礼文滝から桃岩展望台コース

今日(7/23)は昨日の8時間コースからつなげて礼文島の南端まで歩く。

今日も早く目覚めてしまったので6時ちょうどにキャンプ場を出発した。連休のせいかテントが増えて、私が着いた日は木のテラスしか張られていなかったが、いつの間にやら芝生エリアにもたくさん張られていた。

昨日、林道に合流した場所まで戻って、さらに林道を南へ進む。昨日は1台車に出会った。

1時間少々で礼文滝への分岐に到着した。そばに軽自動車が1台停まっていた。

しばらくなだらかな斜面を下ると次第に急になって、沢沿いに出た。ここからは何度も沢を渡る。

張られたロープに助けられながら沢筋を下ると、滝の落口に近づいてきた。

右岸の急斜面を下って海辺に下りたった。

振り返ると礼文滝。わざわざ来るほどの値打ちがあるのかどうかはちょっと微妙。来たからこそ言える言葉ではあるのだけれど。

1時間半ほどで礼文滝を往復して、林道をさらに進む。原生林の原状回復のための植樹がなされている。

礼文滝への分岐から 20 分ほどでレブンウスユキソウ群生地に着いた。

写真ではもっと大きい花かと思っていたけれど、以外と小さな花でした。直径 2cm くらいかな。

はっきりと書かれていなければ気づかずに通り過ぎてしまいそう。

時間があるのでこのそばで腰を下ろしておにぎり休憩にした。

このあともしばらく未舗装の林道を下り気味に進むが、軽装で上がってくる観光客風情の人たちと次々とすれ違った。

20分ほど下ると車道に出て、その先に大きな駐車場があった。観光バスが停まっていて、このバスの観光客が上がってきたのではないかと思った。

私はこの駐車場の手前の標識で展望台の方に向かったのだが、どうも駐車場の向こうにハイキング道があるもよう。歩いている人がたくさんいる。

車道を数分登るとハイキング道に合流して、桃岩の展望台に上がった。

桃岩ってこれのこと?

ここは観光客がいっぱいで、この先の桃岩展望台コースもハイカーにたくさん出会った。こんなところでマスクをつけるはめになるとは・・・。

桃岩展望台から 50 分ほどで元地(もとち)灯台まで来た。ここのそばにあった数台のベンチはハイカーで満席になっていた。

今日のハイクも最終盤になってきた。

ウツボグサ?

チシマフウロでしょうか?

いよいよバス停のそばまで下りてきたが、「北のカナリアパーク」へ寄っておく。

11時15分、北のカナリアパークに到着した。ここも観光スポットのようで、店は観光客で混雑していた。

「北のカナリアたち」という映画の舞台になった校舎。私は映画は見ないのでまったく知りません。

ちょうど数少ないバスまで 30 分くらいだったので、校舎の影で小休止してからそばのバス停に行った。しかしこのバス停、時刻表が無い。どういうこと?

一人で待っていたらたまたま通りかかったこのあたりの店の店員さんと思われる女性が、ここはバスは通らないと教えてくれた。バス通りはここから数分下ったところに移っているとのこと。

それならそうとバス停に書いておいてほしい。もしくは撤去しておいてほしい。そんなに大そうなものでもないのだから。何という不親切。この女性に出会わなかったら気がつかないところだった。

バスの時刻の数分前にバス停に着いた。何人かがすでにバスを待っていた。

バスは 10 分ほどでフェリーターミナルに到着した。

温泉へ行って、休憩エリアでビールを飲んで、バスの時間を見計ってセイコーマートに向けて歩いた。

セイコーマートで夕食と翌日の食料を買い出しして、店の前でバスを待とうとしたところ、どうも同じような感じの一人の女性がおられた。

一声かけたところ、やはりキャンプ場にテントを張っておられて、今日はほぼ私と同じ行程で、ここまで歩いてきてあとはバスで戻るつもりとのこと。

予定通りのバスでキャンプ場のそばまで戻ったが、よくこんな道を大きな荷物で歩いたなと我ながら感心した。もう二度とできない(やらない)と思う。

明日は礼文島最終日。午前中に礼文岳を登って、午後のフェリーで稚内に戻るつもりだ。

岬めぐりから8時間コース

登山地図によると8時間コースへ行く人は大半が北端のスコトン岬を出発地点にしているらしい。ちょうどバスがここまで来ている。

距離的には 20km 以上のロングコースだが、標高差がそれほどではないのでおそらく大丈夫だろう。

7/22、朝一番のバスで終点のスコトン岬へ向かうことにした。

キャンプ場から数分のバス道に出る。礼文島のバスは停留所はあるけれど基本的にどこでも乗り降り可能になっている。バス停は少し離れているので車道に出たところでバスを待つことにする。

ずっと海岸沿いに走るが利尻島は見えない。

30分ほど走るとスコトン岬の半島が見えてきた。

7時半ちょっと前に終点のスコトン岬に到着した。

まずは岬の最先端へ。「最北限」となっているけれど日本の最北限は宗谷岬。とは言ってもこの時点では私が訪れた最北限になる。

利尻島も暑かったが、ここも暑いとまでは言えないにしても涼しくはない。こんなものなの?

