第9回六甲縦走キャノンボールラン・復路編前半

須磨浦公園の駅前には片道コース(スピード)の参加者がたくさん集まっている。天気も良く、今日は暑くなりそうだ。
須磨浦公園駅前.JPG
復路は少し長めの報告になりそうなので、2回に分けて書こうと思う。
スタートの予定は7時半。休憩が1時間少々というのはちょうどいいくらいだ。足をマッサージして疲れを取って、復路スタートの準備をした。
いつものパターンで、復路スタートの時間が7時45分になるとのこと。おそらく宝塚到着は暗くなってからになるだろう。
集団の後ろの方からスタートする。結局、おにぎりは到着しなかった。蒸しパンを食べておいてよかった。
スタート直後に右側の階段のショートカットに行くのだが、ここが大渋滞になっている。参加者は300人少々くらいだが、二人は並べないくらいの狭い階段なので、しばらく待っていなければならない。いくらあせらないとは言ってもスタート直後にただ待っているのはあんまりなので、多くの人と同じく、大回りのヘアピンコースへ行った。次の階段からは幅が広くなるので、歩きのペースならスムーズに行ける。
思ったよりは楽に旗振茶屋まで上がって、ここからは少しトレイルを走る。スピードの人たちがどんどん追い抜いて行くが、気にせずに自分のペースで行く。目標は10時間以内だが、まずは完走できなければ話にならない。
高倉台の横断橋の緩い登りも走りのリズムで乗り越えて、いよいよ栂尾山への階段登りである。狭い階段なので、ここで一人遅れたりすると厳しい目に遭うのだが、何とか流れに乗って登り切ることができた。
復路序盤2.JPG
集団について走っていたが、詳しい人が前で先導しているようで、栂尾山の頂上は手前でトラバース。横尾山もやや細い道をトラバースして頂上をパスして行った。しかし私は集団からは徐々に遅れ気味になり、道幅の広い場所ではしばしば後続に道を譲ることになる。
渋滞が予想された須磨アルプスは以外とスムーズに通過して、馬の背での写真撮影もパスして先を急ぐ。
妙法寺住宅街の最初のエイドでコーラとスポーツドリンクをいただいて、交差点を越えてからはいつものショートカットで高取山への登りに入る。
丸山の住宅街あたりまで来ると、緩い登りでも走るのが厳しくなってきた。ジェルでエネルギー補給をする。
鵯越を過ぎて、水道局の前で二つ目のエイド。ここは往路にもあったところだ。往路の時は小さなおにぎりがあったのを覚えていたので、須磨で食べられなかった分を補給したいと思っていたが、すでに無くなっていた。往路の時よりは具の少なくなったスープとお茶をいただく。
水道局前エイド.JPG
いよいよ復路最初の難関の菊水山への登りにさしかかる。登りは最初は苦しいが、5分くらいすると身体が慣れてきてリズムに乗れるようになる。こうなるとしばらくはそのまま登り続けることができる。ちょうどそういうリズムになってきたところ、前方が長い列になっていて、ゆっくりペースでしか登れなくなってしまった。3歩登ったら少しストップという状態でイライラする。しかし仕方ない。
結局、菊水山の頂上までずっとそのままで、復路スタートから3時間20分ほどかかった。できればあと10分くらいは早く着きたかった。
