三頭山、地蔵山、竜ヶ岳

昨年の暮れ、登山教室で脱落者が出たために登り損ねた三頭山(みつづこやま)。それほど大した山ではないのだが、どうも心残りで、いつか再訪したいと思っていた。
そこを今日、登ってきた。三頭山から地蔵山、竜ヶ岳を経て清滝へ下山。それから京都のトレイルルートを嵐山までというコースを設定した。
登山口のどんどん橋までは八木駅からバスがあるのだが、本数も少なく、かなり高かったので(千円近く?)、地形図を見て最短距離のルートを走って行こうと思った。三俣川沿いにしばらく行って、渋坂峠を越えるルートが道がしっかりしていそうだ。

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それにしても今日は朝から暑い。とても5月とは思えない暑さだ。8時過ぎに八木駅をスタート。
gps の設定がうまくできていなかったようで、地図が表示されない。仕方なく印刷した地図を片手に川沿いの道を行く。
予定のルートに入ってきたが、車止めを過ぎてからは一気に道が荒れてきた。小さな堰堤を越えるともはや廃道状態。おそらくほとんど人が入っていない。
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しかしかつてはしっかりした道だったようで、電柱を支えるワイヤーの残骸などが所々に残っている。電柱はまだ利用されているようで(電話線?)、関電か NTT の作業員がたまに監視に通っているのではないだろうか。
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そんなほんのかすかな踏み跡を辿って、何とか渋坂峠に到着した。プロローグと言うにはあまりなルートだった。
峠にはお墓がいくつかあって、北側からはしっかりした車道が来ていた。
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車道を下りたら何としっかりしたフェンス。
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鹿よけなどでこういうフェンスはしばしば見かけるが、たいがいは手でロックをはずして通れるようになっている。しかしこのフェンスはそういう細工がまったく無く、仕方なく上から乗り越えた。
ようやく登山口のどんどん橋に到着。9km 足らずに1時間以上かかった。ここからしばらくは見覚えのある道を辿る。
急な車道を登って星峠へ。
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ここからようやく登山道に入る。
前回、引き返した所まではすんなり来たが、これ以降、何度も道を間違えて行ったり来たりを繰り返すことになった。
何気なしに歩いていたら突然林道に出てしまい、変だなと思いながら林道を上ったところ、突然道が終わってしまった。道標も何も無い。
ここで仕方なく gps を設定して地図を表示させようとした。マニュアルが無いのでなかなかうまくいかなかったが、何とか表示されるようになった。本来のルートからはずいぶん離れている。
注意しながら元に戻ったが、今度は前回戻った所まで来てしまった。どこで間違ったのかさっぱりわからない。
またもや注意しながら先へ進んだところ、右へ登る小さな道標を見つけた。やれやれという感じ。
あまりはっきりしない道だったが、どうにか三頭山(728m)へ到着。
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展望も無く、ジェルを補給して早々に先へ進む。
芦見峠から地蔵山を目指す。
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ここまで来ればもう道ははっきりしているだろうと思って、赤テープに導かれて登っていたら、いつの間にやら下る道に入り込んでしまっていた。また引き返す。なぜこんな分岐で下る道にテープが続いているのか理解できない。
12時過ぎに地蔵山(947m)へ到着。腰を下ろして大福餅をほうばる。
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ここから竜ヶ岳までは快適だった。道も整備されていて、傾斜も緩いので、快調に走れる。
竜ヶ岳へ向かうあたりで今日、初めて登山者に出会った。
竜ヶ岳(921m)の頂上はおばさんパーティがお昼だったので、そのまま通過した。そして急な下りを一気に芦見川まで下る。
ここから先は距離はあるがそんなにいやらしい場所は無いはずだと一安心していたが、いきなりまた道を間違える。沢沿いをほぼ反対方向に行ってしまったのだ。gps と地図で間違いに気付いて、またまた引き返し。
この後も何度か愛宕山へ登ってしまう道に間違えて入ってしまったりしたが、いずれも gps のおかげでほどなく気付いて本来のルートに戻ることができた。
道は次第にしっかりしてきて、愛宕山から下山してきた人たちをしばしば追い抜くようになってきた。
清滝でトレイルルート(そして東海自然歩道)に合流。
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六丁峠へのジグザグの登りは何とかジョグで登り切って、観光客で混雑する嵐山・渡月橋にゴールした。
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そのあたりの店ではビールの 500ml 缶が 500 円だったので避けて、阪急嵐山駅のそばのコンビニで 300 円弱で買って、駅のそばで一気に飲み干した。
四条からの京阪は混んでいて座れず、酔いが回って立っているのが大変だった。

