の最後の大福餅を食べるしかないと思い、何とか鍋蓋山の頂上までは行きたいと思ったが、そんなことに拘っている場合ではないと思い直して、道ばたが少し広くなったところに腰を下ろして、補給することにした。
頂上はそこからほんのわずかのところで、少し下って次のエイドに到着した。ここでは豚汁をいただいた。前回のここの豚汁は塩辛くて、おまけに水が無くて困ったのだが、今回はそういうこともなく、おいしくいただくことができた。ただ、本当のところは炭水化物がほしいのだ。次の市ヶ原のエイドに何かあることを期待しよう。
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市ヶ原のエイドまではわずかの距離だったが、期待した炭水化物はすでにおかゆが売り切れとのことでがっかり。しかし鍋を覗くと底の方に少し残っているので、ムリを言ってそれをお皿によそってもらった。ほんの二口程度だったが、それでも気分的には随分満たされた。
ここまでスタートから5時間。できれば掬星台まで5時間半くらいで行きたかったが、おそらく6時間を少し超えるだろう。宝塚到着があまり遅くなると、荷物を後から取りに行かなくてはならなくなってしまう。
これからいよいよ復路最後の難関、摩耶山への登りだ。ここを登り切れば完走が見えてくる。菊水山の登りのような渋滞を心配したのだが、それほどの渋滞は無く、おおむね自分のリズムで登ることができる。ガス欠状態もすでに持ち直していた。
もうあとひと踏ん張りかと思っていたところ、下りで道をゆずってくれた女性をふと見ると、何か見覚えのあるお顔。あの、佐藤光子さんだ。京阪神のトレイルならどこで出会っても不思議ではないが、六甲というのはこれまでホームページでも見た記憶が無かったので、非常に以外な気がした。
少しの間、お顔を見つめてしまったので、このまま黙って通り過ぎると『変なオッサン』と思われそうな気がして、思い切って『サトウセンセイですよね』と声をかけた。
ご本人にお会いするのは初めてだ。少しだけお話しさせていただいたが、『UTMF なんかは出場されないんですか?』とお聞きしたところ、『エイドがあるような大会はあまり好きではなくて、全部自分で背たろうて(ご本人の弁)行くのが好きなんです』とのお返事。
これは目から鱗というような視点で、この『背たろうて』というお言葉がその後ずっと、私の頭にこびりついている。
おかげさまで気分が高揚して、それから掬星台まではあっと言う間だった。スタートからほぼ6時間だった。

