小樽へ

昨年3月に初めて北海道へ山スキーに行ったが、予想外に雪が悪かった。もちろん十分に楽しんだのだが、次はぜひ評判の北海道のパウダースノーを味わいたいと思った。

となると1月か2月。さすがにこの時期は寒さが厳しそうでいささか腰が引けるが、やはり一度は行っておかなければならないだろう。

かなり悩んだが1月末に行くことに決めた。

フェリーは問題無く予約できたが、いざ出発が近づいてくると寒さに対する怖さが大きくなってきた。ホテル泊なら不安は無いのだけれど、基本的には車中泊の予定。おまけに天気予報ではしばらく晴れ間は無さそうだ。

これまでに車中泊で朝に水が凍っていたようなことは何度も経験しているし、ずいぶん昔は冬山のテント泊もやっていたが、加齢とともに耐寒能力が衰えてきているのを感じる。手足の指先が冷える末端冷え性は一段とひどくなる一方で、実は20ウン年前に冬山を辞めたのはこれが最大の要因だった。

以前に山スキーをやっていた時も一度手の指先に軽い凍傷を負って、その時の後遺症で今も指先の感覚が少しおかしい。

それでも北海道の山へ行くなら山スキーという気持ちが非常に大きくて、昨年ようやくその夢を実現した。

今さら危険を伴うようなルートを目指すつもりはないけれど、やはり北海道のパウダースノーを一度は味わってみたい。それもゲレンデではなくて山スキーで。

本当は昨年行った大雪や十勝を再訪したいのだが、さすがにこの時期は寒さが厳しそうなので、札幌以南のあまり標高の高くない山をめぐる計画を立てた。

まずは小樽に上陸する。予定の便は1/19(水)夜12時前の出航。少し前にトンガで海底火山の大爆発があって、その津波の影響でフェリーの運航に影響が出ていたが、予定の便は日本海航路なので大丈夫だろうと思っていた。

しかしこのところ日本海側はしばらく天候が悪く、出発当日の午前中に、出航が遅れるという電話が入った。午前1時半までに着いてほしいとのこと。

舞鶴は雪かもしれないので若干の余裕をもって出かけて午前1時前にターミナルに到着したところ、何と乗船は3時半くらいとのこと。

致し方なく待合室で時間をつぶして、結局乗船できたのは4時過ぎで、出航したのは5時くらいだったのではないだろうか。当初の予定より5時間くらい遅れている。まぁ時間通り到着しても一晩寝るだけなので大勢に影響は無い。しかし今回は出だしからトラブルで、これはあまり気持ちのいいことではない。

日本酒を軽く吞んでから横になったが、やはり熟睡できない。海が荒れているので大浴場は開かないと案内している。フェリーでこれほど揺れるのは初めてだ。幸い船酔いはしない体質なので今のところは大丈夫だけれど、ほぼ1日この状態が続いたらどうなるだろうか。

航海状況の案内によると小樽到着は21日の午前5時半頃の予定とのこと。そのあとの運航スケジュールはどうなるのだろうか。

朝と昼はレストランが営業されたが、夜は荒波のために営業できないとのこと。弁当の販売のみ。大揺れで食欲はまったく無いが、とりあえず幕の内弁当を買って、無理やり胃袋に収めた。

乗船から25時間以上かかって1/21(金)の朝6時にようやく小樽に上陸した。当初の予定より9時間くらい遅れた。

まだ暗い。フェリーターミナルのそばのセイコーマートで朝食などの食糧を買って、あらかじめ調べておいた無料の駐車スペースに向かったところ、調べておいた二カ所とも除雪されていなくて入れなかった。

通りかかったコンビニの駐車場に入って、コーヒーを飲みながら今日どうするか考えた。

天気は雪。体調は良くないが、こういうダルさは少し運動した方が改善するということが経験的にわかっているので、ここから近い塩谷丸山(しおやまるやま)という600mほどの山に向かうことにした。