六甲縦走キャノンボールラン

先週末は恒例の六甲縦走キャノンボールラン。もう大会参加は辞めると言いながら、この大会だけはついふらふらとエントリーしてしまう。
この3月の大会で1年半ぶりに完走できたので、アクシデントさえ無ければ完走はできるだろうと思っていた。
それに UTMF や先日の和泉山地など、欲求不満のたまる出来事が続いていたので、一度すっきりさせたいという気持ちもあって、わりと前向きに考えていた。
秋の大会は宝塚がスタートゴール。ただしスタート地点は塩尾寺(えんぺいじ)下の広場。ゴールは湯本台広場になる。
広場からの宝塚方面の夜景。
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定刻の土曜日午後9時にスタートした。ほんのわずかに霧雨が漂っている。
今回からナイトスピードという、夜間の片道コースが新設されたので、これまでより参加者が随分増えるのではないかと思っていたが、それほどでは無さそうだ。何となくパワー(往復部門)の参加者が以前に比べると少ない感じ。
ただ、おそらくナイトスピードの選手は片道なので速いと思うので、掬星台でカレーにありつけるかどうかちょっと心配だ。
スタートして1時間 50 分でドライブウェイに出た。ここまでわりといい感じで来ていて、なかなかのタイムだと感じていたが、帰ってから調べたら2年前は1時間 37 分だった。
一軒茶屋のエイドは酒しかなかったのでパス。
いよいよ 100 万ドルの夜景が始まる。
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同じアングルの昼間はこんな眺め。
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初めての参加者が多いのか、忠実に全山縦走をを行く人がたくさんいる。私はいつも通りの最短距離コースを行く。
その後2カ所ほどエイドが出てきたけれど、いずれも酒などの飲み物ばかりなので通過する。
3時間 15 分くらいで掬星台に到着して、ようやくカレーにありついた。その時はいいタイムだと思っていたけれど、過去の記録を見るとそれほどでもなかった。体調は上々だ。
ここからの夜景は素晴らしい。
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それにしても今回は相前後する選手の数が非常に少ない。これまでに比べるとずいぶんばらけている感じ。
市ヶ原を越えて大竜寺の手前には今回はどんな仕掛けがあるか楽しみにしていたら、暗闇にガイコツがぶら下げられてライトアップされていた。
大竜寺のエイドでは豚汁とおにぎり、そしてコーラをいただく。
菊水山はスタートして約5時間で到着。これなら8時間台で須磨まで行けそうだ。
今回は水道局そばにエイドがあった。さっそくビールをいただいて、コンソメスープ。そして小さなおにぎり。
前後にほとんど人がいなかった丸山の住宅街もロストせずにクリアできて、高取山へ向かう。
今回は高取山エリアはラン禁止区間になっている。山頂エリアのフラットな部分が走れないのはちょっともったいないけれど、その分、夜景を楽しんで行く。
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同じアングルの昼間はこんな眺め。
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妙法寺の信号を渡って少し行った所で、左側の階段を上がって行く人がいた。前回も見かけたけれど、どうも須磨アルプスへ入る登山口へのショートカットがあるようだ。
一瞬、後を追ってみようかと思ったけれど、見失いそうだったのでやめた。地図を見ると山肌に階段が続いているようだけれど、それほど近道になるようには思えない。
前後に誰もいない中、暗い須磨アルプスを越えて行く。夜明け前に須磨に到着できそうだ。しかしハンドライト方の電池が残り少なくなってきた。
須磨浦公園には5時半に到着した。往路は8時間 29 分。往路の最速タイムではないかと思ったけれど、よく見たら2年前は8時間 18 分だった。
せっかくのいいリズムを崩したくなかったので、お茶を買って持参したおにぎりを食べて、15 分の休憩でまだ薄暗い中、リスタートした。
しばらく下ったり、少し休んだあとの登りはしばらく苦しいけれど、どうもそれだけではない疲労感を感じる。やはり往路のダメージが思いのほか大きかったのかも知れない。
明石海峡大橋の眺め。
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自動販売機で 100 円のスポーツドリンクを買ってボトルに入れたけれど、ちょっと変な味だ。
復路でも須磨アルプスは誰にも出会わず。