第9回六甲縦走キャノンボールラン・往路編

台風の影響もあまり無く、無事、第9回六甲縦走キャノンボールランが開催された。今年2回目で、私自身にとっても2回目となる。
第7回までは毎回必ず天候が荒れるという大会だったが、前回初めて雨の降らない大会となって、今回も好天が期待される条件だった。しかし台風が過ぎ去った後なので、北からの寒気で寒くなりそうだ。
とは言っても3月よりは暖かいだろうと思って、上は前回と同じくファイントラックのノースリーブシャツに鯖街道の参加賞の長袖ジップシャツ。下は八ガ岳の時と同じストレッチハーフスパッツに薄い膝下までのストッキングという出で立ちで行くことにした。
今回は着替えなどの荷物は宝塚に預けて行くことにする。防寒対策は半袖Tシャツ1枚とウルトラライトのジャケットとパンツのみ。3月は摩耶山に上がってから風が強い中でもライトジャケットだけで大丈夫だったので、これでいいだろうと思った。
今回は、少しでも助けになるならと最初からポールを使うことにした。そしてヘッドランプは以前使っていたペツルにする。これは光量はGENTOSより少ないが、GENTOSがどうも今イチなので、再登場してもらうことにした。両手にポールを持っているので、ハンドライトはザックに入れておく。
今回はスタートが2部制になっていて、9時と10時のどちらか好きな方を選択できる。須磨ではある程度は休みたいが、休みすぎるとだれるので、なかなか選択の難しいところだが、安全を考えて9時スタートにした。
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予定時刻を少し過ぎた9時10分に湯本台の広場をスタート。前日までの雨でショートカットの山道の急登は登りにくいと思ったので、あえて遠回りして車道を行くことにした。しかしこちらに曲がったのは私だけ。
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こちらのルートは久しぶりで、おまけに宝塚からここに向かうのは初めて、さらに夜間ということで、必要以上に大回りしてしまったが、無事本来の道に合流できた。息が上がらずに来られたので、まぁまぁ良かったと思う。
おおむね前回の試走と同じくらいのペースで進む。本音はもう少し良いタイムを期待していたのだが、体感ほどにはペースは上がっていない。ヘッドランプもやはり光量が少なくて暗い。おまけにベルトが横の輪だけで、頭頂部には無いので、走ったり下ったりするとずれてくる。サングラスがあるのでどうにか止まっているが、やはりこのヘッドランプは失敗だった。
30分もすると身体が暖まってちょうどいいくらいになってきたが、高度が上がるにつれて風が強くなってきた。幸い、このあたりはまだ樹林帯なので、風が直接当たることは無いのだが、ドライブウェイに出たらちょっと厳しいかも知れない。
試走とほぼ同じの約2時間で一軒茶屋のエイドに到着。あと10分くらいは良いタイムを期待していたのだが、仕方ない。ここではサンドイッチを二切れもらって、そのまま食べながら歩き続けた。幸い、風は直接当たることはほとんど無い。神戸の街の夜景がきれいだ。
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六甲山ホテルのあたりで、10時にスタートしたトップランナーが駆け抜けて行った。異次元のスピードだと思ったが、おそらく片道5時間少々くらいだろう。しかしよく考えてみると、私も20年ほど前にはタイムトライアルで須磨から塩尾寺の下まで5時間1分で駆け抜けたことがある。昔はあれと同じか、ひょっとしたらもう少し速いくらいのスピードで走っていたのだと思うと、何とも情けなくなると同時に、こんなになってもまだ続けている自分をちょっとほめてやりたい気持ちにもなる。
3時間半で掬星台に到着。これも試走とほぼ同タイム。ここのエイドでカレーライスをいただく。試走の時にここでパンを食べて、天狗道の下りでお腹の調子が悪くなったので、カレーなんか食べて大丈夫だろうかと思ったが、はやりできるだけカロリーを補給しておきたい。
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試走の時はこれから先が5時間半近くかかってしまったが、何とかそこを5時間くらいで行きたい。
幸い、お腹は大丈夫で、道を間違えることもなく市ヶ原へ。そして大竜寺への車道を登る。
鍋蓋山の下りもポールのおかげて試走の時よりはスムーズに下りられた、菊水山はうっかり頂上に出てしまったが、止まらずにそのまま通過する。
菊水山を下りたところの水道局のそばにエイドがあった。あたたかい具だくさんのスープをいただく。おいしい。
鵯越を越えると難関の丸山住宅街に入る。駅のそばのショートカットはしっかり利用して、その後も順調に進んだが、信号を渡ってすぐに右折するところであやうく真っ直ぐ行ってしまいそうになった。ここは前回も間違ったところだ。何となくおかしいと感じた瞬間、後ろから声をかけてもらったので、交差点を過ぎてすぐのところで車道を渡ることができた。
このあたりまで来るとどのくらいのタイムが適切なのかよくわからなくなってくるのだが、どうも期待したほどのペースではなさそうだ。試走の時とあまり変わらないような気がする。試走の時はこのあたりから結構疲れてきて、おにぎり休憩やコーラ休憩を取ったので、なんとかその分でタイムを稼ぎたいと思う。
須磨アルプスではコルからの登り返しで少しルートをはずれてしまった。前に誰もいなかったので自分のヘッドランプだけを頼りに真っ直ぐ登ったところ、実は左側をトラバースぎみに行かなければならなかったのだ。もろい岩場を無理矢理登ってきたので戻ることもできず、何とか下れそうな斜面を見つけて事なきを得た。
もう須磨まではエイドが無いので、淡々と足を進める。試走の時にコーラを買ったスーパーのあたりでは、ひょっとしたら試走の時よりもタイムが落ちるのではないかと感じてきた。ただ、そのためにペースアップということはやらない。と言うよりは、できない。
しかしこのあたりの山道、まだ暗いと言うのにライトを持って登山に来ている人が結構たくさんいる。よくやるなと感じるが、我々の方がもっと変わっているのかも知れない。
そろそろうすら明るくなってきた。旗振山からは明石大橋がしっかり見える。しかし前回のような感慨はまったく無い。
すっかり明るくなった6時20分に、ようやく須磨浦公園の駅に到着した。何と9時間10分もかかってしまった。しかし体力的には試走の時よりもはるかに余裕があるので、何とか宝塚まで戻れるだろうと感じた。
予定のおにぎりがまだ到着していないということで、暖かい紅茶をいただいて、持参したパンを食べた。
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宝塚から六甲縦走

