昨年のちょうど今ごろ羊蹄山に登った時、山頂に来るのはこれが最初で最後だろうと思った。体力的になかなか厳しかったし、それなりの満足感もあった。
その羊蹄山にわずか一年後に再訪することになったのは、他に適当な山が見当たらなかったというだけの理由だ。
ただしコースは別のルートを選ぶ。昨年の京極ルートは厳しかった。今日は、2年前の春に山スキーで途中まで登った真狩(まっかり)ルートで登ることにする。
10/31(火)の朝、2年前の記憶の残る駐車場に車を停めて、6時45分に出発した。昨年と違って上部も雪はチラホラ程度。
キャンプ場の車道を10分少々歩いて、いよいよ登山道に入る。
それにしてもこの木は一体何のために設置しているのだろうか。
真新しいもので、土が流れて木が露出しているのではない。歩行の邪魔にしかならない。まったく理解不能。
さっそく急登が出てきたのでポールを出した。
登山道に入ってから15分くらいで一合目。
この少し先で立ち止まって地図を眺めていたら、後ろから単独行の白人男性がやってきて、長い足ですいすいと先に行った。
単調な道を淡々と登る。昨年の京極ルートとは違って歩きやすい。
ちょうど三合目の標識のところで先ほど抜いていった白人男性が休憩していた。スイスから来たとのこと。
ここで私が先行することになった。彼は速く歩けそうに見えるのだが、私と少し離れた後ろをついてくる。正直、うっとうしい。
下界が望めるようになってきたが空気はあまり澄んでいなくて、遠方は見えない。ただし今になって見ると右遠方は洞爺湖と有珠山のように思える。
8時35分、五合目まで来た。一応半分ということ。標高 1100m くらい。
出発して3時間くらい。外輪山が近づいてきた。
道に雪が出てきて、九合目。方向を示す板が反対に打ち付けられているのはこの時はまったく気がつかなかった。
道が完全に雪になって、朝でまだ堅いので、チェーンスパイクを着用した。その間にスイス人男性が抜いて行った。
10時23分、ようやく外輪山に出た。
やはりこの眺めは雄大だった。
ピークはずいぶん遠く見える。
スイス人男性と少ししゃべっていたら下からまた白人男性が一人で上がってきた。半袖Tシャツで腕にはタトゥー。フランス人とのことだった。
さて、最後の難儀な岩稜に向かう。
昨年は逆方向で、歩きにくくてルートもわかりにくかったが、今年も同様だった。突起の上を行くこともあればトラバースすることもあり、迷う人が多いのか間違ったトレースがあちこちにある。
11時14分、ようやく羊蹄山の山頂(1898m)に到着した。
山頂では先着したスイス人が休憩していて、私もここでおにぎり休憩にした。
山頂からのパノラマ。昨年は遠方まで見渡せたが今年はそこまでの展望は無かった。
15分ほど休憩してお鉢巡りへ。
数分で三角点(1892.7m)
昨年登ってきた京極ルートを右に見送る。
12時過ぎに真狩ルートへの分岐に戻ってきた。ここからのパノラマ。
昨年より雪が少なかったせいもあると思うが、二度目で様子がわかっているので昨年よりも楽で、時間も早かった。昨年はお鉢巡りするかどうか迷ったが、今年は迷うことも無かった。
あとは下山するのみ。雪も緩んでいるのでチェーンスパイクは付けなかった。
避難小屋が見える。ずいぶん立派そうだが見に行こうとは思わない。
四合目あたりまで下りてきたら洞爺湖と有珠山、昭和新山を眺めることができた。
洞爺湖のウィンザーリゾートと、その向こうにうっすらと駒ヶ岳が見えた。
午後3時少し前に登山口まで下りてきた。
車道を10分ほど下って駐車場に戻ってきた。昨年の京極ルートより1時間くらい早かった。
山中では白人男性二人以外とは誰にも出会わなかった。お鉢巡りでも誰にも合わず、他のルートのことはわからないが、まさか今日羊蹄山に登ったのはスイス人一人、フランス人一人、日本人一人の三人だけ?
セイコーマートでコーヒーを飲んで、昨日と同じく綺羅の湯で汗を流してから道の駅で一人打ち上げにした。SpringValleyを奮発した。