来月、比叡山でトレイルレースが開催される。
距離は 50km だけれど(今回は 50 マイルが新設された)、コースのタフさは有名で、3年前の第1回大会は当日の暑さもあって完走率はかなり低かった。
クラブでこの大会に参加する人が何人かいて、初参加の方からコースの試走に付き合ってほしいと頼まれた。
私自身が知らない部分も少なくないけれど、まったく初めての人がコース図だけで正確に走るのはかなり難しいと思われるので、お付き合いすることにした。
私自身、多少興味もあった。
正式なコースは延暦寺をスタートゴールにして、8の字状になっている。
忠実に延暦寺からスタートしようとすると時間が遅くなるので、始発電車で出て、修学院から雲母坂を上がってコースの序盤に合流して、行けるところまでという予定で出発した。
朝の気温はやや低めで快晴という絶好のトレラン日和。修学院駅を6時半頃にスタートした。
先日の随行では2時間かかった水飲対陣まで 35 分で来て、コースに合流した。
ここから一周トレイルコースを南下する。鳥居から先は下り基調の走れる道。快晴ということもあって至極快適。
20 分ほどで一周トレイルコースから分かれて白川へ下りる。そして比叡アルプスへ。
スタートして2時間弱で一本杉に到着した。なかなかいいペースだ。とは言ってもまだ 8km 少々。
展望エリアでちょっと休憩。
ここから東海自然歩道で延暦寺エリアに向かう。
昨年通った時に少し荒れていると感じた記憶があるのだけれど、さらに激しく崩れて道が付け代えられているような箇所が何カ所かあった。
寺院のあるエリアから一旦滋賀県側へ下る。ここは私自身初めての道だけれど、はっきりしていて不安は無い。
一旦、坂本の車道まで下りて、日吉東照宮からまた登る。
すぐそばに比叡山高校のグラウンドがあって、野球部の生徒が練習をやっていた。
坂道の車道でダッシュしている生徒が何人かいて、我々が通ると大きな声で「こんにちは!!」と挨拶してきた。その後、マネージャーらしき女子生徒からも挨拶をもらった。
随行で滋賀県の山を下りてちょうど下校時に生徒の集団に出会った時、これまでも生徒達から「こんにちは!!」と挨拶されたことが何度かある。あの年頃の子供達が自分からそういうことをやっているとは考えにくいので、滋賀県の学校ではそういう教育をしているのだろうか。
そんな県でいじめでの自殺が発生するというのもちょっと意外な感じではあるけれど。
坂本が標高約 150m で、ケーブル延暦寺駅 650m まで1時間 10 ほど登り続けた。なかなかきびしい登りだった。途中、レースの試走と思われるグループが何人か抜いて行った。
駅の展望台もなかなかの景観だった。
蓬莱山の上の方には少し雪が残っている。
延暦寺のエリアを抜けるのにちょっと手間取ったけれど(入山料を取っている所で「参拝ではない」と声をかけるとタダで通過できる)、東海自然歩道を通ってドライブウエイを渡る橋の所まで来た。
しばらく一周トレイルのコースを北上して、青龍寺に向かって下る。ここも初めての道。
このあたりから試走と思われる高速グループがたくさん追い抜いて行った。走れる道ではあるけれど、転倒すると大ケガ間違い無しなので、つられないように慎重に下る。
車道を走る車の音が聞こえるあたりまで下って、そこからまた登り返し。
ここから横高山麓への登り返しは厳しかった。標高差で 400m ちょっと、時間にして 40 分ほどだったけれど、そこそこの傾斜の登りがずっと続いて、おまけにこれまでの疲労が出てきて、エネルギーが切れてくるのを感じながらの登りだった。
また一周トレイルコースに合流した所で小休止。
今、12 時半ちょっと前。当初想定してたのは大尾山午後2時で、この先をどこまで行くかという感じだった。時間的には大尾山にはもう少し早く到着できそうだけれど、体力的にはかなり厳しくなりそうな気がする。さらに進むと滋賀県側に下るので、京都側に戻るためには必ず登り返さなければならない。
そんなことを考えながら横高山(765m)に這い上がる。今日初めてのまともな山頂。
そして水井山(793m)。
仰木峠を越えて、大尾山へ向けての登りに入る。
小野山(670m)を越えて少し林道を行って、また山道に入って大尾山(681m)には午後1時 46 分に到着した。
私としてはここから大原に下りたい気分だったけれど、同行の二人が先へ行きたいと言えば行かざるを得ない。
しかし幸いなことに二人も結構疲れていて、試走としてはこれくらいで十分という気分だったようで、ここから大原へ向けて下ることにした。
この道は昨年、下っているけれど、結構いやらしかった記憶がある。
ここも昨年よりもさらに荒れていて、下部の渓流沿いはかなりいやらしかった。
大尾山から結局1時間くらいかかって、大原のバス停に到着した。
そのままの格好で混雑したバスで出町柳に戻って、百万遍の銭湯に直行。
そしてそばの王将で打ち上げとなって、まだ明るいうちに帰ってくることができた。
トータル約 32km。行動時間は8時間20 分ほどだった。
このレースのコースの厳しさは噂には聞いていたけれど、実際に走ってみて(歩いてみて?)その厳しさをはっきりと認識した。
正直に言えば、今の私の感覚としては「ばかばかしいコース」という気持ち。
私が自分でルート設定する時は、そのルートが論理的であるか、美しいか、ということを重視する。
六甲全山や京都一周トレイル、ダイトレ、生駒全山などはおおむねそれに見合っている。高島トレイルなどもそう感じる。
もちろん、様々な事情で部分的に特定地域を避けたコース設定をしなければならないような場合もあるけれど(私有地やお寺、神社の山域など)。
UTMF もよく考えられていると思うし、2回の開催で終わってしまった八ガ岳スーパートレイルも論理的なコース設定だったと思う。
そういう観点で言えば、この比叡山のコースはまったく美しくない。
距離をかせぐための無理矢理なアップダウンがたくさんあって、そこに必然性や論理性を感じることができない。
体力、脚力のある人にとっては走り甲斐のあるコースかも知れないけれど、あの鏑木さんがどうしてこんなコース設定にしたのかよくわからないというのが正直な気持ちだ。