今度は頂上エリアはパスしてすぐに下りにかかる。例の横道への目印を逃さないようにと注意していたのだが、それでも見逃してしまって、無駄な下りと登りをやることになってしまった。ほんのわずかのことなのだが、こういうミスは精神的ダメージが結構大きい。
天王吊橋を渡って、第二の難関の鍋蓋山への登りに入る。こういう登りは嫌いではないのだが、このあたりからかなり疲れを感じてきた。どうもガス欠ぎみのようだ。ここを登って下ると次のエイドなので、何とかそこまでは頑張ろうと思うが、目に見えて身体が重くなってきた。
これはヤバイ!!。リタイアという気持ちがチラッと頭をかすめたが、今回は宝塚に荷物を預けているので、リタイアしてもまた宝塚まで行かなければならない。これは何としても避けたい。
いよいよ手持ち食料の最後の大福餅を食べるしかないと思い、何とか鍋蓋山の頂上までは行きたいと思ったが、そんなことに拘っている場合ではないと思い直して、道ばたが少し広くなったところに腰を下ろして、補給することにした。
頂上はそこからほんのわずかのところで、少し下って次のエイドに到着した。ここでは豚汁をいただいた。前回のここの豚汁は塩辛くて、おまけに水が無くて困ったのだが、今回はそういうこともなく、おいしくいただくことができた。ただ、本当のところは炭水化物がほしいのだ。次の市ヶ原のエイドに何かあることを期待しよう。
走らんかい他.JPG
再度エイド1.jpg
市ヶ原のエイドまではわずかの距離だったが、期待した炭水化物はすでにおかゆが売り切れとのことでがっかり。しかし鍋を覗くと底の方に少し残っているので、ムリを言ってそれをお皿によそってもらった。ほんの二口程度だったが、それでも気分的には随分満たされた。
ここまでスタートから5時間。できれば掬星台まで5時間半くらいで行きたかったが、おそらく6時間を少し超えるだろう。宝塚到着があまり遅くなると、荷物を後から取りに行かなくてはならなくなってしまう。
これからいよいよ復路最後の難関、摩耶山への登りだ。ここを登り切れば完走が見えてくる。菊水山の登りのような渋滞を心配したのだが、それほどの渋滞は無く、おおむね自分のリズムで登ることができる。ガス欠状態もすでに持ち直していた。
もうあとひと踏ん張りかと思っていたところ、下りで道をゆずってくれた女性をふと見ると、何か見覚えのあるお顔。あの、佐藤光子さんだ。京阪神のトレイルならどこで出会っても不思議ではないが、六甲というのはこれまでホームページでも見た記憶が無かったので、非常に以外な気がした。
少しの間、お顔を見つめてしまったので、このまま黙って通り過ぎると『変なオッサン』と思われそうな気がして、思い切って『サトウセンセイですよね』と声をかけた。
ご本人にお会いするのは初めてだ。少しだけお話しさせていただいたが、『UTMF なんかは出場されないんですか?』とお聞きしたところ、『エイドがあるような大会はあまり好きではなくて、全部自分で背たろうて(ご本人の弁)行くのが好きなんです』とのお返事。
これは目から鱗というような視点で、この『背たろうて』というお言葉がその後ずっと、私の頭にこびりついている。
おかげさまで気分が高揚して、それから掬星台まではあっと言う間だった。スタートからほぼ6時間だった。

