サロベツ原野、豊富温泉

今日(7/26)は稚内を発ってサロベツ原野に向かう。今回の旅で辿っている地域は「利尻礼文サロベツ国立公園」となっている。

サロベツ原野に行くには豊富(とよとみ)駅が起点になる。ここでレンタサイクルを借りるつもり。

宗谷本線は本数が少なくて、朝の電車では早く着き過ぎるので、南稚内駅 10 時 32 分の普通列車に乗ることにした。

豊富駅には 11 時 16 分に到着した。

駅のすぐ横に観光案内所があって、ここで自転車を借りることができる。

6段変則のクロスバイクを借りることができた。大きなザックも 200 円で預かってもらえた。

「最近、ヒグマの目撃情報があるので注意して下さい」という言葉に送られて、11時半に駅を出発した。

道路標識に従って車道を進む。向こうは海ではありません。

昨日のダメージがまだ残っていて、最初からお尻が痛い。意外と遠くて、30分ほどかかってようやくサロベツ湿原センターに到着した。

まずはセンターの中に入って展示物などをざっと見回ってみたが、ここもクーラーは入っていなかった。

そして案内板に従って散策路に出た。

エゾカンゾウ(ゼンティカ)。

「ナガボノシロワレモコウ」というのだそうです。

タチギボウシ?

展望台もあります。

地平線まで見えそう。

ここを逃すと食事のとれるところが無さそうなので、ラーメンとチャーハンのセットをいただいた。何の変哲もない普通の味でした。クーラーが無いので汗をかいた。

出発した時間がすでに昼前だったのでどういうコースを走るか決めかねていたのだが、大回りコースを散策してからお昼を食べても1時間もかからずに終わってしまったので、海の方まで走ってみることにした。

