淀川80km走

昨日はクラブの練習会だったが、クラブの若手スピードランナー(フル2時間22分)がウルトラに向けた80km走を淀川でやるということで、それに参加してきた。
彼は初ウルトラの3月の淀川で7時間6分で優勝した強者で、キロ6分で行くと言ってはいたものの、きっと走り出したら5分くらいに上がってしまうだろうと予想していた。
で、私はおそらく序盤から単独走になるという想定で、おにぎりやおはぎなど、補給食をしっかり用意して、先日のマラニックの再現にならないようにだけはしようと思った。
スタートゴールの枚方市駅まで電車で往復するのは癪なので、自宅をスタートゴールにしようと思った。
参加したのはクラブから3人と、クラブ外の人2人。そして自転車で伴走してエイドして下さる2人だった。
クラブから参加したもう一人もウルトラのベスト7時間7分という猛者で、まさにピンとキリという組み合わせとなった。

枚方市駅に8時集合で、まずは淀川に出る。距離稼ぎのために樟葉手前まで一旦遡って、穂谷川を越えたあたりで折り返す。
予想に反してキロ6分少々くらいのペース。天気も良く、これならしばらくついていけそうだ。ただ、かなり暑くなりそう。
ダベりながら走ると2時間くらいはすぐに過ぎる。
クラブ外の人が一人、大日のあたりで早期下車。午後から実家の高知で親族の葬儀とか・・・。
毛馬で少し休憩。コーラがおいしい。
距離稼ぎのためにここから大阪城まで往復する。
大阪城公園の噴水でまた休憩。ここでクラブ外のもう一人も下車となった。結局クラブの3人だけが残ることになった。
そろそろ40km近いが、まだまだ余裕がある。キロ6分少々なら大丈夫だ。
ところが毛馬に戻るあたりからスピードランナーの彼が足の不調を訴える。何せウルトラの翌週に韓国でマラソンを走って、2時間30分少々で優勝してきているので、さすがに疲労が溜まっているのだろう。
想定のコースは毛馬から淀川を下って舞洲まで行って折り返す予定なのだが、彼はここから戻るとのこと。
我々はどうするかという判断を迫られたが、私はせっかくここまで来たのでやはり予定のコースを走りきりたいと思った。私の方がはるかに走力が低いので、最後まで持たない可能性は少なくなかったが、やはり限界まで行ってみたいと思った。
と言うことで、自転車1台でサポートしていただいて、ピンとキリの二人で舞洲へ向かう。ようやく全行程の半分というところ。
次第に川幅が広くなって、潮の香りが漂ってきた。遠方に阪神高速の湾岸線が見える。あれを越えたあたりが折り返し地点だ。向かい風が強くなってきたが、日射しが強いので、しんどいやらありがたいやら・・・。
午後3時頃、ようやく折り返し地点に到着した。約50km。ついにここまで来てしまったという感じ。あとは戻るしかない。もちろん、最悪を想定して帰りの電車賃くらいは持ってきているけれど。
まだ若干は余裕がある。キロ6分少々は維持できている。毛馬から舞洲までは遠かったが、帰路になると気分的には随分楽だ。毛馬に戻ると少しほっとした。が、まだ20km以上残っている。
毛馬から再スタートすると、急に脚が重くなってきた。キロ6分半くらいに落ちて、さすがに相棒はしびれを切らしたのか先に進んで行った。その方が私も気が楽だ。
寝屋川あたりまで来ると走り続けるのがかなり厳しくなってきた。もうキロ7分以上だ。
このまま走る続けるのはムリと判断して、公園の水道で水を飲んだり、顔を洗ったり。そして歩きながらぼた餅を食べたりして、復活を期待した。
サポートの方にいただいたぶどうもおいしかった。
枚方市まで残り数キロというあたりで、サポートの方と別れた。私はこのまま家まで帰るつもりだが、他の人は枚方市で風呂へ行って打ち上げをやるので、むしろ放っておかれた方が気が楽だ。
寝屋川のあたりでは最後まで走れるかどうか不安を感じたが、多少復活してきたようで、ペースは上がらないものの家まで走り続けられるだろうと感じにはなってきた。
この後もずっとキロ7分台後半あたりのペースで、おおむね予想通りの6時半頃に家に到着した。
約86km。休憩も入れて約11時間だった。