第9回六甲縦走キャノンボールラン・往路編

台風の影響もあまり無く、無事、第9回六甲縦走キャノンボールランが開催された。今年2回目で、私自身にとっても2回目となる。
第7回までは毎回必ず天候が荒れるという大会だったが、前回初めて雨の降らない大会となって、今回も好天が期待される条件だった。しかし台風が過ぎ去った後なので、北からの寒気で寒くなりそうだ。
とは言っても3月よりは暖かいだろうと思って、上は前回と同じくファイントラックのノースリーブシャツに鯖街道の参加賞の長袖ジップシャツ。下は八ガ岳の時と同じストレッチハーフスパッツに薄い膝下までのストッキングという出で立ちで行くことにした。
今回は着替えなどの荷物は宝塚に預けて行くことにする。防寒対策は半袖Tシャツ1枚とウルトラライトのジャケットとパンツのみ。3月は摩耶山に上がってから風が強い中でもライトジャケットだけで大丈夫だったので、これでいいだろうと思った。
今回は、少しでも助けになるならと最初からポールを使うことにした。そしてヘッドランプは以前使っていたペツルにする。これは光量はGENTOSより少ないが、GENTOSがどうも今イチなので、再登場してもらうことにした。両手にポールを持っているので、ハンドライトはザックに入れておく。
今回はスタートが2部制になっていて、9時と10時のどちらか好きな方を選択できる。須磨ではある程度は休みたいが、休みすぎるとだれるので、なかなか選択の難しいところだが、安全を考えて9時スタートにした。
宣誓.JPG
予定時刻を少し過ぎた9時10分に湯本台の広場をスタート。前日までの雨でショートカットの山道の急登は登りにくいと思ったので、あえて遠回りして車道を行くことにした。しかしこちらに曲がったのは私だけ。
スタート直後.JPG
こちらのルートは久しぶりで、おまけに宝塚からここに向かうのは初めて、さらに夜間ということで、必要以上に大回りしてしまったが、無事本来の道に合流できた。息が上がらずに来られたので、まぁまぁ良かったと思う。
おおむね前回の試走と同じくらいのペースで進む。本音はもう少し良いタイムを期待していたのだが、体感ほどにはペースは上がっていない。ヘッドランプもやはり光量が少なくて暗い。おまけにベルトが横の輪だけで、頭頂部には無いので、走ったり下ったりするとずれてくる。サングラスがあるのでどうにか止まっているが、やはりこのヘッドランプは失敗だった。
30分もすると身体が暖まってちょうどいいくらいになってきたが、高度が上がるにつれて風が強くなってきた。幸い、このあたりはまだ樹林帯なので、風が直接当たることは無いのだが、ドライブウェイに出たらちょっと厳しいかも知れない。
試走とほぼ同じの約2時間で一軒茶屋のエイドに到着。あと10分くらいは良いタイムを期待していたのだが、仕方ない。ここではサンドイッチを二切れもらって、そのまま食べながら歩き続けた。幸い、風は直接当たることはほとんど無い。神戸の街の夜景がきれいだ。
一軒茶屋エイド.jpg
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六甲山ホテルのあたりで、10時にスタートしたトップランナーが駆け抜けて行った。異次元のスピードだと思ったが、おそらく片道5時間少々くらいだろう。しかしよく考えてみると、私も20年ほど前にはタイムトライアルで須磨から塩尾寺の下まで5時間1分で駆け抜けたことがある。昔はあれと同じか、ひょっとしたらもう少し速いくらいのスピードで走っていたのだと思うと、何とも情けなくなると同時に、こんなになってもまだ続けている自分をちょっとほめてやりたい気持ちにもなる。
3時間半で掬星台に到着。これも試走とほぼ同タイム。ここのエイドでカレーライスをいただく。試走の時にここでパンを食べて、天狗道の下りでお腹の調子が悪くなったので、カレーなんか食べて大丈夫だろうかと思ったが、はやりできるだけカロリーを補給しておきたい。
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試走の時はこれから先が5時間半近くかかってしまったが、何とかそこを5時間くらいで行きたい。
幸い、お腹は大丈夫で、道を間違えることもなく市ヶ原へ。そして大竜寺への車道を登る。
鍋蓋山の下りもポールのおかげて試走の時よりはスムーズに下りられた、菊水山はうっかり頂上に出てしまったが、止まらずにそのまま通過する。
菊水山を下りたところの水道局のそばにエイドがあった。あたたかい具だくさんのスープをいただく。おいしい。
鵯越を越えると難関の丸山住宅街に入る。駅のそばのショートカットはしっかり利用して、その後も順調に進んだが、信号を渡ってすぐに右折するところであやうく真っ直ぐ行ってしまいそうになった。ここは前回も間違ったところだ。何となくおかしいと感じた瞬間、後ろから声をかけてもらったので、交差点を過ぎてすぐのところで車道を渡ることができた。
このあたりまで来るとどのくらいのタイムが適切なのかよくわからなくなってくるのだが、どうも期待したほどのペースではなさそうだ。試走の時とあまり変わらないような気がする。試走の時はこのあたりから結構疲れてきて、おにぎり休憩やコーラ休憩を取ったので、なんとかその分でタイムを稼ぎたいと思う。
須磨アルプスではコルからの登り返しで少しルートをはずれてしまった。前に誰もいなかったので自分のヘッドランプだけを頼りに真っ直ぐ登ったところ、実は左側をトラバースぎみに行かなければならなかったのだ。もろい岩場を無理矢理登ってきたので戻ることもできず、何とか下れそうな斜面を見つけて事なきを得た。
もう須磨まではエイドが無いので、淡々と足を進める。試走の時にコーラを買ったスーパーのあたりでは、ひょっとしたら試走の時よりもタイムが落ちるのではないかと感じてきた。ただ、そのためにペースアップということはやらない。と言うよりは、できない。
しかしこのあたりの山道、まだ暗いと言うのにライトを持って登山に来ている人が結構たくさんいる。よくやるなと感じるが、我々の方がもっと変わっているのかも知れない。
そろそろうすら明るくなってきた。旗振山からは明石大橋がしっかり見える。しかし前回のような感慨はまったく無い。
すっかり明るくなった6時20分に、ようやく須磨浦公園の駅に到着した。何と9時間10分もかかってしまった。しかし体力的には試走の時よりもはるかに余裕があるので、何とか宝塚まで戻れるだろうと感じた。
予定のおにぎりがまだ到着していないということで、暖かい紅茶をいただいて、持参したパンを食べた。
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祭りだ、ワッショイ!!