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これから先、高取山は何とかなるにしても菊水、鍋蓋、そして摩耶山を越えていけるのだろうか。いささか不安を感じてきた。
水道局のエイドでビールをいただこうと思ったら、ガスが切れていて取りに行っているとのこと。カレーと巨峰をいただく。
菊水山までリスタート後3時間 45 分。思ったよりは悪くないタイムだ。
鍋蓋山への登りで8時にスタートしたスピード(片道部門)のトップ選手がやってきた。これは速い。おそらく4時間台のペースだと思う。
鍋蓋山は急登が終わってからのチンタラが結構こたえる。
大竜寺のエイドではまた豚汁とおにぎりでくつろぐ。ここの人は親切で(全般的にエイドの人はどこでも親切だけれど。OSJ は???)、ペットボトルに入れていた水を満杯にしてくれた。
摩耶山の登りも苦しかった。もうちょっとと思ってからが長かった。地形の記憶がついつい都合の良い解釈になってしまう。登り切ってからのフラットな部分も歩きで、リスタートから6時間かかってようやく掬星台の東屋に到着した。
ここではおかゆやバナナなどをいただいた。
往路がここまで3時間半足らずだったので、あと4時間半だと 10 時間半。菊水山を登っているあたりでは復路は 11 時間くらいかかるのではないかと思っていたけれど、そこまで遅くはなっていないようだ。ただしこの先が何とかしのげればという話だけれど。
もうこれから長い登りは無いけれど、ちょっとした登りがなかなか苦しい。あまり頑張らずに、止まらずに歩き続けるということを心がけて足を進めた。
三国池そばでドライブウェイに出てからの緩い登りの歩道もほとんど走れず、これでは復路 11 時間かという気分になってきた。
これまで4回の完走はいずれもトータルで 19 時間台ばかり。2年前に往路を8時間 18 分で行った時も、復路は 10 時間 50 分もかかってしまった。
今回は合計タイムで 19 時間を切れる可能性があるのだが、かなり微妙な状況だ。復路が 10 時間半でクリアできればいいのだけれど。
藤原商店でお茶を買って、ボトルの入れ替えをやる。甘いスポーツドリンクは食傷ぎみだ。
六甲山ホテルの近くにエイドがあって、コーラとクッキーをいただく。あと 15km とのこと。
時間的にリスタート後7時間半くらいだったので、残りを1時間 5km のペースで行ければ 10 時間半。ちょっと頑張ればトータル 18 時間台が達成できる。
どうもそれが起爆剤になったようで、このあと少し走れるようになってきた。
ゴルフ場そばのフラットもしっかり走って、ドライブウェイもほぼジョグで進んだ。
一軒茶屋で8時間半。これまではここからの下りがだいたい2時間なので、10 時間半が切れるかどうかというギリギリの状態だ。
幸か不幸かいつもあるエイドが今回は無かったので、トイレに寄っただけで先に進んだ。
東六甲縦走路は長くていつもうんざりする。特に昨日は、後からスタートした片道部門の選手が次から次からやってくる。そのたびに道を避けなければならない。
以前は往復部門も復路のスタートは片道と一緒だったので、こういうことは無かったのだけれど、いつの間にか復路のスタートは自由ということになったので、こういう事態が発生する。
片道と一緒にスタートすればいいのだけれど、私の走力だとそうするとゴールが暗くなる可能性があるし(実際に以前はそうだった)、序盤の渋滞も煩わしい。
仕方無いと諦めるしかない。
想定したより 10 分ほど早く塩尾寺に到着した。これなら10 時間半を少し切れそうだ。
ここから下はいつも階段と山道のショートカットを行くのだけれど、下りなので多少距離が延びても車道をリズミカルに下る方が時間的には早いのではないかと思って、車道を下ることにした。
これまではここの下りはもうまともに走れず、下りにも拘わらず早歩き程度になってしまっていたのだけれど、昨日はジョグでしっかり下れた。
体力や筋力の問題ではなく、単に気持ちの持ちようだ。
昔に比べるとトレイルレースや登山の後でも大腿四頭筋に筋肉痛が出ることがほとんど無くなってしまっているけれど、これは筋力が付いたり技術が上がったというのではなく、単に気持ちが身体をセーブしてしまっているからだと思うようになった。つまり昔ほど自分の能力を十分に使っていないということだ。
そういうことに気が付いて、今回は意識的に攻めてみることにした。それが往路の好タイムにつながったのだと思う。
いよいよゴールが近づいてきた。こういう時は何とも言えない感傷的な気持ちが心に湧き上がってくる。
特に最近はそういう機会も少なくなったし、何よりも「はたしてまたこんな気持ちを味わえることがあるだろうか」という思いもよぎってくる。
3月の時は相棒がいたのであまり感傷的な気分にはならなかったけれど、今日は2年ぶりの単独ゴールだ。
最後までしっかり走って湯本台広場の緩い階段を駆け上って、サングラスを取ってゴールした。復路 10 時間 23 分で、何とか往復 18 時間台を達成できた。