武奈ヶ岳

この冬は久しぶりに雪が多い。二年前の正月に敗退した釈迦岳へワカンで再挑戦しようと思ったが、どうせ行くなら武奈ヶ岳の方が楽しめるだろうと考えて、1/9(土)にイン谷口に向かって車を走らせた。

比良へ行く時はいつも電車を利用するのだが、コロナの感染が拡大しているので、他人との接触を避けるために車で出かけた。

イン谷口の駐車スペースに置くつもりだったが、上の駐車スペースまで行けてしまった。

準備を整えて7 時 47 分に出発した。実は駐車スペースの路面はテカテカに凍結していて、歩き出すやいなや滑って転倒という滑り出しとなった。

しかし登山道はそこまでは凍結していないのでしばらくアイゼン無しで歩く。

上の駐車場まで来られたおかげで 10 分少々で大山口へ。

このあたりではここしばらく雪は降っていないようで、しっかりしたトレースが残っている。

正面谷右岸を進む。堰堤の巻きが何箇所かあって、途中でアイゼンを着用した。

沢を渡って、いよいよ青ガレの核心部に入る。

所々ロープが垂れているが、積雪で道が均されていて、おまけにトレースもしっかりしているので、無雪期よりも歩きやすいくらいだ。

出発して1時間半ほどで金糞峠に到着した。

びわ湖を振り返る。

風が吹き抜けて寒いので早々に谷筋に下る。そして踏み跡を辿ってコヤマノ岳へ向かう。

もっと新雪が積もっているかと思っていたが、所々風で飛ばされた雪が踏み跡を覆っている程度で、たぶん無雪期と時間は変わらない。

しかしそろそろ風が強くなってきたので大木の影でヤッケの上を羽織った。

天気も良くていい気分。

10時21分、コヤマノ岳(1181m)に到着した。無雪期の休日なら必ず人がいる場所だが、今日は無人。

鞍部まで下ると、武奈ヶ岳の勇姿が拝める。

ここの登りも無雪期よりも歩きやすかった。10時49分、武奈ヶ岳山頂(1214.2m)に到着した。出発してちょうど3時間だった。

北東方面の眺め。真ん中やや左の雪山は伊吹山。真ん中右が霊仙山。

これはびわ湖バレイ方面。

写真を撮ったら早々に下山。積雪期の武奈ヶ岳は坊村から御殿山コースの人が多いのだが、今日はほとんど人が見えない。

鞍部からはイブルキのコバへ向かって下りる。

イブルキのコバ。

11時40分、八雲ヶ原に到着して、ここでおにぎり休憩にした。

テントを張ろうとしているパーティが2組ほどあった。私もずいぶん昔に、積雪期にここでテント泊したことが2〜3回あるが、今はもうやりたいとは思わない。

ダケ道を下りるので北比良峠へ向かうのだが、ゲレンデ跡のワカントレースにつられてうっかりゲレンデ斜面を上がってしまった。

もっと近道があるのだけれど、気づいた時はすでにゲレンデの半分くらいまで上がっていたので、そのまま進むことにした。

遠回りしたおかげで稜線の吹き抜けの場所ではちょっとしたシュカブラに出会えた。

こんなナイフリッジがあったということはまったく記憶に無い。

北比良峠から最後のびわ湖の眺め。

そして反対側は武奈ヶ岳。

あとは淡々と下るのみ。カモシカ台。

さらに下るとギョッとする光景が・・・。

イノシシの死骸? まだそれほど日数は経っていない感じ。内臓や肉が食べられているようなので、何かに襲われたのだろう。しかしいったい何に? まさかこの時期にクマ?

大山口まで下りてきた。

午後1時36分、無事駐車場に戻ってきた。

ワカンラッセルを覚悟していたのだけれど、そういう局面はまったく無かった。でももし実際にあったとしたらかなり厳しかっただろうと思う。はたしてワカンラッセルができる体力があるのかどうか、一度は試しておかなければならないと思う。