有珠山、洞爺湖

有珠山は活火山で有名な山なので登れないだろうと思っていたのだが、調べてみるとわりと登っている記録がある。それならということで最初の目標として有珠山を目指すことにした。

ウトナイ湖の道の駅から有珠山の登山口までは2時間以上かかる。10/26(木)の朝6時頃に道の駅を出発した。

これまでに何度か走ったことのある道で白老や登別への分岐を超えて洞爺湖に向かう。

だいぶ近づいてきて、有珠山(右)と昭和新山(左)が見えてきた。

2時間少々かかって登山口に到着した。登山口には放置されたような建物があって、少しスペースがあった。


軽自動車が1台停まっていたので先行者がいるのかと思ったが、実は年配の女性が乗っていて、その後下りて行った。

準備を整えて8時25分に出発した。

少し登ったら林道に出て、林道を進むと火山回道の道標が現れた。


道標に従って進むが、だんだんGPSに入れてきたルートから離れてきた。有珠山は正規の登山ルートというのは無いので、ひょっとしたらさっきの林道をそのまま進むのかもと思って引き返した。

しばらく林道を進んでみたが、これもまたルートからはずれてきた。まさか有珠山に登れずに終わるのだろうか不安になったが、また戻って先の火山回道を登り返した。

先ほど引き返した場所から少し進んだらまた道標があって、それに従って進んだら次第にGPSのルートに近づいてきた。

しかしまたルートからはずれてきて、また戻って地形をよく見たら別の道標の後ろにかすかな踏み跡があるのに気がついた。



ようやく予定のルートに乗ってきた。濡れてずるずるの急な斜面があって、たまらずポールを出した。持ってきて良かった。

急斜面を登って上部の稜線に出て、そのまま少し下ったら林道に合流した。

こんなところで林道に出会うとは思わなかったが、わりと新しい車のわだちがあった。

しばらく進むと有珠山の頂上部分が望めた。以外と遠そうに見えた。

林道が終わった先がよくわからなかったが、何とか赤テープを見つけることができた。


しばらく薄い踏み跡を辿ったが、そのうちに消えてしまった。ヤブはさほど濃くないので適当に上に向かう。

上部はもっと火山ぽい景観を予想していたのだが、どうも山頂まで植生がある模様。

部分的にヤブがうるさい部分もあったが、何とか山頂近くまで来た。少しだけトレースがある。

岩塔がいくつかあってどれが山頂なのかわからない。最初に上がったところは山頂ではなく、その先の岩塔に向かった。山頂の標記は無かったが岩にボルトが打たれていたのでこれが山頂(733m)だろうと思った。

山頂から昭和新山を見下ろす。

そして洞爺湖。下山後は中島へ行くつもり。

火口の周回ルートに行く。ここは薄いトレースがあった。

しばらく進んだら左手に噴煙の上がっている大きな噴火口が見えた。有珠山の噴火口はこちらだったのだ。


そしてその噴火口の縁に沿って稜線にトレースが続いている。稜線ギリギリのところにトレースがあって心臓に悪い。右側は意外とヤブが濃くてちょっと歩けない。


しばらく進んだが、右手のヤブが少し薄くなっていて今ならまだ登ってきたところに下りられるので、ここで切り上げることにした。

帰りは四十三(よそみ)山(251.6m)に寄り道した。

展望台に上がってみたが木が茂っていて展望は今一つだった。

12時半に登山口に戻ってきた。

午後は洞爺湖で遊覧船に乗るつもり。

羊蹄山の山頂部分は雲がかかっていた。

遊覧船は平日にもかかわらず団体客がいて混雑していた。

つい先ほど有珠山の山頂から見下ろした洞爺湖から今度は逆に有珠山(左のピーク)を見上げる。

25分ほどで中島へ。

船は30分間隔で運行されているので30分だけ上陸する。

なぜか神社がある。祠が三つあった。

真ん中には菅原道真が祀られている。

それほど古いものではないように思われる。

個人的には北海道で神社やお寺というのはどうも違和感を感じる。

博物館があったが有料なので入らなかった。

中島から眺める有珠山と昭和新山(左)。

次の便で戻って、洞爺温泉へ。

夜は有珠の道の駅あぶたに車を停めた。

北海道へ

昨年のこの時期は青森で津軽半島と下北半島を廻ってから北海道に渡ったが、今年は北海道一本で行く。

イザベラ・バードの「日本奥地紀行」に書かれている礼文華(れぶんげ)峠の道をぜひ一度歩いてみたいとずっと思っていた。

LCCを使ってここだけを訪れるという数日程度の旅も考えたのだが、LCCは日によって運賃がかなり違うし、安い日に合わせるためにホテルに余計に泊まるというのも本末転倒で、結局いつも通りのフェリーで行って車中泊という行程にした。