いよいよ六甲縦走キャノンボールランが始まる。ワクワクしている!!
今年の3月に初めて参加した大会だが、こんなに純粋にワクワクするような大会に出会ったのは、これまでの30年近いランニング生活でも初めてのことだ。
しかしその理由は、これまでそういう大会に出会えなかったということではなくて、30年近い経験がそういう気持ちを素直に受け入れられるようにさせてくれたということだと思う。
ロードレースだとまだまだタイムに対するこだわりがあるし、トレイルでもダイトレや生駒チャレンジなどはやはりタイム第一だ。鯖街道はロード部分が多く、特に最後に賀茂川の河川敷を5kmほど走るので、きっちりと走りきりたいという気持ちが強く出る。
しかし六甲往復となるとさすがにそういうこだわりは少なくなる。もちろんタイムに対するこだわりが無いわけではないし、もし20時間以上もかかったらさすがにガックリくると思うが、この大会に関してはまず楽しみたいという気持ちが一番前面に出てくる。
片道のタイムトライアルではかつてそこそこのタイムを残しているので、もはやそんなものを目標にしても仕方ないという開き直りもある。
とにかく本当に楽しい大会なのだ。それがすべてである。

食品偽装

某大手ホテル系のレストランで、メニューの不適切表示があったという事件が、世間を賑わせている。食品偽装は何年か前に大きな話題になって、その年の漢字に『偽』という文字が選ばれたことがある。
最近でもコメの混ぜものやうなぎの産地偽装などの報道をよく見かけるし、表面化しているだけもこれだけ頻繁にあるということは、実態はその10倍以上はあると見ていいだろう。
私はこういう手合いのレストランに行くことは無いし、行きたいとも思わないので、どちらかと言うと冷ややかな目で見ている。消費者が苦情を呈するのはわからないではないが、その時においしいと思って食べたのであれば、もういいのではないかと思ったりする。少なくとも身体に害があるようなものを食べさせられた訳ではないはずだし。それに、こういう苦情を言うということは、実はその人は本当は味の違いがわかって選んでいたわけではないということになるのではないか。私が被害者ならむしろ黙っておきたいくらいだ。
もちろん今回の件に関してはホテル側に問題があることは明らかで、それなりの対処が求められるのは当然のことだが、それにしても料理に限らず、バッグやアクセサリーなどでも、『ブランド』に対して多くのお金を消費する人たちがこれだけたくさんいるというのはいったいどういうことなのだろう。私にはよく理解できない心理である。
もちろん私も何かを購入するときに、どこの会社の製品化というのは重要な要素の一つである。街で居酒屋などに入る時も、大手チェーンのような店であれば一応はその店のイメージを考える。
しかしその時の心理は、物品購入の場合は訳のわからないメーカーの安物で損をしないようにということがメインだし、居酒屋の場合はあやしげな食材と従業員の過酷な労働を強いて安くしている某チェーンのような店は避けるという、どちらかと言うと付加価値を求めるのではなくてマイナス要素をできるだけ排除したいということが主眼になっている。
食材にしても料理にしても物品にしても、一般的なイメージで平均的レベルのものであれば、今はそれほど大きな価格差は出ない時代になっていると思う。ごく一握り、付加価値を高めて高くなっているものと、逆になんらかの手法で非常に安く提供しているものがあるが、私はごく平均的レベルのもので十分なのだ。
ただ一度だけ、会社員時代に出張でアメリカへ行ったとき、帰りの空港の免税店で、たまたま使いやすそうな財布が目についたので、それを買った。それには値札が付いていなかったのだが、ブランドなどは知らないので、そのあたりに一緒に並んでいたものと同じくらいだろうと勝手に思ってレジへ行ったところ、実はそれらの倍くらいの値段でぎょっとしたのだが、すでにカードも出してしまっているので今更いらないとも言えず、致し方なく買って帰った。
それはカルチェの財布だったのだが、使えば使うほど味が出て手に馴染んで、10年くらいは使い続けたと思う。小銭入れや札入れも内側は布なのだが、10年経ってもすり切れもせず、この時はさすがにブランド物は値打ちがあると思った。
皮の薄いタイプだったので折れ目などが次第にすり切れてきて、買い換える時にも同じ物がほしいと思ってネットで探して同じようなタイプのものを購入したが、微妙にサイズが違って、結局1年も使わずにお蔵入りとなってしまった。やはりこういうものは手にとってさわってみないとダメだと思った。
それ以来、いわゆるブランド物には手を出したことは無い。

