先月、大天井ヶ岳へ行った時、吉野から見た龍門岳が格好良かったので、また行ってみようと思っていた。
龍門岳は昨年に一度行っているのだけれど、この時は北側からピストンしたので、次は表玄関の南側から行ってみたいという気持ちはずっと持っていた。
しかしこのルートはアプローチが長い。最寄り駅は大和上市で、近鉄吉野線の吉野駅のわずか二つ手前。しかも登山口までは車道をしばらく行かなければならない。そんなわけでなかなか思い切れなかったのだけれど、先月吉野から眺めた光景がトリガーになって、日曜日(11/4)に行くことにした。
最近、アプローチの電車が長時間で朝が早い時は朝食は家で摂らずに、パンと牛乳、パックコーヒーなどを持って出て、電車の中で食べることにしている。少しでも長く睡眠時間を確保したいので。
で、朝6時前の電車に乗って大和上市に向かった。
2時間半ほどかかってようやく大和上市駅に到着した。ここからは大台ヶ原へ行くバスが出ている模様。
バス停のベンチで準備をして、8時35分に駅を出発した。朝方は冷えると天気予報で言っていたのに思いのほか暖かい。
R168 ではなくほとんど旧道を走って、国道から分かれて北に向かった。正面に龍門岳(だと思う)。
今回もいつもと同様、ガイドブックなどで詳しく調べることはせずに、地形図の道からルートを決めてきた。つい先週、奥明日香で地形図の道で痛い目に遭ったというのに、何度やっても懲りていない。
桜井へ向かう車道の途中から尾根筋で龍門岳に向かうルートを予定してきたのだけれど、吉野山口神社には立ち寄って行きたいと思っていたのでその方向へ向かったのだけれど、神社の場所がよくわからない。
たまたまおられた地元の方に尋ねたところ、神社は思っていたよりずいぶん東の方だったが、もう二度と来ないかも知れないのでそちらに向かうことにした。今日のコースはもともと時間の余裕がある。
まずは菅生寺(すぎょうじ)。菅原道真が生まれ育ったという言い伝えがあって、寺の名前はそこから来ているとか。
さらに東に向かって、ようやく吉野山口神社にたどり着いた。
ここには二つの神社があって、まずは吉野山口神社。
そして高鉾神社。
近くにあった案内版によると、ここから龍門岳に向かう登山路があるらしい。確かに地形図をよく見ると沢筋に道が伸びているけれど、途中で途切れている。しかしここは近畿自然歩道だそうで、道標もしっかりしているので、この道で龍門岳を目指すことにした。
緩い登りの車道を行く。
神社から10分ほどでジャリ道になった。
さらに10分ほどで龍門の滝。
すぐ上に龍門寺塔跡。奈良時代の建立。
いよいよ沢沿いの山道に入る。沢から離れて山肌を行くようになるとかなり傾斜がきつくなった。10時55分、上市から2時間20分で龍門岳(904.1m)に到着した。
一等三角点があるけれど展望はまったく無し。
ここから先は昨年歩いた道なので、気分的には随分楽になった。
ほどなく送電線の鉄塔が現れた。こういう人工物にはがっかりさせられるけれど、おかげで格好の展望台になっていることが多い。鉄塔のちょうど向こうがこれから向かう熊ヶ岳。
快適に下って三津峠。
ここからは道があやしくなることを記憶している。特にちょっとしたピークのトラバース道は昨年にも増して不明瞭になっていた。
ここは稜線でピークを越えるルートもあるようで、もしまた来るのなら次回はそちらにした方が安全かも。
龍門岳からほぼ1時間、12時前に大峠に到着した。ここで今日初めて腰を下ろしておにぎり休憩にした。
10分足らずの休憩で早々に熊ヶ岳に向かう。大峠から20分くらいで熊ヶ岳(904m)に到着。龍門岳とほぼ同じ標高。
そして経ヶ塚山(889m)へ。ここは木の間からわずかに東の宇陀方面が望める。
ここから音羽山(851.4m)まではほんの10分程度。
下山は展望台経由。大和葛城山、金剛山はいまひとつはっきり見えなかった。
善法寺のお葉つきイチョウはまだ実は付いていなかった。
おおむね予定通り、1時45分に下居(おりい)の車道に下りてきた。観音寺は善法寺のこと。
さて、今日はこれまで素通りしてきたこのあたりの遺跡などをいくつか寄り道するつもり。
まずは崇峻天皇陵。考古学的には天王山古墳が本当の陵墓の可能性が高いと言われている。崇峻天皇は蘇我馬子の手先の東漢直駒 (やまとのあやのあたいこま)に暗殺された。
次はメスリ山古墳へ行こうと思ったのだけれど、場所がよくわからない。取りあえず丘陵の南側に大きな鳥居が見えたので行ってみたら八阪神社という神社だった。
ちょうど鳥居の脇からヤブに入っている踏み跡があったので行ってみた。何となく墳墓という感じがしたけれどそれらしき案内板は見あたらなかった。北側に下ったけれど、たぶんこれがメスリ山古墳だと思う。
住宅街に入って、上之宮遺跡。聖徳太子の上宮(かみつみや)跡の可能性もあるとか。
艸墓古墳(カラト古墳)(くさはかこふん)はどこ? あたりをうろうろしてようやく入り口を見つけた。
やっと見つけたとよろこんだら・・・。
本当は吉備池廃寺跡にも行きたかったのだけれど、これで気力を失った。
桜井駅にはちょうど3時に到着した。
念願の南からの龍門岳と桜井の遺跡のいくつかも訪れることができて、ほぼ満足のいく一日だった。