今日は予定通り、宝塚から六甲を縦走してきた。
5時12分の始発に乗って、宝塚到着は6時45分くらい。家を出たときはまだ暗かった。昨日までとはうって変わって、少し寒い。

より大きな地図で 六甲縦走 を表示
湯本台のローソンの裏で支度をして、7時前にスタートする。いきなりの急登は息が上がらない程度にじっくりと。25分ほどで塩尾寺を通過して、55分くらいで大谷乗越。次の車道から山道へ入る分岐を見落としてしまったが、すぐに道が途切れていたので少々のロスで助かった。
気温もやや低めの快晴で、樹林帯の中を快調に進む。1時間50分ほどでドライブウェイに出た。体感よりは時間がかかっているが、あせらないようにしよう。
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日射しを浴びるようになったので帽子をかぶって、少し空腹感を覚えたのでジェルを補給する。
ガーデンテラスへ向かう山道の分岐は一瞬忘れそうになった。
ガーデンテラスは一瞥しただけで通過して、前回のキャノンボールで通過してしまったアゴニー坂への分岐もしっかりと確認して、スタートから3時間半ほどで掬星台に到着した。ここで今日初めて腰を下ろして大福餅を食べる。
前回のキャノンボールの往路や試走で、須磨からここまでおおむね5時間くらいだったので、これなら今日の目標の8時間は何とかいけそうと思った。
下りのショートカットも間違えずに通って、快調に下って行く。しかしモチを食べた後に急な下りでお腹に衝撃が加わったせいか、下腹部に鈍痛を感じるようになってしまった。走りにさしさわるほどではないが、あまり気持ちのいいものではない。
下りは思ったより長かったが、前回若干の大回りをしてしまった箇所も本来のルートを辿って、市ヶ原へ下りてきた頃にはお腹の具合も回復していた。
六甲縦走は宝塚から須磨へ向かう場合、実はここからが正念場だ。細かいアップダウンの繰り返しで、これがボディブローのように効いてくる。あせらずにじっくりと歩みを進める。
鍋蓋山の下りは難渋した。ソールのすり減ったジョギングシューズできたので、細かい砂のかぶった下り坂で何度となく足を滑らせた。キャノンボールの復路ではこんなに難渋した記憶が無いのだが、あのときはトレランポールを持っていたせいかも知れない。
いずれにしてもこのジョギングシューズは今日で引退してもらうことにしよう。結構愛着を感じていて、生駒のトレイルは何度も行ったし、先週のマラニックもこれで走った。別れるのは寂しい気持ちもあるが、私のような走りのへたっぴいがいつまでもこんなシューズを履いていたら、いつか大きなケガをするだろう。
菊水山の下の迂回ルートもしっかり確認して、菊水山ではまたベンチに腰掛けてジェルを補給した。
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菊水山の下ではいつもの水場で水分補給。上部にゴルフ場があるのが気になるが、これまではお腹をこわしたことも無いし、常用するわけでもないので、まぁいいだろう。
鵯越を越えると今回の目的のハイライト、丸山の住宅街に入る。前回のキャノンボールの復路では、思いがけないルートミスに苦しめられた。
たまたま宝塚をスタートして追いついてきた人がいて、ポイントを教えてくれたので、今日は迷うことなく通過できた。
しかしこのあたりまで来るとさすがに疲れを感じてきた。高取山の登りは結構苦しかったが、キャノンボールの復路でもしっかり登っていたことを思い出して、何とか歩みを止めずに登り切った。
下りでは空腹感を覚えて、半分壊れたベンチに腰掛けておにぎりを食べた。8時間での完走はもうムリだと観念した。しかし何とか8時間半以内では走りきりたい。
妙法寺を越えたら高速のトンネルをくぐって、須磨アルプスへ向かう。ノドが渇いた。水分はまだあるが、冷たいものが飲みたい。
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須磨アルプスは馬の背の核心部を越えてからの登りが苦しかった。しかし何とか止まらずに進み続けて、例の階段を下りて、高倉台のピーコックでコーラの500mlボトルにありついた。この様子なら9時間くらいかかりそうだが、もうタイムはどうでもいい。
フラットな部分ではまだそこそこ走れている。これでこのタイムなら、本番ではどうなるのだろう。かなり不安を感じる。
旗振茶屋は大賑わいだった。しかし明石海峡大橋の遠景はやはり気持ち良かった。
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六甲縦走は須磨ゴールの方が気持ちいいと思った。終盤のアップダウンには苦しめられるが、この光景は何とも言えない。ここまでやってきたご褒美のようにも思える。
最後は石段をどんどんと下りて、9時間弱でようやく須磨浦公園駅に到着した。当初は8時間くらいで走って、そのままJR須磨駅まで走ろうと思っていたのだが、須磨浦公園駅からの電車の本数が思いのほか多かったので、ここでお終いにすることにした。
木陰で軽く着替えて、売店でビールを買って、ホームのベンチに腰を下ろした。

