昨日は登山教室の随行で、福井石川県境の取立山へ行ってきた。今年の2月に山スキーで行った山で、山スキーではこれまで何度も訪れているが、無雪期は初めてだった。
ここは山頂付近に水芭蕉の群生地があるそうで、この時期はそれを求めて多くの登山者が訪れるらしい。山スキーの時は国道横の駐車スペースに車を止めて、そこから登り出すのだが、無雪期はかなり上部まで車で上がれる。
遠路はるばる京都から出かけたので、上の駐車場に着いたのは 11 時前。駐車場はほぼ満車という状態だった。
駐車場の電話ボックスは残っていたが、中はカラ。その横から登山道に入る。
まずは大滝を目指す。かわいらしい花がいろいろと現れるが、あまりにも次々に現れるので名前を聞いたしりから忘れてしまう。
ほどなく大滝が現れる。
ひと登りして稜線近くに来ると取立山がすぐそばに望める。
上部にはイワウチワ。
そしてタムシバ。
1時前にこつぶり山(1264m)へ到着して、ここで昼食。
白山は目の前。
昼食を終えたら取立平の水芭蕉群生地へ。
まぁこんなもんかなという感じ。
避難小屋を経て少し登って、取立山山頂(1307m)へ到着。
白山を望めるのはこれが最後。
これまで山スキーでしか来たことが無かったので、山頂にこういう標識が立っているのは知らなかった。
下山は山スキーでの滑降ライン。ただしつづら折れを道通りに下りる。
予定よりも少し早く、午後3時過ぎに駐車場に戻ってきた。
天候も思ったよりは良くて、白山を間近に眺められて気持ち良かった。
カテゴリー: 登山
葛城山
昨日の随行は葛城山だった。ハイシーズンで人が多くて閉口したが、天気が良かったのが幸いだった。
当初の予定ではバスでロープウェイの乗り場まで行くつもりだったが、ロープウェイへ向かう道が大渋滞でバスがどれくらい時間がかかるかわからないとのこと。バスを諦めて約 3km の道のりを歩いて行くことにした。
バス道を避けて直線的に行くが、細い道にもかかわらず乗用車が多く、おまけに歩くハイカーも多いので車がすれ違いに苦労している。申し訳無いが仕方無い。
天気がいいので葛城山頂はすぐ近くに見える。
登りは櫛羅の滝を経由して行く。
ほどなくダイトレ名物の階段が現れる。
なかなかの急登が続くので徐々に遅れる人も出てきたが、道が混雑して渋滞したりするので思ったほどは大きく離れない。ただ、我々は受講生 24 人の大パーティで、おまけに今日初めて会った人もいて、ちゃんと全員が揃っているのかどうかしっかり確認できない。
近鉄御所駅を歩き出したのが9時45分くらいで、小休止は取っているとは言うものの歩き出して3時間くらいになるとたまらず腰を下ろす人も出てきたりしたが、何とか全員ロープウェイ山頂駅までたどり着くことができた。
山頂直下の芝生エリアで昼食。
今日の目的の一つはツツジなのだが、時期的にもう終わりかけという感じ。今年は例年よりは早めに季節が進んでいるようだ。
昼食後は山頂へ向かう。
葛城山はダイトレでこれまで何度となく訪れているが、実はこれまで山頂には立ち寄ったことが無かった。
下山は北尾根を下る。こちらは上部は気持ちの良い林で、急傾斜部分も少ないので、気楽に下山できる。
ロープウェイまであとわずかという場所に展望場所がある。台高や大峰が望める。
ロープウェイ駅に3時 40 分頃に到着して解散し、私を含めた数人は駅まで歩いて帰った。
横山岳
昨日の登山教室は湖北の横山岳に行ってきた。
湖北の名峰だそうだが、私は初めて。確かに立派な山容で登りごたえもあり、植生も豊かでブナ林の広がる素晴らしい山だった。
遠方にもかかわらず、今日は電車で出かける。昨秋からバス代が高騰しているためだ。
朝6時に家を出て、北陸線の木ノ本駅に8時半過ぎに到着。そして手配しておいたタクシーに分乗して登山口の白谷小屋へ向かった。
ここには20台くらいは止められそうな駐車場があるが、連休などは一杯になるらしい。
事前の情報では予定している白谷のルートはかなり荒れているらしいが、予定通りそこへ向かう。私は念のためにロープを用意してきた。
まずはイチリンソウ。