岬の先端まで行ってから南へ向かう。しばらく車道。

カワラナデシコ。このあとも礼文島では至るところに咲いていた。

車道を登って、トド島展望台。左前方の島がスコトン岬の向こうに見えていた海驢(トド)島。

この先で車道から分かれてゴロタ岬への登りに入る。

トレイルを 10 分ほど登ってゴロタ岬へ。

残念ながら展望はあまり無し。

しばらく下ると礼文西漁港(鉄府)が望めた。

エゾカンゾウの生き残り?

鉄府の集落を抜ける。ここは車道が通じているので人に出会った。

集落をはずれるとトレイルの激登りになる。

激登りのあと激下りで、鉄府から 20 分ほどで澄海(すかい)岬に近づいた。ここは観光地のようで観光バスが停まっていた。

観光客が多いのでマスクを着用して岬へ。

駐車場のそばに売店があったので、アイスクリームがあれば食べようと思ったが、売っていたのは焼きウニやホタテなどで、こんな暑い時にそんなもの食べる気にならない。

ここで岬コースから8時間コースに入るのだが、しばらく相前後して歩いていた男性につられて車道を進んだところ、本来のコースをはずれてしまっていた。

しかしここは近年の大雨でトレイルの一部が崩壊して通行止めになっているポイント。ただ、記録をさぐると強行通過している人もいるようだ。

気がついて車道の対岸の斜面を見てみたら山路が見えた。そしてよく見たら件の崩壊箇所も見える。

あの道に入るためには少し戻らなければならないし、それにあの崩壊箇所は結構危なそう。

地図を見るとこのまま車道を進むと本来の8時間コースの道に入れるようで、多少大回りにはなるけれどそれほどのタイムロスではなさそう。こんなところで無用なリスクはおかしたくないので、大回りの安全ルートで行くことにした。

本来の分岐に近づいてきたが、ヘアピンカーブになっているので、分岐の少し手前のヤブに突入してショートカットした。大した距離ではないのだが何となく得したような気分になれる。

10時20分。8時間コースはここから。

チシマフウロですか?

ずぅっとこんな感じ。

10時50分、召国分岐でそばに腰掛けられる木があったのでそこに腰を下ろして惣菜パン休憩にした。

スコトン岬を出発してからずっとこういう景色で歩いてきたのだが突然、樹林帯に突入した。

実は礼文島というのはもともとこういう原生林に覆われていた島だったのだが、明治時代に大きな山火事が幾度もあったり、大規模な伐採が行われたりして、これまで歩いてきたササ原のような景観になってしまったらしい。

このあたりは昔の植生が残っているわずかなエリアとのこと。

何の木なのかは私にはわかりません。

水音の聞こえる沢がすぐそばにあって、一部路面がドロ沼状態になっている場所があって、端の方に避けたつもりが足がずぶずぶともぐってしまい、あわてて置いた反対側の足はさらにひどいドロ沼で、シューズは濡れるわ、はねたドロが顔にかかるはでひどい目にあってしまった。

道が荒れていて際どい場所もある。

小さな沢に出会ったのでここで顔と手を洗って、おいしい水をガブ飲みした。

まさかのヤブ漕ぎ。

12時半過ぎ、ようやく海が見えてきた。

この先がこのコース最大の難関箇所で、滑りやすい急な斜面を海辺まで下らなければならない。反対向きに歩いた人の記録ではここが登りで良かったと書かれていた。

斜面の上部に休憩している男性がいたが、挨拶して斜面の下りに突入した。

小石でガラガラの急斜面で、おおむねロープが張られている。それに助けられながら慎重に下る。

10分足らずで何とか無事に下までたどり着いた。写真では大した傾斜には見えないけれど、なかなかの急斜面です。

久しぶりに海沿いを歩く。

ほっとしたのも束の間で、今度は大きな石がゴロゴロの超歩きにくい海岸線を行かなければならない。昨年の前常念岳からの下りを彷彿させる。

決まった道などないので適当に歩きやすそうなところを見定めて進んで行く。

まぁでも 20 分くらいで宇遠内(うえんない)の漁港まで辿り着いた。

地図によると集落に売店があると書いてあるが、そんなもの見当たらない。トイレはあったけれど。

漁港と言っても車道は通じていないので、ここの住居で漁業を行う人たちはそもそも船でやってくるのではないだろうか。

さて、8時間コースも最終盤にさしかかってきた。あとはキャンプ場に向けて山路を進むだけ。道のそばにあった板に腰を下ろしておにぎり休憩にした。ちょうどその前を単独行の男性が二人通り過ぎて行った。

