六甲縦走キャノンボール

1年ぶりにやってきたキャノンボール。これまでに2回、卒業宣言をしたのだけれど、またもや復学してしまった。
今回で8回目の参加で、7回連続参加した防府読売マラソンを越えて同一大会最多参加となった。ただしキャノンボールは春秋の年2回開催なので、7年継続したわけではない。
これまでの7回はすべて往復にエントリーしてきたのだけれど、今回は夜間の片道にした。1年前、特に故障なども無いのに復路を断念した記憶が重くのしかかっていて、今回は最初から片道でエントリーすることにした。
「六甲の縦走は夜間が最高」というのが持論なので、2年前から始まった「ナイトスピード」部門での参加となった。

キャノンボールにしては異例の好天予報で、恒例のレオちゃんマンの宣誓のあと、夜9時に須磨浦公園をスタートした。昨年は寒さにやられたので今年は暖かくしようと思っていたのだけれど、結局上はメッシュのノースリーブの上に半袖シャツとアームカバー、下はヒザ下までのタイツにカーフサポートということにした。
今回は片道なので押し気味に行くことにしているが、スタート直後の狭い階段は渋滞した。
階段をしばらく上がって、旗振山から明石海峡大橋。厚着でスタートした人たちが上着を脱いでいる。
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何度来ても緊張する須磨アルプスを無事に通過した。出発してから1時間10分。
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横尾の住宅街に出る手前にはいつものサシミ、日本酒エイドがあったけれど、混雑していたのでパスした。
高取山は10時50分に通過。ここの公園でジェルを補給した。
丸山の住宅街もできるだけ走るようにした。
鈴蘭台の水処理場にエイドの明かりが見えたので、暖かいものにありつけるかと期待したのだけれど、酒とビールしかないとのこと。せっかくなのでビールをいただいた。
日付が変わった0時12分に菊水山に到着。ここまで3時間12分なので、タイムとしては悪くない。ここで持参したようかんを食べた。
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期待した大竜寺のエイドは、つきたて餅一切れという淋しいものだった。ここはいつも豚汁やおにぎりがあって、ほっと一息つける重要エイドなのだけれど。
キャノンボールの夜のエイドは、その時によって非常に充実している時と貧弱な時の差が大きいように思う。エイドの情報は SNS で発信されてはいるけれど、実態はそこに行ってみないとわからない。今回はまるで OSJ の大会のよう。
摩耶山の菊星台には2時15分に到着した。これでヤマを越えた感じ。
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ここのカレーエイドはいつも通り、期待を裏切らない味でした。
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ここで15分ほど休んで、ライトジャケットを着て出発した。
1時間15分でガーデンテラスに到着。3時45分。今回は片道なので、せめて9時間以内と思っていたのだけれど、ちょっと微妙なタイムだ。あと2時間15分でゴールしなければならない。
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一軒茶屋手前で最後の南側の夜景。これは大阪方面。
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一軒茶屋にもエイドは無く、今回、夜間のまともなエイドは菊星台だけだった。
東六甲縦走路の下りは苦手だ。どうも気分が乗らない。特に前半はちょっとした登り返しが多くて、なかなか高度が下がらない。掘れて歩きにくい場所も何カ所かある。
昨年はこのあたりでどんどん意欲が減退していったのだけれど、今回も同じような感じになってきた。「最低でも9時間以内」という目標達成も怪しくなってきて、それがさらに意欲減退に拍車をかけた。
今度こそ大会参加はこれを最後にしようと改めて思った。長時間のレースではゴールが見えてくるとたとえタイムが悪くてもそれなりの気分になってくるのだけれど、昨年、今年と、もうそういう気分にはなれなくなってしまった。
マラソンでも50歳を越えてからの大会ではゴールしても充実感や満足感を感じたことはほとんど無かった。
気持ちを切り替えて、残りは「大会」という雰囲気をしっかり味わっておこうと思った。
持参したスィートポテトを食べて、薄ら明るくなってきた山道をゆっくり走った。
が、塩尾寺が近づいて来た時、ここで一踏ん張りすれば9時間以内でゴールできそうだと思い直した。
車道を下って、展望台からの下りを車道を走るか階段をショートカットするか迷ったけれど、距離の短い階段を選択した。
ゴールの塩尾寺下の広場に到着したのは5時57分。8時間57分だった。
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片道ではゴールしても満足感や充実感というものはまったく無く、最低限度のタイムは何とかクリアできたという安堵感だけだった。50歳を過ぎてからのマラソンのゴールの時と同じ気持ち。
行く前には、ゴールしたらひょっとして往復したいという気持ちが出てくるのではないかと思っていたのだけれど、そんな気持ちは微塵も起こらなかった。
家に帰り着いたのは朝の9時前。素晴らしい好天の日曜日だ。こんなに素晴らしい天気の週末を、六甲の夜間走のためだけに潰してしまったのがもったいないという気持ちになった。
大会にエントリーすることでその大会に向けて多少の準備はするし、それによって少しでも体力低下が抑えられれば、それが登山の体力維持にもつながるという面はあるので、大会参加を辞めることによるマイナス面も考えないわけにはいかない。
ただ、昨今は大会参加費が高騰しており(キャノンボールは除く)、今さら荒天のレースを致し方なく走るというようなことまでしたくは無いので、ひとまず大会参加はこれで終わりにしようと思う。