10/24(火)の夜に敦賀のフェリーターミナルに向かった。

7月の時とはうって変わってガラ空き。おかげで時間潰しのイベントは開催されなかった。

夕方に龍飛崎沖を通過する。

いつも通りマックスバリュで買い出しをしてからウトナイ湖の道の駅に入った。

虚空蔵山

10/22(日)は講座で丹波の虚空蔵(こくぞう)山へ行ってきた。ここはずいぶん以前に講座で一度登ったが、もう記憶は無い。

集合は福知山線の藍本(あいもと)駅。遠方だが集合時間が遅め(10時20分)だったのでそれほど面倒ではなかった。

車道を少し歩いてまずは酒滴神社を参拝。

石段を上がって本殿へ。

そばには立派な御神木。

道標に従って車道を進む。前方の山は虚空蔵山ではありません。

高速道路のガードをくぐってから登山道に入る。

参拝前に手を清めたという石船。

そして虚空蔵堂へ。

次第に上りが厳しくなってきた。

役行者の石像。

山頂の手前の展望場所。

六甲が全貌できる。六甲の右奥は淡路島。

12時半に虚空蔵山の山頂に到着して、ここで昼食にした。

地形図ではもう少し北が山頂になっているので、ちょっと行ってみた。道の横のヤブに小さな標石があったが、三角点ではない。

北摂の山々。

急な下りを30分少々で立杭陶の郷のそばまで下りてきた。

そしてバス停でひとまず解散した。

前回来たときは平日だったので観光客はほとんどいなかったが、今日は日曜日で、おまけに何かイベントのようなものが開催されているようで、観光客が多かった。

集落にあった大アベマキは倒壊していた。

現役の登窯には説明員の方がおられた。

前回来た時はこのそばの店でとっくりを買ったのは覚えている。このとっくりはまだ愛用している。

その後、バスで相野駅まで行って帰ってきた。

細峠、三津、竜在峠

竜在峠から細峠にかけての道はこれまでに何度か歩いている。しかし細峠(ほそとうげ)は稜線を通過しただけである。

細峠は奈良から吉野へ出る主要なルートの一つで、かつては峠付近に集落や宿もあった。芭蕉もここを通っている。その古道がかすかに残っているそうなので、そこを訪ねてみようと思った。

