june drop

ウチの家には柿の木がある。
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息子が11月に生まれたので、秋に実のなる富有柿の苗を庭に植えた。この秋で21年になる。
手入れらしいことは枝の剪定以外は何もやらないが、毎年たくさんの実をつけてくれる。間引きなども一切やらないので小ぶりだが、甘くておいしい。
毎年、今くらいの時期に、実になる部分が自然に落ちる。これは正常に育たない実や、一つの枝にたくさんありすぎるものを、木自身がふるい落としてしまっているらしい。
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これを『生理的落果』。英語圏では『june drop』と言うらしい。
自然界では動物でも、生命力の弱い子供は淘汰されていくが、人間だけは発達した医療のおかげで超未熟児も超高齢者も、瀕死の重病患者も、可能な限り生命を維持させようとする。
身体の大きさや構造などを基準に他の動物と同じように考えると、人間の寿命は50年から60年くらいが妥当というような話を聞いたことがある。
ガンが増えているのも基本的には寿命が伸びたことが一番大きな要因で、長生きすればそれだけ病気になる可能性が大きくなるのは自然の摂理だろう。あの三浦雄一郎さんだってたくさんの病気を抱えている。
私自身は長生き願望はまったく無いし、頭の中では『死ぬならガンがいい』と思っているのだが、いざその時に直面したら果たして自分がどのような気持ちになるか、それは自分自身、楽しみでもある。

ナイター練習会の副作用

私の場合、ナイター練習会にはちょっとした副作用がある。
ナイターできついスピード練習をやると、その夜は身体は疲れていても頭がしばらくは興奮しているようで、フトンに入ってもなかなか寝付けないのだ。
ナイター練習会では午後7時に競技場に集合して、体操やアップのジョグなどを30分から40分。その後、本練習をだいたい8時半くらいまでやる。
時間があまり無いので5000mX5のインターバルをやることが多く、長くても10000mのペース走くらいが上限だ。
最終リミットが午後9時である。
家に帰ってシャワーを浴びて、食事のテーブルにつくのが早くて9時半くらい。
普段なら11時過ぎくらいにはフトンに入るようにしているが、ナイター練習会の日は12時過ぎくらいになる。
早くフトンに入ってもすぐには寝付けないことがわかっているので、昨夜は風呂上がりに缶ビールを1本呑んで、気分を鎮めるようにした。
それでもやはりフトンに入ってから1時間以上、ゴロゴロと寝返りを繰り返していた。暑くてクーラーを入れたが、それでもやはりすんなりとは寝られなかった。
そのくせ朝方にはいつも通りトイレに目覚めて、その後しばらくまたゴロゴロしていた。
ちょうど熟睡状態の時に目覚ましが鳴って、おかげで今日は朝から頭がすっきりしない。こういう時は会社員でないことを本当にありがたく思う。
今日も朝から暑い。まるで梅雨明けのような天候だ。
嫌いな夏が近づいてきた。と言うか、すでにやってきてしまっている!!

目標を持つということ

昨日の『クローズアップ現代』は三浦雄一郎さんを取り上げていた。
三浦さんは言うまでもなく、先月、80歳でエベレストに登頂されたプロスキーヤー。
これまで70歳と75歳でもエベレストに登頂されているが、実は60台前半の頃は典型的な成人病男性で、メタボ、糖尿病、不整脈と、どこにでもいるような中年肥満男性に成り下がっていた。しかし90歳でモンブランを滑るという父親の三浦敬三さんや、オリンピックのフリースタイルスキーの代表になった次男の三浦豪太さんにはさまれて、『これではいかん!』と一念発起されて、70歳でのエベレスト登頂という目標を設定して、それに向かって努力された。
76歳ではスキーの転倒で大腿骨骨折に見舞われて、そのまま寝たきりになってしまっても不思議ではないような状態からカムバック。80歳になってからも持病の不整脈の心臓手術を受けるなど、決して順調な人生を歩んで来られた訳でない。
しかし体力テストをしてみると、80歳の時の結果が数年前より上がっている項目もいくつかあるなど、普通ならあり得ないような80歳なのだが、それを産み出している最大の要因は、常に『目標』を持っておられるということらしい。
さて、私はどうだろうか。
29歳の時に『マラソンを完走する』という目標を設定して以来、どうにかこれまでは何かの目標を持って生きてこられたように思う。ロードやトラックで記録を向上させることはもはや不可能だが、ロングトレイルにチャレンジするなど、以前はできなかった(やらなかった?)ことに取り組んで、それなりの結果を得られていると感じている。
ここに至って、これまでずっと登山を続けてきたことを本当にありがたく思っている。
なぜなら、ロードやトラックであればどうしてもタイムが基準になる。いつまでも目標を持って走り続けるということは、わずかずつではあっても目標タイムを下げていくということだ。致し方ないこととは言え、あまりうれしいことではないし、例え目標をクリアできたとしても、『昔はこんなものではなかったのに・・・』という気持ちはどうしてもぬぐえない。
しかし登山はタイムレースではない(もちろんトレイルレースはタイムレースだが)。もちろんタイムへのこだわりは無いわけではないのだが、一番楽しいのは、自分でルート設定をして、それを自分で実現していくことである。
登山はそういう可能性が無限大にあり、これまで登山をやってきたおかげで、3000mクラスの山でも気象条件さえ間違えなければ大胆なコース設定ができる。
今シーズンの目標は新穂高から水晶岳ピストン。うまくいっても12時間くらいはかかると思うが、六甲全山往復も何とかクリアできたので、何とかやりとげたいと思う。
そのためにはやはり日頃のトレーニングが重要である。
明日はナイター練習会。気合いを入れて走るつもりだ。