山田池ペース走

今月の前半はほとんどまともに走れていなかった。
先月末のキャノンボールランでの右膝打撲の影響や、登山教室の随行で新しいシューズを履いたおかげで靴擦れを作ってしまったり、おまけに天候も雨が多くて、20 日までの走行距離が 150km という体たらくだった。
UTMF 参加が決まって気持ちだけは盛り上がっているものの、実態がまったく伴わない状態だった。
しかしここにきて天候の回復と共に、ようやく練習の内容も上向きになってきた。
UTMF という目標が決まってから、普段のジョグに取り組む気持ちがはっきりと変わった。スピードを上げる必要は無いが、スロージョグというような走りはやめて、多少なりとも足に負荷のかかる走りを心がけるようになった。
おかげで普段の軽いジョグはキロ6分かそれ以上というようなペースが多かったのが、6分は切るようになった。しかし体感的には頑張っているという感じはまったく無い。
昨日の山田池も(トータル 10.6km くらい)平均 5’13” くらいで行けた。個人練習では序盤はアップという気持ちでスタートするので、平均でキロ5分台前半というのは後半はそこそこのペースで行っている。
今日も同じコースを行ったが、昨日よりはペースが落ちても構わないというくらいの気持ちでスタートしたのに、終わってみれば平均 5’05” というペースだった。後半はキロ5分を切っていた。しかし体感的にはそんなに頑張ったという感じは無い。
一昨年くらいまでは個人練習でもそこそこペースアップして走ることがあったが、それでも平均ペースではせいぜい5分を少し切るくらいで、5分少々ならわりと頑張っている方だった。
今日くらいのペースなら、以前ならもっと頑張っている感じがしたはずだ。
このところ意識しているのは、息が切れるよりは少し手前で、まだまだ余裕があると感じられる上限のペースで走ること。心拍数で言えば 150 ちょっとくらいだろうか。
月の前半があまりまともに走れなかったせいもあって、非常に良い感じで走れている。
何とかこういう状態を維持して、とにかく故障だけは起こさないように注意して、適度に休みを入れながら UTMF に向けて準備して行きたいと思う。

大文字山、如意ヶ岳、長等山

今日は登山教室の随行で、大文字山、如意ヶ岳、長等山を歩いてきた。火曜日に続いての雨だったが、幸い、午前中の小降りだけで済んだ。

大文字山は何度も踏んでいるが、いつも東山トレイルコースから南北に山頂、火床を辿るルートばかりなので、今日のような東西に抜けるコースは初めてだ。
スタートは地下鉄の蹴上駅で、少し歩いて南禅寺へ。
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しばらくは街中の道を歩く。
哲学の道には八重桜。
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鹿ヶ谷の登山道に入ると、桜門の滝(ろうもんのたき)。
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しばらく登って東山トレイルの道に合流して(実は鹿ヶ谷のコースは東山トレイルのコースの一部)、大文字山の山頂を目指す。
昼前に頂上に到着して、ここで昼食にする。何とか市内が望める。
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昼食を終えて、少し戻って如意ヶ岳への道へ分かれる。
雨社はかなり最近、何らかの原因で倒壊した模様。ブルーシートがかけられてる。
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さらに進んで、如意寺跡。とは言っても建物の痕跡はまったく無い。
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このあたりは地形も複雑で道もいろいろあり、道標もあまり整備されていないので、よく知らない人が初めて来たらかなり迷いそうだ。
少し進むと車道に出て、如意ヶ岳山頂(472m)近くまで行く。
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本当の山頂には大阪航空局大津航空無線標識所が設置されているため、入ることができない。
車道を戻る。このあたりからは音羽山が望める。
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車道のガードレールをくぐって長等山への山道へ。
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長等山の頂上(408m)は小さなテープの表示以外は何も無い。
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しばらく東へ行って、三井寺への道を分けて北上する。わずかで三等三角点(370.1m)。このあたりはミツバツツジ。
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皇子山カントリークラブのコースを左に見ながら次第に急になる道を下ると、早尾神社に到着した。
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ここから京阪皇子山駅、そして湖西線大津京駅までは10分程度だった。
市街地から近い割には山深い雰囲気の場所が多く、天候が今ひとつだったとは言え日曜日なのに大文字山以外はほとんど人に会わず、なかなか味のあるいいコースだった。