吉野側に少し下ったところに三津(みづ)という集落があるので、ここもどんな集落なのか一度見てみたいと以前から思っていた。

アプローチは桜井からコミュニティバスで多武峰まで行くことにした。

10/18の水曜日、桜井からバスで多武峰まで行った。

正面は談山神社へ行く参道。そばのコンビニは休業日で、公衆トイレは閉鎖されていた。

10時20分に出発。しばらく車道を行って、新鹿路(しんろくろ)トンネルの手前で旧道に入る。道標が立っている。

鹿路というだけあって鹿が何度か道路を走って行った。

30分ほど歩いて旧道のトンネルの手前で荒れた林道に入る。

10分ほどで荒れたコンクリート舗装が終わって、ようやく古道へ。

かろうじて残っている踏み跡を数分であっさり細峠に到着した。

芭蕉の句碑。「雲雀より空にやすらう峠哉」。

さて、今日はここから吉野側に下る。

アケボノソウ。

10分ほど下ると庚申塔があった。

そばに立派な作業道完成の碑があったが、そんな立派な作業道はそばには見当たらない。

このあたりが昔の集落の跡のようだ。「細峠むらあと」。私の生まれた昭和30年頃はまだ住んでいる人がいたらしい。

石垣。

車道に出る前に間違って変な方向へ少し行ってしまったが、無事旧道の車道に出た。

車道部分は意外と長くて、20分ほど歩いてようやく分岐と思われる場所まで来た。

しかしその前に三津の集落に向かう。

坂の車道を上がるとほどなく集落が現れた。生活感があって、以前に訪れた滝畑とはずいぶん違う。

バスも来ているもよう。

ここで引き返して、地形図にある細峠の北東の鞍部につながる道を行く。

かつて林道だったような広い道。

道なりに10分少々進んだら石垣の跡が出てきたので、このあたりも以前に集落があったのかと思ったら、実は先ほどの集落跡に戻ってきていた。

地形図に記載されている道とどこで分かれたのかまったくわからなかった。

12時半過ぎに細峠に戻ってきて、峠にある五輪塔のそばで腰を下ろしておにぎり休憩にした。

ここからしばらくは何度か歩いたことのある竜在峠への道。非常に気持ちがいい。

途中で脇道に入る。ここは以前から片側が切れた急斜面で、来るたびに危険度が増している。

細峠から20分ほどで「むかしの茶屋跡」。昔は雲井茶屋と呼ばれていた。本居宣長も訪れている。

ここは冬野や鹿路からの道も合流しているのだが、以前は無かったこんな看板が。

実は同様の看板が細峠にもあった。単に車(まさか!)やバイク(バイクのタイヤ跡のようなものは何度か見かけた)の通行を禁じているのか、誰も入るなと言っているのか、よくわからない。鹿路側ではこういう看板は見かけなかった。

ここから5分弱で竜在峠に到着。

ここからもしばらく気持ちのいい稜線歩き。展望は無いけれどおかげで日差しが遮られて快適である。思わず一人で歓声を上げて歩いた。

芋峠への分岐に到着。今日は入谷(にゅうたに)に下りる。この道は初めて。

意外と歩きにくい道を30分ほど下って、天空の展望台へ。

以前に一度訪れているが、再訪するとは思っていなかった。

展望台からの金剛山と葛城山。

少し下ったところから入谷の集落と遠方に二上山。

栢森(かやのもり)で加夜奈留美命(かやなるみのみこと)神社へ寄りたいと思っていたが、よくわからないうちに通り過ぎてしまった。以前に一度訪れているのだが、もう記憶を失っているので再訪したかった。

栢森をはずれたあたりに案内板があったのでそれで場所を確認して引き返した。前回はすんなり来ているでこんなに苦労するとは思わなかった。

祭神は名称通りの加夜奈留美命。

栢森まで来る観光客はあまりいないので、奥明日香の静かで静逸な気分が味わえる。車道のすぐそばにこんな渓流が流れている。

あたりが開けると雌綱。

こんな神事が行われている。

少し下ると飛鳥川上坐宇須多岐比売命神社(あすかかわかみにいますうすたきひめのみことじんじゃ)。日本で一番長い名前の神社。日本一ということはおそらく世界一。

以前に一度上まで上がって参拝しているので今日はパス。

そして稲渕の男綱。

稲渕は棚田が有名で、このあたりまで来る観光客は多い。

しばらく単調な車道を進んで、久しぶりのマラ岩

石舞台古墳の裏側を通って、亀石へ。

✳︎この写真は以前のもの。今日は観光客がまわりを占領していた。

その後は先日と同じルートで午後4時12分に橿原神宮前駅に到着した。

思った以上に楽しい一日だった。やはり明日香村は中心部を離れて奥に入らないとおもしろくない。また明日香村通いを再開してみようかという気持ちになった。

山上ヶ峰

10/11(水)の京都一周トレイルの講座が終わったのは午後1時過ぎ。まだまだ時間はたっぷりある。

そこで久しぶりに山上ヶ峰に行ってみることにした。

松尾山林道を遡る。

今日は当初は寄り道をするつもりはなかったのでルート確認などの準備をしてきていない。

稜線に上がる沢筋の出会いまでは30分くらいかなと思っていたのだが、いつまでたってもなかなか分岐が出てこない。まさか通り過ぎたということはないだろうと思いながらも多少不安を感じながら歩き続けた。