三国峠

昨日は登山講座のお手伝いで三国峠へ行ってきた。
三国峠は福井、滋賀、京都の県境付近にある山で、山なのになぜか峠という名前がついている。が、最近の地図では三国岳と表記されていることも多い。鯖街道のルートから少し西に入ったところで、公共交通機関で行こうとするとかなり不便な場所だ。林道もかなり歩かなければならない。
と言うことで、今回はバスをチャーターしての大名登山。上り口でバスを降りて、下山口にはバスが待っていてくれるという、実に贅沢な山行だった。が、実際の負担額は公共交通機関を使った場合とさほど変わらない。いずれにしてもスタッフは個人負担が無いので、本当にありがたい限りだ。

より大きな地図で 三国峠 を表示
先月、嵐山周辺に大きな被害をもたらした台風18号は、このあたりにもかなりの爪痕を残していて、安曇川はいたるところで河岸が崩れており、道路の改修もあちらこちらでやっている。はたして上り口までバスで入れるかどうか心配だったが、このあたりの道は崩れるほどの被害は無かったようで、無事目的地まで到着することができた。
予定ルートの谷ははやり増水によってかなり道が荒れていたが、何とか無事にクチクボ峠に到着。ここで一服してから滑りやすい急斜面を登って三国峠へ。11時半くらいに到着したが、早めの昼食にする。頂上からは琵琶湖が望める。
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少し小雨がぱらついてきたが、おそらく本降りにはならないだろうと思って、雨具は出さなかった。
昼食後はブナの原生林を少し散策する。
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ここから西の方は芦生原生林だが、このエリアは許可無しには入ってはいけないことになっているので、端の方を少しだけかすめるように歩いた。
また三国峠に戻って、稜線の道を地蔵峠に下った。ここも部分的には滑りやすい急斜面があって、初心者向きの講座にしてはなかなかの難ルートだったのではないかと思う。私もこういう道を歩くのはあまり得意では無いので、受講生の手前、粗相がないようにと慎重に歩いた。
林道の上部では道が3分の1くらい崩壊しているところがあったが、歩きには影響無し。
3時過ぎには下りてきて、お迎えのバスに乗って早々に京都へ向かっての帰路となった。林道をしばらく下りて生杉(おいすぎ)の集落に出る少し手前で、道ばたの水の流れている所に小さな男の子が二人が、おそらく兄弟だろう、たたずんでいた。街中ではまず見かけることの無いような素朴な出で立ちで、思いっきり素朴な表情で、おもわずここはチベットかと思ってしまった。
三条京阪でバスを降ろしてもらって、6時過ぎには家に帰ることができた。
怪しげな天候のおかげでブナの原生林の雰囲気が非常に良く、ルートもそこそこ慎重に歩かなければならない部分もあったりしたので、なかなか充実感のある山行だった。
こういうことに(あまり多くはないとは言え)ギャラをもらって参加できるというのは本当にありがたいことだ。主役の講師ではないので責任もそれほど重くないし、何か申し訳無いような気持ちになってしまう。
来月はこの近くの百里ガ岳へ行く予定。ここも鯖街道のルートから少し東に入ったところで、私自身は行ったことが無いので、楽しみにしている。