海に向かってしばらく走るが海はまったく見えず、逆に丘のような丘陵地が近づいてきた。

ちょっとした峠を越えて下るとようやく海が見えてきた。

30分ちょっと走ってようやく海岸の道路までたどり着いた。北海道ではちょっと郊外に出ると交差点でもほとんど信号が無いのだが、めずらしくこんな所に信号が。

海岸沿いに南に向かって走る。右手には利尻山が見えるはずなのだけれど・・・。

左側は牧草地。

北緯45度の標識。

こんな店があったが営業はしていない様子だった。

お尻の痛みをごまかしながら海岸線を 40 分、ようやくまたサロベツ原野に戻る。

幌延ビジターセンターでジュースでも飲もうと楽しみにしていたのだが、自動販売機は無かった。

まずはそばにあった展望台に上がってみた。しかし見える景色はほとんど同じ。

それから長沼の周遊路に行った。

カキツバタ。

ちょっとした展望台があったけれど利尻山はまったく見えません。

お次はパンケ沼に向かう。20分ほど走ったら標識が出てきた。

パンケ沼は湖かと思うくらい大きかった。

さらに北のペンケ沼に向かうが、途中に朽ちた展望台があった。

登ろうとしたら登り口にロープが張られていて、朽ちて危険なので立入禁止とのこと。まぁ私一人 50kg くらいなら大丈夫だろうとロープをまたいで上まで上がった。

本当はペンケ沼まで行きたかったのだけれど、地図を見る限りは沼に近づける道が無い。それにすでに午後4時で、返却時刻の5時まであと1時間しかない。

豊富駅まではしばらく車道を走らなければならないので、そろそろタイムリミット。ペンケ沼はあきらめて駅に向けて帰ることにした。

地図を見て近道を行こうとしたらジャリ道に入り込んでしまった。

こういう自転車でジャリ道を走るのはパンクが怖いが、数分ほどでまた舗装路に出た。

車道へ出てからはちょっとした峠があったりして、思いのほか距離があった。お尻も痛いが時間の余裕もあまり無いので休むわけにはいかない。

午後4時半、ようやく豊富町に戻ってきた。

午後4時 40 分、やっと豊富駅に帰り着いた。結構疲れた。あとから確認したら 50km ほど走っていた。

今晩は豊富温泉に宿を取っているが、温泉は少し離れているので、宿の人にお迎えをお願いしている。

5時にお願いしていたのだが、駅の前にワゴンが停まっていて、駅舎に一人の男性が紙を持って立っておられたので尋ねてみたところ、今晩泊まる宿の方だった。

おかげでスイスイと宿に入ることができた。

部屋はビジネスホテルのような小さな洋室で、部屋にバストイレは無い。

ウエルカムサービスでいただいた冷たい牛乳と甘い梅干しがおいしかった。このあたりは酪農がさかんな地域なのだ。

一息ついたらさっそく温泉へ。ここの温泉は石油を試掘している時に湧き出したお湯だそうで、普通の温泉とはずいぶん違って石油の匂いがする。風呂場の照明がかなり暗いのだが、よく見るとわずかに油が浮いていたりする。

