昨日は予定通り薬師岳へ行ってきた。予想外の好天に恵まれて、頂上からは富士山を眺めることもできた。
より大きな地図で 薬師岳 を表示
土曜日は近くの知人と同乗して車で折立へ。ちょうど夕方に着いたので、帰る車もあって駐車場は非常にいい場所が空いていた。ちょうど前に大きなキャンプスペースがあって、トイレと水場も設置されている。
置かれていたテーブルで夕食にしたが、さすがに日が暮れると寒かった。
いつものことであまり眠れなかったが、予定通り5時過ぎにスタートした。まだ暗い。ヘッドランプとハンドライトで足元を照らしながら、うっそうとした樹林帯を黙々と登る。
スタート直後が緩い登りだったせいで、少しオーバーペース気味になってしまった。登りが急になると苦しくなってきたが、仲間は平然と付いてくるので必死で頑張る。先行きに少し不安を感じる。
ほどなくあたりが明るくなって、1時間ほど登り続けたところ、剱がはっきり見える場所に飛び出した。陽は照っていないが展望は効くという最高の条件で、さっそく写真に納める。
ここまではなかなか苦しい登りだったが、剱を眺めて疲れが飛んだ感じで、おまけに登りの傾斜が少し緩くなってきた。周りの樹木も背丈が低くなってきて、道も木などで整備されている。
少し行くと目的の薬師岳や薬師小屋、薬師峠などが眼前に大きく見渡せた。
2時間20分ほどで太郎平小屋に到着。アルプスの展望が目の前に大きく広がっている。日射しは無くて展望が効くという最高のコンディションだ。
トイレと少しエネルギー補給をして、早々に歩き始める。
すぐに薬師峠で、ここから沢沿いの少し歩きにくい登りになった。しかし槍が見え始め、薬師平でまた展望を楽しむ。
薬師小屋に向かって進んで行くと、転倒して脚を痛めたという男性に小屋への連絡を依頼された。ケガは脚だけのようなので、大騒ぎするほどではなさそう。しかし骨折していそうとのこと。
そろそろ登りも苦しくなってきて、同行の夫婦に先行してもらう。そして小屋に一報入れる。
9時18分に頂上へ到着。折立を出てから4時間10分ほどだった。
頂上ではゆっくりして、大展望をたっぷり楽しんだ。昨年、野口五郎から富士山を見たのを思い出して、しっかり目をこらしてみると、稜線のはるか彼方にうっすらと富士山の頂上部分を見つけることができた。
みんなで大喜びをした。やはり富士山は登るよりも眺める山である。これで頂上部分に雪があれば最高なのだが。
ケガ人に出会った後だったので下りは慎重にした。それでも足元の悪いところでは何度かバランスを崩したが、ケガをするほどのことは無く、無事午後1時前に折立に下山した。
亀谷温泉で汗を流して、これなら早く帰って一杯呑みに行けそうと話していたが、彦根を過ぎてから事故による大渋滞に巻き込まれて、結局枚方に帰り着いたのは9時を過ぎていた。
それにしても予想をはるかに上回る好天に恵まれて、いろんな意味で充実した山行ができて、みんな大満足だった。
投稿者: まつだ
週末は薬師岳
天候がやや微妙になってきたが、明日は予定通り薬師岳へ向かう。
ここ3週ほど、週末になると天気が悪くなるパターンが続いている。今週末はようやくそれから脱却できそうと思っていたが、どうもまたそのパターンになる可能性がありそうだ。ただ、これまでほどの荒天にはならないだろう。
しかし北アルプスの稜線ではこの時期、少しでも天気が崩れると結構厳しい状態になる。いくら何でも本降りの雪にはならないだろうが、みぞれくらいは十分あり得る。みぞれというのは山では最悪である。雪ならすぐに濡れることはないが、みぞれはウエアにまとわりついて、しかも冷たいので、体温が急激に奪われる。
今回は軽装で短時間で往復する予定なので、荷物は極力減らしたい。森林限界を超えてから天候が悪化してきたら、潔く撤退という勇気も必要になるだろう。
自然は戦う相手ではない。戦う相手は自分だけだ。
淀川ジョグ
今日は久しぶりに淀川へ行った。先月は一度も行っていないと思うので、ほぼ2ヶ月ぶりくらいだろう。
先日の台風の影響はかなりのものだったようだ。穂谷川はそれほどでもなかったが、上流の桂川が氾濫したので、淀川も当然その影響はあっただろう。
樟葉方向への道は通行止めになっているので下流へ向かうと、グラウンドのそばにあったトイレが無くなっている。イベント会場に設置するような移動式のタイプなので、濁流で流されたのだろうと思っていたら、100m ほど下流のヤブの中にひっくり返っていた。