ここから林道出会いまではどちら向きもコースタイムが同じなので、平らな道をのんびり行けるのかと思っていたら、地図を正確に見ると結構な峠を越えなければならなかった。標高差にして 180m くらい登らなければならない。

先ほど前を通り過ぎた二人の男性はあっさりと追い抜いてしまった。

おにぎり休憩後に出発してから 40 分ほどで林道に合流した。

そして林道を 10 分ほどで舗装道路に出た。キャンプ場まではあとわずか。

午後2時半、キャンプ場に戻ってきた。

キャンプ場にはママチャリの自転車が2台あって、温泉とコンビニ目的に限って無料で借りることができる。つまり早い者勝ちで、夕食を食べに行くということには使えない。

まずはテントのそばで残った行動食を食べて一服した。そうこうしていたら隣のテントの若い男性が帰ってきた。さっき終盤で出会った男性だった。

そして自転車を借りてフェリーターミナルへ向かった。行き先はもちろん「うすゆきの湯」。

脱衣場ののれんをくぐったら熱気があふれてきた。ここもクーラーは無し。

休憩室では缶ビールを飲んで一人打ち上げした。

そしてセイコーマートで夕食と翌日の行動食を買って、キャンプ場に戻った。

今日は礼文島の北部のハイキングコースを辿ったので、明日は南部を南端まで行ってみようと思う。

ペシ岬、そして礼文島へ

4泊したキャンプ場を後にして、今日(7/21)は礼文島へ渡る。

フェリーは昼過ぎなので時間はたっぷりある。時間潰しに温泉のすぐそばにある高山植物園に寄ってみる。

こじんまりしたエリアだが手入れはしっかりされている感じ。早朝だが(朝の7時半くらい)二人の男性が作業をされていた。

ただしこういう場所に咲いている花は概して勢いが無くてしょんぼりした感じ。本来の場所ではないところに連れてこられて元気を無くしているのではないかと思ってしまう。

フェリーターミナルのコインロッカーにザックを預けてペシ岬に向かう。

適当に歩いていたら登り口があった。

少し登ったところに会津藩士の墓。

こういう云われだそうです。

ノコギリソウ。

最後の登りは結構急です。

登り口から 10 分少々でてっぺんへ。

フェリーが泊まっている。利尻山がうっすらと。自転車道路の高架橋も見える。

向きを変えると鴛泊灯台。

こちら側をぐるっと廻って車道まで下りた。

WiFi のつながるフェリーターミナルでタブレットを開いたりして時間をつぶして、13時15分のフェリーで利尻島に別れを告げた。

今度のフェリーは椅子が並んでいるタイプだった。

午後2時に礼文島の香深港に到着した。

礼文島でも観光客誘致キャンペーンをやっていて、宿泊施設に泊まると費用の半額、最大5千円まで補助されるというもの。最長3泊まで。

これなら民宿にでも泊まってみたいと思ったが、翌日から四連休というタイミングに当たってしまって、飛び込みで泊まれるような宿はまったく無し。

礼文島は利尻島に比べるとかなり不便で、キャンプ場はフェリーターミナルから 5km くらい離れている。バスは一日数便しかない。

唯一のセイコーマートもフェリーターミナルから 2km くらいの中途半端な場所にある。

それならば自転車を借り切れないかと思ったが、翌日からの連休で予約でいっぱいとのこと。

次のバス便まで1時間以上あるので、覚悟を決めてまずはセイコーマートに向けて歩くことにした。

礼文島は利尻島のように島を一周するような車道は無く、実質的に東海岸を北から南まで走る1本のみ。あとは東西に走る新桃岩トンネルくらい。

重い荷物をかかえてとぼとぼと車道を歩き出したが、驚いたことに大型ダンプがひっきりなしに走り抜ける。

こんなに小さな島で一体何をやっているのだろうか。あきれるくらい何台も次から次に爆走していく。仕事で走っているのだろうが、本当にがっかりした。

30分くらい歩いただろうか、ようやくセイコーマートに到着して、今晩と翌日の食料を調達した。キャンプ場はまだまだ先だが、ここまで来たらもう歩いて行くしかないが、肩甲骨のあたりがとても痛い