薬師岳

昨日は予定通り薬師岳へ行ってきた。予想外の好天に恵まれて、頂上からは富士山を眺めることもできた。

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土曜日は近くの知人と同乗して車で折立へ。ちょうど夕方に着いたので、帰る車もあって駐車場は非常にいい場所が空いていた。ちょうど前に大きなキャンプスペースがあって、トイレと水場も設置されている。
置かれていたテーブルで夕食にしたが、さすがに日が暮れると寒かった。
いつものことであまり眠れなかったが、予定通り5時過ぎにスタートした。まだ暗い。ヘッドランプとハンドライトで足元を照らしながら、うっそうとした樹林帯を黙々と登る。
スタート直後が緩い登りだったせいで、少しオーバーペース気味になってしまった。登りが急になると苦しくなってきたが、仲間は平然と付いてくるので必死で頑張る。先行きに少し不安を感じる。
ほどなくあたりが明るくなって、1時間ほど登り続けたところ、剱がはっきり見える場所に飛び出した。陽は照っていないが展望は効くという最高の条件で、さっそく写真に納める。
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ここまではなかなか苦しい登りだったが、剱を眺めて疲れが飛んだ感じで、おまけに登りの傾斜が少し緩くなってきた。周りの樹木も背丈が低くなってきて、道も木などで整備されている。
少し行くと目的の薬師岳や薬師小屋、薬師峠などが眼前に大きく見渡せた。
2時間20分ほどで太郎平小屋に到着。アルプスの展望が目の前に大きく広がっている。日射しは無くて展望が効くという最高のコンディションだ。
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トイレと少しエネルギー補給をして、早々に歩き始める。
すぐに薬師峠で、ここから沢沿いの少し歩きにくい登りになった。しかし槍が見え始め、薬師平でまた展望を楽しむ。
薬師小屋に向かって進んで行くと、転倒して脚を痛めたという男性に小屋への連絡を依頼された。ケガは脚だけのようなので、大騒ぎするほどではなさそう。しかし骨折していそうとのこと。
そろそろ登りも苦しくなってきて、同行の夫婦に先行してもらう。そして小屋に一報入れる。
9時18分に頂上へ到着。折立を出てから4時間10分ほどだった。
頂上ではゆっくりして、大展望をたっぷり楽しんだ。昨年、野口五郎から富士山を見たのを思い出して、しっかり目をこらしてみると、稜線のはるか彼方にうっすらと富士山の頂上部分を見つけることができた。
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みんなで大喜びをした。やはり富士山は登るよりも眺める山である。これで頂上部分に雪があれば最高なのだが。
ケガ人に出会った後だったので下りは慎重にした。それでも足元の悪いところでは何度かバランスを崩したが、ケガをするほどのことは無く、無事午後1時前に折立に下山した。
亀谷温泉で汗を流して、これなら早く帰って一杯呑みに行けそうと話していたが、彦根を過ぎてから事故による大渋滞に巻き込まれて、結局枚方に帰り着いたのは9時を過ぎていた。
それにしても予想をはるかに上回る好天に恵まれて、いろんな意味で充実した山行ができて、みんな大満足だった。

