瓢簞崩山

昨日、夕食を終えてくつろいでいたら、アルコールがまわったのか、練習会の疲れがどっと出てきた。
キャノンボールを終えた後よりもひどかったくらいで、風呂でも椅子に腰掛けて、しばらく一息いれなければならないくらいだった。
しかし翌日には登山教室の仕事が入っている。
何があっても行かない訳にはいかないので、風呂から上がったら早々にふとんに入った。
疲れすぎるとなかなか寝付けないという症状が少し出たけれど、幸い朝起きた時には疲れはほとんど消えていた。
今日の行き先は京都北山の瓢簞崩山(ひょうたんくずれやま)。
山名は中学生の頃から知っていたけれど、登ったのは何と今日が初めてだった。

天気予報通り、朝から本降りの雨で、気分は重い。たまに雨が弱まって日射しが一瞬差すこともあるが、またすぐに本降りになる。
ただ、午後には回復するとか。
9時半過ぎに歩き出した時には雨は小降りになっていたが、雨具は上下とも着たままにした。こういうことを想定して、涼しい薄着のウエアにしておいた。
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江文神社の境内で少し時間を取ってから、一周トレイルルートで江文峠に出る。
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ここで読図の勉強をする。地図と磁石で正しい方向に歩く方法を学んだ。
私自身はこれまでの山歴の中でこういう方法で歩いたことはほとんど(まったく?)無い。
なぜならこういう技術が必要になるような不明瞭なヤブ山歩きというものをほとんどやってこなかったからだ。
山スキーでは大切な技術なのだが、私が本格的に山スキーをやり出した頃にはすでにハンディ gps が登場していて、私も早々に入手した。
地図と磁石で正しく歩く手法で最も重要なのは、現在地点を正確に把握するということなのだが、実はこれが非常に難しい。
道標がしっかりしているルートでは道に迷うようなことは少ないし、視界が悪くてうっかり変な方向へ行ってしまったような時は、おかしいと気が付いた時には現在地点を知ることなどもはや不可能に近い。
こういう技術は登山のイロハのようなもので、必ず身につけておく必要があるとは思うが、現実的には今なら各自が gps を持って、gps の使い方に精通しておくのが一番安全だと思う。
金比羅大権現の前で車道を渡って、静原へ行く道から分かれて瓢簞崩山への道に入る。最初はなかなかの急登。
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最初に目標設定した 471m ピークに到着。雨はほとんど止んでいる。
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目標を再設定して、さらに進む。
ちょっとした峠のような場所ではミツバツツジとヒカゲツツジ。
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寒谷峠には 12 時半に到着。
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それから 10 分ほどで瓢簞崩山(532m)に到着して、ここで昼食。
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真正面には比叡山が望める。
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昼食後はほぼ南の方向に、稜線伝いに下って行く。
横高山と水井山がきれいに望める箇所があった。
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少し先が二本松。
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ハルリンドウ。
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京都の街が足元に。
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日曜日だと言うのに今日は誰にも出会わない。
このあたりはマツタケ山のようだ。
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ほどなく崇道神社に下りてきた。
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ここで解散して、地下鉄の国際会館へ行く人と京福の三宅八幡へ行く人に分かれたが、私は高野川沿いを出町柳まで歩くことにした。
京都生まれの京都育ちで、賀茂川沿いは通勤ランも含めて数え切れないくらい歩いてきたが、高野川沿いというのはこれまで歩いた記憶が無い。車道を車やバスで走ったことしか記憶に無い。
高野川沿いになってもなかなか河川敷に下りられず、歩道も狭くて閉口したが、修学院を過ぎてしばらく行ったあたりでようやく河川敷に下りることができた。
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三宅八幡から 50 分くらいで出町柳にたどり着くことができた。朝方とはうって変わって、強い日射しが川面を照らしていた。

