昨日は暑かったが、東海自然歩道を月ヶ瀬から野殿、童仙房、鷲峰山、宇治へと辿ってきた。
一番の目的は童仙房の三ヶ岳(みつがだけ)。
最近たまたま図書館で借りた「山城三十山」の本に記載されていて、童仙房は何度も通っているのにすぐそばにあるこの山にはこれまで登っていなかったので、すっきりさせておきたいと思った。
それならついでにと考えたのが三国塚(みくにづか)。京都府、滋賀県、三重県の県境に位置している。
野殿の少し東にあって、4月に野殿へ行った時にすぐそばの展望台へは寄ったものの、ここには立ち寄っていなかった。
UTMF を考えるとトレイルもさることながら、ロードをしっかり走る練習も大切なので、長めのロードを組み合わせようと思って、 JR 月ヶ瀬口から少し R163 を行って、北に向かって地形図に記載されている山道で三国塚のそばの三国越林道に出て、そこからは車道で野殿、童仙房。ここで三ヶ岳に立ち寄って、あとは東海自然歩道をそのまま原山に下って、そこから鷲峰山、郷之口、宇治というコースを設定した。gps のルートで 40km 弱というところ。
家を出てから2時間半かかって、ようやく月ヶ瀬口駅へ到着。
駅の改札が線路の南側だったのでどうやって北へ行くのかわからず、たまたま玄関の掃除に出てこられた近所の方に尋ねて歩行者専用の細い道を下って行った。
それにしても朝から暑い。天気予報を見ると京都南部は酷暑予報になっていたので、ネッククーラーを濡らして持ってきた。
R163 は交通量が多いが、数分で細い道に入って、目指す稜線を眺めながら北へ向かった。
たまたま道におられた地元の方に挨拶をして、ルートに従って畑のあぜ道に入る。
畑が終わってようやく山道に入ると思ったところ、ほんのわずかで行き止まり。
踏み跡すら見あたらず、このヤブではとても突入する気にならない。
少しうろうろしてみたけれど諦めて元に戻る。
戻ったらさっき出会った地元の方がまだおられて、「どこに行くのか?」と訪ねられたので、「野殿へ」と答えた。
「それならもっと東の林道しかない」というお返事だったので、「山道で行きたい」と言ったところ、「昔はあったけれどもう今はそんな道はないよ」とのこと。
このルートを紹介しているサイトもあって確認してきたのだが、いつ頃の情報なのかまでは確認していなかった。
それにしても国土地理院の地形図に記載されている登山路はあてにならない。アルプスのような登山者の多いルートならいざ知らず、里山のような人気の少ない山域の情報はまったくあてにならないということを再確認させられた。
東側の三国越林道までは結構距離があることがわかっていたので、西側に向かって東海自然歩道のルートを行くことにした。三国塚はあきらめる。
R163 に向けて戻る途中、西向きのしっかりした林道があった。地図を見るとこのままうまく R163 に出られそうだ。V 字に行かなければならない部分をほぼ直線でショートカットできそう。何よりも交通量の多い R163 を避けられるのが助かる。
うまく行って、R163 に合流して少し行って、押原の東海自然歩道への曲がり角に出た。
野殿まで 6.1km とのこと。登りなので1時間くらいだろうか。
何とかジョグで登れるくらいの勾配だが、おかげでもう汗びっしょりだ。
しかし標高が 500m くらいになると、空気が少し爽やかになって涼しく感じられるようになってきた。
野殿には R163 から 50 分弱くらいで到着した。
先日おじゃました別邸に寄ってみたところ、車が置いてある。もしやと思って声をかけてみたところ、ご主人はおられたけれど奥さんは今日はおられないとのこと。簡単に挨拶をして童仙房へ向かった。
童仙房のメインストリート(?)を越えて、三ヶ岳を目指す。
いよいよ今回のメインの三ヶ岳だが、実はあまりはっきりした登山道が無い。登る人が非常に少ないのだ。
ヤマレコでいくつかの記録を見てムダの無さそうなルートを gps に入れてきたのだが、自分で入れたルートの詳細を失念していて、まだ三ヶ岳の登りに入る前に勘違いして脇道に入り込んでしまった。
どうにも様子が変で、よく見ると茶畑のわずか上あたりをうろうろしている。
これは一旦車道に下りた方がいいと判断して、適当に茶畑のあぜ道を下った。
