今月は初旬に腰を痛めて個人山行にはまったく行っていない。予想以上に長引いたけれど随行の仕事では問題無いし、練習会でも 20km くらいは走れているので、1ヶ月ぶりに今年の締めの山行に行くことにした。
曽爾の鎧岳(よろいだけ)・兜岳(かぶとだけ)はその特異な山容で関西の山ヤで知らない人はいない。国の天然記念物にも指定されている。私ももう随分以前から興味は持っていたけれど、この二山だけのために行くというのはもったいないし、うまいルート設定が思いつかなくて、まだ未着手のエリアだった。
地図をつらつら眺めていると、青蓮寺川をはさんで対岸の古光山(こごやま)を周回するとほぼ1日コースが設定できそうだ。倶留尊山(くろそやま)まで足を延ばすと充実感がありそうだけれど、これはちょっと遠いかも。
ということでこのルートで計画したのだけれど、今月上旬の好天休日は腰痛のために諦めざるを得なかった。
腰の調子はまだ完治一歩手前という状態だけれど、何とか年内にはもう1回山へ行っておきたいと思って、30日に出かけることにした。
朝4時半過ぎに家を出て、途中でおにぎりとカップ麺、コーヒーの朝食をとって、7時過ぎにサンビレッジ曽爾奥香落オートキャンプ場に到着した。事前に調べたところではここの駐車場に停められるようだけれど、区画にしっかりと番号が割り振ってあって、ここに停めて大丈夫なのかどうか不安を感じたので、通行止めになっている手前の広いスペースに路上駐車した。
準備を整えて、7時18分に出発した。ウエアは上がモンベルの長袖アンダーとミズノのブレスサーモの長袖ジップシャツ。冷え込みはそれほどではなかったのでジャケットは着なかった。下は最近アマゾンで安く買ったチャイナブランドのサイクリング用パンツ。ウインドストッパー入りで内側起毛。なかなか暖かい。ただし生地がごわごわするのはやはり価格相応というところ(3600円くらい)。
車が通行止めになっているのは道路が陥没している場所があるからで、歩行には問題無い。車道を15分足らずで登山口に到着した。
道標が無ければここが登山口とはわからないだろう。
沢筋の道は荒れて崩壊していて、際どい巻き道が設定されている。
ほどなく沢を離れて山肌の急登になる。
ぐいぐい上がって、8時3分に兜岳(920m)に到着した。出発してわずか45分だった。
風が当たると寒いのでウィンドブレーカーを着用した。
縦走路から正面に鎧岳の雄姿が見える。あの壁を登る人はいるのだろうか。脆いかな。
峰坂峠(むねさかとうげ)。
登りはそれほどではなく、8時47分に鎧岳(893.6m)に到着。
対岸に曽爾高原が広がる。
その右には後半に行く予定の古光山。
写真を撮ったら早々に来た道を戻る。ただし峰坂峠には戻らずにショートカット。
山頂から40分ほどで車道に出た。
緩い下りなのでここは走る。この道は東海自然歩道らしい。
ショートカット道で青蓮寺川を渡って、車道で曽爾高原に向かう。
当初の予定では曽爾高原には寄らずに後古光山(うしろこごやま)に向かうつもりだったけれど、前半戦が思いの外あっさりと終わってしまって、まだ10時前。せっかくここまで来ているので曽爾高原に寄ることにした。
曽爾高原は30年以上前に職場の同僚と3人でテント泊で来たことがある。それ以来の再訪ということになるけれど、この光景は覚えている。
さて、ここまで来たらやはり倶留尊山まで行くしかないだろう。稜線に上がると西からの強風で寒い。東側にちょっと下りて酒饅頭休憩にした。
エネルギーを補給して、冷たい強風に立ち向かう。今度は曽爾高原側からの鎧岳。
樹林帯に入ると強風はおさまった。標高が 1000m に近づくとようやく現れました。
二本ボソから先は入山料がいるらしい。30年前はこんなものは無かったような・・・。でも登山道の整備は手間がかかるということはよくわかるので、払いますよ。帰りに。
二本ボソ(980m)はすぐそこ。
11時28分、倶留尊山(1037.3m)に到着した。標高が 1000m を越えるとやはりちょっと雰囲気が違う。
写真を撮ったら早々に下山。入山料を払おうと思ってサイフを開いたところ、小銭が○百円しかない。おつりはもらえそうにないので、これで勘弁して下さい。
曽爾高原の全景。そして右奥はこれから行く古光山の山稜。
またまたしばし強風にあおられて、樹林帯に下りて道標に導かれて後古光山に向かう。
車道を渡る。道標には「ハイキングルート」と書かれている。残りの行程はほとんどおまけの気分。
こういうのを称して「登山道が整備されている」というのかも知れないけれど、私はがっかりする。木道がハードル状態になっているよりはマシだけれど。
いつものように今回もルート状況はあまり詳しく調べてこなかったのだけれど、後古光山に近づくと非常な急登になって、ロープが立て続けに現れてきた。
鎧兜よりもはるかに急峻で、おまけ気分は吹っ飛んでしまった。
12時53分、ようやく後古光山(892m)に到着した。
ここからの下り、そして古光山への登りもロープ斜面のオンパレード。私はこういう場所の古いロープは不安なので極力頼らないようにしているのだけれど、そんなことは言っていられない。ロープ無しではとても上り下りできないような箇所が何カ所もあった。
一つ一つの山はそれほどの大きさではないけれど、朝からすでにいくつかの山々を上り下りしてきているので、さすがに疲れが出てきた。
午後1時30分、古光山(952.4m)に着いた時はほっとした。
しかしここからもいやらしいジャンクションピークがいくつかあって、南峰までは 20 分くらいかかった。
さすがに南峰を過ぎると穏やかな山容になってきて、ようやくおにぎり休憩が取れた。鎧兜を眺める余裕も出てきた。
午後2時8分、車道に下りてきた。そばの建物は斎場。
あとはひたすら車道を走って車に戻るだけ。走ると暑いのでウィンドブレーカーを脱ぐ。
青蓮寺川そばの車道からの鎧兜の雄姿。
オートキャンプ場までの登り返しはもちろん歩きで。最後で車道をショートカットするためにちょっとだけ東海自然歩道に入る。
午後3時5分、無事車に戻ってきた。結果的には満足感の大きい一日になった。これで気分良く今年を終えられそうだ。