いろんな花が出てくるが、覚えていられない。
沢を何度も渡りながらしばらく登ると林道に出る。林道を少し歩いてまたすぐに登山道に入る。そこを少し登ると経の滝。
なかなかの急登が続く。もう一踏ん張りすると五銚子ノ滝が見えた。
流れのそばにはヤマシャクヤク。この花は見られる機会が少なく、これほどきれいに咲いている時期はほんの数日くらいしかないため、グッドタイミングだった。
振り返るとびわ湖が望める。
イカリソウも随所に。
急登をあえいで午後1時前にようやく横山岳山頂(1132m)へ到着。
下山は東尾根ルートを行く。頂上直下の日当たりの悪い北面にはまだ雪が残っている。
好天に恵まれて、展望の開けた気持ちの良い稜線をゆっくり下る。
白山は見えているような見えていないような・・・。
頂上稜線にはタムシバ。
イワウチワも残っている。
このあたりのブナ林は絵に描いた様に素晴らしい。
東尾根に折れる所で少し寄り道する。
阿蘇岳は三角点のみで展望などはまったく無し。
ここから少し下ると金居原夜叉が池。おそらく雪解け水が溜まっているのだろう。
晴天続きで足元が渇いて滑りやすくなっている道を下って、最後は林道で午後4時15分に登山口に戻った。
大文字山、如意ヶ岳、長等山
今日は登山教室の随行で、大文字山、如意ヶ岳、長等山を歩いてきた。火曜日に続いての雨だったが、幸い、午前中の小降りだけで済んだ。
大文字山は何度も踏んでいるが、いつも東山トレイルコースから南北に山頂、火床を辿るルートばかりなので、今日のような東西に抜けるコースは初めてだ。
スタートは地下鉄の蹴上駅で、少し歩いて南禅寺へ。
しばらくは街中の道を歩く。
哲学の道には八重桜。
鹿ヶ谷の登山道に入ると、桜門の滝(ろうもんのたき)。
しばらく登って東山トレイルの道に合流して(実は鹿ヶ谷のコースは東山トレイルのコースの一部)、大文字山の山頂を目指す。
昼前に頂上に到着して、ここで昼食にする。何とか市内が望める。
昼食を終えて、少し戻って如意ヶ岳への道へ分かれる。
雨社はかなり最近、何らかの原因で倒壊した模様。ブルーシートがかけられてる。
さらに進んで、如意寺跡。とは言っても建物の痕跡はまったく無い。
このあたりは地形も複雑で道もいろいろあり、道標もあまり整備されていないので、よく知らない人が初めて来たらかなり迷いそうだ。
少し進むと車道に出て、如意ヶ岳山頂(472m)近くまで行く。
本当の山頂には大阪航空局大津航空無線標識所が設置されているため、入ることができない。
車道を戻る。このあたりからは音羽山が望める。
車道のガードレールをくぐって長等山への山道へ。
長等山の頂上(408m)は小さなテープの表示以外は何も無い。
しばらく東へ行って、三井寺への道を分けて北上する。わずかで三等三角点(370.1m)。このあたりはミツバツツジ。
皇子山カントリークラブのコースを左に見ながら次第に急になる道を下ると、早尾神社に到着した。
ここから京阪皇子山駅、そして湖西線大津京駅までは10分程度だった。
市街地から近い割には山深い雰囲気の場所が多く、天候が今ひとつだったとは言え日曜日なのに大文字山以外はほとんど人に会わず、なかなか味のあるいいコースだった。
藤原岳藤原小屋まで
昨日は雨の中、登山教室の随行で鈴鹿山系の藤原岳を目指したが、時間切れで藤原小屋までで終わってしまった。
朝から終日の本降りを覚悟していたが、朝出かける時は雨は止んでいた。しかし京都駅で集合する頃には雨が降り出し、登山口へ着くまでほぼずっと雨だった。
登りは聖宝寺から。雨は小降り程度だが、雨具を着て歩き出す。気温は高めで、なかなかの急登なので、かなり汗が出る。上着のジッパーを開けて通気をはかるが、それでもかなりの汗。
このルートは頂上までの標高差が約 1000m あって、登山教室のコースとしてはなかなかのアルバイトだ。
4月から新しいコースになって、新顔の方も何名かおられる。そのうちの一人の女性が、徐々に遅れてきた。しばしば座り込んで休憩しないと進めない状態になったので、私がその人に付いて、他の人たちは先行してもらう。
