昨日は予定通り、京都一周トレイル全コースワンデイに挑戦してきた。
正直、上桂まで行ける自信は無かった。行けても嵐山くらいが限界という感じだが、このコースは鞍馬を越えて後半戦に入ると非常に交通の便の悪い地域をたどるため、途中で気楽にリタイアすることができない。実質的には、山幸橋を越えたらもう嵐山までは行かざるを得ない。
心配された早朝の雨も上がって、猛暑だった前日に比べるとコンディションははるかに良い感じ。始発に乗って、6時前には伏見稲荷をスタートできた。
こんな早朝でも参拝者はそれなりにいて、途中までは北側の裏道を行く。約 15 分で四ツ辻に到着。
休日の昼間は混雑する一周トレイルコースも、さすがにこの時間はまだほとんどハイカーもいない。
スタートして1時間少々で清水山。
そして将軍塚を抜ける。
30 分ほどで蹴上。インクライン越しに浄水場のツツジ。
日向大神宮で顔を洗ってリフレッシュして、天の岩戸経由のコースを行く。
山頂に近づいてくると、突然林道が現れた。そう言えば先日の登山教室でこのあたりに来た時も見かけた。何のためだろう?
8時15分頃、大文字山に到着。前方に嵐山の山並みが見える。はたしてあそこまで到達できるだろうか。
スタートして2時間を過ぎているので、腰を下ろしてぼたもち休憩にする。
北白川の病院横で駐車場の方へ少し入ってしまったが、すぐに気が付いて戻る。
稜線に出ると走れるくらいの緩やかな登りで、ここはいつも快適。このあたりから前日のトレイルレースの標識が随所に出てきた。
時折日射しが出るが、このあたりは樹林帯なので暑さは感じない。前日に来なくて良かった。
雲母坂に出会う手前の沢で水を補給して、いつもの展望場所では腰を下ろしてジェルを補給した。
10時半頃に比叡山山頂エリアに到着した。ドライブウェイ脇の道を少し行ったあたりで、おにぎり休憩にする。横高山と水井山のアップダウンに備えるためだ。
玉体杉。こんな杉があるのは今日初めて気が付いた。これも登山教室の影響か。
いよいよ横高山(767m)の登りにさしかかったが、ここはほんの数分程度。
むしろ水井山の登りの方が長い。
スタートして5時間半。できれば鞍馬まで7時間くらいでカバーしたいと思っていたが、それはちょっと難しそうだ。
仰木峠でトレイルレースのコースと別れる。
東海自然歩道と別れて急な稜線を下りて、谷で水を補給した。
戸寺は12時18分。標高が下がって、おまけに日射しが強くなってきて暑い。
静原の自動販売機でコーラを買って、しばらく歩きながら飲んだ。そして薬王坂をひと頑張りして登る。
鞍馬ゴールならこれでお終いというところだが、今日はようやくスタート地点に到着したという感じ。勝負はこれからだ。
鞍馬は素通りする。
ここから二ノ瀬まではやや下りの車道を行く。ペースはキロ6分少々というところ。鞍馬でゴールなら本当に気持ちいいのにと恨めしくなった。
私はやはりこれくらいのパフォーマンスが自分の実力に一番合っているようだ。これくらいだと充実感はあるが、まだ若干の余裕もある。楽しいと感じられるレベルで終われるのだ。
今日は最初からここが実質のスタートと思っていたので、これまでに較べると疲労感は大きくないが、何となく気分が憂鬱になってきた。なぜなら、ここから先は簡単にリタイアできないからだ。
二ノ瀬の手前は車道はトンネルができていた。ただし車のみ。
以前に台風で壊れた橋は改修されていたが、まだ通行はできないようだ。
いよいよ夜泣峠への登りにさしかかる。ここはなかなかの急登が続く。しかしここが後半戦最大の山場という感じなので、ここを登り切るとあとは氷室への登りくらい。
20分足らずで峠に到着したが、休憩している人がたくさんいたので休まずに向山へ向かう。
ここの登りも最初はなかなかのもの。
向山のピークを避けてトラバースルートを行ったところ、ここはトレイルコースではないという看板が現れたので、適当に向山のピークに出た。ここでぼたもち休憩にする。
腰を下ろしていたら、夜泣峠で休憩していた10人くらいのグループが上がってきて、まだあまり歩いていないので休まずに行こうと話している。これは困ったと思ったが、私はすぐに出られる状態ではない。仕方無く見送る。
