トレイルランナーの遭難

トレイルランナーの相馬剛さんがマッターホルンで遭難されたと報道されてから数日が経過した。荷物は発見されたものの、ご本人はまだ見つかっていないようだ。
当初から、稜線から 800m ほど滑落されたと報道されていたので、生存の可能性は極めて少ないと思われていたが、もはや絶望的と言わざるを得ない。
相馬さんは 40 歳。最近の成績を見るとそろそろピークを下りかけているかなという感じだが、まだまだトップレベルにあることは間違い無い。少し前までは日本人のトップスリーは鏑木さん、石川さん、相馬さんと言われていた。
ハセツネでの2回の優勝や信越五岳3連覇、ロードのマラソンでも 2 時間 30 分を切るレベルのランナーだった。
長年勤めておられた海上保安庁を辞めて、昨年トレイルランナーとして独立されたばかり。今回は Eiger Ultra Trail を 11 位で完走されて、おそらく楽しみ気分でマッターホルンに登られたのだと思う。
トレイルランニングの前はトライアスロンやクライミングを経験されていて、おそらくクライミングのレベルでは私より上だと思う。楽しみ気分とは言っても決して軽い気持ちで挑まれたのではないはずだ。
私も 20 年少々前にマッターホルンに登っているが、私が登った山の中では間違い無く一番難しい山だった。
単にクライミングのグレードで言えばもっと難しいルートはいくらでも行っているが、登山として求められるトータルな技術力という意味ではマッターホルンは剱や穂高の岩場を攀じるのとはちょっと違う。
ルートのグレードとしては上部でも3級くらいで、このあたりは固定ロープが張ってある。しかし傾斜が中途半端な箇所がたくさんあって、急な壁なら手も使ってよじ登れるのだが、なまじ傾斜が緩いと足元の悪い傾いた平均台の上をバランスを取りながら渡るような状態になってしまう。おまけに左右は北壁と東壁で、バランスを崩したらまず助からない。
ガイド登山であればガイドがロープで確保してくれるが、相馬さんは単独だったようで、私も単独だったので、まさに命がけである。
800m も滑落されたということは、このあたりでバランスを崩されたのではないかと思う。浮き石もあるし、場合によっては落石に当たるということも有り得る。
トレイルランニングという言葉がまだ無かった 1986 年に『ランニング登山』という刺激的な本を書かれたのは東工大の教授だった下嶋浩さん(出版当時は助教授)。私より 10 歳ほど年上の方だった。
この頃、富士登山競争はあったがハセツネはまだ始まっていなかった。今は無くなってしまった六甲全山縦走タイムトライアルで、下嶋さんのタイムを上回った時は本当にうれしかった。
その下嶋さんも、1999 年にマッターホルンで滑落して死亡された。下嶋さんも登山のベテランだった。
普段、山を走っていると、本能的に岩場でもスタスタと行きたくなるものだ。特にクライミングの経験があると、これくらいなら大丈夫という気持ちがどうしても出てきてしまう。
本格的な岩場のルートならロープを使って安全を確保するのだが、マッターホルンのルートというのはこれが微妙なレベルで、私もそうだったが、ロープを出して確保するのが面倒なのだ。
単独で岩場でロープを使うとすると、同じラインを2度登らなければならない。下を固定して登って、上を固定してまた下まで下りて、固定をはずしてまた上に登るということになる。急な壁なら致し方ないが、マッターホルンくらいの傾斜だとどうしても行ってしまいたくなるのだ。
相馬さんにしても下嶋さんにしても、事故の時の状況が実際のところどうだったのかはわからないが、私自身経験したことのあるルートなので、非常にリアルにイメージできてしまうのだ。
相馬さんはまだ子供さんも小さいし、公務員も辞めておられるので、ご家族のことを思うと何ともやり切れない気持ちになる。
せっかくこれまで事故を起こさずにやってこられたので、山では絶対に死なないようにしたいと再び強く思った。