歩道の無い道の横を大型ダンプが次々と走り抜けていく。陽がさしていないのがせめてもの救いだ。

周囲の景観にまったく似合わない見内神社。

フェリーターミナルを出てから1時間半くらい歩いただろうか、ようやく緑ヶ丘公園キャンプ場に到着した。

ここはキャンプ場としてはなかなか快適。これなら雨が降っても大丈夫そう。

当初はまずは礼文岳と考えていたが、礼文岳は半日行程なので、最後に登ってからその日に稚内へ戻るという行程にしようと思い直して、明日は8時間コースへ行くことにする。

ポン山、姫沼

利尻山と利尻島一周サイクリングで結構疲れたので、今日(7/20)はポン山と姫沼のハイキングに行くことにする。

夜は暗くなったらやることも無くシュラフに入ってしまうので、朝は早くに目が覚める。

朝食をとって、7時 25 分にテントを出発した。今日も曇り空。

利尻山へ登った時と同じ道をしばらく行く。この標識は先日は気がつかなかった。唸るほどの急坂ではないけれど。

利尻山への道を見送って、今日はポン山へ向かう。

ノリウツギ。

まずは大ポン山へ。

8時28分、出発してほぼ1時間でポン山(444m)に到着した。

残念ながら展望はほとんど無し。

引き返して小ポン山に向かう。分岐から先はちょっとしたコルがあって、ぐっと下ってまた登る。

ポン山から 20 分足らずで小ポン山へ。ここは標識も何も無し。展望も無く、朽ちたベンチがあるのみ。

引き返して姫沼に向かう。チシマアザミ?

歩く人は少ない感じで、沢を横切る部分は荒れているところもある。

携帯トイレブースの扉が開いていた。

下り基調で、いささか歩きにくい道がしばらく続く。この道は戻りたくない気分。

小ポン山から1時間 25 分くらいで樹の間から姫沼が見えてきた。

周遊路に出たのでひとまわりしてみる。

山田池よりは小さいと思う。

駐車場のある正面の少し手前にベンチがあったので、ここで腰を下ろしておにぎり休憩にした。

正面には数人程度の観光客がいた。

そばにちょっとした店があったので入ってみたが、売っているのは絵葉書などの写真ばかりで、小さなクーラーボックスでペットボトルの飲み物が少しあるのみ。

当初は往路を戻ることを考えていたが、あの道はあまり歩きたくない。登り基調になるし、とても快適な山路とは言えない。

昨日走った自転車道路がわりと近くを走っていることを思い出して、その道で帰ることにした。

駐車場を後にしてしばらく車道を行く。

車道を 10 分ほどで自転車道路まで来た。

自転車道路と言っても昨日は1台も出会わなかったし、今日も誰にも遭わない。

昨日、自転車で渡った橋を今日は反対方向に歩いて渡る。

鴛泊のフェリーターミナル。

ポン山はどうにか見えているが、小ポン山は上部は雲の中。

自転車道路を1時間足らず歩いて、キャンプ場下の昨日スタートした場所に戻ってきた。

のんびり歩いたつもりだったが、12時前にテントに戻ってきてしまった。

温泉に入って、コインランドリーで洗濯して、のんびりとフェリーターミナルに向かう。

途中、利尻山神社に立ち寄る。

北海道では神道や仏教の文化は薄いように感じる。もともと長い間アイヌ文化の土地だったので、中央の人間が本格的に進出(侵略?)したのはおおむね明治以降だろう。こういう神社を見ても何か若干の違和感を感じる。偏見だろうか?

夕食はフェリーターミナルの前の店でホッケ焼き定食を食べた。非常に大きくて食べ応えがあって満足した。

明日は礼文島へ渡る。

利尻島一周

レンタサイクルショップのおにいちゃんは寝坊したのか、少し遅れて車でやってきた。

マウンテンバイクを借りたのだが、実は変速5段というものだった。キャンプ場のすぐ下にあった自転車道路の入り口に行く登りで、いきなりの試練となった。

8時半にここからスタートした。

しばらく登りが続いて苦しかった。昨日の疲労がまだ残っている。

橋は自転車専用道路にしてはずいぶんしっかりと作られている。

ようやく視界が開けてきた。

高速道路のように見えた橋からの展望は素晴らしい。

何度も橋を渡ってからしばらく下って、9時12分に野塚展望台で車道に合流した。

1848年にここに上陸したアメリカ人ラルフ・マクドナルドの上陸記念碑。

45分ほど車道を走って、石崎灯台。

しかしこの道はアップダウンばかりでなかなか厳しい。おまけに向い風になってきた。

鬼脇の郷土資料館を休憩を兼ねて見学してみた。

登り坂に苦しめられながら沼浦展望台へ向かう。

道端の花は何?