藤原岳藤原小屋まで

昨日は雨の中、登山教室の随行で鈴鹿山系の藤原岳を目指したが、時間切れで藤原小屋までで終わってしまった。

朝から終日の本降りを覚悟していたが、朝出かける時は雨は止んでいた。しかし京都駅で集合する頃には雨が降り出し、登山口へ着くまでほぼずっと雨だった。
登りは聖宝寺から。雨は小降り程度だが、雨具を着て歩き出す。気温は高めで、なかなかの急登なので、かなり汗が出る。上着のジッパーを開けて通気をはかるが、それでもかなりの汗。
このルートは頂上までの標高差が約 1000m あって、登山教室のコースとしてはなかなかのアルバイトだ。
4月から新しいコースになって、新顔の方も何名かおられる。そのうちの一人の女性が、徐々に遅れてきた。しばしば座り込んで休憩しないと進めない状態になったので、私がその人に付いて、他の人たちは先行してもらう。
急登を何度も休憩しながら登り切ると、徐々に調子を取り戻して来られたようで、遅いながらもあまり休まずに歩き続けられるようになってきた。
稜線に上がった所には小屋があって、そこで昼食にする予定。上部に来ると所々雪が残っている。3時間半ほどかかってようやく小屋に到着した。
おそらく先行メンバーは食事を終えて山頂に向かっているだろうと思っていたら、何とまだ小屋で食事中だった。
どうも先行メンバーも上部になるとかなりペースが落ちたようで、我々もさほど大きくは遅れなかったようだ。
もうすでに午後1時で、天気も悪いので、今日はここまでにして下山することにする。山頂には到達できなかったが、1000m は越えることができた。
下山は表登山道を西藤原駅の方向へ向かう。それでなくてもこのあたりはいつも足元が悪いそうだが、昨日は雨なので一段とひどく、足を滑らせて雨具を泥だらけにしている方も少なくなかった。
午後4時頃に登山口の休憩所に到着して、そこの水道で靴や雨具のドロを洗って、お迎えのバスで京都に帰ってきた。
一日中ほぼ雨だったが、本降りのような状態の時間帯はあまり長くなかったので、覚悟したよりはマシだった。おまけに昼食が小屋で摂れたので、雨の中で立っての食事という最悪状態は避けられて、たまにはこういうコンディションを経験するのも悪くはないだろうという感じで終わった。
天気も悪く、遅れた方のサポートなどがあって、写真はほとんど撮る余裕が無かった。