Mid Summer Games

今日は競技場でクラブの Mid Summer Games だった。
恒例の真夏の記録会。おんたけの1週間後ということでどんな走りになるのか、自分でも戦々恐々だった。とにかく、1週間前に 100km を走ったということは考えないようにしようと思った。
まずは 3000m。まだ若干の余裕があるという感じで 1000m は 3’56″。予想外の好タイムにほくそ笑んだが、こういう走りはここまでだった。
その後は明らかなペースダウンで 4’09″、4’08″。トータル 12’13” だった。しかし今日の体調でこのタイムは予想以上の結果だった。
このダメージが大きかったのか、次の 1000m ではまともに走れたのは 200m くらいまで。先日のナイター練習会での体調不良のような状態になってしまったが、今日は記録会でクラブ外の人たちもたくさん来ている。
いくら何でもここで DNF という記録を残すわけにはいかないということで、あとはただ完走を目指すだけだった。タイムを取り損ねたが、おそらく 4’25” くらいだっと思う。
身体の芯までの疲労感がどっしりと残って、時間が経つにつれて頭もぼうっとしてきた。
そんな訳で、午後の懇親会には行かずにそのまま帰ってきた。
おんたけの余韻もこれで吹っ飛んでしまった感じ。
本当に疲れた・・・。

Herbie Hancock

今年2回目のライブは9月2日の Herbie Hancock になった。
Hancock は私のもっとも好きなジャズピアニストだが、これまで 10 回くらいは見ているし、年も年なので(74歳)、もういいかなと思ったのだが、バンドのメンバーを見ると何とドラムが Vinnie Colaiuta ではないか!!。
これは行くしかないということで、ネットで購入してセブンイレブンで発券してもらってきた。
すでに一般販売が始まって何日かたっていたので、後ろの方しか残っていないだろうと思っていた。座席番号を見るとC列となっていたので、最後列がA列なのだろうと思って、帰ってから会場の座席表を見たところ、何と前から3列目だった。横 38 席の 35 番なのでかなり端の方ではあるけれど、それほど大きくない会場なので(森ノ宮ピロティホール)、間近で見られそうだ。
ただ、おそらくピアノは左の方に配置されると思うので、Hancock はピアノの陰に入ってしまうかも知れない。しかし Colaiuta はしっかりと見られるだろう。
そんな話を嫁さんにしたら、『Herbie Hancock なんて誰も知らん!!』と一蹴されてしまった。

おんたけウルトラトレイル公式結果

おんたけウルトラトレイルの公式結果が公開された。タイムは 14 時間 55 分 49 秒で、出走 881 名、完走 736 名中、317 位ということだった。60 歳台の方が私の前に3名おられた。
順位に対するこだわりはまったく無いが、特別な参加資格は必要無いとは言え、全国から実力者の集まるメジャーな大会でのこの結果には満足している。結果的には天候に恵まれたと思うし、再挑戦してもこのタイムを更新することは難しいと思う。
途中の経過は、第1関門(約33km)が 5:02:37 で 447 位。第2関門(約 65km)までが 4:46:29 で区間 389 位。第3関門(約 82km)までが 2:22:58 で区間 310 位。そして残りが 2:43:44 で区間 234 位とのことだった。
体感的には序盤をセーブしたつもりは無いし、中盤はやや弱気になった局面もあって、決してペースが上がったわけではない。たまたまペースダウンする人が多かっただけのことだ。ただ、そのせいで終盤にペースアップできる余裕が残せたのだと思う。
走っていて強く感じたのは、4月に奥熊野いだ天を走ったことで身体が 100km という距離を覚えていたことだ。キャノンボールは往復で 90km ほどあるが、片道を終えた所で少し休憩するし、鯖街道は一気に走りきるが 77km ほどしかない。やはり 100km を一気に走るというのはこれらとはかなり違うということは感じた。
今回はさらにトレイルで、林道ばかりで走れるコースとは言え、アップダウンは奥熊野いだ天以上、路面は非常に悪い。これがどのくらいのダメージになるかは走ってみないとわからないというところだったが、結果的には思ったほどはダメージは大きくなかった。
最後の 10km で思い切ったペースアップができたのも、奥熊野いだ天で一度 100km を完走した経験があったからだと思う。
さて次なる目標は来月末の志賀高原エクストリームトライアングルである。この大会は距離は 63km とそれほどではないものの、累積標高が 4700m あるというハードなコース設定になっている。キツさという意味ではおんたけウルトラトレイルより厳しいと思う。走れるパートは限られるだろう。
制限時間が 20 時間で、途中関門も2カ所あり、私のレベルでは関門時間も意識しておかなければならない。
今回が第1回なので、昨年公表の UTMF ポイント対象レースには含まれていないが、コースから考えれば今年は絶対に含まれるはずだ。少なくとも2ポイントにはなるはずで、完走できればおんたけウルトラトレイルの3ポイントと合わせて申し込み基準の4ポイントをクリアできる。
この大会に申し込んだのはこのポイントを得ることが最大の目的なので、タイムよりも確実に完走することを重視しようと思っている。

