貴船山、芹生、旧花脊峠、鞍馬山周回

久しぶりに雪の山道を歩いてみたいと思って、手頃なコースがないかと京都北山の新しい登山地図を買って眺めていた。
そこで思いついたのがこのコース。

叡山電鉄の二ノ瀬駅をスタートして、二ノ瀬ユリを辿って滝谷峠へ。さらに稜線を芹生峠まで行って、車道で一旦芹生へ下って、林道を登り返して旧花脊峠へ。ここから稜線伝いに鞍馬山を経由して貴船口駅までというもの。
二ノ瀬ユリや滝谷峠は中学、高校の頃に何度か歩いているが、もう 40 年以上前のことで、実質的には初めてのコースと言ってもいいくらいだ。
二ノ瀬駅で下車したのは私だけ。
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電車の中にワカンを持った人がいたので、そんなに雪があるのかとちょっとおどろいたが、このあたりはまだ雪はまったく無い。
8時 15 分にスタートして、線路を渡ってすぐに右に折れて、ユリ道に入った。
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適度な登りがずっと続くので非常に歩きやすい。さすがに無雪期のこのあたりのハイキングの人気ルートだ。気分が良くて思わず歓声が出る。
標高が 500m を越えるとちらほらと雪が出てきた。
40 分ほど行くと樋ノ水峠への分かれに来た。地形図の道よりは少し手前だが、道標はしっかりしている。
貴船山へ登るにはユリ道から少しそれなければならないので、道標に従って樋ノ水峠へ向かう。
少し行くと樋ノ水峠に到着。ここからはほぼ北に向かって貴船山を目指す。
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踏み跡は少ししか無いが、古いテープを頼りに貴船山(699.8m)に到着した。スタートして1時間少々。
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このあたりの道は登山地図と地形図で異なっていて、実際にどうなっているのかは歩いてみないとわからない。
登山地図には無いが、地形図には樋ノ水峠に戻らずにユリ道に合流できる道が書かれているので、その方向へ進んでみた。案の定、古いテープを発見。
このあたりまで来ると足元はかなり雪に覆われていて道がわかりにくいが、かすかな踏み跡もある。
テープに導かれて地形図の貴船山(716m)のすぐ手前でユリ道に合流した。
地形図の貴船山は石が積まれているだけ。
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このあたりまで来ると足元はほぼ完全に雪。
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天気は期待したほどの晴れにはならないが、おかげで汗をかかずに快調に歩ける。
展望も無いので淡々と進んで、9時 55 分に滝谷峠に到着した。
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ここから芹生峠へは地形図には道が無いが、かなり新しい踏み跡が延びていた。単独行のように見える。
ジャンクションピークでジェルを補給。
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芹生峠には 10 時 33 分に到着した。
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ここから旧花脊峠へ稜線伝いに道が無いかと期待していたが、それらしい道は見あたらない。無雪期なら強引に稜線伝いに行くこともできるかも知れないが、今日のコンディションだと結構なラッセルを強いられそうなので、無難に車道で芹生に下りることにした。
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芹生の里は京北十景ということになっているらしい。
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人の気配はまったく無し。
旧花脊峠への林道は期待に反して除雪されていなかった。
最初のうちは何日か前のトレースが残っていたが、このトレースは登山者ではなくて仕事の人のものだったようで、途中で横にそれてしまっていた。そこからは想定外の単独ラッセル!!。
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中途半端な堅さの雪で、表面は少し堅いものの、体重をかけると足がもぐる。おおむねスネくらいの深さで、一歩一歩力を入れて歩かなければならない。泣きたい気分だが、山深いのでエスケープしてバス道に出ることもできない。
朝、電車で見かけたワカンを持った人は、どこかでこういう道を歩いているのだろうか。スキーなら何の問題も無く歩ける道なのだが。
足跡はウサギだけ。
自分で選んだ道なので仕方ない。小一時間のアルバイトで、ようやく旧花脊峠へ到着した。
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11 時 55 分。今日初めて腰を下ろしてあたたかいお茶を飲んで、おにぎりを食べる。
合流した道にはトレースが残っていたので、ほっとした。
10 分ほどの休憩で腰を上げる。
ここからの予定ルートは登山地図には道が書かれていない。しかし少なくとも鞍馬までは道があるはずだ。
林道で鞍馬の車道に向かう道を分けて、稜線伝いに行く方向を見ると、何と通行禁止の看板が出ている。
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しかしこんなものは無視して行くしかない。トレースも残っている。
まるでハイウェイのような立派な道だ。
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なぜ通行禁止なのかさっぱりわからない。
今日のコースはほとんど展望が無いが、比叡山が望める場所があった。
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無雪期ならつまらなさそうな単調な道を南下して、13 時 15 分に鞍馬山(584m)へ到着した。
さらに下ると祠と池。
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さらに下ると貴船と鞍馬を結ぶ道に合流した。今日、初めて人に出会った。
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ここからは登山地図にも地形図にも無い道を行く予定。かつてはあったはずで、稜線伝いに貴船口駅へ向かう。
まず南へ向かうと大杉権現社。
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しかしここから先がわからない。一度は参道を周回してしまった。
gps で方向を見当をつけて、柵をまたいで踏み跡らしき道を下る。もはや廃道状態だ。
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しばらく行くと本来のルートから西にはずれてきた。
ちょっとうろうろしてみたがそれらしい踏み跡はまったく見あたらず、戻るのもシャクなので、どうせ貴船川のどこかに下りるだろうと適当に下った。
スギの植林で、随分昔に伐採されてそのまま放置されて、コケまみれになっている木がたくさんある。かつては人の手が入っていたはずだ。
徐々に傾斜が急になって、慎重に下ったら、貴船川の川岸に降り立った。
対岸は車道だが、問題はどこで川を渡るか。このあたりに橋は無いので、適当な渡渉地点を見つけて渡るしかない。
少しうろうろして、最後は覚悟を決めて流れの中を強行突破することにした。なまじ石を飛んでなんてことをやろうとすると、転倒して全身ずぶ濡れになりかねない。
流れが浅そうな場所を選んで、ばしゃばしゃと渡った。
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ずいぶん貴船寄りに下りてしまったようで、料理旅館の前を通って車道をすたこらと歩き、2時半に貴船口駅にゴールした。
ここから鞍馬へ向かう道が残っているのかどうか確認したかったが、ちょうど電車の時間がせまっていたので、早く帰ることにした。
無事終わってみれば、旧花脊峠へのラッセルも貴重な体験だった。おそらくあれのおかげで今日の山行は長く記憶に残ることになるだろう。
この時期に北山を歩くのはいつ以来か思い出せないくらいだが、楽しくて充実した一日だった。