ここは北海道土産定番の「白い恋人」のパッケージの写真になったという場所。残念ながら今日は利尻山は見えない。

そしてオタトマリ沼へ。

スイレンの花。

そばにあったレストハウスでブルーベリーのたっぷりのったソフトクリームを堪能した。

それにしてもアップダウンの連続と向い風で苦しい。まだ半分も来ていないので先行きに不安を感じるが、このアップダウンを戻る気にはなれない。

お次は南浜湿原。

ここはオタトマリ沼よりは小さいので散策路を周回してみる。

ワタスゲ。

サワギキョウ。

12時20分、ようやく最南端の仙法志に到着した。

海に突き出た散策路を歩く。

適当な店があれば昼食をと思ったが、そういう店はまったく見かけない。

町立博物館があるがもはや立ち寄る余裕が無く、通過する。

しかし仙法志を越えてからは道路もフラットになり、向い風がおさまってきた。時々霧雨のような雨がパラついている。自転車で走るにはいいコンディション。

麗峰湧水はおそらく地元の人であろう、車でタンクに汲みに来ていたので通過した。

「さとう」という小さな商店の前に自動販売機があったので、ペットボトルのジュースを買って、そばで腰を下ろして持ってきていた揚げパンを食べた。

北のいつくしま弁天宮。

ここから見える「寝熊の岩」。

「人面岩」は写真を撮りそこねた。

神居海岸パーク。

ようやく沓形までやってきた。お尻が痛いが、ゴールが近づいてきた感じがする。

この先、どこかで自転車道路の始点があるはず。

もっと先だろうと思っていたのだが、反対側にふとそれらしい標識が目に入った。

自転車専用道路に入れてルンルン気分。

このまますんなりと最初の場所に戻っていくのかと思ったら、実は車道と何度も交差したり、部分的に車道を走ったりと、車道をそのまま走るよりも随分余計に走らなければならなかった。

今日初めて利尻山が姿を現した。

富士野園地にはもはや立ち寄る余裕が無く、車道でショートカットしてから自転車道路に入った。

あとわずかなのだが、最後の最後で向い風に苦しめられて、行きに自転車道路に入った場所よりも少し下の温泉のすぐそばで車道に出た。

午後2時50分、テントに戻ってきた。

自転車の返却期限は午後5時なので、温泉に入ってから返しに行くことにする。

自転車返却後は早めの夕食へ。今日は無事、海鮮ラーメンにありつくことができた。潮の香りのするスープでした。

しかしここもクーラーが無いので、ラーメンを食べると胸に汗がしたたった。

そしてセイコーマートで翌日の食料を買い出ししてテントに戻った。

軽い気持ちでスタートしたが、65km のサイクリングは思いのほか厳しかった。

利尻山

私は気に入った山に出会うと季節やルートを変えて何度も行きたいという指向で、ピークハントのようなことにはあまり興味が無い。百名山にはまったく興味が無いし、いくつ登ったのかも知らない。

