7/1(火)はたっぷり時間がある。
安価に泊まれるホテルを探した結果、昨夜は弘前で、今日は青森泊。弘前から青森まではJRの普通列車でも1時間足らず。
青森にはさほど行きたい場所が見当たらないので、3年前に一度訪れた「太宰治まなびの家」などを再訪してみようかと考えたのだが、イザベラ・バードが黒石に滞在していたことを思い出した。
ここでバードは通訳の伊藤をつけずに、人力車をやとって一人で郊外に出かけている。
バードが訪れたのは中野神社と温湯(ぬるゆ)温泉。
ただ、いずれも黒石の中心から10kmほど離れていて、バス便も一日3本程度で、これでは半日程度で往復することは不可能で、歩くには遠すぎる。
黒石の古い街並みを散策するくらいが関の山かと思っていたら、観光案内所で自転車が借りられるということがわかった。
観光協会の開くのが9時なので、それに合わせて弘南鉄道で黒石に向かった。

40分ほどで終点の黒石駅に到着した。

観光案内所は駅のすぐそば。

建物の前にママチャリが2台だけ置いてあった。

最近はレンタサイクルでも電動自転車があったりするのだが、ここの自転車は超シンプル。ただしヘルメット付きで500円なり。
google mapを見ながらまずは中野神社を目指す。
郊外に出るとおおむね登り基調で、おまけにわりと向かい風があって、この自転車では本当に苦しかった。

1時間ほどかかってようやく温湯温泉の入り口まで来た。

帰りはここに出てくる予定。
汗まみれになってさらに10分ほどかかって、ようやく中野神社に到着した。


ここは紅葉の名所らしい。
自転車を置いて、石段を下ると不動の滝。

「・・・・、森の中の大きな滝は雪の降るように白く輝きながら下の黒い滝壺に飛び散り、遠く旅をしてやって来る価値が充分にあるにちがいない。これほど私を喜ばせてくれたものを今まで見たことがない。」

「美しい橋があり、二つのすばらしい石の鳥居がある。きれいな石灯籠があって、それから壮大な石段の急な坂を登って山腹を上る。それは杉の並木で小さな神社に至る。」

本殿。

本殿の横にもみじ山への石段があった。

観楓台(かんぷうだい)。

そして温湯温泉へ。
おそらくバードが入ったであろう、鶴の名湯。

私も入りたい気持ちは山々だったが、フロセットは持ってきていないし、入ってもすぐに汗まみれになるのは目に見えているのであきらめた。
こんな郊外の小さな集落の中なのだが、平日の午前中にもかかわらず、私が写真を撮ったりしているわずかな間だけでも二人ほど入浴客があった。
坂道を上がって国道に出た。

行きに1時間かかった道を40分くらいで帰ってきた。
黒石観光の中心地の「中町こみせ通り」。

黒石はやきそばが有名らしい。「つゆやきそば」というのが特に有名だそうで、ちょうど昼時なので看板のかかっている店に入ってみた。
和そばのような麺がソース味の普通のやきそばのように調理されていて、その上に和風出しがかけられいる。
「まずはかきまぜる前に和風出しを味わってほしい」というアドバイスで一口すする。ごく普通の味。そして麺を口に入れるとソース味。
奇妙な取り合わせだがなぜかおいしい。
満足したが、また食べたいかと聞かれると微妙。
店を出たら雨が降ってきた。近くに広場があったので、そこの東屋で雨宿りした。
黒石から青森へはバス便があるので、それで青森に向かおうと思っていたのだが、バスまではまだ1時間くらいある。
雨では時間潰しも難しいので、また電車で弘前に戻ることにした。弘前からJRで行っても、青森までのトータルの交通費はバスよりも若干安いくらい。
雨具のジャケットを着て観光案内所に戻ったが、本降りだった雨はあっさりと止んでしまった。
弘前では電車の乗り換え時間がたっぷりあったので、駅のそばのコンビニでコーヒーを買って、駅前の広場で時間潰しした。
弘前駅から青森駅までのJR乗車券はICカードだと682円、キップを買うと680円だった。この値段の違いはなぜ? ICOCAカードが使えたので682円になった。
青森駅もこれまで通ってきた大きな町の駅と同じ雰囲気だった。

翌日のリムジンバスの乗り場と時刻表をチェックして、ホテルにチェックイン。

京都から青森まで、電車を乗り継いで7日かけてやってきた。1200kmくらい?
夕食はチェーン店ぽい居酒屋へ入ったが、今度は納得できる内容だった。