頭巾山

昨日は登山教室の随行で、京都と福井の県境にある頭巾山(とうきんさん。871m)へ行ってきた。2~3日前までは雨が懸念されていたが、幸い好天に恵まれて、素晴らしい眺望を楽しむことができた。
入山は南側の集落の福居から。まだ雨上がり間も無いという感じでじめっとしている。
所々にギンリョウソウ。
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稜線の横尾峠に登り上げる。
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稜線からは若狭湾が望める。
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頭巾山の山頂には立派な祠。
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360 度見渡す限りの山、山、山。
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春の花のシーズンはもう終わっているが、北側の斜面には所々にイワカガミが残っている。
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つづら折れを下って、林道に合流。
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野鹿の滝と鱒止めの滝を眺めて、名田庄側へ下山。
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このあたりの山はそろそろ夏の気配という感じだった。

堂満岳

今日は登山教室の随行で比良山系の堂満岳へ行ってきた。絶好の好天で登山者はかなり多かったと思うが、コースの大半がほとんど人の歩かない荒れた道だったので、静かな歩きを堪能することができた。

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※一部軌跡が変になっているのは gps の誤作動。何故か時々ロストしていた。
湖西線の比良駅からバスでイン谷口へ。ここから少し車道を歩いて、登山道に入る。
釈迦岳への道を分けて、今日は神璽谷(しんじたに)をつめる。しばらくは砂防堰堤がいくつかあって、道もしっかりしているが、徐々に荒れてくる。
一カ所、片側が崩れていて、残置のロープもかなり古くなっている部分があって、ここはロープを2本張って安全を確保した。
稜線へのツメの部分は一部雪が残っていたが、その後は蟻地獄のような砂の急峻なルンゼをつめる。
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シジフォスになった気分で何とか上がりきって、北比良峠のそばで昼食。
主稜線はシャクナゲがいたるところで満開状態。
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主稜線から分かれて堂満岳のピークへ。
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下山は南比良峠から深谷を下る。私自身はこのルートは初めてだ。滅多に人が歩いていないという感じで、荒れた草付きの急斜面をずり落ちるように下って行った。
江戸時代に作られたという大物百間堤(おおものひゃっけんづつみ)でしばし休憩。
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後はつまらない車道を歩いて、比良駅に戻ってきた。
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今日は通常の講座ではなくてある程度の経験者だけが対象の番外編ということで、私自身も楽しめた一日だった。

峰床山

今日は登山教室の随行で峰床山へ行ってきた。

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鯖街道ウルトラのおにぎりエイドの久多から歩き始めて、オグロ坂峠まで鯖街道を行って、そこから峰床山(970m)へ。
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ピーカンの山頂で昼食をとってから八丁平へ。谷底はまだ雪がしっかり残っている。
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少し周遊してから大悲山峰定寺へ下りてきた。
途中で少し寄り道をして、三本杉の巨木を眺めてきた。
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写真では二本に見えるが、この後ろにもう一本、立派なものが立っている。優に樹齢千年以上は経っていると思われる。
さて、明日はいよいよ奥熊野いだ天ウルトラに出かける。左膝の調子は残念ながら完治とはならなかった。今日も1日歩いたあとは、左膝に少し疲労感を感じた。
とにかく、ここまで来たらもう行くしかない。幸い、トレイルレースではないし、エイドステーションが2〜3キロおきにあるような大会なので、リタイアしても何とかなるだろう。
行けるところまで行くのみだ。