スポーツ中継の理想型

クライマックスシリーズなんてアホらしいと言いながら、楽天とロッテの試合は何度かテレビで観戦した。つい先ほど無事、楽天が優勝を決めたところだ。
クライマックスシリーズはシステムとしてはアホらしいと思うが、やっている選手は完全に本気モードだ。しかしそういったヒリヒリする雰囲気を味わおうと思うと、やはり会場に足を運ばなければならない。
しかし、それに近い雰囲気を味わえるテレビ中継が一つだけある。それは、
NHK BS プロ野球中継の副音声である。解説無しの会場音声のみ。
もう随分以前からやっているが、これはテレビのスポーツ中継の理想型だ。NHK なのでコマーシャルも入らないし、もうこれ以上求めるものは何も無いという理想の姿。
民放のスポーツ中継は試合かコマーシャルかどちらが主役なのかわからないくらいのコマーシャルが流れるので、耐えられなくなって切ってしまうことが多いし、何とかそれに耐えてもアナウンサーの不快な絶叫に気分が悪くなって、たいがい音声を消して画面だけを見ている。
それに較べるとこの NHK BS のプロ野球中継副音声は本当に素晴らしい。これならあまり興味の無いクライマックスシリーズでも見てみようかという気になる。
しかし日本シリーズはジャイアンツと楽天の対戦になって本当に良かった。これで NHK BS で中継があれば見てみたいと思う。ぜひ初戦、おそらく楽天は田中の先発だと思うので、NHK BS で中継してほしい。
余談だが、やはり星野監督の采配は私にはよくわからない。かなり浪花節的な性格の人なんだろうか。ファンは喜ぶかも知れないが、こういうところで田中を出すのはいかがなものか。レギュラーシーズンの優勝決定試合もそうだったけれど、こういう1イニングはいろんな意味で疲れが大きいと思うし、元来が先発完投型のピッチャーなので、やはり普段通りの押さえのピッチャーで締める方が、押さえのピッチャーにとっても良いと思うのだが。

完全休養日

今日は朝から雨。振り出したのは昨日の夕方だったが。
今日は枚方小学生陸上競技大会の特別プログラムで 5000m にエントリーしていた。枚方陸協の大会は 5000m は 20 分を越えると最下位争いになって、場合によっては一人だけ周回遅れになってしまったりするので、もう出場は諦めているが、この大会はそこまでは厳しくないので、今シーズン唯一の 5000m としてエントリーしていた。
しかしこのところ股関節の不調が少し気になるのと、昨日の練習会の疲れもしっかり残っていたので、雨を口実に棄権しようかと迷っていたところ、雨のため中止との連絡が入った。普通の大会ならこれくらいの雨で中止になることは無いのだが、小学生が主役の大会とあって、中止ということになったらしい。
助かった!!。そんな訳で、今日は完全休養日にした。
のんびりと YouTube で Paul Butterfield のライブを見たり、図書館で借りてきた村上春樹のエッセイを開いたりしている。
次の週末はいよいよ六甲縦走キャノンボール。今回は純粋に楽しみである。ワクワクしている。
宝塚のスタートが二部制になったので、9時にスタートすることができる。これなら須磨で少なくとも1時間は休憩できる。ただし須磨浦公園には近くにコンビニが無いので、休憩中の給食は持って行かなければならない。
今回は第9回。前回の第8回は好天に恵まれたが、それまでは降水確率 100% の大会だったので、今回も台風が居座ったりしないか少し心配している。