雑草の様子から見るとかなりの水かさだったようで、天野川の橋の欄干には流木がたくさん引っかかっていた。おそらく樟葉や牧野のゴルフ場は水浸しになったに違いない。
しかし久しぶりにフラットな淀川で、気分はいたって快適だった。
彼岸花
昨夜の雨はすごかった。風は恐れたほどではなかったが、強い雨がずっと降り続き、穂谷川か淀川が氾濫するのではないかと本気で心配した。
京都では桂川が一部氾濫したようで、嵐山でも渡月橋が一時通行止めになったらしいが、幸い、淀川はそこまではいかなかったようだ。
今日は完全休養にしてしまおうかと思ったが、夕方になるにつれて天候も回復して、おまけに気温も涼しいランニングには最適のコンディションになってきたので、やはり少しは走っておこうと思った。
淀川がどうなっているか興味があったが、河川敷の下の道がまたドロドロだったらうっとうしいので、今日も山田池の大回りへ行った。
穂谷川がどうなっているかも興味があったが、雑草の様子から見るとそれほど上までは水かさは上がらなかったようだ。堤防の最上部まではまだまだ十分余裕があるくらいだったが、大雨の時は水量が一気に増えるので、今後も油断してはいけない。
そんな穂谷川の川縁に、彼岸花がいくつか咲いていた。
この夏の暑さは相当なものだったが、8月の後半に二日ほど雨が続いた後は一気に気温が下がって、残暑の厳しい日もあるにはあったがさほど続かず、近年にしては残暑は楽だったように感じる。例年なら今頃はまだほとんど毎日クーラーを使っていたように思う。
いよいよ本格的なランニングシーズンの到来である。近場のトレイルも快適な季節がやってきた。そろそろ新しいコースを開拓してみたいと思う。
山田池ジョグ
今朝は目覚ましもかけず、のんびり起きた。今日が平日の月曜日なら完全休養日にするところだが、せっかくの3連休。雨模様とは言え、多少は走っておきたい。
幸い、起きたときには本降りだった雨はおさまっている。まだトレイルの疲れは残っているので、本当なら淀川のフラットなコースでのんびり、と行きたいところだが、クラブの人が山田池に練習に来ることがわかっていた。
走力が違うので一緒に走ることはないが、知り合いに出会うとやはり多少は気持ちが引き締まる。そんな訳で、山田池へ向かった。
公園に着いて周回コースに入るとさっそく、例の二人とすれ違った。しかし私は今日は久しぶりに南エリアの大回りコースへ行くことにする。ここは木陰がまったく無いので真夏は行く気にならないが、アップダウンが緩やかで、コースも少し長くなるので(3.1km くらい)、じっくり走り込む時はこのコースにしている。
バーベキュー広場があったりして、天気が良いと大変な人混みになるのだが、さすがに今日の天気ではバーベキューをしている人はいない。道も広いので快適である。
いくら何でもキロ6分より遅くはならないようにと思っていたが、おおむねキロ 5’50” くらいのペースだ。
その後、いつもはあまり合わないような人にも何人か出会って、おかげでトータル 15km くらいを想定していたところを 21km ほど走ることになった。
距離も大したことはないし、ペースもかなりゆっくり目だったが、八ガ岳とその後のインターバル、昨日のレペティションの疲れがまだ残っていて、内容の割には脚筋疲労を感じた。
明日も休みなのでこれくらいは走って、その後の平日はまた軽い練習だけというパターンにしようと思う。
競技場レペティション
今日の練習会は競技場でレペティション。八ガ岳スーパートレイル 97km の翌週の水曜日にインターバル、土曜日にレペティションというのはあんまりな感じだが、とにかく行くだけ行ってみる。
ここ2〜3日は残暑がぶり返していてかなり暑い。股関節の違和感が残っているので、キロ5分くらいで 10000m ほどやってみようかと思ったりしたが、やはりせっかくの競技場での練習会なので、競技場でしかできないメニューに取り組むべきと思い直し、みんなと一緒にスタートした。
1000m は 4’30” 台。これくらいならあまりムリは無い感じ。股関節の違和感もあまり気にならないので、このままのペースで行こうと思った。おおむねイーブンペースで 3000m を終了した。
次の 2000m は 1000m を 4’30” くらい。最後は 4’22” でメニューを終えた。心拍数も 160 少々というところで、まだ余裕はあるが、そこそこ速いペースまでは上げられたということで、おおむね納得の練習ができたと思う。