倦怠感

わかさあじさいマラソンが終わって、少し倦怠感を感じている。身体も少し疲れがたまっているように感じる。
大きな目標だった六甲キャノンボールと鯖街道が終わってしまって、はっきりした目標が無くなってしまった状態だ。
今月末にはマラニックにエントリーしているが、これはタイムを競うようなレースではないし、自分自身は精一杯頑張るつもりだが、そうは言ってもキャノンボールや鯖街道のような気持ちになることはできないと思う。
10月に氷ノ山で約70kmのトレイルレースが開催される予定だが、まだ最終決定していない。
そんなわけで、11月3日の淀川市民マラソンに今年もエントリーした。
明日も天気は良さそうなので、本当ならロングトレイルに行きたいところなのだが、どうも身体が休息を求めているようだ。近場でリフレッシュする程度にしておこうかと思っている。

半休養日

鯖街道の後、あまり休まずにスピード練習をやったせいか、身体が重く、アキレス腱やハムストリングなどに若干の違和感がある。大したことは無いのだが、日曜日にハーフのレースを控えているので、今日は朝のジョグだけで、夕方は30分ほどの散歩にした。
梅雨入りしてからどんよりして湿度の高い日が続いて、気分も落ち気味になってしまう。
こんな時は思い切って休んで、リフレッシュした方がいいだろう。

シューグー

シューグーは20年以上前に一度使った記憶があるのだが、なぜかそれ以降は使ったことが無かった。特に悪い印象があった訳では無かったと思うのだが。
まだ少し履けそうだが、アウトソールがかなり減ってしまっているシューズを捨てるのがもったいなくて、久しぶりにシューグーを使ってみた。鯖街道やマラニックで使ったアシックスのランニングシューズで、もう2年以上履いている。
もっぱらゆっくりジョグの時に使ってきたが、このところはトレイルシューズを履くほどではないトレイルで出番が多い。ミッドソールがわりとソフトで、トレイルシューズでは走りにくいロード部分でも違和感があまり無い。ただしあくまでもジョギングペースで、スピードに乗った走りにはソールが厚すぎる。
結果的にはなかなか快適である。これならまたしばらく履けそうだ。
ついでに、あっという間にソールが減ってしまった安物のサンダルも修理してみたが、これもなかなかうまくいった。
結構お勧めですよ!

枚方春季総体観戦

今日は競技場で開催された、春季総体を見に行ってきた。クラブの仲間が出場する 3000m と 5000m を観戦してきたが、暑くて走るのは大変だったと思う。
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ここ2年は私も 5000m に出場してきたが、ローカルな大会にしてはレベルが高くて、競技時間が20分しか割り当てられていない。多少は遅くても最後まで走らせてもらえるが、先頭に2周ほど抜かれて最後尾をよろよろ走るのはなさけないので、今年は止めておいた。たぶんもう走ることは無いだろう。
トラックのレースは自分で走るよりも見るに限る!

鯖街道へ

明日はいよいよ鯖街道ウルトラマラソン。私は初参加だが、クラブのベテランで何度も参加されている人たちに合流させてもらう。
明朝6時のスタートなので前泊が必要になるが、小浜の会場近くの公園でテント泊。通称『パークホテル』とのこと。テントで寝るのは慣れているのでまったく問題無し!。と言うか、ホテルや旅館よりもこっちの方がいい。
調子は悪くない。左のアキレス腱にちょっと疲労性の痛みを感じることがあるが、このところよくある程度の軽いもので、走り出して温まればすぐに消える。
どうするか悩んだが、明日は完全に空身で行こうと思う。雨が降る可能性が高いので、ライトジャケットを腰に結びつけて行こう。
このところのトレイルレースではいつも荷物をすべてかついで走っていたので(荷物運搬料節約のため)、たまには身軽で走ってみたい。エイドも充実しているので大丈夫だろう。大きな荷物は主催者が運んでくれるし。

