冬の上高地は一度行ってみたいと思っていた。
上高地は最近はご無沙汰しているけれど、自家用車で入れる時代には何度も行った。しかしその頃は山に登るための通過地点でしかなく、上高地そのものを目的に歩いたことは無かった。
最近は完全な観光地になってしまって、おまけにバスやタクシーでしか入れないので、槍や穂高へ登る時はいつも新穂高から入っていて、随分ご無沙汰になってしまっている。
冬場は釜トンネル以降の道路が閉鎖されて工事用車両以外はバスもタクシーも入れず、釜トンネルから歩くしかない。
それでも上高地のスノーハイクを目的に訪れる人はそれなりにおられて、無雪期とは比べものにならないものの登山者やハイカーは少なくない。
さすがにもうこの時期にこのエリアの山に登ろうとは思わないが、上高地を目的に散策してみようと思った。
12/29(金)の朝は車に数センチ程度の雪が積もっていた。天気予報では午前中は曇りで午後から晴れるとのこと。
安房トンネルを越えて坂巻温泉に車を停めた。
ほぼ明るくなった7時前に坂巻温泉を出発した。
実は最近、大枚をはたいて折り畳み電動アシスト自転車を購入した。ここから行けるところまで自転車で行こうという魂胆である。
少し行ってからカギを忘れたことに気づいてあわてて取りに戻ったが、歩いている登山者をあっさり追い抜いて、10分くらいで釜トンネルの入り口に到着した。
車で走っている時は結構な坂だと思ったが、電動アシストの威力は予想以上に強力だった。
ところがここで想定外の事態に。冬に自転車でここを走った記録はいくつか確認してきたのだが、いつの間にやらここから先は自転車は通行できなくなっているとのこと。
致し方なく物陰に自転車を置いて、歩いて釜トンネルに入った。
20分くらいで釜トンネルを抜けて、お次は上高地トンネル。
上高地トンネルを出て少し下ると大正池に出た。大正池に立ち寄るのは初めて。
この少し先から散策路に入る。木道が整備されている。
しばらく行って田代橋を渡る。
続いて穂高橋で梓川の右岸へ。
雲が切れて明神岳と前穂高が現れてきた。
ウェストン碑は冬眠中。
右岸の車道は工事用の車両が何台か走っていた。
しばらく進んで河童橋に到着した。
9時半。ここのベンチに腰掛けてソイジョイを補給した。
そしてここから先はトレースが薄くなることを予想して久しぶりに HOK スキーを履いた。
予想通りトレースはあるものの今日はまだ誰も歩いていない。HOK スキーで高い木道を歩くのはいささか緊張した。
ところどころ木の段差があって苦労した。
暑くなってきたのでジャケットの上着を脱いだ。
河童橋から1時間半ほどかかってようやく明神に到着した。嘉門次小屋もじっくり眺めるのは初めて。
上条嘉門次のレリーフを見るのもおそらく初めて。
そして穂高神社の奥社を参拝。
明神池に来るのも初めてだった。これは一之池。
こちらは二之池。
ここから先は HOK スキーでは歩きにくいと思ってここで脱いだ。
明神橋を渡ってから振り返る。
あとは梓川左岸を河童橋に戻る。
このあと一度 HOK スキーを履いてみたが、すぐに地面が出てきたので脱いだ。地面の出ているところはわずかでまた雪道になったけれど、やはりツボ足の方が歩きやすかった。
明神から50分ほどで小梨平。
ここから河童橋までは目と鼻の先だった。
反対側には焼岳がど〜ん。
ベンチでドーナツ休憩してから車道ルートで戻る。
私には縁の無い帝国ホテル。
河童橋から1時間半ほどで釜トンネルのゲートに戻ってきた。
ここで自転車を回収して、ほんの数分で坂巻温泉に戻ってきた。
思ったよりも雪が少なくてちょっとあっけない感じだったが、いくつか残っている「心残り」の一つが解消できて気分的にはすっきりした。