三峰山

昨日はカルチャーセンターの登山教室の随行で、奈良県の三峰山(みうねやま)へ行ってきた。

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※GPS のスタートボタンを押すのを忘れたので、最初の車道部分の軌跡が抜けています。
怪しげな天候の中、貸し切りバスで京都駅を7時過ぎに出発する。
奈良県の山は京都方面からは道路事情が悪いため、距離の割には非常に時間がかかる。3時間以上かかってようやく登山口のみつえ青少年旅行村へ到着して、歩き出したのはすでに11時前だった。
目指す三峰山方面を見上げると、上部は雪でかなり白くなっている。金曜日の雨が山の上では雪だったようだ。
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しばらく車道を歩いていよいよ登山道へ。早くも所々雪が出てくる。
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少し登ると不動滝。流れの端の方はほんのちょっとだけつららになっていた。
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1時間ほど登って尾根道と合流した所に避難小屋があって、そこで昼食にした。風があって寒いので、小屋の中で食事がとれるのは本当にありがたい。
食事を終えたらいよいよ三峰山の頂上を目指す。冬の三峰山や霧氷が有名だそうだが、時期的にはたしてどういう状況になっているか、不安半分期待半分という気分だった。
しかしほどなく辺り一面の霧氷郡が現れた。
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前日にかなり気温が下がったようで、立派に発達している。
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みなさん、感動の声を上げながら頂上(1235m)へ到着。
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下山は八丁平の方を回って、避難小屋から尾根道を下ってきた。
往復のバスに時間がかかるので、山での行動は5時間足らず程度だったが、思いがけず素晴らしい霧氷を楽しむことができた。曇りがちだったので展望はあまり得られなかったが、冬ならではの美しさを味わうことができた。

諭鶴羽山

今日はカルチャーセンターの登山教室で、淡路島の諭鶴羽山へ行ってきた。淡路島の山は初めてで、こんな機会でも無ければまず来ることは無いだろうというような山だった。

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アプローチは京都からの貸し切りバスという大名登山。つい先日、旗振山から眺めた明石海峡大橋を渡る。ここを通るのは初めてだ。
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京都から3時間ほどかかって、諭鶴羽ダムでバスを降りて、ようやく歩き始める
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諭鶴羽山は標高600m少々の山だが、淡路島なのでまさか雪は無いだろうと思っていたのだが、何と上部では雪がしっかり残っていた。しかし氷結はしていなかったので、アイゼン無しでも問題無く山頂まで行けた。
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暖かい日射しの元でゆっくり昼食を取って、諭鶴羽神社などをゆっくりしながら海岸線へ下山。
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時間があったので、すぐ近くの灘黒岩水仙郷へ行く。運が良かったのか悪かったのか、水仙の見頃が終わったということで、昨日で閉園になっていた。おかげで入園料を払わずに散策することができた。
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散策路の上部からは対岸の沼島が望める。
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帰りはおそらく中国自動車道が渋滞するだろうと覚悟していたのだが、予想外の車の流れで、6時半頃には京都に帰ってくることができた。
天気も良く、気分転換には最高の一日だった。

笠置山

今日はカルチャーセンターの登山教室の随行で、笠置山へ行ってきた。
講座のコース名には『入門』やら『初級』やらの単語が付いているのだが、講師の趣味でいつもなかなか通なコースを歩いている。しかし今日はまったく危険の無い、ほぼハイキングコースだった。

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関西本線の大河原駅を降りて、東海自然歩道の『銀の帯ハイキングコース』を笠置へ向かう。
平坦な道をしばらく行って布目川を渡ると、甌穴(おうけつ)群に出会う。
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『甌穴』とは河原の岩に水流による浸蝕のためにくぼみができたものだが、上の写真には肝心の甌穴は写っていない。
このあたりは石仏が随所にあるが、文化的素養に欠ける私は、そういうものを見てもあまり興味が湧かない。
JR の線路脇をしばらく行って、笠置の公園で昼食にする。冷たい風が当たって寒い。カップラーメンもすぐに冷めてしまった。
来た道を少し戻って、笠置山の三角点への道に入る。なかなかの急登で、落ち葉が濡れている所があったりして、これまでのハイキング気分から一転して本格的な登山道になる。
急登を上がってようやくなだらかになってきたと思ったら、左側にはゴルフ場。興ざめでがっかりするが、仕方ない。
展望も何も無い笠置山の三角点を踏んで、なだらかな道を笠置寺へ向かう。
笠置寺は京和トライアスロンクラブのマラニックのゴールで何度も来ているが、いつもそのまますぐに降りてしまうので、どういうエリアなのかこれまでまったく知らなかった。実は山上エリアをぐるっと回れるようになっていて、石仏や大きな岩などの見所がたくさんある。
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マラニックの時はタダで入るが、今日は 300 円の拝観料を払って入った。
展望が楽しめる場所もある。
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後は登山道を笠置駅まで降りて、今日の行程は無事終了した。
笠置山への登りがそこそこ楽しめる道だったし、山上エリアも予想外におもしろかったので、思った以上に楽しめるコースだった。