新しい山に出会う機会はたまたま美しい写真を見たり、誰かの記録で興味を持ったりということが多い。

利尻山はもう何十年も前に写真で出会った。海から突き上げる美しい山容に強く魅せられたのを今も覚えている。

しかしその頃の感覚では北海道すら最果ての地で、ましてや利尻島など私にとっては現実的ではなかった。

今年になってようやく北海道山スキーデビューを果たして、無雪期にもう一度北海道へと思って、まずは利尻山へ行かなければならないという義務感のようなものが湧いた。

そしてついにその日がやってきた。今日は7月18日の日曜日。

夜はほとんど寝られず、4時に起床した。幸い、強風は収まっていた。

いつも通りのカップ麺、おにぎり、コーヒーで朝食をとって、5時前にテントを出た。利尻山は山頂までしっかり見えている。

しばらく車道をゆるく登ってから山道に入る。

あまり歩かれていない感じ。

5時38分、上のキャンプ場からの道に合流した。ここが3合目。キャンプ場まで車で来て、ここから登りだす人が大半である。甘露泉水はどこにあるのかわからなかった。

快晴の日曜日なのに登山者にぜんぜん出会わなくてラッキーと思っていたが、4合目のあたりからどんどん出会うようになってきた。

5合目や展望台は人だらけで黙々と通過するのみ。標高 1700m を超える山だというのに5合目の標高はわずか 610m。

体調は悪くない。5月末の腰痛が長引いて、本格的な登山は4月末の針ノ木岳以来で、不安は少なくなかった。

塩飴をなめながらノンストップでひたすら登る。ようやく調子が出てきた感じ。

前方が開けて長官山が見えた。

鴛泊のあたりを見下ろす。

セイヨウノコギリソウ。

たまにある展望場所は人がたくさんいるので、写真を撮るだけで通過する。

7時半に長官山(1218.7m)に到着した。

ここから若干のアップダウン。アキノキリンソウ。

長官山から 10 分ほどで避難小屋まで来た。小屋の前のベンチで休んでいる人たちが何人かいた。

ようやく山頂が近づいてきた感じがする。

イブキトラノオ。

ヤマブキショウマ。

8時1分、9合目までたどり着いたが、標高差でまだあと 300m ある。

利尻山は眺めればわかる通り、上に行くにしたがって傾斜が急になってくる。そして火山なので足元も富士山のような溶岩の固まった石がゴロゴロ出てくる。

沓形ルートとの合流地点。

道が崩れやすいせいだろう、いろいろと補強されている。

イワギキョウ。

ローソク岩。

あと一息。

8時 36 分、念願の利尻山の山頂(1719m)に到着した。9合目を過ぎてからは下山者と一人すれ違っただけで誰も見かけなかったので、山頂は一人きりかと思っていたら、ちょうど下山しようとされている人に山頂で出会って、お互いに写真を撮りあった。

鴛泊方面。

礼文島は雲に隠れていた。

さて、ここまで来たら真の最高峰の南峰へ行かなければならない。しかしながらロープが張られていて通行禁止になっている。

幸い山頂には他に誰もいない。行くしかないだろう。

崩れやすい斜面を少し下って、小ピークに行く。前のピークが南峰だろう。

しかしこの先がガケになっている。横の斜面をトラバースできないかと廻りこんでみたが崩れやすい急斜面で、とても行く気になれない。それにその先も踏み跡は無さそう。

元々崩れやすい地質と、もう何年も通行禁止になっているので、かつては行けたという道が消滅してしまったのだろう。諦めるしかない。

山頂に戻ったら何人かの登山者がやってきた。入れ替わりに私は下山する。

9合目の平らな場所で今日初めて腰を下ろしておにぎり休憩にした。

さらに下って行ったら礼文島が見えた。

あとはひたすら下るだけ。登山道には何箇所かこういうトイレブースが設置されていて、携帯トイレを持参してここで用を足すように指示されている。

下るに従って暑くなってきた。とても利尻山の気温とは思えない。

甘露泉水は上のキャンプ場への道を少し入ったところにあった。

岩の間から流れ出していた。駐車場から近いせいか、何人もの人がやってきていた。

この水で顔を洗って、ガブ飲みして、そばにあった東屋でしばし休憩した。私がテントを張ったキャンプ場は標高 50m なので、山頂までは標高差 1660m。さすがに疲れた。

キャンプ場に戻ってきたのは 12 時 18 分だった。案の定、テントはサウナ状態になっていた。

一息ついたら管理棟へ行ってテント泊の申し込みをしようとしたところ、受け付けは午後2時からとのこと。ここでペットボトルのコーラを 150 円で売っていたので、これをもらってきた。本当においしかった。

さて、キャンプ場の向かいにある利尻富士温泉に行こう。

露天も水風呂もあってたったの 500 円。ただし水風呂は強烈に冷たくて、とても浸かっていられなかった。

このあたりの土地柄なのだろうか、脱衣場も休憩室もクーラーが入っていないのでせっかく温泉に入ったのに汗がしたたってくる。

しばし休憩してフェリーターミナルの方へ向かう。あの頂まで行ったのだと思うとえも言えぬ感慨が湧いてくる。

まずはフェリーターミナルの観光案内所でプレミアムチケットを購入する。これはちょうど私が利尻島へ着いた直前から始まったもので、観光客限定で 500 円券が7枚セットになったチケットが 2500 円で買える。最大 10 セットまでだが購入できるのは1回のみ。追加購入はできない。利用できる場所を確認して4セット買った。

明日は自転車で利尻島を一周しようと思うので、レンタサイクルの店に行ってみる。予約はできないとのことで、開店の8時に行くことにする。

まだ5時前だがこのあたりの店は閉まるのが早いので、夕食を食べておくことにする。フェリーターミナルの向かいにチケットの使える店が2軒ある。

海鮮ラーメンが食べたかったのだが、いずれの店もすでに売り切れとのこと。ウニやイクラはにぎりなら食べるけど、丼で大量に食べたいとは思わない。以前に食べた時に途中でうんざりしてきた印象がある。

まさか利尻島まで来てカレーや焼肉定食を食べたいとは思わないので、もはや選択肢が無いのでホタテ丼にビールということにした。おいしかったがもう十分という感じ。食べたいものが食べられなかった失望感の方が若干強かった。

