青葉山

青葉山は若狭富士と呼ばれる端正な山容の山で、舞鶴と小浜の県境に位置している。一度訪れてみたいとかねがね思っていたのだが、1/19(木)にようやく積年の想いを遂げてきた。

JRに「ジパング倶楽部」というのがあって、男性65歳、女性60歳以上で加入できて、年間20回までJRの長距離切符が割引価格で購入できる。

鉄道旅は以前から興味があって、まともな山登りができなくなったらぜひ鉄道旅を楽しみたいと思っていて、昨年の5月にこのジパング倶楽部の会員になった。

4千円弱の会費を払って入会したものの、乗車距離が200km以上にならないとこれが利用できないので、これまで一度も利用する機会がなかった。

有効期間が一年間なのでせめて元くらいは取りたいと思っているのだが、なかなか適当なチャンスがないままずるずるとこれまできてしまっていた。

青葉山はわりと遠くて、早朝に出れば車で日帰り可能なのだが、JRの小浜線に近いので電車の駅から周回することができる。しかしこの線は運行本数が少なくて、舞鶴経由で行こうとすると登山口到着が昼前くらいになってしまう。

しかしながら新幹線で米原まで行って敦賀から小浜線に乗ると9時半くらいに到着できるということがわかった。

帰りは舞鶴回りの山陰線経由で帰ると京都駅を起点にして200km以上になって、しかも片道切符として購入できて、途中下車できるので、新幹線の特急料金と帰りの綾部から京都までの特急料金を含めてもトータルで6千円弱でJRの切符を購入することができた。

朝5時過ぎに家を出て、9時半に小浜線の青郷(あおのごう)駅に到着した。敦賀のあたりでは小雨が降っていて愕然としたが、ここではほぼ晴れていた。

準備を整えて9時45分に出発した。青葉山が目の前に見えるが、車中から見えていた端正な容姿ではなかった。

しばらく車道を行く。ちょっとわかりにくい道だがGPSにルートを入れてきたので間違いなく進むことができた。

10時10分に中山寺にたどり着いた。

足元に青葉山登山道の標識が置かれていたのでそれに従って登山道に向かう。

少し行ったら大きな害獣避けネット。しっかりと取り付けられていて開け閉めに苦労した。

少し登ると車道と交差した。

山頂の青葉神社への表参道なのだろう。

つづら折れの道を淡々と登る。先日の比叡山ではかなり寒い思いをしたので少し暖かめのウエアで来たので、少し暑い。

稜線に出た。電波塔のあたりまで行けば海が見えそうだが、そのうちに展望台に出るだろうと思って先に向かった。

予想通り、展望台に出た。

展望台の上から若狭湾。遠方は霞んでいてよく見えない。

金比羅神社。

山頂が見えてきた。

馬の背とやらが現れた。トラバースルートがあるようだがせっかくなので馬の背に向かう。

わずかの距離だがうっすらと雪が被っていて緊張した。南側が切れ落ちている。振り返ると、

11時32分、青葉山山頂(東峰、693m)に到着した。

神社は閉店。

早々に西峰に向かう。梯子が次々と現れる。

ロープもあるでよ。

11時55分、西峰に到着した。

神社の裏の岩山に登る。

西峰の山頂(692m)。

山頂から内浦湾。

丹波高地の山々。

ほぼ予定通りの12時に西峰まで来られて一安心した。帰りの特急は指定席券を購入しているので遅れるわけにはいかない。少し陽も差していたので神社の前に腰を下ろしておにぎり休憩にした。

下山は南に向かう。しばらく急なジグザグを下ると林道に出た。地形図にはここから林道をショートカットする山道が記載されている。その方向に向かってみると、登山道はほぼ消滅状態だがわりと新しいピンクテープが続いているので、そこに突っ込んでみた。

最初のうちはピンクテープが続いていたのだが次第にまばらになって、いつの間にやら無くなってしまった。

20分ほど適当に下って行ったらもう少しで林道というところで堰堤に当たってしまった。

周囲を念入りに見渡して、右岸の方の斜面を這い上がったらかすかな踏み跡が現れて、それを行ったらほどなく林道に出た。やれやれ。

あとは車道を淡々と下るだけ。青葉山を振り返る。

道端に数匹のサルの群れがいた。一匹だけ落ち着いてこちらを眺めていた。

国道からまた青葉山を振り返る。

午後1時48分、無事、青郷駅に戻ってきた。

予定の電車は15時1分なのでまだ1時間以上あるが、このあたりはコンビニもなにも無いので、自動販売機でコーヒーを買って駅の待合室で時間をつぶした。

駅員さんが一人おられて、私一人のために待合室のストーブをつけて下さった。暖かくて助かった。

電車旅は気楽なのがいい。車中では時間潰しにスマホで電子書籍などを読もうと思っていたのだが、結局ほとんどずっと車窓を眺めたり居眠りしたりでのんびり過ごした。

市街地を走る電車では外を眺めていてもあまり楽しくないが、こういう郊外を走る電車は飽きることなく眺めていられる。

またぜひこういう山行きをやってみたいと思った。