山田池ビルドアップ

今日の練習会は山田池。朝、起きたときはまだ雨が降っていたが、おそらく出かける頃には止んでいるだろうと思ったが、予想通りで、涼しくて走りやすい気候の中を出かけた。
予定は1周12分から11分台後半くらいで8周。来週はキャノンボールで、明日は今シーズン唯一のトラックの 5000m があるので、あまり目一杯までは追い込まない程度にするつもり。と言うか、目一杯まで追い込むのはもう気分的に厳しい感じ。
何かと理由をつけては目一杯までやらなくて済むように逃げているというのが実態だ。
1周目はほぼ12分ちょうど。体感的にはもう少し速い感じだったが、調子は悪くない。特にペースアップを意識したわけではなかったが、徐々にペースが上がって、4周目は 11’28″。心拍数も160くらいまで上がっている。
いい気分になって上り坂を駆け上がって行ったら、このところしばしば現れる股関節の古傷の違和感が出てきた。痛みではないのだが、着地の時に力が抜けるような感じになる。特に長い距離を走るときは必ず一度はこれが出てくる。しかし幸い、しばらくすると症状が治まるので、今日もそれに期待して何とかこらえて走り続けた。
幸い、数分くらいで違和感は治まって、また快調に周回を重ねる。
6周目くらいまでは2〜3人で一緒に走っていたのだが、いつの間にやら単独走になった。今日は伴走者がいることがペース維持の役にたっていたので、一人になってペースが維持できるかどうか少し不安になったが、7周目は 11’13” までペースアップできた。
最後は目一杯で久しぶりの10分台と思って上り坂を駆け上がる。心拍数は175まで上がっている。ところがまたもや股関節の違和感が再発!!。
下りになっても症状は治まるどころかひどくなる一方で、短い上りでは右脚はもうガクガクという感じ。
最後はペースアップしてきっちりと走りきりたかったが、練習で故障してしまっては元も子もない。終盤はジョグにして、それでも何とか 11’50” で終了した。
11分台の前半で周回を重ねるのはもうできないかも知れないと思っていたが、まだ何とか行けそうだ。競り合う相手がいたら10分台も1周だけなら行けそう。
帰ってからも右脚の違和感が残っているので、明日の 5000m に若干の不安を感じるが、久しぶりに充実した練習ができたように思う。

トレランポールの是非

来年の UTMF はトレランポールは全コース使用不可になったらしい。目的は自然保護とのこと。
ポールの使用は登山ではずいぶん以前から一般的だったが、普及してきた頃からそういう意見は少なからずあった。つまり石突きで地面を傷つけるということだ。
私自身は登山でポールを使ったことは無い。それは自然保護というような高尚な理由ではなくて、単に余計なものを持ちたくないというだけのことだ。ただ、自分自身バランスが悪いので、本当は使った方が良いとは感じていたし、その気持ちは今も変わらない。
トレイルレースではポールの使用を制限している大会も少なくない。ただしその理由はほとんどが、混雑によるトラブル防止のためだ。私自身、前の人のポールが目の前に振り出されて、危ない思いをしたことは何度かある。
しかし自然保護という理由は今ひとつしっくりこない。トレランポールの使用がそこまで自然を傷つけるものなのだろうか。それよりも、多くのランナーが一時に登山路を駆け回る方がよほどインパクトが大きいように思う。
トレランは最近、結構なブームになってきているようだが、一般の人たちからは冷ややかな目で見られている面もかなりあると思う。特に普通の登山者などはトレイルランナーを嫌っている人は多いと思う。私自身、元々山屋から走り始めた人間なので、その感覚は良くわかる。静かな登山道をバタバタと走り抜けられるのは迷惑だろうと思うし、私も登山者とすれ違う時はいつも小さくなって、おとなしく歩くようにしている。
レースの開催にしても、地元の自然保護団体などとの交渉が難しいことが多いそうだ。
たとえ歩きの登山でも多くの人が山に入れば何らかの自然破壊は発生するし、登山者でもポールを使う人はたくさんいる。むしろ初心者向きの書物や講習会などでは安全面からポールの使用を推奨しているのではないかと思う。
自然破壊というのは議論すればキリが無いし、いくら議論しても絶対的な結論が得られるようなものではない。自然保護か安全重視かというのもきっちり線引きできるようなものでもない。
トレランポールを使わないことによってどれだけ自然破壊が抑制できるのかはよくわからないが、まぁ意図はわからないでもないというのが正直なところだ。
とは言ってもキャノンボールにはトレランポールを持って行くつもり。ただし使う場所は限定的にすると思うが。