八ガ岳スーパートレイル

期待と不安で出かけた八ガ岳スーパートレイル。結果は、97km の第2関門で制限時間を 30 分ほどオーバーして収容された。

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金曜日の蓼科は思いの外暑く、車の窓を少し開けて寝たら蚊が入ってきて、窓を閉めてもすでに入った蚊に攻められ、やむなくシュラフを頭まですっぽりかぶって身体は汗みどろ。それでも頭の方にしばしば寄ってきて、ほとんど眠れなかった。
天気は思わしくなさそう。うっすらと夜が明けてくる5時に白樺湖畔をスタートした。
スタートしてすぐに八子ガ峰に向けたトレイルに入る。参加者は 500 人くらいで、半ばくらいの位置でスタートしたが、ほどなく、振り返ると最後尾がすぐそこに見えるくらいの位置になっていた。しかしあせりはまったく無い。
山の上あたりの何でも無さそうに見える場所で前が渋滞している。何と、ちょうどルートのところにスズメバチの集団があって、そこを突き抜けて行かなければならない。みんなはジャケットをかぶったりしていたが、ぼくはいつもと同じく白の長袖シャツを着ていて、手袋もしていたので、顔を手で覆って突き抜ける。
耳元でぶんぶんと音が聞こえて緊張したが、何とか通過できたと思った。そのとたん、右手首あたりにするどい痛みが!! スズメバチが服の上から刺している。ハチに刺されるというのは生まれて初めての体験だ。
あまり大きなハチではなかったので大したことはないだろうと思っていたが、走っているせいか、毒が周囲に広がっていくのをはっきりと感じる。これはちょっとヤバイかと思ったら、先行者も刺された人がたくさんいて、座り込んで手当している人たちがいた。
しっかりとポイズン・リムーバーを持ってきている人がいて、それを借りて刺された箇所から毒を吸い出した。しかしすでに数分時間が経っていたので、この後しばらくは痛みと痺れが残った。
相当な数の人たちが被害に遭ったようだ。明日またここを通らなければならないのかと思うと憂鬱になるが、明日ここに戻ってこれるかどうかはかなり疑問ではある。
一旦車道に出て、最初のエイド。パンやバナナなどをいただく。
しばらくは車道や未舗装道路などが続く。事前にある程度知っていたとは言え、それにしてもこの大会のエイドは貧弱だ。飲み物は水しかない。食べ物と言っても腹の足しになるようなものはほとんど無く、チョコレートやパワーバーを小さく切ったようなもの。あとはバナナやオレンジくらいだ。ロードのマラソンでももう少し充実している大会もある。
この大会はトレイルとは言っても本格的な山道はわずかで、ほとんどが林道のようなコースだと思っていたが、以外とシングルトラックの山道が出てくる。第3エイドを越えてからはかなりの急な登りが延々と続き、一旦車道に出てようやく終わったかと思うとまたトレイルの登りになり、体力的にも精神的にもかなりこたえた。次のエイドまで4時間かかった。
おかげで時間の割に距離が稼げず、ほとんど気にしていなかった制限時間がちょっと気になり始める。63km の第1関門の制限時間を1時間間違えて記憶していて、一時はここを越えられないのではないかと不安になったが、メモを見直したらあと1時間の余裕があってほっとした。しかし 50km も過ぎるとかなり疲れはたまってきていて、関門に引っかかったら引っかかったで、それでいいかという気持ちも少しは出てきた。
何とかたまの小降りくらいでおさまっていた雨が、このあたりから本降りになってきて、一時は土砂降り状態になってきた。しっかりした雨具を持ってきておいて良かった。
第1関門は制限時刻の1時間前に到着。これまでのエイドよりは少しはマシだったが、他の大会で見かけるようなうどんや豚汁のようなあたたかいものはまったく無し。コーラがあったのがせめてもの救いだった。