音の花温泉マラニック

昨日はクラブの有志恒例の音の花温泉マラニックだった。
昨年はヒザの故障で不参加だったので2年ぶり。このところ連日の雨だが、昨日だけは絶好の好天だった。
UTMF 出場が決まってから、個人練習も少し気合いが入っている。ただしスピード練習のようなものではなく、普段の軽いジョグの時に若干スピードを上げること。特に下り坂では意識してスピードを上げることだ。
昨日は河内森駅の集合だったが、いつも通り家からジョグで行く。朝7時過ぎに選挙を済ませて、11km あまりをおおむねキロ6分くらいのペースで河内森駅へ行った。
このマラニックはクラブ全体の行事ではなく、一部有志だけで行っており、そのために参加メンバーのレベルはなかなか高い。
マラニックと言うものの、先頭の方は結構なスピードのトレランという感じで登り坂も走って行く。
せっかくなので私は練習モードで行くことにした。
まずはほしだ園地に入って、星のブランコを渡り、飯盛霊園へ向かう。一人なら歩くような登りもジョグのリズムで行く。
堂尾池への登りもジョグで上がりきる。
室池を越えて、阪奈道路のコンビニで大休止。ここまででおおむね 20km くらい。家からスタートした私にとっては半分くらいだ。
持参したドーナツをほうばるが、これまで結構頑張ってきているので、これだけで最後まで行けるかどうか若干不安を感じた。しかしこれからは鳴川峠からの下りを除いてはほとんどが舗装道路でアップダウンもきつくないので、何とかなるだろうと思った。
少しトレイルを行って、舗装された生駒のハイキング道路へ入る。一人の時はトレイルの方へ行くのだが、昨日はみんなに合わせて舗装道路を行く。こちらの方が距離は長いが、今日は練習モードだ。
ずっと先頭グループで行く。いつものショートカットもせずに、一気に登り切る。一人では絶対にできないようなペースで走り続ける。まるで生駒チャレンジの大会に参加しているような気分だ。ただし下りはみんなそれほど飛ばさない。
暗峠を越えて、府民の森の休憩所で小休止。ちょっとガス欠ぎみになってきた。
この後、展望エリアへの登りに入るが、このあたりから明らかな疲労感を感じてきた。疲労と言うよりはエネルギー切れだ。空腹感が襲ってきて、力が入らなくなってきた。
口に入れられるものは小さなクエン酸タブレット一つと残りわずかのスポーツドリンクのみ。後は下りだけなので、頂上エリアでこれらを口に入れる。
鳴川峠への下りになるといよいよあやうくなってきた。明らかなエネルギー切れの症状で、頭が少しぼうっとして目の前が白んで見える。連日の雨で道がぬかるんで滑りやすいので、余計に負担がかかる。
鳴川峠からの下りはさらに道がどろどろのずるずるで、ここはいつもこうなのだ。
距離的には千光寺まではもうわずかだが、千光寺から音の花温泉までのロードが残っている。このロードが走れなくなると大幅に遅れてしまうので、何とかそれだけは避けようと、山道はもう早歩きくらいにしようと思った。
途中で湧き水が取れる所があったので、これ幸いと水で空腹感をまぎらわせる。
前回はトップスピードで駆け抜けたフラットな部分もスロージョグという感じで、ようやく千光寺に到着した。
ここはそこそこの観光地なので、きっと自動販売機くらいはあるだろうと探してみたら、案の定小さな自動販売機が見つかった。
なるべくカロリーの高そうなものということで、アズキ入りおしるこというのを飲んで少し回復した。これだけではまだ先が不安なので、甘そうなミルクティーも買って、これを手に持って飲みながらみんなを追いかけた。
ここが走れなかったらどうしようと思っていたが、何とかそれだけは避けられた。
少し遅れていた二人に追いついて、ようやく這々の体で1時半頃に音の花温泉に到着した。
一人だったり、キャノンボールランのような時には絶対にやらないようなスピードで行ったので、この結果は当然と言えば当然かも知れない。ただ、このところは『ちょっとやばいな』と感じると、その後急速にパフォーマンスが落ちてしまう。
元々あまりエネルギーを蓄積できない体質のように感じているが、それがさらに進んでいるような気がする。
UTMF などでもいい結果を出している人はたいていエネルギー補給をしっかりやっていて、時計はそのために持っているというような人さえいるくらいだ。
昔はフルマラソンは水とスポーツドリンクだけで走っていたし、六甲全山も大福一つくらいで走っていたので、その頃のイメージがどうしても拭いきれなくて、ついついあまり補給せずに行ってしまうことがあるのだが、もはやそういうやり方ではダメということをはっきりと認識させられたマラニックだった。
今朝になっても筋肉痛のようなものはほとんど無いので、やはりエネルギー切れだったと思う。
まだまだ準備時間がたっぷるある時期だったので、こういう経験ができて良かったと思う。