バスターミナルから50分くらいかかってようやく分岐に出会った。

この先、以前通った時はすごい倒木で、その後も大雨が何度もあったので、はたしてまともに歩けるかどうか心配だった。

やはり序盤は予想通り。

しかし最低限度の整備はされており、ほんの10分ほどで烏ヶ岳からの稜線に出た。

20分少々踏み跡を辿って、山上ヶ峰への分岐から山頂に向かう。

分岐から数分で山頂(482.2m)に到着した。

このあたりでは一番高いピークで、京都市内の北部からははっきりと見える。なかなか魅力的な山だと思うのだが知名度は極めて低くて、訪れる人も少ない。

好天だが展望がないので早々に下山。

少し下ると一箇所、林道に出る。

ここの右端が登山道。

この道はなかなかの難路である。下るにつれて傾斜が急になって、ロープの続く場所もある。砂地なので滑りやすく、ハイキング気分で来ると事故になりかねない。

林道から25分くらいでトロッコ列車の線路のところまで下りてきた。

トンネルで線路をくぐって、保津川の堤防をトロッコ保津峡駅に向かう。

あとは車道でJR保津峡駅に到着した。

2時間半ほどのデザートだったが、なかなかの充実感があった。

松尾山

10/11(水)は京都一周トレイルの講座で京都西山の松尾山に登ってきた。

集合は阪急の嵐山駅。

JRの嵯峨嵐山駅は観光客で平日でも非常に混雑するのだが、阪急の嵐山駅はいつもあまり混んでいない。

時間潰しに一ノ堰碑へ。

大堰川沿いを少し歩く。

松尾山へのハイキング道に入る。

ひと登りして展望場所からの嵐山と嵯峨の市街地を望む。手前の橋が渡月橋。

左に目を向けると愛宕山。

11時過ぎに松尾山の山頂(275.6m)に到着した。

ここで早めの昼食にして、西芳寺方面に向かう。

このあたりは古墳がたくさんある。

最後の展望場所から京都の南の方の眺め。

林道に下りてきた。

西芳寺の前の木が少しだけ紅葉。

午後1時過ぎにバスターミナルに到着して、ここで解散した。

神武峰

10/2(月)は講座で矢田丘陵の神武峰に行ってきた。

矢田丘陵はこれまでに何度か歩いているが、神武峰は道から少し横にそれているので、訪れたのは初めてだった。

集合は近鉄奈良線の東生駒駅。

車道を少し歩いてから矢田丘陵への石段を上る。

ちょっと寄り道して北ノ谷の三角点(218.2m)に立ち寄る。

一旦、車道に出る。

ここが椚(くぬぎ)峠。本当はだいぶ西側の信号を渡らなければならないのだが、車の通行の隙間をぬって渡る。

奈良市街地と若草山。

その後、ハイキング道から少し横にそれて神武峰(259.2m)へ。

三角点もあります。

このそばのちょっとしたスペースで昼食をとってからさらに南に向かう。

このあたりの最高峰と思われる標高270mのピークがあるので寄り道する。

榁木(むろき)山というらしい。ここは三角点はありません。

ほどなく榁ノ木峠へ。たぶん弘法大師。

車道に出て、峠の頂上まで行ってみる。

ここにも地蔵菩薩があります。

先ほど出てきた榁ノ木峠に戻って、すぐそばの弘法大師堂。

あとは車道を奈良側に下る。狭い道だが意外と車が通る。

奈良の市街と山々。

追分本陣村井家住宅。

2時ちょうどに霊山寺に到着した。

ここからは富雄駅へのバス便があるのでここで解散した。みなさんはバス停に向かわれたが私は富雄川沿いに歩いて駅に向かう。

30分ほどで富雄駅に到着した。

日陰では多少涼しくなってきたが、まだまだ残暑は厳しい。

新宮

9/29(金)は新宮市をめぐる。

ホテルの朝食サービスをいただいてからまずは神倉神社に向かう。山腹の本殿が見える。

入り口がよくわからなくてずいぶんウロウロしたが、ようやくゴトビキ岩への登り口に到着。

熊野三山が祀られる以前に熊野大神が降臨された場所で、優に千年以上の歴史がある神社。

五百段以上の石段を登る。部分的にはかなり急で、ザックを背負っているのでちょっと手でささえて登るような場所もあった。

いつ頃この石段が整備されたのかわからないが、この石を運ぶのは大変だっただろうと思う。

下から10分近くかかってようやく本殿が見えてきた。

巨大なゴトビキ岩。

巨大な二つの岩と、その間に挟まれるように小ぶりの岩がある。

ゴトビキ岩は堪能したので石段を下る。

実はここから熊野速玉大社に向けてちょっとした山並みが続いている。地形図では最高峰の千穂ヶ峰への道はあるものの、ずっとつながっているような道は記載されていない。