おんたけウルトラトレイル

2年越しの目標だったおんたけウルトラトレイル。結果は、目標ではあったけれどまずムリだろうと思っていた 14 時間台で 14:55 くらいだった。機械の故障で完走証は後日郵送とのことで、正確なタイムはまだ不明。

より大きな地図で おんたけウルトラトレイル を表示
※gps 不調のため部分的にトラック欠落
天気予報では曇り時々雨、もしくは時々晴れというような不安定な感じだったが、快晴になると時間のかかるランナーには暑さが厳しいようなので、大雨でなればこれくらいがいちばんいいかも知れない。
土曜日は道中、一時土砂降りの大雨。現地に着いてからも一時かなりの雨だったが、夜には止んでくれた。
夜中の0時スタートなので、食事はノンアルコールで我慢する。食後、少しでも睡眠を取っておこうと横になったが、はやりまったく眠れない。しかし4時間ほど目をつぶって横になっていたので、身体は休めることができたと思う。一時会場の方向が騒がしかったが、20 時に 100 マイル部門がスタートした時だったと思う。
今回は自分としては真新しいスタイルで走る。上は暑さを想定してノースリーブのジップシャツ。ただし雨も有り得るのでインナーにファイントラックのメッシュシャツを着ておく。下は今ポピュラーなトランクスタイプの短パンにした。タイツではぴったりしすぎて暑そうだが、ランパンではちょっと・・・という気持ちだった。それにふくらはぎに圧着ストッキングをはいた。
OSJ の大会のエイドの貧弱さを想定して、ジェルや大福餅など、補給食はしっかり用意した。
スタート前のコース説明では関門通過のためのポイントのようなことがしっかり説明されて、こういうのを聞いていると他人事ではないという気持ちになってくる。アクシデントでもない限りは関門にひっかかることは無いと思っているのだが、なんせ初めて走るコースなので、起伏の程度などは走ってみないとわからない。
予定の午前0時に 1000 人余りで一斉にスタートする。昨年までの参加者のブログなどでは装備チェックがあったように書かれていたので、必須のものはしっかりと用意してきたのだが、そうは見えない軽装のランナーがたくさんいる。今回は装備チェックは無かった。
昨年まではこの会場から少し離れた場所がスタート地点で、そこまでバスで移動していたようだが、今年からはコースが変わったらしい。事前のバス移動は面倒なので、この方が断然良い。
しばらくは舗装道を行く。登り傾斜になって、しばらく行くと未舗装の林道に入った。横幅2〜3人分程度の道幅。少し小雨が降ってきた。ノースリーブなので少し寒いが、そのまま行く。
10km は 1:29。登りということを考えるとまずまずのペースだ。登りは適当に歩きで行こうと思っていたが、これまではずっとジョグのリズムで来ている。ちょうど息が上がらない程度の快適なペースだ。
10km を越えると下りになる。傾斜も適度なので、自然とペースが上がる。また登りになって少し行くと 20km ポイントだった。が、何と gps が止まっている。時間的にはこの 10km は 1:12 くらい。
再度 gps をスタートさせたが、この後何度も同様の現象に出会うことになってしまった。おかげて今回は全体のトラックやタイムがまったく得られなかった。
最初のエイドは何と水のみ。さすが OSJ!!。何人かが並んでいるのを見て早々に通り過ぎる。そして歩きながらジェルを補給する。今日、初めての歩きだ。
ついでにコース状況をチェックしようと思って、コピーしてきた小さな高低図を出そうと思ったところ、それが無くなっていることに気付いた。スタート前に見ていた後にザックに入れたとき、変な場所に入れてしまったようで、そこはポケットではなく底の抜けている箇所だったようで、走っている間に落ちてしまったようだ。
全体的な高低は頭にイメージが入っているが、関門の箇所の正確な場所までは記憶していない。仕方ない。
第1関門は 33km だが、関門に近づいたあたりから少しずつ疲れを感じてきた。それまでずっと登りもジョグのリズムで走ってきたが、このあたりで初めて歩きを入れる。奥熊野の時はエイドが頻繁にあったので、そのたびに自然と休憩することができたのだが、エイドが無いと止まるタイミングが無い。ペースは遅いとは言え、長丁場なので適度に休憩を入れないと持たないような気がする。
30km の標識は気付かず、第1関門のタイムも忘れてしまった(公式タイムが公表されたら記載されるはず)。
第1関門ではおにぎりがあったので、水で流し込む。ただの塩むすびだが、少し暖かさが残っていておいしかった。
5分程度の休憩で再スタートする。スタート前の説明によると、第2関門(65km)に引っかかるランナーが多いらしい。第1関門から第2関門の間はかなり走れるコースなので、ここをしっかり走るようにしてほしいということだった。
確かにしばらく下って、その後はわりとフラットな場所もあり、40km のタイムは忘れたが、50km は 7:04 くらいだった。このままのペースなら 14 時間台だが、コース状況を考えると後半はかなりペースが落ちると考えなければならない。しかしうまくいけば 15 時間台はいけるかもと思った。
三浦貯水池のそばの道は完全にフラットで、道も走りやすいおだやかなコースだったが、いかんせんすでに 50km 以上走ってきているので、気持ちとは裏腹に足は進まない。
池を離れると道はまた登り勾配になってきた。これでは 16 時間くらいかかってしまうのではないかという気持ちも浮かんできた。休憩も兼ねて、ゆっくり歩きながら大福モチをほうばった。