メインはロングトレイルとは言っても、こういうスピード練習をおろそかにする訳にはいかない。脚筋が疲労した中で何とか踏ん張るというのは、スピード練習で終盤にペースを落とさないようにするのと同じようなものだ。ラストスパートで限界まで上げる必要は無いが、その手前くらいの状態をしばらく維持するようにしなければならない。
次の週末はクラブの人と薬師岳へ行く予定。天気さえ良ければ楽しめるコースだが、このところ週末悪天というパターンがずっと続いている。何とか来週はこのパターンから脱却してほしい。
不気味なシステム
私は SNS はやったことが無いし、やりたいとも思わない。ただ最近は、公式情報を Facebook で公開しているようなところがたくさんあって、そのいくつかを見るために Facebook のアカウントは持っている。
名前をアルファベット表記で登録しただけで、それ以外のプロフィールなどはまったく何も入力していなかった。
ある日ふと見ると、住所が勝手に推測されて事実と異なるものが表示されていたので(とは言ってもそれほどデタラメではなくて、大阪府のどこかだった)、ここだけ正しいものを登録した。
それから少しすると、Facebook から『お友達ではありませんか?』というメールがやってきたので、暇つぶし気分で眺めてみると、何と以前に勤めていた会社で仕事でつながりのあった人や、陸上クラブの人などがそこに含まれているではないか!!
私自身は Facebook では何も投稿していないので、それ以外のいろんな所の膨大なデータから(いわゆる『ビッグデータ』と呼ばれるもの)抽出されているようだ。
大半はまったく面識の無い、記憶にも無い人ばかりだったが、それでもざっと見ているとランニングを趣味にしている人たちが結構含まれている。そんなところまでデータベース化されているのだ。
何とも気味が悪い。
ほどなく陸上クラブの人からお友達申請とやらが届いた。拒否するのも気まずいので、承認しておいた。
最近、仕事の関係で、とある情報交換サイトに書き込まれた情報を Facebook や Twitter に自動的に投稿したいという要望を受けて、そのシステムのプログラムををいろいろと試すようになった。つまりテストのための投稿が私の Facebook や Twitter に頻繁にアップされるわけだ。
まさか友達申請がやってくるとは思ってもみなかったので、あの人はこの一連の変な投稿を何と思っているだろうか。
通常の操作なら自分しか公開されないような設定ができるようだが、プログラムから投稿した場合はこのあたりの設定がどうなるのかはまだよくわかっていない。
それにしても油断も隙もない時代になってしまった。
最後のナイター練習会
今日は今シーズン最後のナイター練習会。とてもトラックを走れるような体調ではないが、これが最後となると行かない訳にはいかない。中臀筋の筋肉痛と古傷の股関節の違和感が残る中、穂谷川沿いをスロージョグで競技場へ向かった。
ロングトレイルをやると、その反動か何かわからないが、スピードを上げた走りをやりたくなる。とは言っても個人練習ではとても実行はできない。こういう時にクラブの練習会があるのは本当にありがたい。
今日のメニューは予想通りのインターバル 1000m X 5 だった。本気のインターバルはできないにしても、チンタラジョグではないくらいの走りはやりたいと思ってスタートした。
暗くて時計がよく見えないが、4分台は間違い無いだろう。思ったよりもしっかりと走れて、3本目になるとむしろ気分が乗ってきた。中臀筋の筋肉痛も走りの妨げになるほどではない。
ラストは思い切って行こうと思って、たまたますぐ前に速いランナーがいたので、何とか着いて行こうとペースを上げた。タイミング悪く前のランナーは最終周で、また単独走になってしまった。しかしラスト1周は目一杯という気持ちでペースアップしたところ、股関節の違和感が強くなって、力が抜けるような状態になってしまった。
仕方なくペースを落として、ある意味気持ち良く5本を終了することができた。帰ってからタイムを確認したら、ラストが 4’21″。他もすべて 4’20” 台だった。
今日の練習会でここまで走れるのは八ガ岳スーパートレイルで力を使い切っていない証拠だと思うが、以前から感じているように、加齢に伴って肉体的な防衛本能が強くなってきているのだと思う。そのために八ガ岳も余裕を残して終わって、おかげて今日もこのくらいの走りはできてしまう。
しかしこのことは、今後ロングトレイルを目指す上では良い傾向だと思う。長時間走り続けるためには、限界手前の状態を長く続けられる能力が大切なのだ。
