壺阪峠、高取山、芋峠

その昔、飛鳥や藤原京、平城京から吉野に向かうには山を越えていかなければならなかった。もちろん今もそれは変わらないのだが、今は車や電車などで簡単に越えられる。しかも最上部はトンネルがあったりする。

昨年、歩いた細峠や竜在峠もその一つだが、これらのうちのいくつかは車道になっており、他はもはや歩かれることも少なく朽ちてしまっている。

細峠や竜在峠はその後者のタイプだが、今回歩いた壺阪峠と芋峠は車道が通っている。とは言っても幹線道路ではなく、舗装されてはいるもののあまり交通量の多くないひっそりした車道である。

快晴予報の 2/9(金)、朝8時45分に近鉄吉野線の壺阪山駅を出発した。

信号を渡って土佐町の街を行く。

静かそうに見えるが意外と車が通る。土佐町の名前の由来はこのとおり。

曲がる道を間違えて変なところに入り込んでしまったりしたが、しばらく車道を進んでから標識に従って壺阪寺へのハイキング道に入る。

丁石があるので以前はここが表参道だったのだろう。

出発してから1時間足らずで壺阪寺の入り口を通り過ぎて、少し土道を登ってからまた車道に出る。そこから壺阪寺を見下ろす。ここを前回歩いたのはもうずいぶん以前のこと。

その後、数分で高取山への分岐に到着して、車道を少し進んで壺阪峠を踏んできた。

ハイキング道に入ってほどなく五百羅漢。リニューアルされているような気がするが、以前に来た時はここの写真は撮っていなかったようだった。

このあたりは昔のまま。

ここから30分ほど歩いて高取城跡へ。

最上部の天守台。

天守台の上には高取山の三角点(583.6m)。

天守台からの金剛山。右に大和葛城山。

本丸からは高見山がよく見えた。

南に目を向けると大台ヶ原と大峰の山々。いずれも雪が少ない。

ここで今日初めて腰を下ろして小さなスィートポテトを補給した。

少し戻って芋峠への道に入る。この道は数年前に反対方向で歩いている。

井戸の跡が何箇所かあった。

しばらく進むと林道に出た。一部林道歩きがあったことは覚えている。

しばらく舗装された林道を歩いてからまた土道に入る。

高取山から50分ほどで芋峠に出た。

道を渡って少し登ったところのベンチに腰掛けておにぎり休憩にした。11時50分。

ここからは明日香村に向かって下る。この道も数年前に反対方向で歩いた。

少し下って車道に出たところに役行者の像。

しばらく登り返しでおそらくここが小峠。

車道に出て少し進んだら先日歩いた道に合流した。

今日は時間があるので飛鳥川上坐宇須多岐比賣命(あすかかわかみにいますうすたきひめのみこと)神社に寄っていく。ここも数年前に訪れた

200段ほどある石段を上がって本殿へ。

これは拝殿で、以前に来た時には確認しなかった本殿を裏にまわって見たところ、何も無い。

後にある木が御神木なのだろうかと思ったりしたがそれほどの年輪の木にも見えない。帰ってから調べたところ、この裏山(南淵山)がご神体とのことで、大神神社の三輪山のようなものか。

今日は石舞台古墳を眺めていく。裏側の車道からしっかり見ることができる。

飛鳥川沿いの道を行って甘樫丘へ。

午後3時過ぎに橿原神宮前駅にゴールした。

平日とは言え真冬のせいだろうか、山中では誰一人出会わなかった。高取山はこれまでに何度も訪れているが、ここは城跡が有名で、すぐそばまで車で来ることができるので、まったく誰一人いないというのは初めてだったような気がする。

おかげで静かな歩きが楽しめて良かった。