登りが続くと右股関節に痛みが出てくる。下りが続くと左膝が怪しい。これを繰り返しながらも何とか爆発はせずに持ちこたえていた。
第2関門(65km)に入ったのは 9:48 くらいだっと思う。ここの制限時間は 12 時間なので、たっぷり余裕を持って入ることができた。
ここではドロップバッグを受け取って、コーラを飲んだ。晴れていないおかげでそこそこおいしく飲めるくらいの温度だった。この時、このところ不安だった腰の痛みを感じたが、それほど強いものではない。
それにしても大きなポイントになる関門のエイドだと言うのに、飲み物は水のみ。あとはバナナとオレンジ、パワーバーを小さく切ったものだけ。
水を補給して、一度靴を脱いで入り込んだ砂を出して、10 分少々の休憩で出発した。出発前のコース説明で第2関門から第3関門が結構厳しいというようなことが言われていたような気がして、それが頭にこびりついていたのだ。
実際のところはそれほど厳しくはなかった。これまでとほとんど同じような感じで、80km の通過は 12:02 くらいだったように思う。あと 20km を3時間で行ければ 15 時間を切れる。この時に初めて 15 時間切りを少し意識した。
左膝、右股関節、腰と次々に違和感が襲ってくるが、何とか小康状態を保っている。
第2関門から第3関門までは 2:10 くらいだった。事前の説明でこの間を2時間半はかなり厳しいという言葉があったので、3時間くらいを想定していたのだが、どうもこれは第2関門を制限ギリギリくらいで通過した人の場合のようだった。
第3関門のエイドではそうめんがあったので、2杯いただいた。しかしこれもネギすらない、ただのそうめんとダシだけ。
第3関門のすぐあとの登りはこのコースでもっとも厳しいものだった。ここで 15 時間切りはもうムリと観念した。おまけに陽が差してきて暑い。しかし残りの距離を考えると 15 時間半くらいはいけそうに思った。うまくいけば 15 時間台前半もいけるかもと思った。これなら十分満足できるタイムだ。
干し梅やジェルなどを補給しながら緩い登りは何とかジョグのリズムで上がった。
以前から薄々とは気付いていたが、今回はっきりと認識したのは、とにかく私は登り坂の歩きが遅いということ。緩い坂で多くの人が歩くような場所でもゆっくりジョグで上がれるのだが、それ以上の傾斜になって歩きになると、一気に周囲よりも遅くなる。ダベりながら歩いているような人たちにも簡単に抜かれていくのだ。
90km までの 10km はエイドでの休憩やエイド直後の登り坂などのせいで、1:40 少々というところだった。しかし残り 10km で 15 時間までは 1:10 分ほど。ここからはずっと下りで、終盤はロードに出るということを考えると、15 時間切りも不可能ではないように思われた。
ここで気持ちが切り替わった。と同時に、突然強い雨が降ってきた。しかしこの雨がさらに私の気持ちにスィッチを入れてくれた。近くの人たちはみんな雨具を出しているが、雨具を着る時間が惜しいので、止まらずに進む。いずれにしてもこれからは下るのみで、ゴールすればそれで終わりだ。濡れたって構わない。
しばらく行くと最後のエイドが現れた。ぱっと見たところここも水のみ。残りの距離を尋ねたところ、あと 7km 弱とのこと。時計と見比べると、残り 7km としてキロ6分で行くとちょうど 15 時間だ。行くしかない。幸い、雨も止んでいる。
しかしこの直後、緩い登りになった。走れる程度の傾斜だが、どう頑張ってもキロ6分以上はかかる。ちょっと気持ちが萎えたが、何とか気持ちを切らさずにゴールを目指す。このあたりではもう頭の中は 15 時間切りということだけで、これまですでに 90km 以上走ってきたことなどすっかり忘れてしまっていた。
ちょうど昨年の鯖街道の最後がこんな感じだった。賀茂川の河川敷に下りて残り 4km になって、予想外の快調さでどんどんペースアップした。が、この時は残り 2km になって持ちこたえられなくなり、最後の 1km はフラフラ状態に陥ってしまった。
ついに車道に出た。残りの正確な距離はわからないが、時間はまだ 30 分近くある。ほぼフラットは道が続き、前方にランナーが何人か見える。私を抜いて行く人もいるが、追えるだけの余裕は無い。
さすがにこのあたりになるとラストスパートの疲れが出てきて、ちょっと弱気な気持ちもちらついてきた。見通しのきく場所でずっと前にランナーが見えると、諦め気分も湧いてくる。
前方に登り坂が見えた時はもうダメだと観念した。残り時間はあと 10 分ほど。会場に入る橋はまだ見えない。
登り坂を上がり切ると、待望の会場への橋が右前方に見えた。この橋の入り口がちょうど 100km 地点だった。と言うことは、実際は 100km 少々あるということ。100km なら 15 時間を切れていたということにしておこうという気持ちが頭をよぎったが、ここで 14:52。15 時間を切れる可能性を大きく感じた。
橋を渡ると右に曲がって、駐車場への登り坂になる。残り距離がよくわからないのだが、あと 1km は無いはずだ。15 時間を切れると思ったが、必死の思いで登り坂でギアチェンジして、本当のラストスパートに入った。
この時点でこんな走りができていることが自分でも信じられなかった。キロ4分台まではいっていないと思うが、5分少々くらいにはなっているはずだ。最近はマラソンのラストでもキロ6分くらいかかると言うのに。
奥熊野の時と同じく、最後は帽子とサングラスを取って、両手を挙げてゴールした。ゴールゲート上のタイマーは 14:55:?? だったと思う。