このあたりから薄暗くなってきて、樹林帯に入るとヘッドランプを点けた。雨のせいでいたるところに水たまりができて、どこが道なのかよくわからないところが出てくる。
広域農道のような道を延々と上る。最初は傾斜も緩くてスロージョグで行けたが、そのうちに歩きになる。未舗装林道になると黙々と歩き続けるのみ。単調な登りで、いつ終わるのかわからないような道を延々と登り続ける。登りが終わっても下りにはならず、ほぼ平坦なところがしばらく続く。たまに走ろうとしてみるが、もはや走り続けることができない。
半分の 80km は 16 時間を少し過ぎていた。後半のアップダウンを考えると、どう考えても完走はムリだろう。
4時間あまりかかってようやく次のエイドに到着したが、このエイドの貧弱さはあまりなもので、食べられるようなものは小さく切ったパワーバーのみ。『あたたかい麦茶』をもらったら『生ぬるい麦茶』。手前のエイドからかなりの時間がかかるというのはわっているはずだが、参加者のことをどう考えているのかと言いたくなるような対応だ。
昨年のこの大会の情報をネットで検索した時、昨年は 11 月に開催されて、天候は悪くはなかったものの、夜間は非常に冷え込んで、おまけにエイドが貧弱で、人がいずに水が置いてあるだけというような所もあったとか。しかもその水が凍っていたとか。場合によってはかなり危険な状態になりかねないような運営に対してクレームのようなことを述べている情報をいくつか見たが、さもありなんという感じだ。
今年は昨年に較べると多少は改善されているようだが、それにしても UTMF なんかと較べると(参加したわけではないが)、あまりにも手薄と言わざるを得ない。参加費(100 マイルが2万5千円)も決して安くはないと思う。
松原湖の第2関門まではおおむねロードの下りで 13km とのこと。本降りの雨で、このエイドでリタイアを決めた人が何人かテントで休んでいる。関門まであと2時間ほど。何とか次の関門までは自分の脚で行こうと思って、暗闇の中を走り出した。
最初は確かに下りのロードだったが、ほどなくゆるい登りになる。しばらく登りが続くと、今度は未舗装になった。しかもいつ終わるのかと言いたくなるほど登りが続く。
もう関門通過はムリだと観念した。と同時に、止められる理由ができてほっとしたという気持ちもあった。もう少し先まで行きたい気持ちは残っているが、例え制限時間がはるかに緩かったとしても、完走は到底ムリだろう。
ようやく車道に出たかと思ったが、すぐにまた山道の下りに入る。雨で滑りやすく、しかも大きな石がごろごろしていて、非常に歩きにくい。前も後ろも誰もおらず、まぎらわしい横道のあるところに印のランプが点いていて、一瞬どちらがルートなのかわからなくなる。
道の形状からしてこちらだろうと思った方をしばらく行くと、印のテープが現れてほっとする。
一体、このどこが『ロード主体』なのだろうか。さっきのエイドを過ぎてから序盤はロードだったが、距離的には未舗装の方がはるかに長い。一体どういうつもりであんないい加減な情報を言っているのかと腹立たしくなってくる。
ようやく街並みに下りてきたが、もう普通の道でもスロージョグが精一杯。それも歩きを交互に繰り返しながらだ。
関門時刻を 30 分ほど過ぎて、ようやく第2関門に到着した。97km を走って(歩いて?)来たが、その満足感はまったく無かった。走れはしないけれど、体力的にはまだ若干の余裕はあった。ここまでやってきたことの実際の中身に較べると、悲しいほどむなしい気分だった。
バスでゴール地点に戻ったのは午前2時くらい。こんな時間に戻ってくることは想定していなかったので、車に戻っても補給食の残りくらいしかなく、しかもここにいてゴールを案内する声を聞くのはたまらないので、早々に帰路について、途中のコンビニで食べ物とビールを買い、諏訪湖のサービスエリアを寂しい一人宴会をやることにした。