セイコーマートに寄って翌日の行動食を買ってキャンプ場に戻ったところ、何とすぐそばにテントが張られている。こんなに広いスペースがあって、空いている場所もたくさんあるのに何故わざわざこんなそばに張るのだろうか。しかも二人連れ。

一人ならまだしも二人だと間違い無く話し声が聞こえてくる。とても我慢できないと思ったので、離れた場所の空きスペースに引っ越した。せっかく張ったテントを撤収して張り直すのは面倒だが、気持ちよく夜を過ごすためには致し方ない。

利尻山は長年の夢で、今回の遠征はほぼそのために計画したものだった。天候を見計らって実行日を決めようと思っていたのだが、思いがけず初日に絶好のコンディションで登頂することができた。不安だった体調も結果的には問題無かった。

これでもう今回の目的は8割がた達成したようなもので、おかげでこの後は余裕をもって行動できるようになった。

あまりにもスムーズにいって、多少拍子抜けのような気持ちも無いわけではないが、明日は自転車で利尻島を一周してみようと思う。

利尻島へ

今日(7/17)はいよいよ利尻島へ向かう。泊まっていたホテルは朝食のサービスがついていたのだが7時スタートで、7時半の電車に乗らなければならないので涙をのんで部屋でパンを食べて駅に向かった。

昨日の飛行機はほぼ満席状態だったが、今日の札幌発稚内行きの電車は土曜日だというのにかなり空いている。

ずっと外の風景を眺めていたが、岩見沢のあたりから北海道らしい景観になってきた。線路沿いの道は前回、富良野から札幌に向かって走った道だと思う。

旭川でたくさんの人が下りた。旭川の風景が前回来た時となんか違うなぁと思ったら、反対側を見ていた。

札幌からずっと快晴だったのだが、名寄あたりから曇り空になってきた。

線路のそばに牛が放牧されている。向こうの方はサロベツ原野。ここは終盤に訪れる予定をしている。

札幌から5時間かかってようやく稚内に到着した。日本最北端の駅。

駅ビルの中の店で何の変哲もない「稚内焼きそば」を食べて、フェリーターミナルに向かう。風が強くて押し戻されそう。

時刻表を見間違えていて、午後2時半くらいと思っていた便が実は午後4時40分だった。

まだ時間がたっぷりあるので、駅の観光案内所でおしえてもらった海産物の土産物店へ行って、土産の配送をたのんできた。

そしてフェリーターミナルで時間つぶし。WiFi が使えるのでタブレットを開く。

フェリーは3月に乗ったような巨大な船ではなくて、若い時に四国へ行く時に乗ったようなタイプで、2等席は雑魚寝のフロア。どうせ1時間半くらいなので構わない。横になれるくらいのスペースはあった。

利尻島に近づいてきたら雲が切れて利尻山が見えてきた。ただし山頂部は雲がかかっている。

鴛泊港に近づいてくると前方の山肌にまるで高速道路の橋のような構造物が目に入った。あれは何だろう。こんなところに高速道路などあるはずがない。

ついに利尻島に上陸した。ターミナルを出るとホテルや旅館の送迎車がたくさん停まっていたが、正面の店はすべて閉まっている。もう7時前なのでもし何か食べられたら食べていこうと思っていたが、それは叶わなかった。