と、言うことにしておこう。
八ガ岳スーパートレイルを終えて
八ガ岳スーパートレイルは自分としては微妙な結末だった。
完走はかなり難しいとは感じていたが、六甲縦走キャノンボールの時のように、中盤以降粘ってあわよくば完走という気持ちも少しはあった。しかし現実は厳しかった。
が、冷静に振り返ると、97km まで行けただけでも得るものはあったように思う。最後の方は気持ちは諦めムードだったけれど、肉体的な疲労感は極限状態ではなかったし、まだ多少の余裕はあった。
相変わらず苦しくなると弱気になって止める口実を考え出すのはいつも通りだったけれど、第2関門手前のエイドで本降りの雨の中、気持ちを切らさずに走り出せたのは明らかに進歩だった。
今回の結果にはまったく満足していないが、今年になってからロングトレイルを目指して経験を積んできたことは、少しずつ成果として現れていると思う。
走っている最中は、もうこういうことは辞めてもう少し短い距離でうまく走れる大会を目標にしようと考えていたが、のど元を過ぎると再挑戦しようという気持ちになってくるのは昔とまったく変わらない。
幸い、来月末の六甲縦走キャノンボールに往復でエントリーしているので、次はこれを目標にしてまた頑張ってみたいと思っている。
八ガ岳スーパートレイル
期待と不安で出かけた八ガ岳スーパートレイル。結果は、97km の第2関門で制限時間を 30 分ほどオーバーして収容された。
より大きな地図で 八ガ岳スーパートレイル を表示
金曜日の蓼科は思いの外暑く、車の窓を少し開けて寝たら蚊が入ってきて、窓を閉めてもすでに入った蚊に攻められ、やむなくシュラフを頭まですっぽりかぶって身体は汗みどろ。それでも頭の方にしばしば寄ってきて、ほとんど眠れなかった。
天気は思わしくなさそう。うっすらと夜が明けてくる5時に白樺湖畔をスタートした。
スタートしてすぐに八子ガ峰に向けたトレイルに入る。参加者は 500 人くらいで、半ばくらいの位置でスタートしたが、ほどなく、振り返ると最後尾がすぐそこに見えるくらいの位置になっていた。しかしあせりはまったく無い。
山の上あたりの何でも無さそうに見える場所で前が渋滞している。何と、ちょうどルートのところにスズメバチの集団があって、そこを突き抜けて行かなければならない。みんなはジャケットをかぶったりしていたが、ぼくはいつもと同じく白の長袖シャツを着ていて、手袋もしていたので、顔を手で覆って突き抜ける。
耳元でぶんぶんと音が聞こえて緊張したが、何とか通過できたと思った。そのとたん、右手首あたりにするどい痛みが!! スズメバチが服の上から刺している。ハチに刺されるというのは生まれて初めての体験だ。
あまり大きなハチではなかったので大したことはないだろうと思っていたが、走っているせいか、毒が周囲に広がっていくのをはっきりと感じる。これはちょっとヤバイかと思ったら、先行者も刺された人がたくさんいて、座り込んで手当している人たちがいた。
しっかりとポイズン・リムーバーを持ってきている人がいて、それを借りて刺された箇所から毒を吸い出した。しかしすでに数分時間が経っていたので、この後しばらくは痛みと痺れが残った。
相当な数の人たちが被害に遭ったようだ。明日またここを通らなければならないのかと思うと憂鬱になるが、明日ここに戻ってこれるかどうかはかなり疑問ではある。
一旦車道に出て、最初のエイド。パンやバナナなどをいただく。
しばらくは車道や未舗装道路などが続く。事前にある程度知っていたとは言え、それにしてもこの大会のエイドは貧弱だ。飲み物は水しかない。食べ物と言っても腹の足しになるようなものはほとんど無く、チョコレートやパワーバーを小さく切ったようなもの。あとはバナナやオレンジくらいだ。ロードのマラソンでももう少し充実している大会もある。
この大会はトレイルとは言っても本格的な山道はわずかで、ほとんどが林道のようなコースだと思っていたが、以外とシングルトラックの山道が出てくる。第3エイドを越えてからはかなりの急な登りが延々と続き、一旦車道に出てようやく終わったかと思うとまたトレイルの登りになり、体力的にも精神的にもかなりこたえた。次のエイドまで4時間かかった。
おかげで時間の割に距離が稼げず、ほとんど気にしていなかった制限時間がちょっと気になり始める。63km の第1関門の制限時間を1時間間違えて記憶していて、一時はここを越えられないのではないかと不安になったが、メモを見直したらあと1時間の余裕があってほっとした。しかし 50km も過ぎるとかなり疲れはたまってきていて、関門に引っかかったら引っかかったで、それでいいかという気持ちも少しは出てきた。