東山トレイル

できれば伏見稲荷から上桂まで約 70km をトレースしたいが、たぶんムリだろうなという気持ちで、5時15分の始発に乗って出かけた。

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伏見稲荷駅の近くの小さな公園で準備して、6時前にスタートした。さすがにまだそれほど暑くない。
伏見稲荷の参道はメインルートを避けて、裏道を行った。階段の登りで早くもしっかり汗が出てくる。おおむね1年ぶりだが、所々記憶のはっきりしない部分がある。しかし道標はしっかりしているので間違う心配はほとんど無い。
肩ベルトに付けたボトルが揺れて当たってわずらわしいので、ざっくのサイドポケットに入れる。
最初の休憩は将軍塚。ジェルを少し補給して、手洗いの水で首筋を冷やす。このあと一瞬、横道に入るのを通り過ぎてしまったが、すぐに気付いて戻る。
日向大神宮の水場では水を飲んで、ひしゃくで頭から水をかぶる。一瞬ヒヤッとするのが気持ちいい。
水場のすぐ横の階段を上がって行ったが、どうもいつもと違うような気がする。しかしトレイルコースの案内が出ている。そのまま行ったら天照大神の天の岩戸が現れた。こんなのは初めて見る。しかしこのまま行けばいつものルートに合流できそうだ。
ほとんどずっと木陰なので体感的にはさほど暑さを感じないが、ハーフタイツはすでに汗でびっしょりだ。ここからしばらく大文字山まで登りが続く。さすがに暑くてそろそろ疲れを感じてきた。上桂までは絶対にムリと思った。
汗びっしょりになって大文字山の山頂に到着した。まだほんの 15km 程度だが、2時間20分ほどかかっている。
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空気が霞んでいて、遠くはあまりよく見えない。
昨夜、送り火があったばかりの大の字の所を通過して、下って行く。人が多い。下の方に消防と警官がたくさんいると思ったら、女性を担架で運ぼうとしているところだった。ケガのようには見えなかったので、熱中症だろうか。
いつものように朝鮮学校の校庭を通過して、車道に出る。ちょうど病院に入る角に自動販売機があったので、迷わずコーラを買う。残念ながら小さめの缶しかなかった。
またしばらく登りが続く。鞍馬から鯖街道の車道、賀茂川コースで出町か三条までにしようかという考えが頭に浮かんだ。
雲母坂の道に合流する手前の沢でゆっくり休憩。持ってきた携帯カップで水をがぶ飲みし、頭にも何度もかけた。またジェルなどを補給する。
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雲母坂を登っていると、後ろから足音が近づいてきて、いかにもトレイルランナーという感じの人が抜いて行った。競争するつもりはまったく無いのだが、やはり多少は意識したところがあったのだろう、この登りを結構一生懸命頑張ってしまった。比叡山への登りが終わったときは、全身汗ぐっしょり状態だった。
山頂エリアに自動販売機がないかと探してみるが、延暦寺の敷地内のためか、どこにも見つからない。ドライブウェイと接している所から数十メートルの所にレストランがあるようだが、行って自動販売機が無かったらがっかりなので、少し行った木陰で休憩する。
かなり疲れていて、東海自然歩道を大原へ行ってバスで帰ろうかという考えも浮かぶ。腰掛けてゆっくりしていたら、先ほど登りで抜いて行った人が何故かまた抜いて行った。
きっちり補給したのが良かったようで、横高山と永井山の急登は一気に登れた。こういうところは明らかな進歩だ。以前なら途中で何度か立ち止まらないと登り切れなかっただろう。
永井山でまた一服して、下りに向かう。何とか鞍馬までは行こうと思い直した。
下りは一歩ごとに気温が高くなる感じ。戸寺の手前の沢で、久しぶりに水をたっぷり飲んで、頭も冷やした。
戸寺なら自動販売機があるのではないかと期待していたが、またまた期待を裏切られて、静原まで我慢となる。
静原でようやく自動販売機に出会って、日陰のベンチでコーラを飲んだ。そうしていたら、どういう訳かまた、先ほど抜いて行った人がまた抜いて行った。同じ人に3回抜かれたことになる。
薬王坂の上り口で少しコースミスしたが、すぐに戻って、最後の登りも一気に登り切った。
鞍馬から鯖街道の道というアイディアが一瞬頭に浮かんだが、鞍馬の雑踏を見るとそういう気持ちはきれいに消えてしまった。
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ここまで7時間で来れたら先へ行こうと考えていたが、結局8時間ほどかかった。しかし昨年の暑くない時期でも7時間以上かかっていたので、それはムリだったということだ。
予定の半分ちょっとくらいしか走れなかったが、この時期に鞍馬まで行けただけでも良しとしなければならないだろう。もう本番まで3週間しかないので、あまりに追い込むと精神的に疲れてしまう。
満足はしていないが、そこそこ納得というところだった。
出町柳の乗り換えで猛暑の空気に触れたとき、ムリをしなくて良かったと思った。