おんたけウルトラトレイルへ

いよいよおんたけウルトラトレイルが明日の深夜に迫ってきた。明日は昼前に出かけるつもり。早めに到着して、午前0時のスタートまでには少しでも睡眠を取っておきたい。
今年のメインイベントと言える大会なのだが、今週になってからどうも腰の調子が悪い。少し腰痛が出ている。走り出すと気にならないのだが、平静時に鈍痛がある。
実のところ、これには思い当たるフシがある。春先から時間をかけていた仕事が先月半ばでほぼ完了となって、今はかなりヒマな状態なのだ。
で、周囲の目が無いのをいいことに、昼間にしばしば居眠りをしている。座椅子に座ってうとうとするので、この体勢は腰には極めて悪い。腰にクッションを当てたりしているが、それでも腰への負担は少なくないと思われる。
そんなわけで今週は練習量をぐっと減らした。今日も完全休養日にしたので、少しはマシになったように思う。
参加者のリストが公開されたが、1000名少々のうち私より年長者は15人くらいだった。ロードのマラソンなら60台はまだまだたくさん見かけるが、トレイルの 100km となるとかなり限られてくるようだ。昨年の八ガ岳スーパートレイルも私より年長は10人くらいだった。
最初から制限時間ギリギリくらいを狙っていけば完走できると思うのだが、やはりそれでは自分自身が納得できない。4月の奥熊野いだ天の経験を思い出して、自分の限界に挑戦したいと思う。