何とかたまの小降りくらいでおさまっていた雨が、このあたりから本降りになってきて、一時は土砂降り状態になってきた。しっかりした雨具を持ってきておいて良かった。
第1関門は制限時刻の1時間前に到着。これまでのエイドよりは少しはマシだったが、他の大会で見かけるようなうどんや豚汁のようなあたたかいものはまったく無し。コーラがあったのがせめてもの救いだった。
このあたりから薄暗くなってきて、樹林帯に入るとヘッドランプを点けた。雨のせいでいたるところに水たまりができて、どこが道なのかよくわからないところが出てくる。
広域農道のような道を延々と上る。最初は傾斜も緩くてスロージョグで行けたが、そのうちに歩きになる。未舗装林道になると黙々と歩き続けるのみ。単調な登りで、いつ終わるのかわからないような道を延々と登り続ける。登りが終わっても下りにはならず、ほぼ平坦なところがしばらく続く。たまに走ろうとしてみるが、もはや走り続けることができない。
半分の 80km は 16 時間を少し過ぎていた。後半のアップダウンを考えると、どう考えても完走はムリだろう。
4時間あまりかかってようやく次のエイドに到着したが、このエイドの貧弱さはあまりなもので、食べられるようなものは小さく切ったパワーバーのみ。『あたたかい麦茶』をもらったら『生ぬるい麦茶』。手前のエイドからかなりの時間がかかるというのはわっているはずだが、参加者のことをどう考えているのかと言いたくなるような対応だ。
昨年のこの大会の情報をネットで検索した時、昨年は 11 月に開催されて、天候は悪くはなかったものの、夜間は非常に冷え込んで、おまけにエイドが貧弱で、人がいずに水が置いてあるだけというような所もあったとか。しかもその水が凍っていたとか。場合によってはかなり危険な状態になりかねないような運営に対してクレームのようなことを述べている情報をいくつか見たが、さもありなんという感じだ。
今年は昨年に較べると多少は改善されているようだが、それにしても UTMF なんかと較べると(参加したわけではないが)、あまりにも手薄と言わざるを得ない。参加費(100 マイルが2万5千円)も決して安くはないと思う。
松原湖の第2関門まではおおむねロードの下りで 13km とのこと。本降りの雨で、このエイドでリタイアを決めた人が何人かテントで休んでいる。関門まであと2時間ほど。何とか次の関門までは自分の脚で行こうと思って、暗闇の中を走り出した。
最初は確かに下りのロードだったが、ほどなくゆるい登りになる。しばらく登りが続くと、今度は未舗装になった。しかもいつ終わるのかと言いたくなるほど登りが続く。
もう関門通過はムリだと観念した。と同時に、止められる理由ができてほっとしたという気持ちもあった。もう少し先まで行きたい気持ちは残っているが、例え制限時間がはるかに緩かったとしても、完走は到底ムリだろう。
ようやく車道に出たかと思ったが、すぐにまた山道の下りに入る。雨で滑りやすく、しかも大きな石がごろごろしていて、非常に歩きにくい。前も後ろも誰もおらず、まぎらわしい横道のあるところに印のランプが点いていて、一瞬どちらがルートなのかわからなくなる。
道の形状からしてこちらだろうと思った方をしばらく行くと、印のテープが現れてほっとする。
一体、このどこが『ロード主体』なのだろうか。さっきのエイドを過ぎてから序盤はロードだったが、距離的には未舗装の方がはるかに長い。一体どういうつもりであんないい加減な情報を言っているのかと腹立たしくなってくる。
ようやく街並みに下りてきたが、もう普通の道でもスロージョグが精一杯。それも歩きを交互に繰り返しながらだ。
関門時刻を 30 分ほど過ぎて、ようやく第2関門に到着した。97km を走って(歩いて?)来たが、その満足感はまったく無かった。走れはしないけれど、体力的にはまだ若干の余裕はあった。ここまでやってきたことの実際の中身に較べると、悲しいほどむなしい気分だった。
バスでゴール地点に戻ったのは午前2時くらい。こんな時間に戻ってくることは想定していなかったので、車に戻っても補給食の残りくらいしかなく、しかもここにいてゴールを案内する声を聞くのはたまらないので、早々に帰路について、途中のコンビニで食べ物とビールを買い、諏訪湖のサービスエリアを寂しい一人宴会をやることにした。