急登を何度も休憩しながら登り切ると、徐々に調子を取り戻して来られたようで、遅いながらもあまり休まずに歩き続けられるようになってきた。
稜線に上がった所には小屋があって、そこで昼食にする予定。上部に来ると所々雪が残っている。3時間半ほどかかってようやく小屋に到着した。
おそらく先行メンバーは食事を終えて山頂に向かっているだろうと思っていたら、何とまだ小屋で食事中だった。
どうも先行メンバーも上部になるとかなりペースが落ちたようで、我々もさほど大きくは遅れなかったようだ。
もうすでに午後1時で、天気も悪いので、今日はここまでにして下山することにする。山頂には到達できなかったが、1000m は越えることができた。
下山は表登山道を西藤原駅の方向へ向かう。それでなくてもこのあたりはいつも足元が悪いそうだが、昨日は雨なので一段とひどく、足を滑らせて雨具を泥だらけにしている方も少なくなかった。
午後4時頃に登山口の休憩所に到着して、そこの水道で靴や雨具のドロを洗って、お迎えのバスで京都に帰ってきた。
一日中ほぼ雨だったが、本降りのような状態の時間帯はあまり長くなかったので、覚悟したよりはマシだった。おまけに昼食が小屋で摂れたので、雨の中で立っての食事という最悪状態は避けられて、たまにはこういうコンディションを経験するのも悪くはないだろうという感じで終わった。
天気も悪く、遅れた方のサポートなどがあって、写真はほとんど撮る余裕が無かった。
高取山
今日は登山教室で高取山へ行ってきた。個人的には『高取山』と聞くとどうしても六甲の方を思い出してしまうのだが、今日は奈良県の方。
天候が不安だったが、幸いたまの小雨程度で終えることができた。
壷阪山駅からバスに乗って、壺阪寺から歩き始める。
壺阪寺はわざとらしい大きな仏像などがたくさんあって、観光客目当てのビジネス寺という感じ。中には入らずに通り過ぎる。
登山道を少し上ると五百羅漢。これは年月を感じさせるものだ。
時折展望が開ける場所からは二上山、葛城山のダイトレが一望できる。
八幡神社へ寄り道。
歩き出して1時間ほどで高取城趾のエリアに入る。
さすがに日本三大山城と言われるだけあって、立派な城壁がたくさん残っている。
本丸のあった場所が高取山の山頂(584m)。
山頂エリアからは高見山などの台高山脈が望める。
ここで昼食を取って、下山は大手道へ。途中の展望台からは奈良盆地が一望できる。畝傍山、耳成山、天香具山が足元に。
途中には猿石。
土佐の街では雛めぐりが開催されていた。
街道には土産物屋がたくさん出ているが、商売臭がぷんぷんしてどうにも馴染めない。
土佐街道に入ったところで解散したが、私は非常にゆっくり歩いたにもかかわらず最速で駅に着いてしまった。
前日までの予報のわりには天気がひどく崩れずにもってくれたのが幸いだった。
有馬滝めぐり
昨日の登山教室は有馬の滝めぐりだった。氷瀑を期待したが、残念ながらつらら程度。しかし久しぶりの快晴で快適な一日だった。
朝9時に宝塚に集合して、バスで有馬へ向かう。蓬莱峡を経由する道は昨夏は台風の影響で通行止めになっていたが、まだ部分的に修復工事で片側通行になっている。
有馬の温泉街の少し手前で降りて、まずは瑞宝寺公園へ。
公園から登山道に向かうとさっそくロープで通行止め。このあたりの谷筋は昨夏の台風でかなり荒れたようで、この後も至る所で通行禁止の立て札を抜けて行くことになった。
筆屋道をたどって展望台で一服。
魚屋道(ととやみち)へ合流して、はっきりした登山道の無い射場山(690m)のピークを目指す。頂上も何も無い。
また魚屋道に戻って、炭屋道に出会う少し手前で昼食。
後半戦はいよいよ滝めぐりだが、さっそく通行止めの立て札。無視して紅葉谷に突入して、まずは白石滝。
白石谷を遡って行くが、道が大きく崩れている箇所が出てきて、スリングを張って通過する。
荒れた沢筋を登って次は百間滝。ほんのわずかにつららがかかっている。
すぐ近くには似位滝(にいたき)。
紅葉谷道へ這い上がる途中で百間滝の落ち口に立ち寄る。
紅葉谷道へ上がってからちょっと寄り道して七曲滝の落ち口へも行った。