百里ガ岳

昨日はカルチャーセンターのお手伝いで、朽木(滋賀県)の百里ガ岳へ行ってきた。

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先月行った三国峠の少し東側で、鯖街道で走った車道を挟んで西と東の位置関係になる。今回もチャーターバスの送り迎え付きで、快適登山だった。
入山は木地山の中小屋から。9月の台風の影響で、谷筋の道は特に下流で大きく崩れており、かなり難渋した。とても初級コースとは思えないルートになってしまったが、受講生の大半はリピーターで、中級レベルだ。2時間ほどかかってようやく木地山峠へ到着。
上部では紅葉もかなり進んでいるが、絶景というには今一歩というところ。
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元々入山者の少ない山域で、おまけに昨日は平日だったので、終日誰とも出会わなかった。
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木地山峠を少し過ぎたところで昼食を取って、それから1時間ほどで百里ガ岳へ到着。
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百里四方が見渡せるということが山名の由来らしいが、このあたりから見える山々は、この地域の1000m以下の山ばかりで、アルプスの山からの景観とはかなり違う。
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頂上を過ぎて少し行ったところで、比良山系の全貌を見渡すことができた。
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この山域もブナの大木が所々にあり、原生林の雰囲気が残っている。
トレイルランナーの鏑木さんが、滋賀県の何かのグループの依頼(?)で、このあたりのエリアでトレランのイベントを開催しておられるが、正直なところ、こういう山域には登山者でない人たちはあまり大挙して来てほしくないという気持ちがある。
地元の高島市は朽木の原生林を観光資源として活用したいようだが、我々のような者からすると(私はその時々で都合良く登山者になったりトレイルランナーになったりするのだ。スミマセン)、自然が荒れるようなことはあまりやってほしくないというのが本音だ。
鎌倉アルプストレイルランという大会が、今年の12月で第10回を迎える予定だったところ、地元からの強い要請で中止に追い込まれたらしい。自然破壊や一般登山との接触事故の危険性などがその要因で、登山道を使ってレースを開催すると、こういう声が出てくるのは致し方ないという気がする。
私自身も論理的には登山道でタイムを争うレースをやるのはあまり好ましいものではないと思っているが、はやりレースに出ないと自分の全力が出し切れないということで、たまにはレースに出場するようにしている。
登山道は、ロードレースと違って、一般の登山者を完全に封鎖することはできないので、どうしても接触事故の危険性がある。これまでに大きな事故の報告は聞いたことがないが(ランナー自身がアクシデントで死亡したという事故はいくつか発生している)、基本的にはあまり大人数でのレースはやるべきではないだろう。

三国峠

昨日は登山講座のお手伝いで三国峠へ行ってきた。
三国峠は福井、滋賀、京都の県境付近にある山で、山なのになぜか峠という名前がついている。が、最近の地図では三国岳と表記されていることも多い。鯖街道のルートから少し西に入ったところで、公共交通機関で行こうとするとかなり不便な場所だ。林道もかなり歩かなければならない。
と言うことで、今回はバスをチャーターしての大名登山。上り口でバスを降りて、下山口にはバスが待っていてくれるという、実に贅沢な山行だった。が、実際の負担額は公共交通機関を使った場合とさほど変わらない。いずれにしてもスタッフは個人負担が無いので、本当にありがたい限りだ。