くろんど池往復

1週間後におんたけウルトラトレイルを控えて、どういう練習をするか迷ったのだが、疲労を残さないギリギリと考えて、くろんど池往復へ行くことにした。
家を出たのは暑い盛りの午後2時前。枚方では光化学スモッグ注意報が出ていたようだが、日射しはそれほど強くはなかった。
あまりチンタラにはならないように、穂谷川沿いのフラットな部分はキロ5分台で行くようにした。
津田サイエンスヒルズを越えて山道に入ると、いつものように爽やかな空気でほっとさせられる。白旗池畔の休憩所では後頭部の冷却アタッチメントに水を補給して、1時間6分ほどで交野山に到着。もう少し良いタイムを期待していたのだが、もうこれくらいのレベルなのだろう。
塩熱サプリと水分補給をして、早々に先へ進む。
今日は少しだけ大回りをして、くろんど池の南側の展望台を廻るコースへ行くことにする。ここはかつて何度か通ったが、ここ2年ほどは行っていないと思う。
くろんど園地の休憩所を越えてゴルフ場に出たところで山道に入るのだが、何と立ち入り禁止のテープが張られている。が、いつものように無視して入る。
さすがにほとんど人が入っていないようで、またもや蜘蛛の巣の歓迎を受ける。ランパンで来たので、生足に笹やアザミなどが擦れて不快だが、もう行くしかない。
かつての記憶で左への分かれ道には入らないようにして進んだら、予定通りくろんど池の展望台に出た。ここからは木の階段を下ってくろんど池畔へ出る。ここまで2時間弱。
ベンチに腰を下ろしてゼリーを補給して、走り慣れたコースで帰路に向かう。
穂谷川に出てからはおおむねキロ5分半くらいのペースで、そこそこの手応えを感じて家にゴールした。約 29km を3時間20分だった。
なかなかいい感じの練習になったと思うが、帰路の下りで右股関節の違和感が少し出た。このところ治まっていたので安心していたのだが、この時期にこれはちょっと不安を感じる。明日の山田池の練習会はあまりムリをしないようにしようと思う。

淀川ペース走

昨日のナイター練習会が思いがけない結果に終わってしまったので、今日はその鬱憤を晴らしたいと思った。
競技場へ行って一人でインターバルをやるというアイディアも浮かんだが、冷静に考えるとインターバルやレペティションなどのスピード練習の成果は実際のレースではまったく感じられないので、このところ個人練習ではやっていないくらいの速いペースでのペース走をやってみることにした。
幸い、今日は曇り時々雨という天候だったので、久しぶりに淀川のフラットなコースへ出かけることにした。
最初から少し速めでスタートする。とは言っても街中なのでキロ5分半くらい。淀川の河川敷に入るとキロ5分くらいのペースになった。わりと快調。
いつもは 10km 少々の往復コースなのだが、今日は 2.5km ほど長めのコースを行くことにした。
中盤からはキロ4分台になったが、体感的にはわりと楽で、リズムに乗って気持ち良く走ることができた。
後半はずっとキロ4分台で、心拍数も 150 台。ピッチも 200 弱で、個人練習としてはそこそこの走りができた。
おんたけウルトラトレイルまであと 10 日。今度の週末はどうするか、悩ましいところである。

危なかった?