これでこの日の予定はほぼすべて完了だが、実は下山予定の道も通行禁止になっていた。しかし踏み跡もしっかりあるので、ここも突入する。
車道に出るほんの手前で大きく崩れている箇所があって、手前のパーティがロープを張って下りていたが、我々は特に問題も無く通過できた。
3時半過ぎにロープウェイ駅に降り立って、解散となった。
せっかく有馬に来たので金の湯に入って帰ろうと思っていたが、このところは随分と混雑がひどいようで、特に土曜日の夕方だったので待ち時間30分とのこと。さすがにそこまではということで、みなさんのご贔屓というモンベル横の店でビールとちょっとした料理を楽しんで、満足して帰ってきた。
六甲は自分で行く時はまずほとんど縦走路しか行かないので、たまにこういう機会があると非常に楽しめる。ありがたいことだ。
飯盛山、室池
今日は登山教室の随行で、四条畷の飯森山から室池を歩いてきた。
集合はJR四条畷駅。電車で行くと枚方市、河内磐船と2回の乗り換えがあってうっとうしいので、家から自転車で行くことにした。幸い、解散も四条畷駅なので、駐輪場に置いておけば良い。
9時半に集合して、まずは四条畷神社へ向かう。
そして神社でお参り。
ここから山道に入って飯盛山を目指す。頂上エリアには城跡が随所にある。
大阪市内はおおむね望めるが、どんよりした空気で六甲などの遠方は見えない。
11時過ぎに飯盛山へ到着。楠木政行の像が建っているが、何かわざとらしくて風情を感じられない。
山頂から少し下ると楠公寺。こちら側はここまで車道が来ている。
少し下って横道にそれると白龍大明神。
権現谷へ下って、権現の滝へ。
室池の西端の堰堤で昼食にした。すでに12時半を少しまわっていて、あたたかいカップラーメンがおいしかった。
しばらく進むと通い慣れた生駒の縦走路に出て、つい先週往復した道でまた室池の堰堤を渡る。
この後は蟹ヶ坂ハイキングコースで権現川の道に合流。
最後に御机(みつくえ)神社を参拝した。
どうも私は今年、厄年らしい。どうでもいいけど。
四条畷駅に戻って、無事解散。そして自転車で帰ってきた。厄年と言われると『事故をおこさないように』と多少は意識するので、そういう御利益はあるのかもと思った。
かつて自転車で転倒して鎖骨骨折した場所のすぐ近くを走ったので、同じ過ちを繰り返さないようにと思いながら帰ってきた。
それにしても寒い一日だった。
取立山山スキー
昨日は予定通り、取立山(とったてやま 1307m)へ山スキーに行ってきた。
このところしばしば事故が起こって、世間の注目を浴びている中高年のバックカントリースキーというやつ。我々も平均年齢 60 台半ばという、まさにその典型パーティだった。
しかも私は4年ぶりくらい。他の二人も最近はあまり行っていないということで、事故を起こしたら非難は免れない。
土曜日の夕方に二人で出発したが、高速では随所で雪。北陸自動車道に入ってからはチェーン規制になっており、翌日の天候が心配された。
夜は勝山のトラックステーションの東屋にテントを張って過ごした。夜間の雪はそれほどではなく、新雪は数センチというところ。しかしこのトラックステーションはこれまで何度も冬に夜を過ごしているが、このあたりでこれほどの積雪には出会ったことが無い。
翌早朝に草津を出発された方と合流して、登山口の東山いこいの森に向かう。除雪車がたくさん出動している。
うっかりといこいの森を通り過ぎてしまったが、不安だった登山口の駐車場は除雪されていた。到着時は車は一台も止まっていなかったが、我々が準備しているうちに単独行の方が一人やってきた。
久しぶりなので準備に手間取る。ビンディングの扱いもいざ本番になるとスムーズにはいかない。歩き出したのはもう8時に近かった。直近のトレースはまったく無い。
ほんの少し後からスタートされた単独行の方は随分慣れている感じで、ショートカットしてどんどん前に行かれた。ありがたくトレースをいただく。
林道のショートカットに入るあたりで先行者のトレースを離れて、少し前と思われるうっすらとしたトレースを追うことにした。