もう少し休んでから出発したら、案の定そのグループに追いついてしまった。しかし幸いなことに、少し行くと休憩エリアがあって、彼らはそこで休憩にしたようで、すんなりパスすることができた。
段差の大きい下りを注意して下って、山幸橋からまた緩い登りに入る。このあたりはこれまで1回しか来ていないので、記憶が曖昧だ。
氷室への長い登りにさしかかる。谷筋で水が流れているが、水はあまりきれいとは思えない。顔を洗うだけにしておく。
30分ほどで登り切って、氷室の集落に出た。何となく記憶のある車道をスロージョグで進む。前坂の登りは歩いていた。
下りに入るとすぐに、ハンバーグで有名なはせがわの前を折れる。
少し空腹感を感じてきたが、こんなところでゆっくり休んだら先に進めなくなってしまう。
水分の残りが少し不安になってきたが、道ばたに流れる水は飲用にするのはちょっと不安だ。しかしそろそろ補給した方がいいだろうと思って、腰を下ろしてパックサンドを食べた。水分でノドに流し込む感じ。
気分的にもかなり疲れてきた。しかしここまで来たらもう嵐山までは何としても行くしかない。
なだらかなアップダウンでわりと快適なトレイルを進むと、沢の池への車道に出た。このあたりで gps のバッテリーが少なくなってきて、ルートを表示させることができなくなってしまった。
沢の池を越えて高雄へ向かうあたりから、なぜか体力気力が回復してきた。なだらかで快適なトレイルというのが気分を良くしてくれたのかも知れない。緩い登りなら走れるくらいで、しかも気持ちいい。これなら上桂まで行けるのではないかという気分になってきた。
しかし高雄からの車道で、バカなミスをしてしまった。道標があるのに気が付いていたのに、しっかり確認せずに橋を渡って変な林道に入ってしまったのだ。清滝川の右岸という意識が強く残っていて、それに引きずられてしまったのだ。
林道に入ってから一度腰を下ろしてジェルを補給して、さらに先へ進んだ。しかしふと気が付くと、流れの上流に向かっている。さすがにこれはおかしいと思って、諦めて道標のあった場所まで戻ることにした。ロスタイムは15分くらいだったろうか。時間よりも体力的なロスが痛い。
その道標の少し先に自動販売機があったので、そこでコーラ買って、開き直ってそばにあった椅子に座ってゆっくり休憩することにした。
おかげで気分はリフレッシュできて、また先を目指す気力が戻ってきた。今日はきっと上桂まで行けると思った。少し暗くなるかも知れないが、ライトは持ってきている。
六丁峠への登りもジョグのリズムで上がりきった。もうあとは松尾山への登りだけと思っていたら、峠から下って嵐山のエリアに入ってきた頃に、突然、右足首のスネのあたりに痛みが走った。何となくイヤな感じの痛みだと思った。一時的なものではなく、骨に疲労が蓄積している感じ。
サロンパスを吹きかけてみたがまったく効果無し。
もうあとわずかだと言うのに何と言うことか。しかしこれはムリをすると長引きそうな感じの痛みだ。
何度か歩いたりジョグにしたりとしてみたが、ジョグにすると痛みは増すばかり。幸い、もう嵐山のエリアまで来ているので、今日はここで諦めて嵐山から電車で帰った方が良いと思った。まだ体力は残っているので残念だが、レースではないので大きな後遺症を残す訳にはいかない。
JRの嵐山が近そうだったのでそこを目指したが、途中にあった道標に従って歩いたら変な方向に行ってしまい、余分にうろうろさせられてしまった。こんな観光地にこんないい加減な道標があるとは。
結局、午後7時半すぎにJRの嵐山駅に到着して、ここで終了とした。13時間半の行動だった、
最終目標の上桂にはあと一歩届かなかったが、約70kmのトレイルで、個人でやったトレイルではこれまでで最長だった。それよりもこれだけの距離を行っても終盤にまだ余裕があったこと、12時間を越えてもしっかり行動できたことで少し安心した。ただ、このペースでは本番の関門を通過できるかどうかはわからない。
こういうことを何度か繰り返していきたいと思っている。