今日はナイター練習会。先週末は法事があって競技場の練習会に参加できなかったので、トラックを走るのは 10 日ぶりだ。
台風の影響で日中は異様な蒸し暑さだったが、午後に一時強い雨が降って、不快指数はぐっと下がった。
アップの流しをやっているあたりから体調も気分も上がってきて、今日はいい練習ができるだろうと思っていた。
メニューはインターバル 1000m x 5。ワンランク上が3人いるので、彼(と彼女)らを追いかけるつもりで行こうと思った。
1本目をスタートして、3人の少し後ろを行く。差が開かないのでいい感じと思った。
ところが1周を過ぎたあたりで体調に異変を感じた。心臓の動きがちょっとおかしい。何と表現していいのかわからないが、肉体的な負荷に対して心臓の動きが順応していない感じ。
ムリをしないようにして(と言うか、ムリができない)、1本目は 4’06″。
2本目になれば慣れてくるだろうと思ってスタートしたが、100m を越えたあたりで同じ状態に。しかもどんどんひどくなって、200m を過ぎたところで危険を感じてレーンを外れた。
ジョグなら問題無いのだが、今日はこれで終了することにした。
帰ってから心拍数のデータを確認したところ、1本目は 500m を越えたあたりから 180 以上に上がっていた。2本目は 200m の手前から一気に上がって、レーンを外れたあたりでは何と 240 ほどになっていた。
スポーツ用の心拍計は医療器具ではないので、精度に関してはほどほどというレベルだ。とんでもない値を示すこともしばしばある。
しかしこれまでの経験では、とんでもない値を示すのは一時的で、体感的にはそんなはずはないという時ばかりで、いわば誤動作というものだった。
しかし今日のデータは極めてスムーズなカーブを描いており、体感的な違和感とも完全に一致している。おそらくこの値はかなり正確だったと思われる。
なぜ突然、このような症状になったのかは今はわからない。一つ、これまでとは違うことをやったのは、練習前に bcaa のタブレットを服用したこと。
bcaa はロング走の途中や、練習会から帰ってからが服用のタイミングだったのだが、運動前の服用も効果があるというような文章を読んで、今日はそれを試してみたのだ。
ただ、私自身これまで心電図検査では常に何らかの異常を指摘されており、異常なしという評価を得たためしが無いので、心臓の動きが一般的な正常の範囲からは若干はずれているということは認識している。しかし不整脈と言われたことは無いのだが。
今日のところは自分の体感が正常に働いていたということに満足しておくことにしようと思う。

甘南備山、サンドイッチ山

今日はクラブのメンバーの大半は七夕駅伝に出場する。私もこれまで都合のつく時は参加してきたが、駅伝での 3km というのはもはや自分が納得できる走りのできる場ではないので、今年はエントリーしなかった。
今日は時期的におんたけウルトラに備えてロング走のできる最後のタイミングで、昨日は法事で練習会も参加できなかったので、再度生駒往復へ行く予定をしていた。
しかし昨夜からどうも気分が今ひとつで、朝も身体がだるくて、起きる気になれなかった。
とは言っても完全休養という訳にはいかないし、山田池周回は気持ちが持たなさそうだし、生駒の通い慣れたコースではこれも途中で飽きてしまいそうと言うことで、先月登り損ねた甘南備山を目指してみることにした。
ちょうど先週末のマラニックの時に少し話をした人が京田辺の人で、その時に甘南備山の情報を少し得ることができた。