石段を下りずに山道で速玉大社に行けないだろうかと思っていたのだが、石段を少し下ったところで山の斜面に看板が見えた。

適当にヤブを這い上がったところ、やはりハイキング道の案内板だった。

道は杉の枯れ枝で覆われており、ほんの踏み跡程度だが、一応はトレースを辿れそう。時間もあるのでここを辿ってみることにした。

道標は立派なものが設置されている。

10分少々、ちょっとした沢筋を上がると稜線に出た。せっかく昨日着替えたTシャツがもう汗びっしょり。

数分で権現山へ。

展望台がある。水を持ってきておいてよかった。

展望台から新宮市街と太平洋。

北には千穂ヶ峰。

ここからの稜線は西側が熊野川に向かって切れ落ちている。

転落防止の柵が設置されている。

権現山から数分で千穂ヶ峰(253.4m)に到着した。

三角点もあります。

25分ほどの下りで三本杉登山口に下りてきた。

このあたりには千穂ヶ峰への案内板のようなものは見当たらなかったので、こちらから登る時は登山口を見つけるのが難しそう。

そして熊野速玉大社へ。

ずいぶん汗をかいたのでまずは自動販売機でジュースを買って建物の陰で休憩して、それから本殿にお参りした。

これで熊野三山のすべてにお参りした。熊野本宮大社や熊野那智大社に比べると少々小ぶりの神社だった。

川の熊野古道の権現河原というのがあるそうなので熊野川の河原に出てみたが、特に何も見当たらなかった。

時間潰しに新宮城跡へ。

本丸。

先ほど歩いてきた山並み。右から千穂ヶ峰、権現山、神倉山。残念ながら神倉山には寄らなかった。行っておけばよかった。

わりと大きな公園だが、観光客は一人もいなかった。

新宮駅にゴール。

駅のそばの寿司屋でランチをいただいてから大きなスーパーのイートインのコーナーでソフトクリームを食べた。

帰りは特急で天王寺へ。海岸線の眺めが素晴らしいのだが、ビールのおかげでいつの間にやらうとうとしていた。

もう少し涼しければ奥駈道もきっと気持ち良かったと思うのだが、それにしても暑かった。今日の千穂ヶ峰の稜線は予想外に楽しかったが、とにかく暑い三日間だった。

玉置神社から熊野本宮大社

9/28(木)はまだ暗い中、朝5時過ぎに玉置神社を出発した。


それにしても蒸し暑い。9月末の標高 1000m とはとても思えない。普段なら8月末でももう少し爽やかなはずなのだが。

20分少々で一旦車道に出た。すでに薄明るくなっていた。

木々の隙間からご来光。

朽ちた林道で、道標が目に入っていたにもかかわらず変な方向に入って少しロストしてしまった。

大森山に向かってひたすら登る。幻想的な眺め。

出発して2時間ほどで大森山(1078m)に到着した。今回のコースの最高地点。

ここで腰を下ろしてソイジョイを補給した。

少し進んだら大きなヒキガエル(?)が。どうしてこんなところ(標高1000m)まで上がってきたのだろう。水場も見当たらないのに。

もう少し進むと大森山の三角点(1045.2m)。

大森山から1時間20分ほどかかって第七靡の五大尊岳(825m)に到着した。

ここからの下りはロープの張られているような斜面の連続で、危険というほどではないけれどペースが上がらない。

第六靡の金剛多和。

次に第五靡の大黒天神岳(573.9m)。

熊野川の大きな流れが見えてきた。

しばらく歩いて宝経塔。

このすぐ下の山在峠で車道を渡る。

第四靡の吹越山。

また車道を渡って、しばらく行って吹越峠。

思いのほか時間がかかっている。午後1時くらいには熊野本宮大社にゴールできるのではないかと思っていたが、どうもそれはムリそうだ。

足元に大斎原(おおゆのはら)の大鳥居が見えた。できれば熊野川を渡ってあそこに行きたいのだが。

七越峰(262m)に着いた時はすでに1時前だった。

階段を戻らずにこのまま下の道に合流できる道があるのではないかと探してみたが見つからず、結局階段を戻ることになってしまった。

もう熊野川はすぐそこのはずなのだが予想外の山道で、アップダウンもある。

本宮大社まであと2.2kmという標識があって、2時過ぎのバスが危ないと感じてきた。

七越峰から40分ほどかかってようやく熊野川の河原に出た。

すでに1時半を過ぎていて、2時過ぎのバスまであと30分くらいしかない。

もはや川を歩いて渡るというような余裕はまったくなく、途中のバス停から乗るしかないかと思ったのだが、いざ橋を渡って車道に出たらバス停はなく、もう本宮大社前のバスターミナルまで行くしかないという状況になった。