続・ある山スキーヤーの死

その後の詳しい情報によると、亡くなったS氏は頭部に落石を受けたにもかかわらず、頭部や顔面の損傷はそれほどひどくなかったらしい。ただ、救出時は耳からかなりの出血があったようで、重度の脳挫傷と思われる。
個人的な面識は無いのであくまでもS氏のホームページやお知り合いからの情報だが、氏は山では常にヘルメットをかぶっており、同行経験のある人たちによれば『こんなところで』と思えるような場所でもヘルメットは放さなかったらしい。
事故時も当然ヘルメットをかぶっておられたが、なぜか割れていなかったらしい。
ヘルメットは、ある程度以上の衝撃を受けると割れるように作られている。割れることによって衝撃を逃がして、頭へのダメージを軽減させるためである。極端に強く作っても、どうせ生身の身体が耐えられない。
山ヤから見ても非常に慎重に見えたS氏が、よりによって頭部への落石で亡くなられるというのは、何とも皮肉としか言いようが無い。
自然は非情だ。その人が慎重か無謀か、社会的地位が高いか低いか、金持ちかビンボーか、人から好かれているか嫌われているか、そんなことは一切お構いなしである。
残されたご家族のショックはいかほどのものか、計り知れない。3人のお子さんはまだ十台のはずだ。
院長を務めておられたクリニックも地域の中核病院のような位置づけのところなので、今後の運営にも大きな影響が出るだろう。ただ、S氏の個人経営では無かったので(いわゆる『雇われ院長』)、すでに新しい院長が配置されて、表面的には平静を装っているように見える。こういうところは組織のありがたみと言うか、非情さと言うか・・・。
雪崩は直近の降雪状況や天候、気温、雪質などで、危険性をある程度推測することができるが、落石は難しい。今頃の季節は冬に凍った岩の割れ目の氷が溶けて非常に脆くなっている時期ではあるが、そんな場所は至る所にあるので、とにかく耳をすませて常に注意を払っているくらいしか対処方法が無い。
特に恐いのは雪の斜面を落ちてくる落石で、これは音がほとんど聞こえない。強風で風の音が大きかったりしたらなおさらだ。ずいぶん前のことになるが、京都のベテランクライマーがカラコルムの氷河で頭部に落石を受けて亡くなられたことがあったが、この時もまったく音も無く飛んできたらしい。
人の命に重いや軽いは無いけれど、S氏のような方がこんなにも突然、あっさりと亡くなってしまわれるというのは、とにかく残念と言うしか無い。

ある山スキーヤーの死

私は元々山ヤで、体力不足を補うために始めたランニングがいつのまにかメインになってしまったというタイプだ。しかし山も辞めてしまったわけではなく、満足のいく走りができなくなって一時期レースから離れていた時は、また山がメインの生活に戻っていた。その頃一番好きだったのは山スキーだ。
その山スキーもここ3年ほどはすっかりご無沙汰になってしまっているが、その頃情報収集のためにいくつかのホームページを参考にさせてもらっていたが、山スキーから離れた今も毎日更新を楽しみにしているページがある。
ここの主は金沢のお医者さんで、山スキーの世界では知らない人はいないカリスマスキーヤーである。
いつものように今朝、ここを訪ねてみると、思いもよらない情報に出くわした。何と、高山市の産科クリニックで院長を務めながら、少ない休みを有効に使って通な山スキーを続けてこられたベテラン山スキーヤー昨日亡くなったと知って、驚愕した。
非常に慎重な方で、雪崩等の危険に対する察知力も素晴らしく(おそらく)、山で事故に遭いそうな気配はまったく感じられなかっただけに、改めて自然の恐ろしさを再認識させられた。
私自身もかつては岩登りや冬山を楽しんできたが、今思うのは『死ななくてよかった』ということである。
親しい友人を山で失ったことはないが、面識のある程度の人なら5人以上は山で亡くなっている。
かつてはそういう危険が一種の魅力でもあり、リスクの無い行為には満足感が得られなかったが、今はそういう気持ちはほとんど無くなった(まったく無くなった訳ではないが・・・)。
知人で山で亡くなった人も、どちらかと言うとベテランが多い。山ではどれだけ経験を積んでも安全が保証される訳ではないし、むしろ経験を積めば積むほど困難なルートに行く機会が増えて、それだけリスクも高まるということになる。
しかしこのドクターは一般路(積雪期なので夏山のような一般路ではないが)で落石に遭遇ということで、何とも残念としか言いようが無い。非常にテクニカルなルートでの滑落などであれば気持ち的にはもう少し救われるような気もするのだが。
ご冥福をお祈りいたします。