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先月、嵐山周辺に大きな被害をもたらした台風18号は、このあたりにもかなりの爪痕を残していて、安曇川はいたるところで河岸が崩れており、道路の改修もあちらこちらでやっている。はたして上り口までバスで入れるかどうか心配だったが、このあたりの道は崩れるほどの被害は無かったようで、無事目的地まで到着することができた。
予定ルートの谷ははやり増水によってかなり道が荒れていたが、何とか無事にクチクボ峠に到着。ここで一服してから滑りやすい急斜面を登って三国峠へ。11時半くらいに到着したが、早めの昼食にする。頂上からは琵琶湖が望める。
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少し小雨がぱらついてきたが、おそらく本降りにはならないだろうと思って、雨具は出さなかった。
昼食後はブナの原生林を少し散策する。
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ここから西の方は芦生原生林だが、このエリアは許可無しには入ってはいけないことになっているので、端の方を少しだけかすめるように歩いた。
また三国峠に戻って、稜線の道を地蔵峠に下った。ここも部分的には滑りやすい急斜面があって、初心者向きの講座にしてはなかなかの難ルートだったのではないかと思う。私もこういう道を歩くのはあまり得意では無いので、受講生の手前、粗相がないようにと慎重に歩いた。
林道の上部では道が3分の1くらい崩壊しているところがあったが、歩きには影響無し。
3時過ぎには下りてきて、お迎えのバスに乗って早々に京都へ向かっての帰路となった。林道をしばらく下りて生杉(おいすぎ)の集落に出る少し手前で、道ばたの水の流れている所に小さな男の子が二人が、おそらく兄弟だろう、たたずんでいた。街中ではまず見かけることの無いような素朴な出で立ちで、思いっきり素朴な表情で、おもわずここはチベットかと思ってしまった。
三条京阪でバスを降ろしてもらって、6時過ぎには家に帰ることができた。
怪しげな天候のおかげでブナの原生林の雰囲気が非常に良く、ルートもそこそこ慎重に歩かなければならない部分もあったりしたので、なかなか充実感のある山行だった。
こういうことに(あまり多くはないとは言え)ギャラをもらって参加できるというのは本当にありがたいことだ。主役の講師ではないので責任もそれほど重くないし、何か申し訳無いような気持ちになってしまう。
来月はこの近くの百里ガ岳へ行く予定。ここも鯖街道のルートから少し東に入ったところで、私自身は行ったことが無いので、楽しみにしている。

音羽三山

昨日はカルチャー教室の補助で、奈良の音羽三山を歩いてきた。私にとってはまったく未知のエリアで、標高 1000m にも満たない奈良の里山など、こういう機会でもなければまず来ることは無い。

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天気は良く、ずいぶん暑くなりそうだ。桜井市コミュニティバスを不動滝で降りて、最初は車道を行く。次第に道が細くなって、登りも急になってくる。
さすがにカルチャー教室の講座だけあって、参加者の文化レベルは高く、草花や歴史風土と言ったものに対する見識はかなり高い。体育会系登山をやってきた私は肩身が狭い思いだ。
大峠の手前から山道になって、傾斜が一段と急になる。峠で一息ついて、熊ガ岳への登りにさしかかる。登山道はクマザサに覆われていて、展望はまったくない。時折、棘の多い植物があったりして、すっきりしたアルプスの稜線とはまったく正反対のタイプの登山道だ。
熊ガ岳の頂上は座るスペースも無いのでそのまま通過して、急坂を少し下る。また急登の登り返しで次の経ヶ塚山に到着した。ここで昼食にする。
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西穂高の時はかなり遅れる人も少しおられたが、今回はそれほどの力量差はなさそうで、技術的に難しい箇所も無いので、最後尾について歩いて行くだけ。
最後の音羽山まではわずかだった。
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下山路の沢筋は先日の台風の影響がまだ少し残っていたが、歩きに困るほどではない。途中で少し横にそれて展望台へ行く。ここからは眼前にダイトレコースの全貌が眺望できた。こういう風景を見るのは初めてだ。
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レースでは金剛山の登りはかなり苦しいが、こうして見るとそんなに大した登りには見えない。
めずらしい花がいろいろとあるようで、みなさん非常に感激されているが、私には値打ちがわからない。
以前から草花の名前を覚えたいという希望はあるのだが、なかなか実行に移せない。小判の植物図鑑のようなものは持っていて、たまに見かけた花を調べたりすることはあるのだが、一度調べたくらいではすぐに忘れてしまうし、トレランで走っていると立ち止まって花を見る余裕も無い。
しかし実際のところいつまでの体力勝負の体育会系登山を続けることもできないので、やはりそろそろ文化系登山の分野にも本気で取り組んでいかないと、このままでは楽しみが少なくなってしまうという恐れは抱いている。
少し下りたら善法寺というお寺に出て、登山道は終了した。この寺は尼寺だった。お寺の尼さんによると、先日の台風で道路が不通になり、二日間ほど孤立状態になったとのこと。当初予定していた道はまだ不通で、バス停まで下りるには別の道を通らなければならないらしい。少し大回りになるようだ。
予定していたバスには間に合わなかったが、1時間後のバスに乗って、全員無事に桜井に戻ってくることができた。
すっと歩けば半日程度のコースだが、アップダウンもそれなりにあって、そこそこ満足感の感じられる一日だった。