酷暑のもと、ひたすら歩く。しばらく歩くと大斎原のバス停があったが、ここまで来たらもうターミナルまで行ってしまおう。

ターミナルにはちょうど午後2時に着いた。時刻表を見たら出発は2時23分で、実はこれ以外にも別のバス会社の便がいくつかあった。もうちょっとしっかり調べていたらもう少しゆっくりできたのだが、もはや本宮大社の石段を上まで上がる気力はなく、店で缶ビールを買ってベンチで一人乾杯した。

もう少し後の他社の便で、一部違う経路を走って予定の便よりも少し早く新宮に到着するというのがあったのだが、もう予定通りの便に乗ることにした。

熊野川沿いに本宮大社より下流を走るのは初めてで、雄大な眺めにずっと見惚れていた。

新宮駅には4時頃に到着した。駅で翌日の帰りの切符を買ってからホテルにチェックインして、まずはシャワー。自分でも自分の汗臭さにうんざりしていた。

きれいなTシャツに着替えて、ホテルのそばの小さな居酒屋に入った。

さすがにマグロの刺身はボリュームもあっておいしかった。

ビールと冷酒ですっかり満足して、ホテルに戻ったらいつの間にかベッドに横たわっていた。

玉置山

大峯奥駈道はわりと多くの部分を歩いているが、最南端の玉置山から熊野本宮大社まではまだ一度も歩いたことがない。アプローチが不便で、車を使っての周回ルートも考えにくいので、なかなか実行することができなかったのだが、久しぶりのテント泊で十津川村から入山して玉置山に登って、翌日に本宮大社まで行こうと思った。

そして下山後は新宮までバスで行って、まだ行ったことのない熊野速玉大社、そしてここはぜひ一度訪れたいと思っていた神倉神社のゴトビキ岩に行ってみようと思った。

登山口は十津川村の折立(おりたち)のバス停。日本で一番長い距離を走る路線バスと言われている大和八木から新宮へのバスで大和八木から約4時間。このバスも一度乗ってみたいと思っていた。

9/27(水)の朝、大和八木に電車で向かう途中、ふとザックの底に触れたら何と濡れている。調べてみたらフラスクの一つが漏れていたようだ。蓋はきっちりと閉めているので、どこかに穴があいていたのだろう。幸い、序盤で気づいたので大和八木のコンビニでスポーツドリンクを買うことができた。

このバス便は毎日3便が運行されているので、それなりの乗客がいるのだろう。JRの五条駅からも乗ることができるが、安全のために始発の大和八木から乗ることにした。

停留所には10人くらいの列ができていた。

五條バスターミナルまで1時間ほど走って、ここで10分ほどのトイレ休憩。その後、また1時間少々走って、谷瀬の吊り橋で20分ほどの休憩をとった。

9時15分に大和八木を出発して、ほぼ4時間で折立に到着した。バス停から少し行くと玉置山への車道の案内板が目に入った。

建物の陰で準備して、午後1時半過ぎに出発した。それにしても暑い。30度は優に超えていて、35度くらいあるのではないだろうか。

上で水が得られるかどうかわからないので2Lの水を余分に持っており、荷物が重いので最初からポールを出して歩いた。

30分ほど車道を進んで、登山道に入る。すでに汗びっしょり。

近畿自然歩道になっているがあまり歩かれていない感じ。道標は随所にあるので迷う心配は無い。

結構な登りがずっと続くので、適度に休憩をとって肩を休める。暑くてたまらない。

上の方で車道を横切る。

しばらく行ったらまた車道に出て、大きな駐車場があった。平日だが店が開いている。

この先に登山道の案内板があった。

午後4時20分、奥駈道に合流した。

しかし玉置山がどこなのかよくわからない。

どうも山頂の北側に出たようなので、南に向かう。

午後4時28分、玉置山の山頂(1076.8m)に到着した。

唯一、東方向の眺望。

写真を撮ったら早々に玉置神社に向かう。なかなかの急な下りが続く。

途中にある玉石社。役行者が財宝を埋めたとか。

本殿に到着。

この下に手水舎があった。できればこの近くにテント(シェルター )を張りたいが、まだ少し参拝客がおられるので時間潰しをする。スマホはつながったり切れたりと不安定。

薄暗くなって参拝客の気配がなくなってから石段の陰にシェルターを張った。

さすがに標高1000mであればそれなりに冷えるのではないかと思っていたが、そんなことはまったく無かった。