岬めぐりから8時間コース

登山地図によると8時間コースへ行く人は大半が北端のスコトン岬を出発地点にしているらしい。ちょうどバスがここまで来ている。

距離的には 20km 以上のロングコースだが、標高差がそれほどではないのでおそらく大丈夫だろう。

7/22、朝一番のバスで終点のスコトン岬へ向かうことにした。

キャンプ場から数分のバス道に出る。礼文島のバスは停留所はあるけれど基本的にどこでも乗り降り可能になっている。バス停は少し離れているので車道に出たところでバスを待つことにする。

ずっと海岸沿いに走るが利尻島は見えない。

30分ほど走るとスコトン岬の半島が見えてきた。

7時半ちょっと前に終点のスコトン岬に到着した。

まずは岬の最先端へ。「最北限」となっているけれど日本の最北限は宗谷岬。とは言ってもこの時点では私が訪れた最北限になる。

利尻島も暑かったが、ここも暑いとまでは言えないにしても涼しくはない。こんなものなの?

岬の先端まで行ってから南へ向かう。しばらく車道。

カワラナデシコ。このあとも礼文島では至るところに咲いていた。

車道を登って、トド島展望台。左前方の島がスコトン岬の向こうに見えていた海驢(トド)島。

この先で車道から分かれてゴロタ岬への登りに入る。

トレイルを 10 分ほど登ってゴロタ岬へ。

残念ながら展望はあまり無し。

しばらく下ると礼文西漁港(鉄府)が望めた。

エゾカンゾウの生き残り?

鉄府の集落を抜ける。ここは車道が通じているので人に出会った。

集落をはずれるとトレイルの激登りになる。

激登りのあと激下りで、鉄府から 20 分ほどで澄海(すかい)岬に近づいた。ここは観光地のようで観光バスが停まっていた。

観光客が多いのでマスクを着用して岬へ。

駐車場のそばに売店があったので、アイスクリームがあれば食べようと思ったが、売っていたのは焼きウニやホタテなどで、こんな暑い時にそんなもの食べる気にならない。

ここで岬コースから8時間コースに入るのだが、しばらく相前後して歩いていた男性につられて車道を進んだところ、本来のコースをはずれてしまっていた。

しかしここは近年の大雨でトレイルの一部が崩壊して通行止めになっているポイント。ただ、記録をさぐると強行通過している人もいるようだ。

気がついて車道の対岸の斜面を見てみたら山路が見えた。そしてよく見たら件の崩壊箇所も見える。

あの道に入るためには少し戻らなければならないし、それにあの崩壊箇所は結構危なそう。

地図を見るとこのまま車道を進むと本来の8時間コースの道に入れるようで、多少大回りにはなるけれどそれほどのタイムロスではなさそう。こんなところで無用なリスクはおかしたくないので、大回りの安全ルートで行くことにした。

本来の分岐に近づいてきたが、ヘアピンカーブになっているので、分岐の少し手前のヤブに突入してショートカットした。大した距離ではないのだが何となく得したような気分になれる。

10時20分。8時間コースはここから。

チシマフウロですか?

ずぅっとこんな感じ。

10時50分、召国分岐でそばに腰掛けられる木があったのでそこに腰を下ろして惣菜パン休憩にした。

スコトン岬を出発してからずっとこういう景色で歩いてきたのだが突然、樹林帯に突入した。

実は礼文島というのはもともとこういう原生林に覆われていた島だったのだが、明治時代に大きな山火事が幾度もあったり、大規模な伐採が行われたりして、これまで歩いてきたササ原のような景観になってしまったらしい。

このあたりは昔の植生が残っているわずかなエリアとのこと。

何の木なのかは私にはわかりません。

水音の聞こえる沢がすぐそばにあって、一部路面がドロ沼状態になっている場所があって、端の方に避けたつもりが足がずぶずぶともぐってしまい、あわてて置いた反対側の足はさらにひどいドロ沼で、シューズは濡れるわ、はねたドロが顔にかかるはでひどい目にあってしまった。

道が荒れていて際どい場所もある。

小さな沢に出会ったのでここで顔と手を洗って、おいしい水をガブ飲みした。

まさかのヤブ漕ぎ。

12時半過ぎ、ようやく海が見えてきた。

この先がこのコース最大の難関箇所で、滑りやすい急な斜面を海辺まで下らなければならない。反対向きに歩いた人の記録ではここが登りで良かったと書かれていた。

斜面の上部に休憩している男性がいたが、挨拶して斜面の下りに突入した。

小石でガラガラの急斜面で、おおむねロープが張られている。それに助けられながら慎重に下る。

10分足らずで何とか無事に下までたどり着いた。写真では大した傾斜には見えないけれど、なかなかの急斜面です。

久しぶりに海沿いを歩く。

ほっとしたのも束の間で、今度は大きな石がゴロゴロの超歩きにくい海岸線を行かなければならない。昨年の前常念岳からの下りを彷彿させる。

決まった道などないので適当に歩きやすそうなところを見定めて進んで行く。

まぁでも 20 分くらいで宇遠内(うえんない)の漁港まで辿り着いた。

地図によると集落に売店があると書いてあるが、そんなもの見当たらない。トイレはあったけれど。

漁港と言っても車道は通じていないので、ここの住居で漁業を行う人たちはそもそも船でやってくるのではないだろうか。

さて、8時間コースも最終盤にさしかかってきた。あとはキャンプ場に向けて山路を進むだけ。道のそばにあった板に腰を下ろしておにぎり休憩にした。ちょうどその前を単独行の男性が二人通り過ぎて行った。

ここから林道出会いまではどちら向きもコースタイムが同じなので、平らな道をのんびり行けるのかと思っていたら、地図を正確に見ると結構な峠を越えなければならなかった。標高差にして 180m くらい登らなければならない。

先ほど前を通り過ぎた二人の男性はあっさりと追い抜いてしまった。

おにぎり休憩後に出発してから 40 分ほどで林道に合流した。

そして林道を 10 分ほどで舗装道路に出た。キャンプ場まではあとわずか。

午後2時半、キャンプ場に戻ってきた。

キャンプ場にはママチャリの自転車が2台あって、温泉とコンビニ目的に限って無料で借りることができる。つまり早い者勝ちで、夕食を食べに行くということには使えない。

まずはテントのそばで残った行動食を食べて一服した。そうこうしていたら隣のテントの若い男性が帰ってきた。さっき終盤で出会った男性だった。

そして自転車を借りてフェリーターミナルへ向かった。行き先はもちろん「うすゆきの湯」。

脱衣場ののれんをくぐったら熱気があふれてきた。ここもクーラーは無し。

休憩室では缶ビールを飲んで一人打ち上げした。

そしてセイコーマートで夕食と翌日の行動食を買って、キャンプ場に戻った。

今日は礼文島の北部のハイキングコースを辿ったので、明日は南部を南端まで行ってみようと思う。