より大きな地図で 甘南備山、サンドイッチ山 を表示
9時過ぎに家を出て、今日は先日の逆コースを辿って藤阪を経由して R307 を目指す。甘南備山へは立体交差のあるあたりでお墓のあるところと聞いていたので、立体交差を過ぎて少し行ったあたりで左に入る道へ入った。しかしお墓は見あたらない。
すぐに畑のあぜ道のような所になって、先を見るとヤブに入るあたりに立ち入り禁止の看板とフェンスが立っている。近くにおられた畑仕事をしている人に尋ねたが、その人は地元の方ではないそうで、ご存じ無いらしい。
また R307 に戻ってもう少し東へ行くと、信号のある交差点で左側に墓地のあるところが見えた。ここに違い無い。
KC3Y0026.jpg
しばらく道なりに行くと、道標は無いが左側に赤テープがあって山に入って行く道があった。おそらくこれだろう。
KC3Y0027.jpg
道はしっかりしていて、少し行くと看板が出てきた。しかし看板の地図はこのあたりですべて同じデザインを使っているようで、立地場所と地図の方向がまったく合っていない。頭の中で位置関係を修正するのがなかなか難しい。
少し行くと三角点と展望台があった。八幡方向が開けている。
KC3Y0030.jpg
KC3Y0031.jpg
さらに進むと神南備神社に出た。
KC3Y0028.jpg
KC3Y0029.jpg
来た道を引き返すが、途中で氷室への小さな道標のある分かれがあったので、そこへ行ってみることにする。
KC3Y0032.jpg
あまり人が通っていないようで、蜘蛛の巣の洗礼を受ける。しかしすぐにコンクリートの溝が現れて、R307 をくぐるトンネルがあった。トンネルを越えて西方向を見上げると、行きに横を通った墓地の看板がすぐそばに見えたので、その方向に R307 に上がった。
先ほど北へ向かった交差点を今度は南へ向かう。しばらくは住宅地で、尊延寺に入ると道が上り坂になってくる。前回は通っていない道だが、高い方へ向かうと自然に国見山の方向へ行く。
途中、はっきりしない分岐で畑方向へ入ってしまったりしたが、ほどなく気付いて正規のルートに戻って、あの荒れた登山道に入ってきた。またもや蜘蛛の巣の歓迎を受ける。
最後に急な木の階段を上がって、いつもの道に出る。
KC3Y0033.jpg
今日はどういうコースにするかはっきりとは決めてこなかったが、練習と言うよりは探検気分なので、サンドイッチ山から前回行かなかった方向へ行ってみようと思う。
前回下った道を上る。白旗池へ向かっていると思った道に入ってみたが、これはすぐに消えてしまったので、頂上へ向かう。
KC3Y0034.jpg
頂上からは東側へ向かってみた。古い小さな道標には向かう方向は甘南備山となっている。少し行くと未舗装の車道に出た。左へ行くと穂谷野外活動センターに行くようで、こちらに行ってしまうとあとはすんなり帰るしかなくなってしまうので、右へ行く。
このあたりは牧場があるようで、地図を見たら畜産団地となっていた。地図ではゴルフ場へ向かう道があるようだったが、注意していたが右への分かれはすべてチェーンで通行止めになっていた。
どんどん下ると広い車道に出た。これを左へ行くと尊延寺の方へ行ってしまうので、右へ向かう。右側は京阪奈墓地公園。手元の地図はこのあたりで下が切れてしまっているのだが、このまま行くとくろんど池へ出ると思う。交通量は少なく、歩道も広いので、こういう道なら車道でも苦にならない。
しばらく行くと右に入る細い道があって、この先が細くなっているという看板が出ていた。地図ではどこなのかよくわからないが、時間の余裕もあるので取りあえず行ってみることにした。
少し行くと三叉路。右側がやや登りになっているので、こちらを選んだ。
少し行くとやや広い道に出た。ひょっとしたらこれはくろんど池から交野のゴルフ場へ向かう道ではないかと思った。電柱にゴルフ場の看板があったので、間違い無いと確信した。
このまま帰ってしまうのではちょっと欲求不満という感じではあるが、ここからくろんど池へ向かってまた戻ってくるだけのモチベーションが湧いてこない。今日は一汗かいてもどうも気分が上向かない。どんよりした天気のせいもあるのかも知れないが。
さほどの迷いも無く、ゴルフ場の道を交野山へ向かった。すると駐車場のあたりで、クラブの知り合いにばったり。あまり練習会に来ない人で、七夕駅伝は申し込みに間に合わなかったとのこと。
昨年は私は七夕駅伝に参加したのだが、会場の大阪城公園まで淀川を走って行った。実はその時、河川敷でこの人に出会ったのだ。まったく同じ状況で昨年は淀川、今年は交野山で出会うというのは偶然にしては出来過ぎのような感じだ。
このコースではいつも帰りは交野山をパスして行くのだが、今日は頂上経由で帰ることにする。
KC3Y0035.jpg
頂上エリアは人が多かったので、白旗池で今日初めて腰を下ろして大福餅を食べた。
交野山から津田サイエンスヒルズまでの間では、これでもかと言うくらいたくさんのトレイルランナーに出会った。こんなことは初めてだ。ちょうど昼過ぎという時間帯のせいだろうか。これからはこういう時間帯にこのエリアは避けようと思う。
穂谷川まで戻ると小雨が降ってきた。厚い雲が垂れこめて、どうにも気分がすっきりしない。
結局、約 30km を 4時間25分で終了した。