UTMF 完走プロジェクト

六甲で痛めた右膝の痛みがまだ残っている。ここでムリをすると尾を引きそうなので、きっちりと治してから練習に戻りたいと思う。幸い、今日は雨だ。
UTMF は入金も済ませて、出場できることが確定した。抽選前の弱気な気持ちはまったく無くなり、今は意欲全開という感じ。こういう気持ちになるのはおそらく 30 歳台半ばに別大を目標レースにしていた頃以来だと思う。
その頃の別大は今よりもはるかに出場資格が厳しく(私が出場した時は2時間45分以内)、私は制限ギリギリのタイムだった。本番はゴール制限は3時間なのでその当時なら問題なかったが、30km の関門が非常に厳しくて、2回目に出場したときは1時間52分だった(本番では1時間52分30秒くらいでかろうじて通過した)。
レース前の秋の走り込みの時期には月間 650km くらい走っていた。常に別大でのゴールを頭にイメージしながら。
強いモチベーションというのはピンかキリかという所で現れるように思う。つまり優勝を狙えるような位置にいるか、完走できるかどうかギリギリという位置にいるかということだ。
私は当然、キリの位置。しかしだから意欲が湧いてくるのだ。もし完走はできると思えるくらいの力があれば、もっと軽い気持ちで臨んでしまうと思う。
と言うことで、これからの半年足らずはしっかり準備して本番に臨みたいと思う。
具体的な練習方法としては、行動10時間程度の練習はこれ以上いくらやっても本番には効果が無いと思うので、最低でも20時間、できれば24時間以上の練習を何度かやろうと思っている。
ただしこの練習は長時間行動が目的なので、ルートファインディングを伴うような未知のルートはできるだけ避けて、走ることに集中できるコースにしたい。しかしマンネリを避けるために、多少はアレンジして新鮮味を出したい。
今のところ想定していのは、
・京都一周トレイルを伏見稲荷スタートでぐるっと廻って上桂まで。そしてそこから桂川、淀川を経由して自宅まで。終盤は平坦なロード。おおむね 100km くらい。
・鯖街道を小浜スタートして出町柳を越えて鴨川、桂川、淀川で自宅まで。終盤は平坦なロード。これも 100km くらい。
・槇尾山をスタートしてダイトレ、そして信貴山につないで生駒を北上して自宅まで。これは 100km を少し越えそう。
・宝塚スタートゴールで一人キャノンボール。これは 90km くらい。
・比良山系を、和迩をスタートして金糞峠から武奈、釣瓶、蛇谷、そして東側へ下りて岳山から釈迦、そして金糞で往路と合流して和迩まで。これも距離的には 100km くらいだと思うが、この中では一番厳しいコースだと思う。
UTMF は平均すれば1時間に 4km のペースで続けられれば完走できるので、上記のコースを平均で1時間 5km くらいのペースで行けるようにしたい。もしこのペースで行くとすべておおむね 20 時間くらいということになるが、100km 超のコースはまた改めて考えてみたい。

運命の日

今日は昨秋から半年間待ち焦がれた運命の日だった。
これまで3回のウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)は春の開催で、前年秋にエントリーと選考が行われてきた。
私もトレイルランナーの端くれと思っているので、UTMF は一度は参加してみたいと思って、昨年はその参加資格を得ることを第一目標に大会に参加していた(本当はそういう動機での大会参加は好ましいことではないのだが・・・)。
何とか期限ぎりぎりの9月で必要ポイントをクリアしたのだが、10 月になると何と 2015 年の UTMF は9月の開催で、エントリーは3月になると発表された。
それ以来ずっと、頭の隅にはこのことがどんよりと淀んでいて、何をやるにもすっきりできない精神状態が続いていた。しかも昨秋から故障が続いて、モチベーションは下がる一方だった。
3月のエントリーになって、一年前のような前向きな気持ちはすっかり影を潜めてしまっていたが、せっかく資格をクリアしたのにここでエントリーしなければ将来きっと後悔すると思って、エントリーだけはしておくことにした。
そしてようやくやってきたのが今日の抽選発表。
キャノンボールランのリタイアの精神的ダメージは大きく、本心で抽選にはずれてほしいと願っていた。
結果発表のメールが送られてきたのは今朝の 10 時過ぎ。
恐る恐るランナーズのページを開いてみたら、何と『当選』という文字!!!!!!!!!
一瞬、とまどいの気持ちが頭を過ぎったが、次の瞬間には参加を決心していた。そしてすぐに、大会に向けた準備のスケジュールを考え始めた。
発表から半日近くが経過した今、もはや迷いはまったく無い。
こういう気持ちで大会に臨むことは 40 歳を過ぎてからは無かったので、おそらくこれが人生最後になるだろう。
これからのほぼ半年、どんな結果になっても悔いがないと思えるような準備をやって行きたいと思う。