生駒山往復

はたしてこの時期に生駒山往復がきっちり走りきれるかどうかかなり不安だったが、とにかくスピードよりも長時間動き続けることだけを考えて、7時前に家を出た。

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朝の日射しはそれほど強くはなかったが、それでも走り出して10分もすると額に汗が浮かんできた。トレイルということで、ヒザまでのタイツを履いているが、あっと言う間に汗で湿ってきた。
いつもなら走る登りも、少しでも不安を感じたら歩くことにした。
そして、今日はしっかりと補給することも重要なテーマにしている。これまではどちらかと言うと、補給は必要最低限度にして、できるだけ軽快に走るようにしてきたが、ロングトレイルではそういう戦略は通用しないということを感じてきた。
そんなわけで、今日はジェルを4つ持って、カリカリ梅という新兵器も用意してきている。身体が欲しなくても、しっかりと補給するつもりだ。
まずは白旗池で水道水をしっかり飲んで、塩タブレットをかじる。そしてゆっくりと交野山へ。空気は霞んでいる。
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ここで一つ目のジェルを補給。
くろんど園地のバーベキュー広場で、『飲まないように』という表示のある水をたっぷり飲んで、解毒のために梅干しをかじる。
ほしだ園地では小さな沢の水を飲んで、飯盛霊園では頭から水をかぶる。舗装道路は暑くて厳しい。
むろいけ園地で腰をおろしてキンツバを食べようとしたが、二口食べただけで口が受け付けない。スタートから3時間近くたっていて、疲れも感じてきている。
ようやく阪奈道路に出た。結構疲れているが、なぜかここで戻ることは考えなかった。コンビニには寄らずに歩道橋を渡る。
生駒のハイキング道路は、できるだけトレイルを行くようにする。その方が距離も短いし、気分も良い。この登りがきっちり走れるかどうか不安だったが、思ったよりもしっかり脚が出てくれる。
いつものショートカットから山頂遊園地へ向かい、長い階段を上がって休憩エリアに到着した。スタートしてからおおむね4時間半。思ったよりもしっかり走れた。
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鏑木さんイチ押しのコーラを自動販売機で買って、ここでもしっかりと補給する。ただ、総菜パンは一口かじっただけで、ノドを通らない感じがしてやめた。
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ここまで来られたのは良かったが、ここまで来てしまったら何が何でも戻らなければならない。トイレで頭を冷やして、早々に下る。
下りでは脚に負担がかからないように、あまりペースを上げないようにした。しかし、しばらくすると急激に疲れを感じてきて、舗装の緩い下りが走れなくなってきた。これはヤバイ!! まだまだ先は長いのだ。
往路でも休んだベンチに腰掛けて、少し時間をかけて休むことにした。
10分くらい休んだだろうか。おそるおそるスタートしたら、少し回復していた。コンビニでまたコーラを買おうと思った。
コンビニで500mlのコーラを買って、コースの脇に腰掛けてゆっくり休憩した。おかげで、また少し回復してきた。今日のテーマとして、『疲れからの回復』というのもあるのだが、おおむね期待通りにいっているようだ。ロングトレイルでは体調の波があるので、それをうまくコントロールすることも重要なテクニックだ。とにかく疲れを感じたら絶対にムリをしないこと。
下りてくるにつれて暑くなってくるが、おおむね曇りという天候に助けられている。これが快晴だったらとっくの昔にリタイアしていただろう。
飯盛霊園の登りも、何とかスロージョグで上がることができた。残るはゴルフ場とくろんど園地の長い登りだ。
ゴルフ場の登りは冬に生駒山往復をやったときには走れたが、今日はムリだ。足元を見ながら黙々と上がる。かなり疲れてはいるが、まだ気持ちは折れていない。しかしくろんど園地への下りでは、また緩い下りが走れない状態になってしまった。
くろんど園地の自動販売機ではちょうどコーラの500mlがあったので、これ幸いとがぶ飲みした。
バーベキュー広場への登りは歩いたり走ったりで、ようやく傍示まで戻ってきた。ここまで来ると気分的にはかなり近づいてきた感じがする。
白旗池の水場では今日4つめのジェルを補給して、最後の一踏ん張りへと重い腰を上げた。
津田のサイエンスヒルズに出ると、あとは舗装道路のみ。スパバレイの前を通過して、このまま最後まで行ってしまおうと思ったが、アルプラの前を通過する時に自動販売機が目に入って、吸い込まれるようにそちらに脚が向かってしまった。
またまたコーラ500ml。
残りは穂谷川沿いの約5kmだ。実はここが最後に走れるかどうかということをかなり心配していたのだが、思いの外しっかり走れている。おおむねキロ6分半くらい。どう考えてもこれはアルプラで飲んだコーラのおかげだ。もしあのまま水だけで進んでいたら、ラスト2kmくらいは地獄になったのではないかと思える。
いよいよゴールとなると、ほんの少しだけ、この状態をもう少し楽しんでいたいという気分になった。
トータル10時間05分、61kmの長旅だった。