樹林帯で木の枝を掴んで這い上がったりしながら、上部の林道に合流。ここからまた林道をはずれて近道を行く。
天候は曇り。ようやく身体が暖まってきたが、少しでも止まると寒い。
しばらく行くとあの先行者と思われるトレースに出会った。またありがたくトレースをいただく。
急斜面をつづら折れに登って、上部の稜線に出てきた。視界は百メートルくらい。頂上は見えない。
1000m を越えると木もまばらになって、北からの冷たい風が吹き付ける。稜線の南側は雪庇になっているので、できるだけ樹林帯の際のあたりを進む。
風が強いので、先行者のトレースは所々消えてしまっている。
11時12分、ようやく頂上に到着した。頂上エリアはなだらかになっているのでどこが頂上なのかよくわからなかったが、後から gps を見ると少し行きすぎていたようだった。
シールを剥がして、不安な滑降のスタートだ。久しぶりでブーツに足が馴染まず、右足が当たって痛い。
ターンの感触がまったくわからず、とにかく変なこけかただけはしないように慎重に下る。
一度少し北の方へ行きすぎてしまったが、他の人の gps のおかげで元に戻って、広い稜線をゆっくり下る。
このあたりからスノーシューで登ってくる人たちにたくさん出会った。
最近、スノーシューがずいぶん流行っているそうで、雪山では中高年のスノーシューパーティがたくさんいるらしい。取立山は山スキーで何度も来ているが、これまでは山スキーヤー以外に出会ったことが無かったのだが、今日はスノーシューやツボ足の登山者ばかり。
私にはスノーシューが快適とは思えないのだが、実際のところはかなりの便利ツールらしい。
夏場に駐車場になっている台地まで下りて、腰を下ろして昼食にする。
ここでもトータル 10 人くらいの登山者に出会ったが、山スキーヤーはゼロだった。しかしもう 12 時だと言うのにこれから登って行く人が何人もいるというのはちょっと信じられない。
明らかに頂上までは行かずに下りてきている人たちも多かったので、最初から頂上まで行くつもりではないのかも知れないが。
おおむね登りと同じコースで、1時40分頃には駐車場まで下りてきた。
久しぶりの山スキーなので、リハビリモードということで取立山を選んだのだが、天候が今ひとつで予想外に厳しくなってしまった。それだけにそれなりの充実感も得られたのだが。
これなら結構早く帰れるかもと思って帰路についたのだが、どうも車の調子がおかしい。変にタイヤがぶれるのだ。雪道なので多少不安定なのは仕方ないが、これくらいの道ならそんなにぶれることは無いはずというぶれ方をする。
タイヤから伝わる地面の感触も異常に粗い感じなのだが、そんなに路面が荒れているようには見えない。
いつもタイヤ交換は自分でやっているので、ひょっとしたらボルトが緩んできているのかもと思ったりしたが、金属的な音は聞こえない。
高速に入る手前でもう一台の人にちょっと声をかけようと思って道路脇に避けて止まった瞬間、明らかに変な感触があった。
何と、左前のタイヤがバーストしていた!!。ちょうどスピードを緩めたタイミングだったので、事故につながるような事態にはならずに済んだ。
実はこのスタッドレスタイヤはもう8年ほど経っており、しかもここ3年ほどはずっと軒下に置きっぱなしでまったく使っていなかった。
多少は不安もあったのだが、近い距離の運転では特に違和感を感じなかったので、大丈夫だろうと思い込んでいたのだが、まさかこのタイミングでこうなるとは。
取りあえずスペアタイヤに交換。スペアタイヤでは高速には入れないのだが(この時はそのことを知らなかった)、とにかく高速に入る。ただし 80km くらいの低速走行。
一度コーヒーブレークで休憩して再出発したが、やはりタイヤの具合がちょっとおかしい。劣化しているのは4本全部なので、また他のタイヤが同じ状態になる危険性はかなり高い。
もうすでにスペアタイヤを使ってしまっているので、もう1本バーストしたらロードサービスにでも助けてもらうしかない。それよりもこのまま高速を走り続けるのは極めて危険と感じて、敦賀で下りることにした。