六甲縦走キャノンボールラン

一昨年のこの時期に初めて参加してから4回目のこの大会。これまで須磨スタートゴールを1回、宝塚スタートゴールを2回完走してきたので、今回2回目の須磨スタートゴールを完走して卒業ということにしようと考えていた。
スタートは須磨浦公園を午後9時。少し寒かったが、いきなり石段の登りが続くので、ノースリーブのメッシュシャツと長袖ジップシャツ、ロングタイツという定番スタイルで走り始めた。2回目を除いては荷物はすべて担いでいるが、念のために今回もそうした。
割と前の方からスタートして、階段もそれほどの渋滞にはならずに旗振茶屋まで上がる。体調はいい感じ。
栂尾山のピークカットはうまくいったが、横尾山のトラバースは見落としてしまった。須磨スタートのコースは目をつぶっていても大丈夫と思っていたので、ちょっと残念。
1時間足らずで須磨アルプスにさしかかる。ここは何度通っても緊張するが、夜だと下が見えないので楽に通過できる。
東山を越えたあたりで集団の先頭に出されてしまう。しかし特に不安も無く進んでいたのだが、ジャンクションピークを越えるところで『これで良かったかな?』と少し不安が頭を過ぎった。
少し行くと鉄塔があった。こんなところの鉄塔は記憶に無い。しかし道はしっかりしているのでそのまま進んでいたら、板宿への道標が現れた。やはりコースミスしていた。後ろには 10 人あまりが続いている。
ところが後ろにいた一人が、このままでも本来のコースに合流できると言って、みんなそのまま行こうとした。しかし私は方向がおかしいと思って、一人で元に戻ることにした。ここで戻ればロスタイムは数分くらいで済むはずだ。はやりジャンクションピークでは左に曲がらなければならなかったのだ。あのまま進んだ人たちはあの後どうしたのだろうか。
横尾の住宅街に向かって下っていく。道が広くてなだらかな、広い間隔で木の段のある場所になってきて、左側に住宅街が見えてきた。ここで安心して気が緩んだのか、足を何かにひっかけて前に転倒してしまった。
両手をついたが、勢いで側頭部と右膝を少し打った。両方とも擦り傷は負っていると思うが、それほど影響は無いだろうと感じた。右膝は本当なら少し止まって休んだ方がいいくらいだったが、走れないほどではないので、走っているうちに痛みも収まるだろうと思って、すぐに立ち上がって住宅街を走り続けた。
序盤からコースミスや転倒など、やはり気が緩んでいるのだろうと思った。いくら慣れたコースとは言え、トレイルは一瞬のミスが大ケガにつながる場合がある。ヒザの痛みは自然と収まった。
妙法寺の交差点を渡って少し行くと、ショートカットできる箇所がある。気を引き締めて十分に注意していたつもりなのだが、うっかりと見過ごしてしまった。見慣れない光景になったので気が付いて振り返ったら、50m ほど行き過ぎていた。あわてて戻る。
高取山の登りに入ると前の集団に追いついてきた。こういう登り勾配の箇所では私はそこそこのペースで行けているようだ。
高取山の下りに入るといつの間にやら集団の先頭の位置になっていた。しかし下りでまた道が不安になる。参道を下って途中で左側の公園のようなスペースに分かれるのだが、ずっと手前でそこと間違えそうになった。
う〜ん、どうもよくない。おまけにこのあたりから一旦痛みの収まった右膝がまた痛み出した。ちょっと不安な痛みだ。
丸山の住宅街に入る。ここからはしばらく登り基調になるので、ヒザの痛みもさほど気にならなくなった。
鵯越を越えて、水道局のところで今日初めてのエイド。ビールが盛況だが私はそこまでの余裕は無いので、小さなおにぎりと具入りスープをいただく。
この後も右に入る道があって一瞬不安を感じたが、無事菊水山の登りに入った。
スタートして3時間少々で菊水山を通過した。コースミスのロスタイムを考えると悪くないタイムだ。夜景が素晴らしい。
山頂はカットしてそのまま下りに入る。走りやすい尾根道への分かれはしっかりと確認できて、ちょっと気分良くなる。ヒザが少し不安だが、もうすぐ登りになるので何とかなるだろう。
天王吊り橋を渡って鍋蓋山の登りに入る。ここの登りはいつも気分的にこたえるのだが、それほど長く続くわけではないので、息が上がらない程度のペースで一気に登り切る。
それにしても今日はよくシューズをひっかける。転倒したのは一度だけだが、登りですら何度か引っかけている。気の緩みが一番だろうが、筋力の低下というのもありそうだ。また転倒して同じヒザを打ったりしたらそこで終わってしまいそうだ。
鍋蓋山の下りに入ると、右膝の痛みが一段と大きくなってきた。着地の時の足の動きを少し調整しなければならないくらいで、普段通りのスムーズな動きでは痛みが大きくてたまらない。
大龍寺で今日二つ目のエイド。豚汁をいただく。ここまでほぼ4時間。
市ヶ原では沢を渡ってからの上がり口がはっきりわからず、またもやムダに行き過ぎてしまった。こんな所でミスをするのは初めてだ。