あらかじめ調べておいたセイコーマート(北海道で有名なコンビニ)へ行って明日の用意と一緒に今晩の食糧も買って、キャンプ場の「ゆーに」に向かった。

キャンプ場の受け付けはすでに終了しているので、適当に空いているスペースにテントを張った。スペースはたっぷりある。

そうこうするうちに風が強くなってきた。時々突風が吹いて、テントが飛ばされるのではないかと不安になる。

強風が不安でなかなか寝付かれない。夜中にトイレに起きた時にペグの具合をチェックしてみたが、幸い問題なさそうだった。

札幌へ

今年2回目の北海道遠征で札幌に到着した。今回は飛行機で来たのであっさり着いてしまって、前回のような気持ちの高ぶりはまったく無かった。

飛行機に乗るのは十数年ぶりで、関空は20数年ぶり。コロナの影響なのであろう、店は多くが閉まったままだった。と言ってもコロナ前の混雑ぶりは知らないのだけれど。

チェックインで思いがけないハプニングを起こしてしまった。持ち込み荷物の中に入れていた救急薬袋に小さなアーミーナイフが入っているのをすっかり忘れていた。

ギリギリで間に合って預けてもらうことができた。やれやれ・・・。

久しぶりの飛行機はちょっと緊張する。

離陸直後に和泉葛城山などの山並み。

思ったよりも陸地の上を飛んだので、富士山が見えるかなと思ってずっと外を眺めていたが、残念ながら視野に入らなかった。

そのうちに日本海側に出て、新潟か山形の島。

これはおそらく下北半島の岬。

1時間半少々であっさりと新千歳空港に到着した。

札幌駅まで電車に乗って、歩いて10分ほどのホテルに向かった。

夕食は具沢山の海鮮丼を堪能した。満足でした。

ホテルそばの北海道大学正門。

明日は電車で稚内まで行って、フェリーで利尻島へ渡る。

シビレ山、丹生山

7/11(日)は講座で神戸市のシビレ山、丹生(たんじょう)山へ行ってきた。いずれも名前を聞くのも初めての山。雨を覚悟して行ったが終日晴れで蒸し暑かった。

*電池切れで途中まで。一部欠落。

神戸電鉄の箕谷駅に集合して、バスで衝原(つくはら)へ。

つくはら湖の湖岸沿いをしばらく歩く。

小一時間歩いて登山道に入る。

しばらく沢沿いの道。何度も流れを渡りながら進む。

20 分ほどで無名の三角点(235.6m)。

運動公園が見える。

意外と厳しい登りが続いた。

まだ先が長いのでちょっとした分岐のスペースで昼食をとって、午後1時前にシビレ山(465m)に到着した。

さらに東の丹生山に向かうが、途中で朝日山(512.7m)に立ち寄る。真ん中奥の山は淡路島。

午後2時前に丹生山(515m)に到着した。山頂には丹生神社の本殿がある。

山頂エリアから鈴蘭台方面。後ろの山並は六甲山系。

その後、衝原より少し東の方に下りてきた。

丹生神社前のバス停からバスで箕谷駅に戻って解散した。予想外の暑い一日だった。

先週の講座のあとは夕方のジョグを続けてきたので、体調はおおむねいつも通りだった。

2年ほど前から登山講座は8月はお休みということになっているので次回は9月になる。

雲母坂

7/7(水)は京都一周トレイルの講座で比叡山の雲母坂を登ってきた。

朝から本降りの雨。こんな日に山なんて行きたくないが、講座は原則雨天決行なので行かざるを得ない。

ドタキャンの連絡も立て続けに入って、集合地の修学院駅に来られたのは二人の女性だけだった。

気温は高めだったが雨が本降りだったので雨具を上下羽織って歩き出した。

まずは鷺森神社にお参り。

曼殊院に向かって歩いていると薬草の香りがしてきた。

雨が少し弱まってきたので雨具の上着を脱いだ。

音羽川はこの通りの濁流。この川は昔はよく氾濫したらしい。

いよいよ雲母坂へ。

雲母坂は序盤は結構登りがきつい。今日は歩き始めからどうも調子が良くなかったのだが、山道の登りになったら心拍数が一気に上がってきた。

そのうちに慣れてきて治まるのではないかと思ったが、期待に反して体調は悪化するばかりで、休憩してもすぐには回復してくれない。

この仕事を始めて以来、最大のピンチ!!。何とか歩き続けるのが精一杯で、息が上がっているのを気づかれないように少し離れて行く。と言うか、付いて行くのもムリな状態。

雲母坂に入って 40 分くらいでようやく水飲対陣の碑が見えた。

ここでもしばらく休憩したが、相変わらず心拍数は高いまま。

いつもの昼食場所の浄刹結界の石碑に着いた時は胸を撫で下ろした。

ひょっとしたら食事が喉を通らないのではないかと恐れたが、いつものおにぎり、カップラーメン、コーヒーのフルコースを胃袋に収めることができた。

幸い昼食後はほぼいつもの体調に回復した。

いつも展望を楽しむ場所も今日はガスのみ。

千種忠顕の碑。

ケーブル比叡駅そばの展望場所も今日は何も見えず、午後1時 20 分にゴールした。

これまではいつも山道で八瀬駅まで下りていたのだが、さすがにこの天気と体調ではヤブの中を歩いて下りる気にはなれず、ケーブルで下山した。

5月末に腰を痛めてからずっと運動不足状態が続いている。6月末にジョギングを再開してみたが、3日ほどで腰の調子が悪くなったので、それ以降は控えていた。

今月にはまた北海道遠征を予定しているので、腰痛がそれまで長引くとまずいと思ってジョグを控えていたのだが、今度は逆に運動不足が顕著に出てきてしまった。ジョグを控えている時も夕方に小一時間の散歩はやっていたが、これでは運動不足解消にはならないようだ。

さじ加減が難しいところだが、北海道遠征まであと1週間。ダメージを残さない程度の運動はしておかないと北海道で満足に歩けなくなってしまいそう。