理解不能なシステム

クライマックスシリーズの阪神タイガースは、予想通りの二連敗で終了となった。試合内容も予想通りの完敗だったようだ。
FAができてからプロ野球に対する興味が薄れてきたということを先日書いたが、さらに興味を無くしたダメ押しの要因はこの『クライマックスシリーズ』というシロモノである。
FAは制度としては必要だと思う。それ以前は選手の人権などまったく無いに等しい状態で、まるで人身売買のようなことがまかり通っていた。一旦どこかのチームに入った途端、将来自分がここでプレーし続けられるか(もちろんそれなりの実力を維持した上でのことだが)、それともどこかにトレードで出されるのか、まったくわからない。
あるチームで主力として長年活躍してきた選手がいきなりトレードに出されて、涙の記者会見なんてことも何度かあったように思う。これではあんまりだと思う。
個人的にはドラフトは完全ウェーバー制で、FA資格取得を今よりも緩くするのがいいと思うが、そうなると一段と選手の流動が激しくなって、大リーグのようになるだろう。
私のような古い人間はさらに野球に対する興味を無くすに違いないが、致し方ないことのように思う。
それにしても『クライマックスシリーズ』という仕組みはまったく理解不能である。一体何のためにリーグ戦を144試合もやっているのだろう。
もしセ・リーグで広島が勝ち上がって、日本シリーズも制したとしたら、リーグ戦の勝率が5割にも満たないチームが今年の日本一のチームということになるのだ。とても現実社会の出来事とは思えない。
パ・リーグがクライマックスシリーズを始めた時は、また人気取りのために奇妙なことを始めたというくらいにしか思っていなかったが、確か始まってからの2年くらいはリーグ戦首位のチームが日本シリーズには出られなかったように記憶している。
あり得ないとシステムだと思ったが、どうもビジネス面ではかなりうまくいっているらしい。シーズン終盤までAクラス争いで客足もあまり衰えなくなったそうだ。
かつては日本シリーズはあまり興味の無いチーム同士でも時々はテレビを見たりしていた。
やはり真の日本一を決めるという雰囲気が漂っていて、ピリピリ感がリーグ戦とはひと味違う。西本監督や仰木監督、野村監督などの采配は、普段とは違う何かを感じさせるものがあった。
しかしセ・リーグまでクライマックスシリーズを導入してからは、日本シリーズは一度も見たことが無い。見る気にもならない。一体何を戦っているのかと思ってしまう。
それにしても一番気の毒なのは現場の選手や監督、コーチ達だろう。
今年であれば、楽天の星野監督や田中投手などは、絶対にジャイアンツと対戦して優勝したいはずだ。しかしここでもし、広島が勝ち上がってしまったらどう思うだろう。
選手や監督だって生身の人間だ。大きく落胆することは間違い無い。モチベーションも一気に下がるだろう。試合も負けるかも知れない。
勝てたとしても、本当に日本一を掴んだという気持ちになれるだろうか。現役時代からジャイアンツに勝つことだけを生き甲斐にしてきたような星野監督であれば、何が何でもジャイアンツと対戦したいはずだ。
クライマックスシリーズはビジネス的には成功しているのかも知れないが、その反面、失ったものは非常に大きいと思う。何よりも日本シリーズの価値が大きく下がってしまったし、本当に今年一番強かったチームはどこかということを決める場を無くしてしまったとも言えるだろう。
こんなことを続けている限りはますます選手はチームよりも個人を重視してFAに走り、実力者はメジャーへ流出ということになっていくだろう。
柔道などの一部の格闘技では敗者復活戦があるが、あれにはちゃんと理由があるし、敗者復活戦を勝ち上がっても最高3位である。今のクライマックスシリーズの仕組みは、敗者復活戦を勝ち上がった選手が優勝もできてしまうということで、こんな理不尽なシステムがもう何年も続けられているのはまったく信じられないとしか言いようが無い。
まぁ、すでに興味も無くなっているのでどうでもいいけど・・・。