トイレに寄って、いよいよ往路最大の登りに入る。おおむね1時間程度だが、以外に細かいアップダウンがあって、走ったり歩いたりの繰り返しになる。
登りが急になってきて、大きな岩の間を手を使って登ったりするようになると、かなり上部にさしかかってきている。なぜか gps の高度が 308m のまま変わらないので、どのくらいまで上がっているのかわからないのだが、前方が見える場所で確認したら摩耶山の鉄塔の明かりが思ったより先に見えた。
念のためにとジェルを補給したが、そこからは数分程度で山頂エリアに出た。スタートして 5 時間 10 分くらいだった。
掬星台では麺類とカレーの二つのエイドがある。食事のできるエイドはできれば離れた箇所にバランス良く配置してほしいのだが、参加費 3500 円の草レースなので、エイドがあるだけでも感謝しなければならない。
さすがにここまで上がってくると寒いので、あたたかい麺類が食べたかったのだが、どうも準備に時間がかかりそうな雰囲気だったので、カフェテラスのカレーの方へ行った。カレーはセルフサービスで、ご飯もルーも自分でよそうようになっていたので、すんなりと補給できた。おいしいカレーだったが、香辛料もしっかりと効いていて、後から身体が冷えそうな感じ。
ここまで来ると大きなヤマを越えたと感じるのだが、今日はいかんせんヒザ痛を抱えている。それでなくてもロードでペースが上がらないのに、一段とスローペースになってしまう。序盤は今日の往路は8時間少々くらいでいけるかもと思っていたが、9時間くらいになりそうだ。それよりもヒザの調子を考えるとむしろペースを落として復路に備えた方が良さそうな気もする。
みよし観音手前のエイドであたたかいスープをいただいて、一軒茶屋のエイドではソーセージを一つつまむ。このエイドではバラ肉の焼き肉もあったが、どちらかと言うとこういう大会のエイドでは炭水化物系の方がありがたいのだが。そう言えば大龍寺のエイドではフライドチキンがあった。
ここでスタートしてから7時間少々。おそらく往路は9時間くらいだ。
ここが今日の最高地点なので、これからずっと下り基調になる。しかし東六甲縦走路はなだらかなアップダウンが長く続いて、いつもならなかなか標高が下がらずにイライラさせられるのだが、今日のヒザの具合ではむしろありがたい。ずっと下りが続くと壊れてしまいそうだ。
5時を過ぎるとうっすらと空が白んできて、塩尾寺に近づく頃にはほぼ夜が明けていた。
休憩時に飲む味噌汁用の水を、塩尾寺で調達しようと考えていたのだが、門が閉まっている。横の方に隙間があったので、こっそりと境内に入ってみたが、手洗水のようなものが見あたらない。以前に一度境内に入ったことがあって、そんなものがあったように記憶していたのだが、記憶違いだったようだ。
がっかりして車道を下ると、ヒザの痛みが一段とこたえる。今回は往路のみで終わりにしようかという気持ちが大きくなってきた。篠山に続いての連続リタイアは極力避けたいところだが・・・。
レースではなくて個人的な行動でも途中でケガをしてしまう可能性はある。むしろそういう場合の方が自己責任で下りてこなければならないので、それに備えて六甲のようなほぼどこでもリタイアできるようなコースでケガを負いながら行動を続けるというのも大切なトレーニングかも知れない。
取りあえずは往路ゴールの塩尾寺下の広場で休んで様子を見ることにした。往路は 8 時間 55 分だった。
持参したおにぎりを食べて、アルミのレスキューシートに入って横になる。復路スタートは8時だが、7時頃から雨が降り出してきた。モチベーションが一気に下がった。体力的にはまだ余裕はあるが、精神的に前向きになれない。
おそらく復路はもう走ることはできないので、上部のドライブウェイでも歩くしかないだろう。それも雨の中、足を引きずって。そこまでやって自分を納得させるか、その後のダメージを避けて早く次の目標に向かうかという葛藤で、結局今日は往路で終えることにした。
ここから宝塚駅までは急な道をしばらく下って行かなければならないが、ヒザの調子は休んで良くなるどころか一段と痛みが増していた。まともに前に足を出して着地できない状態で、やはり止めて良かったと思った。駅の階段の下りもつらかった。
ヒザ痛のことは横に置くとしても、もう大会に参加するのは終わりにしようという気持ちが非常に大きくなった。このところずっとそういう気持ちがくすぶっていたが、いよいよ決心がついたという感じがする。
今のところエントリーしているのは7月のおんたけウルトラトレイル 100k のみで、9月の UTMF は抽選待ちだ。UTMF は当初から当たってほしいような当たってほしくないような微妙な気分だったが、今となっては当たってほしくないという方に大きく傾いた。そうすれば気持ちもすっきりする。
もし当たったらどうするか? この後の二日間、じっくりと考えておきたいと思う。