少し行ってからまた適当に茶畑のそばを登ってみた。そうしたら朽ちた「三ヶ岳」という道標が現れた。
こういう道標は車道から入る所に配置しておいてほしい。
このあとも踏み跡は不明瞭だったが、ヤブはそれほどではなかった。
11 時半頃、ようやく三ヶ岳(617.8m)の山頂に到着した。
三角点の標石に腰掛けておにぎり休憩。
10 分ほどで腰を上げたが、下山路がまたよくわからない。
少し下ったが gps で方向がおかしいことがわかって、正しいと思われる方向に修正したところ、古いテープが見つかった。
しかしこれもそのうちに見失って、そうこうするうちに下に道が見えたので、強引に斜面を下りた。
峠を少し童仙房側に下った所だった。本来の道は峠に下りるのだろうかと思って眺めてみたが、峠にはそれらしい踏み跡も標識も見あたらなかった。
峠から少し下るとこれから向かう鷲峰山が望める。
この道からの和束の眺めは私のお気に入り。ただ、4月のみずみずしかった緑の風景に比べると「使用後」という感じ。
しかし下るにしたがってまた蒸し暑くなってきた。日射しがそれほど強くないのがせめてもの救い。原山で自動販売機に出会えるだろうか。
府道にガソリンスタンドが見えたので、あそこに行けば自動販売機があるかもと思ったが、遠回りはしたくなかったので鷲峰山への参道に入る。
ここからは登りが急になって、歩きで行く。
家が密集している所にさしかかったら、雑貨店のような店の前の自動販売機が目に入った。
迷うことなくコーラを買って、その前に腰を下ろして一息入れる。
民家が無くなって茶畑のエリアに入ると、傾斜が一段と強くなる。
写真ではそれほどの傾斜には見えないけれど、これがなかなかのものなのだ。
この道はこれまで何度か通っているけれど、いつも下る方向ばかりで、「ここを登るのはきついだろうなぁ」と感じながら走っていたのを思い出す。
山道に入ると少し傾斜がゆるくなって、沢に出会うとあとひと登りだ。
沢沿いの道は結構荒れていた。
参道に入ってから1時間少々でようやく金胎寺に到着した。
この中に入るとお金がいるので、山頂に向かう。
一段上の建物がいくつか残っているところでベンチに腰を下ろしてようかんを食べた。
多宝塔の横からさらに上に向かって、山頂(682m)には2時2分に到着した。
実はここまで登ってきたのは初めて。
あとはほとんどが舗装路の下りなので、距離はまだあるけれど4時くらいには宇治にゴールできるかなと思った。
車道に出ると郷之口まで 8.5km という標識。思ったより距離がある。下りだけれど1時間くらいはかかるだろう。
コンクリート舗装の下りは足にこたえるけれど、今日のシューズはまたまた新調した HOKA の Stinson ATR。疲れてからの下りでは HOKA には助けられる。若い頃は薄くて軽いシューズの方が走りやすかったけれど、もはやそういう筋力は無い。
1時間下ってもようやく郷之口にさしかかったくらいで、ちょうど自動販売機の横にベンチが置いてある所があったので、そこでコーラの 500ml を買って、パックサンドを食べた。
くつわ池への登りはうんざりした。
車道は交通量が多く、歩道は無い。
ようやく車道から分かれてトレイルに入ったと思ったら、もはや道は荒れ放題。おそらくまったく手入れされていない。
こんな市街地の近くなのにシカが飛び出してきたのにはびっくりした。
もはや東海自然歩道も過去の遺産になりつつあるのだろうか。
白山神社の山門をくぐって、
4時 24 分にようやく宇治川に出た。
宇治の観光客の中を場違いなスタイルで走って、
京阪宇治駅にゴールしたのは4時 37 分だった。
東海自然歩道は 25 年ほど前に箕面から室生寺まで尺取り虫方式で走ったことがある。当初はもっと先まで行くつもりだったけれど、これより先はもう日帰りではムリで、そうかと言って宿に泊まってまで続けるほどの意欲は無かったので、そこで終わってしまった。
その時の簡単なメモを見ると、このコースは石山をスタートして童仙房を下って大河原までの約 58km を7時間ほどで走っていた。
今回は約 45km を8時間ほど。
マラソン全盛期の頃で、六甲全山を5時間少々で走っていたので、今とは比べものにならないし、そもそも比べる必要も無いこと。
楽しければそれでいいのだ。