コロナ感染はまだまだ収まる気配は見えず、不要不急の外出は極力控えるようにと言われている。登山なんてまさに不要不急そのものであろう。
しかしながら人間は生命を維持するための最低限度の行為だけで生きていけるものではない。外出を控えたせいで体力が低下して亡くなられた高齢者も少なくないと言われている。
というような大そうな弁解はさておいて、やましい気持ちも多少はあるものの、人の少なそうなエリアで平日であればまぁいいだろうと勝手に判断して、以前から歩いておきたいと思っていた台高山脈北部へ出かけることにした。
台高山脈北部は薊岳や明神平を中心に何度も出かけているけれど、高見峠から伊勢辻の間はまだ歩いたことがない。
うまい周回ルートがとれないかと眺めてみてもいいアイディアが浮かばず、さりとて高見峠と伊勢辻の往復だけでは芸が無さすぎる。ヤブばかりの不明瞭なムリやりルートも気が進まない。
最終的に、高見峠に車を置いて、まずは高見山を往復して、それから南へ向かって国見山まで往復するというルート設定にした。
9/1(水)の朝4時半に家を出て、途中で朝食とコンビニコーヒーをとって7時前に高見峠の駐車場に到着した。1台だけ奈良ナンバーの車が停まっていた。
そばに本居宣長の歌碑があった。
準備を整えて7時15分に出発した。
熊の目撃情報がいくつか表示されているが、こういう時に限って熊スプレーを忘れてきてしまった。さすがにちょっと心配。
お寺の手入れされた庭園を見てもあまり心を動かされないのだが、こういうのは本当に美しいと思う。
高見山は見ての通りの三角錐の山で、上部は急な登りが続く。とは言っても峠からは標高差 300m 足らずなので、30分少々で山頂が見えてきた。
7時50分、山頂(1248.4m)に到着した。7年前に講座で来ていらい。
展望台からの南の方の眺め。真ん中奥が薊岳で左が国見山。右奥は大峰方面。
駐車場に戻って、これからが今日の本番。駐車場の奥から登山道に入る。
しばらく行くとしっかりした道標が出てきた。
しばらく登って雲ヶ瀬山を通過。
このあとど〜んと下る。帰りが憂鬱。そしてハッピノタワ。
足下はすっきりしていて白山に比べるとはるかに歩きやすい。小走りで行けるようなところも所々ある。
しかし次第に天候があやしくなってきた。天気予報では午後は下り坂と言っていたが、早くも悪化してきている様子。いつ雨が降り出してもおかしくないような空気だ。最悪、伊勢辻から引き返すということも考えて、とにかく伊勢辻までは何としても行きたい。
10時9分、高見峠から1時間45分で伊勢辻まで来た。
ここから国見山までは4年前に歩いている。とは言ってももはや記憶はほとんど無いが、一箇所でロストしてずいぶん苦労したことだけははっきりと覚えている。
雨が降り出したら戻ることにして先へ進む。5分ほどで伊勢辻山(1290m)。
雨が降り出したら面倒なのでこの先で腰を下ろしておにぎり休憩にした。薊岳は上部は霧の中。
この先で若いカップルに出会った。向こうもびっくりしていたようだが、私もこのあたりで平日に人に出会うとは思っていなかった。
かわいい池。
いつの間にやら赤ゾレ山を過ぎていた。前回は間違いなく通ったのだけれど。
11時6分、国見山(1418.9m)に到着した。本日の最高峰。昔はきっと展望が開けていたのだろうが、今は木が茂っていて何も見えない。
まだ天気はもっているので、石に腰掛けて凍らせて持ってきたパックのカルピスを飲み干した。
あとはひたすら来た道を戻るだけだが、赤ゾレ山が気になる。
あの小さな池の向こうにちょっとしたピークが見えた。あれが赤ゾレ山かも。
来た時はこの麓あたりをトラバースしてきたのだが、池のそばから適当に上の方に行ったところ、踏み跡に出会った。前回来た時のトレースを見るとこの道を歩いていた。
無事、赤ゾレ山に到着した。前回来ているのでそれほどこだわる必要な無いのだけれど、やはり登っておかないとやり残し感が残る。
天候は少し持ち直していて、薊岳や大峰が見えていた。
国見山を振り返る。
前回はここの下りでロストしたということがわかった。山頂の写真の木の後ろあたりに行かなければならないのだけれど、少し右の方に下ってしまったようだ。
さてこれでもう思い残すことは無い。あとは淡々と下るだけだが、実はちょっとしたアップダウンが何度もあって意外と疲れる。
こんなところはジョグで。
ヤマホトトギス? ヤマジノホトトギス? どっち? きれいに写っていなかった。
ずっと樹林帯で展望がほとんど無いのだが、たまたま木の間から高見山。
さすがに高見峠から伊勢辻の間では誰にも会わないだろうと思っていたのだが、何と高齢の女性が一人で登ってくるのに出会った。散策して楽しいような場所とは思えないけれど、どこまで行かれるつもりなのだろうか。
午後1時25分、高見峠に戻ってきた。
片付けをして、宇陀の「大宇陀温泉あきののゆ」へ。宇陀と言えば森野旧薬園。薬草湯が楽しめます。
午後5時半には家に帰り着くことができた。やはりこういうマイナーなあまり人に出会わないコースはいい。それも平日ならなおさらです。