神童子(じんどうじ)から海住山寺(かいじゅうせんじ)への山道は数年前に京和トライアスロンクラブのマラニック大会で走ったが、その頃はまだタイムへのこだわりもあったので、見所は立ち止まることもなく素通りしていた。
(注)神童寺というお寺のある集落が木津川市山城町神童子。読みはいずれも「じんどうじ」。
私はちょっと変わった山名や地名に惹かれる人間なので、「神童子」や「海住山寺」は改めてゆっくり訪ねてみたいという気持ちはずいぶん前から持っていた。
しかしながらこのあたりはわざわざ一日を使って満足できるようなコース設定がなかなかできなかったので、これまで先送りしてきた。
2/9 の日曜日、朝イチで生協にまとめ買いに行って、それから出かけてみようと思った。ついでにここも一度訪ねてみたかった椿井大塚山古墳にも立ち寄って。
恭仁大橋で木津川を渡る。
正面には辿る予定の稜線。
車道を歩いて登って、出発してから45分ほどで海住山寺に到着。境内に入って100円を払う。本堂は改修中。
海住山寺は奈良時代に良弁僧正によって藤尾山観音寺として建立され、その後の焼失を経て、13世紀に解脱上人貞慶によって補陀洛山海住山寺として旧寺を中興されたとのこと。
五重塔は国宝。
参道からそれて山道に入る。以前のマラニックの大会の時は神童子からの道はかなり不明瞭で、何度か集団ロストしたりしていたので、はたして今どういう状態になっているのかいささか不安だったけれど、出だしははっきりしていた。結構手入れされている感じ。
道標も随所に設置されていて、ハイキングコースとして整備されている感じ。
快適な自然林を気持ち良く進む。
しばらく進んだら「鳶ヶ城(とびがじょう)跡」という道標があったので寄り道してみた。
加茂町の街並みの向こうは奈良の山々。ここで腰を下ろしておにぎり休憩にした。
さらに進むと竹林になった。集落が近い。
神童子の集落に下りたって、まずは天神社(てんじんじゃ)に向かう。
十三重石塔は重要文化財。
そして神童寺へ。聖徳太子の創建で、役行者が修行したと伝えられている。本堂を始め、仏像の多くが重要文化財に指定されているが、中には入らず。仏像の値打ちはよくわからない。吉野山とのつながりが深い。
神童子の集落。
しばらく車道を走って、最後の目的地の椿井(つばい)大塚山古墳。古墳時代前期(三世紀後半)の古墳の中でも最古と位置づけられている。
奈良線の法面拡幅工事の際に石室が発見された古墳で、前方後円墳の真ん中を線路が横切っている。
後円部の墳丘。
墳丘からの生駒の眺め。
前方部には何と住宅が建っている。
この後は車道を走って奈良線の棚倉駅へ向かう。
午後3時18分、棚倉駅にゴールした。
ふと思いついて出かけたコースで、実動わずか3時間ではあったけれど、なかなか充実していて楽しかった。
先月の星田三山に続いて、半日程度でも楽しめる場所は探せばあるということを再認識した。