幸か不幸か敦賀の IC を出てから道を間違えて市内に入ってしまったので、もしオートバックスでもあれば思い切ってタイヤ交換してしまおうと思ったが、残念ながらそういう店は見あたらなかった。
ガソリンスタンドでもタイヤを売っているが、何となく高そうで躊躇する。
これから国境の峠に向けてしばらく雪道を走らなければならない。時々タイヤが不安定な動きになり、恐怖感に襲われる。
スピードが出せないので渋滞を引き起こしてしまうので、避けるスペースがあれば止まって後の車をやり過ごす。
何とか峠道は越えられたが、家まではまだ 100km ほどある。
湖西道路は片側1車線で、追い越しスペースがあまり無いので、ここには入らずに下道を時速 50km でとろとろ進む。
和迩や堅田で店の多いあたりで注意して見たが、タイヤ交換できそうな店は見あたらない。緊張感で胸が張り裂けそうだ。
ついに大津まで戻ってきた。あまり店の無いあたりを走っていたところ、たまたま右側にタイヤショップが開いているのを見つけた。これはもう行くしかないと思って、Uターンして店に入った。
事情を話したところ、店にある在庫で4本交換すると 15 万円とのこと。一瞬、愕然としたが、もはや背に腹は代えられない。いま使っているブリジストンの同じようなモデルで、これを買った時もホイールを入れて 20 万円ほどした記憶があるので、ぼったくりということではないだろう。
20 分ほどですばやく交換してくれた。これまでの人生で最大の緊張感と思われる状態から解放されて、生き返った気になった。
よく福井からここまでスペアタイヤで走ってきたなと感心されたが、事故を起こさずに済んだのは何よりの幸運だった。もっと大金をドブに捨てるような事態になりかねない危険性は非常に高かったので、本当に運が良かったと思う。
昨秋に白山で古いプラスティックブーツが崩壊したが、やはり命に関わるような道具は古いものに未練を持ってはいけないということを痛感した。
あのタイヤが不安定な動きになる感触は、なかなか忘れることはできないだろうと思う。
貴船山、芹生、旧花脊峠、鞍馬山周回
久しぶりに雪の山道を歩いてみたいと思って、手頃なコースがないかと京都北山の新しい登山地図を買って眺めていた。
そこで思いついたのがこのコース。
叡山電鉄の二ノ瀬駅をスタートして、二ノ瀬ユリを辿って滝谷峠へ。さらに稜線を芹生峠まで行って、車道で一旦芹生へ下って、林道を登り返して旧花脊峠へ。ここから稜線伝いに鞍馬山を経由して貴船口駅までというもの。
二ノ瀬ユリや滝谷峠は中学、高校の頃に何度か歩いているが、もう 40 年以上前のことで、実質的には初めてのコースと言ってもいいくらいだ。
二ノ瀬駅で下車したのは私だけ。
電車の中にワカンを持った人がいたので、そんなに雪があるのかとちょっとおどろいたが、このあたりはまだ雪はまったく無い。
8時 15 分にスタートして、線路を渡ってすぐに右に折れて、ユリ道に入った。
適度な登りがずっと続くので非常に歩きやすい。さすがに無雪期のこのあたりのハイキングの人気ルートだ。気分が良くて思わず歓声が出る。
標高が 500m を越えるとちらほらと雪が出てきた。
40 分ほど行くと樋ノ水峠への分かれに来た。地形図の道よりは少し手前だが、道標はしっかりしている。
貴船山へ登るにはユリ道から少しそれなければならないので、道標に従って樋ノ水峠へ向かう。
少し行くと樋ノ水峠に到着。ここからはほぼ北に向かって貴船山を目指す。
踏み跡は少ししか無いが、古いテープを頼りに貴船山(699.8m)に到着した。スタートして1時間少々。
このあたりの道は登山地図と地形図で異なっていて、実際にどうなっているのかは歩いてみないとわからない。
登山地図には無いが、地形図には樋ノ水峠に戻らずにユリ道に合流できる道が書かれているので、その方向へ進んでみた。案の定、古いテープを発見。
このあたりまで来ると足元はかなり雪に覆われていて道がわかりにくいが、かすかな踏み跡もある。
テープに導かれて地形図の貴船山(716m)のすぐ手前でユリ道に合流した。
地形図の貴船山は石が積まれているだけ。
このあたりまで来ると足元はほぼ完全に雪。