いよいよ六甲縦走キャノンボールラン

いよいよ今晩から恒例の六甲縦走キャノンボールラン。
これまで参加した3回はいずれも好天で、悪天率の極めて高い大会で奇跡的な幸運だったが、今回はついに日曜日に雨になりそうだ。ただ、気温はさほど低くならなさそうなので、雨対策はウルトラライトのジャケット、パンツにする。
今回は折り返しが塩尾寺下の広場になるので、コンビニはおろか自動販売機も無い。さすがに下のローソンまで行くほどの余裕は無いので、昨年買ってまだ山では使ったことが無いアルコールストーブを持って行くことにする。
燃料のアルコールを含めても総重量 100g 程度で、チタンカップでお湯を沸かして味噌汁やコーヒーを飲もうと思っている。なので、何とか復路のスタートまでは天気が持ってほしい。
楽しむことが第一とは言っても、やはり一つくらいは目標を設定しておきたい。と言うことで、これまでまだ達成したことが無い、復路 10 時間切りというのを目標にしようと思う。
少しくらいは昼寝をしておきたいのだが、こういう時に限って眠れないというのもいつものこと。
ぼんやりしていると、須磨浦公園の駅前の風景が目に浮かんでくる。

山田池練習会

今日はほぼ1ヶ月ぶりくらいで練習会に参加した。
しかし年1回の総会があったので、練習そのものは普段よりは短めで、ベテランの方たちのジョググループに入れてもらって、おしゃべりをしながらのファンランとなった。
昨年、一昨年は総会の日がキャノンボールと重なったので、3年ぶりの出席だった。私にとっては5回目の総会(出席は3回目)だったが、年度の途中で加入した初回を除いてはこれまで3回連続で練習会参加数上位10人に入っていたのが、今回はついにランク外となってしまった。
この1年ほどは久しぶりに故障に悩まされた。ちょうど1年前も実はキャノンボールはヒザの故障で DNS だった。この故障は結構長引き、秋にも2ヶ月ほどほとんどまともに走れない時期があった。
昨年末あたりからようやくそういう状態は脱して、このところは足のどこかに違和感を感じることはあっても、走れないほどの状態には陥らずにすんでいる。
故障で走れない時は、これで疲れが取れてリフレッシュできるかも知れないと前向きに考えたりもしたが、実際に故障が癒えて走り出すと、リフレッシュどころかまさかと思うほど走力が落ちてしまっていて、愕然とした。
49歳から50歳にかけての1年の間に一気に走力が落ちたが、ほぼ10年後に同じような時期が再びやってきたという感じだ。
今度のキャノンボールは次の週末。これまでの11回のうちの8回が雨や吹雪という悪天大会なのだが、私の参加した3回はちょうど悪天にならなかった大会という相性の良さで、今回も今のところは悪天ではなさそうな感じ。
実は1回だけ参加したハセツネが雨で、八ガ岳スーパートレイルも一時豪雨、昨年の志賀高原エクストリームトライアングルも序盤雨で、ロングトレイルの天候相性はあまり良くない。
六甲と言えどもこの時期に上部で風雨にさらされると篠山の再現になりかねないので、いくら防寒具を持って行くとは言っても悪天は勘弁してほしい。