しかしそのお湯はなかなかいい感じだった。

料理はメインが麻婆豆腐というちょっと変わったメニューだったが、クラフトビールや北海道のおいしいお酒と共に堪能した。

実は私はこれまで食事が提供されるような宿やホテルに一人で泊まったことが無い(はず)。

山がらみで遠出する時はまずほとんど車中泊で、温泉旅館に泊まる時は嫁さんと一緒。山小屋に一人で泊まったことは無い(ヨーロッパアルプスでは何度か泊まった)。

そんなわけでこういう宿に一人で泊まるのはちょっと緊張していた。

夜にはまた温泉に入って、気持ちよく眠りについた。

宗谷岬、ノシャップ岬

今日(7/25)は自転車で宗谷岬に向かう。言わずと知れた日本の最北端。写真や映像では何度も見ているけれど、訪れるのはもちろん初めてのことだ。

自転車を借りられるのは9時半からということだったので、少し早めの9時15分くらいに行ったらすでに窓口が開いていた。

21段変則(前3段x後7段)のクロスバイクを借りて、9時20分に稚内駅を出発した。

しばらくは市街地を走る。宗谷岬まで 27km。

単調な道をひたすら走る。利尻島の時と違ってアップダウンはまったく無く、風も向い風ではないので走りやすいが、まだまだ先は長い。

出発して 45 分ほどで半分近くまで来た。

昨日のフェリーから見えていた風力発電施設。

10時40分、1808年に間宮林蔵が樺太探検に出航したと言われている場所。

10時50分、出発から1時間半であっさりと宗谷岬に着いてしまった。

さすがにここは観光客が多かった。

たまたま誰も写真を撮っていないタイミングがあった。樺太は見えなかった。

ここにも間宮林蔵の像。

道の反対側には展望エリアがある。

少し上ると広大な草原が広がっていて、モニュメントなどがいくつか置かれていた。

宗谷岬灯台。

駐車場のそばに宗谷岬神社とやらがあったが、どうも違和感がある。

時間があったのでおにぎりを食べたりして 30 分ほどゆっくりして帰路についたが、案の定、帰りは向い風になった。

そして普段、自転車で長距離を走ることが無いので、お尻が痛くなってきた。体力と脚力にはまだ余裕があるのだが、お尻が痛くて走り続けられない。

たまらず歩道に上がってしばし休憩。

ようやく稚内空港まで戻ってきた。

途中で自動販売機のペットボトルのジュースで休憩したりしながら、2時間以上かかってようやくスタートした稚内駅まで戻ってきた。

お尻は痛いが、まだ時間があるので何とかノシャップ岬にも行っておきたい。

この道路標識、拡大しなければわからないが、日本語表記の下にアルファベット表記があって、その下にはロシア語表記がある。

ノシャップ岬は意外と近くて、稚内駅から 20 分ほどで到着した。

ここからも樺太は見えず。

稚内灯台。

ちょうど午後3時に稚内駅に戻ってきた。トータル 73km のサイクリングでした。宗谷岬へ行った証明書をいただきました。

そして駅ビルの店でソフトクリームを食べた。

ホテルに戻ったら部屋でシャワーを浴びて一休みして、また南稚内駅方面に向かった。

昨日の店がおいしかったので今日は魚料理を食べようと思ったところ、何と休業していた。こういう旅をしていると曜日感覚が無くなってしまうのだが、今日は日曜日だった。

個人営業のような小さな店はどこも閉まっているようで、致し方なくチェーン店風の店に入った。

私はそれほど食べ物にはこだわらないので、それなりに満足できました。

ホテルのちょうど前にコインランドリーがあったので、帰ってから洗濯した。

明日はサロベツ原野へ行く。一時は宿が取れなくて諦めていたのだが、二日ほど前に運良く一泊だけ宿を取ることができた。

温泉に入って、クーラーの効いた畳の上の布団で寝られるのは本当にありがたい。

利尻島一周

レンタサイクルショップのおにいちゃんは寝坊したのか、少し遅れて車でやってきた。

マウンテンバイクを借りたのだが、実は変速5段というものだった。キャンプ場のすぐ下にあった自転車道路の入り口に行く登りで、いきなりの試練となった。

8時半にここからスタートした。

しばらく登りが続いて苦しかった。昨日の疲労がまだ残っている。

橋は自転車専用道路にしてはずいぶんしっかりと作られている。

ようやく視界が開けてきた。

高速道路のように見えた橋からの展望は素晴らしい。

何度も橋を渡ってからしばらく下って、9時12分に野塚展望台で車道に合流した。

1848年にここに上陸したアメリカ人ラルフ・マクドナルドの上陸記念碑。

45分ほど車道を走って、石崎灯台。

しかしこの道はアップダウンばかりでなかなか厳しい。おまけに向い風になってきた。

鬼脇の郷土資料館を休憩を兼ねて見学してみた。

登り坂に苦しめられながら沼浦展望台へ向かう。

道端の花は何?

ここは北海道土産定番の「白い恋人」のパッケージの写真になったという場所。残念ながら今日は利尻山は見えない。

そしてオタトマリ沼へ。

スイレンの花。

そばにあったレストハウスでブルーベリーのたっぷりのったソフトクリームを堪能した。

それにしてもアップダウンの連続と向い風で苦しい。まだ半分も来ていないので先行きに不安を感じるが、このアップダウンを戻る気にはなれない。

お次は南浜湿原。

ここはオタトマリ沼よりは小さいので散策路を周回してみる。

ワタスゲ。

サワギキョウ。

12時20分、ようやく最南端の仙法志に到着した。

海に突き出た散策路を歩く。

適当な店があれば昼食をと思ったが、そういう店はまったく見かけない。

町立博物館があるがもはや立ち寄る余裕が無く、通過する。

しかし仙法志を越えてからは道路もフラットになり、向い風がおさまってきた。時々霧雨のような雨がパラついている。自転車で走るにはいいコンディション。

麗峰湧水はおそらく地元の人であろう、車でタンクに汲みに来ていたので通過した。

「さとう」という小さな商店の前に自動販売機があったので、ペットボトルのジュースを買って、そばで腰を下ろして持ってきていた揚げパンを食べた。

北のいつくしま弁天宮。

ここから見える「寝熊の岩」。

「人面岩」は写真を撮りそこねた。

神居海岸パーク。

ようやく沓形までやってきた。お尻が痛いが、ゴールが近づいてきた感じがする。

この先、どこかで自転車道路の始点があるはず。

もっと先だろうと思っていたのだが、反対側にふとそれらしい標識が目に入った。

自転車専用道路に入れてルンルン気分。

このまますんなりと最初の場所に戻っていくのかと思ったら、実は車道と何度も交差したり、部分的に車道を走ったりと、車道をそのまま走るよりも随分余計に走らなければならなかった。

今日初めて利尻山が姿を現した。

富士野園地にはもはや立ち寄る余裕が無く、車道でショートカットしてから自転車道路に入った。

あとわずかなのだが、最後の最後で向い風に苦しめられて、行きに自転車道路に入った場所よりも少し下の温泉のすぐそばで車道に出た。

午後2時50分、テントに戻ってきた。

自転車の返却期限は午後5時なので、温泉に入ってから返しに行くことにする。

自転車返却後は早めの夕食へ。今日は無事、海鮮ラーメンにありつくことができた。潮の香りのするスープでした。

しかしここもクーラーが無いので、ラーメンを食べると胸に汗がしたたった。

そしてセイコーマートで翌日の食料を買い出ししてテントに戻った。

軽い気持ちでスタートしたが、65km のサイクリングは思いのほか厳しかった。