天気は期待したほどの晴れにはならないが、おかげで汗をかかずに快調に歩ける。
展望も無いので淡々と進んで、9時 55 分に滝谷峠に到着した。
ここから芹生峠へは地形図には道が無いが、かなり新しい踏み跡が延びていた。単独行のように見える。
ジャンクションピークでジェルを補給。
芹生峠には 10 時 33 分に到着した。
ここから旧花脊峠へ稜線伝いに道が無いかと期待していたが、それらしい道は見あたらない。無雪期なら強引に稜線伝いに行くこともできるかも知れないが、今日のコンディションだと結構なラッセルを強いられそうなので、無難に車道で芹生に下りることにした。
芹生の里は京北十景ということになっているらしい。
人の気配はまったく無し。
旧花脊峠への林道は期待に反して除雪されていなかった。
最初のうちは何日か前のトレースが残っていたが、このトレースは登山者ではなくて仕事の人のものだったようで、途中で横にそれてしまっていた。そこからは想定外の単独ラッセル!!。
中途半端な堅さの雪で、表面は少し堅いものの、体重をかけると足がもぐる。おおむねスネくらいの深さで、一歩一歩力を入れて歩かなければならない。泣きたい気分だが、山深いのでエスケープしてバス道に出ることもできない。
朝、電車で見かけたワカンを持った人は、どこかでこういう道を歩いているのだろうか。スキーなら何の問題も無く歩ける道なのだが。
足跡はウサギだけ。
自分で選んだ道なので仕方ない。小一時間のアルバイトで、ようやく旧花脊峠へ到着した。
11 時 55 分。今日初めて腰を下ろしてあたたかいお茶を飲んで、おにぎりを食べる。
合流した道にはトレースが残っていたので、ほっとした。
10 分ほどの休憩で腰を上げる。
ここからの予定ルートは登山地図には道が書かれていない。しかし少なくとも鞍馬までは道があるはずだ。
林道で鞍馬の車道に向かう道を分けて、稜線伝いに行く方向を見ると、何と通行禁止の看板が出ている。
しかしこんなものは無視して行くしかない。トレースも残っている。
まるでハイウェイのような立派な道だ。
なぜ通行禁止なのかさっぱりわからない。
今日のコースはほとんど展望が無いが、比叡山が望める場所があった。
無雪期ならつまらなさそうな単調な道を南下して、13 時 15 分に鞍馬山(584m)へ到着した。
さらに下ると祠と池。
さらに下ると貴船と鞍馬を結ぶ道に合流した。今日、初めて人に出会った。
ここからは登山地図にも地形図にも無い道を行く予定。かつてはあったはずで、稜線伝いに貴船口駅へ向かう。
まず南へ向かうと大杉権現社。
しかしここから先がわからない。一度は参道を周回してしまった。
gps で方向を見当をつけて、柵をまたいで踏み跡らしき道を下る。もはや廃道状態だ。
しばらく行くと本来のルートから西にはずれてきた。
ちょっとうろうろしてみたがそれらしい踏み跡はまったく見あたらず、戻るのもシャクなので、どうせ貴船川のどこかに下りるだろうと適当に下った。
スギの植林で、随分昔に伐採されてそのまま放置されて、コケまみれになっている木がたくさんある。かつては人の手が入っていたはずだ。
徐々に傾斜が急になって、慎重に下ったら、貴船川の川岸に降り立った。
対岸は車道だが、問題はどこで川を渡るか。このあたりに橋は無いので、適当な渡渉地点を見つけて渡るしかない。
少しうろうろして、最後は覚悟を決めて流れの中を強行突破することにした。なまじ石を飛んでなんてことをやろうとすると、転倒して全身ずぶ濡れになりかねない。
流れが浅そうな場所を選んで、ばしゃばしゃと渡った。
ずいぶん貴船寄りに下りてしまったようで、料理旅館の前を通って車道をすたこらと歩き、2時半に貴船口駅にゴールした。
ここから鞍馬へ向かう道が残っているのかどうか確認したかったが、ちょうど電車の時間がせまっていたので、早く帰ることにした。
無事終わってみれば、旧花脊峠へのラッセルも貴重な体験だった。おそらくあれのおかげで今日の山行は長く記憶に残ることになるだろう。
この時期に北山を歩くのはいつ以来か思い出せないくらいだが、楽しくて充実した一日だった。