山田池練習会

このところ登山教室の仕事と練習会が重なっていて、今日はほぼ1ヶ月ぶりの練習会だった。
ヘルニア手術後は練習会に行ってもキロ6分くらいのジョグをせいぜい 10km くらいやるだけで、練習と言えるほどの中身の走りはまったくやっていない。
練習らしい練習をやったのはおそらく昨年の9月くらいが最後だったと思う。
そこで、今日は少しはまともな練習をやりたいと思っていた。
昨年の4月に UTMF の参加が決まってからは、山田池での練習コースは1周 8km 弱のクロカンコースばかり走っていたので、通常の周回コース(2.45km)での練習はもう1年以上走っていない。
今日は久しぶりにこの周回コースを、できれば8周行きたいと思っていた。
とは言っても以前のように1周 11 分台というのは到底ムリなので、13 分前後で周回を重ねることができればと思ってスタートした。
スタート直後から単独走になってしまって、1周目は 13’12″。体感的にもそんなところだろうという感じ。
2周目は 12 分台になったようだったが(実際は 12’52″)、タイムはあまり気にしないようにした。
3周目くらいになってちょっと身体が慣れてきた感じ。心拍数は登り坂の終盤では 160 を少し越えているが、それ以外は 140 台なので、まだ余裕がある。
4周目に入ったところで、後ろから息づかいの激しい人が近づいてきた。さっき抜いたベテランの方が追いかけてきたのだろうと思ったところ、私より一回り若い実力派のスピードランナーだった。
私より1周速く走って、オーバーペースになってしまったのかも知れない。
後ろにつかせてほしいとのことだったので、思いもよらない実力派ランナーと併走することになってしまった。
私自身もいささか緊張気味で、後からタイムを見たら4周目は 11’58” で、予想外の 11 分台に突入していた。
5周目以降もほぼ 11 分台で、心拍数は平均で 160 を少し越えるくらいに上がっていた。
不思議なもので、それでも結構しゃべりながら走っていた。決して楽では無かったけれど・・・。
その人が先に8周を走り終えて、ラストの1周はまた単独走になった。
精神的にも体力的にもかなりきつかったが、何とか 12 分ちょうどで走り終えることができた。
最後の3周くらいは坂の上りでは心拍数が 170 くらいまで上がっていた。もうこんな強度まで追い込む走りをすることは無いだろうと思っていたので、まだやればできるということがわかって多少はうれしかった。
結果的には併走してくれた○ンドウさんのおかげです。ありがとうございました。

霊仙山

柏原駅の前にあった霊仙山への標識に従って南へ向かう。午後2時半少し前。
もし時間がかかりそうだったら途中で引き返すつもりだ。

中山道を横切り、信号の無い国道を渡り、名神高速の高架をくぐって、しばらく車道を進むと、登山道入り口の標識が現れた。
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この時間から標高 1000m を越える山に向かうのはちょっと無謀かもと思った。このあたりは標高 200m くらいだ。
車道を行くのか山道に入るのかよくわからない箇所があったが、朽ちた標識に気が付いてしばらく車道を進むと、次第に山道になってきた。
一合目までは駅から 40 分くらいだった。
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ここまでの道は緩い登りで時間が稼げた。
沢筋の樹林帯で少し暑くなってきたので、ライトジャケットを脱いで、ジェルを補給した。
スタートしてほぼ1時間で二合目に到着。
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しかしここで道が尾根筋になって、また西から強い風が吹いてきた。
三合目あたりではまたライトジャケットを着ることになってしまった。
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道ははっきりしていて迷うような心配は無いけれど、やはりと言うべきか、時間がかかっている。
四合目は午後3時50分。
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ここには朽ちた避難小屋があった。
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上に上がるにつれて風が強くなってきた。
五合目はちょうど午後4時だった。
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2時間くらいで頂上にたどり着けないかと思っていたが、どうもそれは厳しそうだ。
しかしここまで来たらもう前に進むしか無い。引き返すという気持ちはすでにまったく無かった。
順調に六合目を通過。
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七合目は午後4時15分。
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スタートしてほぼ2時間でようやく八合目まで来た。
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ここを越えると高い木が無くなって、頂上エリアの雰囲気になってきた。
しかしおかげで風がさらに強くなり、しばしば身体を持って行かれるくらいの強風にさらされるようになった。
ザックの中には軽いベストと雨具の上下が入っているが、この強風の中ではザックを開けてごそごそする気にはなれない。うっかり飛ばされてしまいそうだ。
前方に避難小屋が見える。
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あまりにも風が強いので、地図を出して現在地を確認する気にもなれず、何となくもうあと少しかなと思っていた。
八合目から 10 分少々で避難小屋へ。
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この先が頂上かと思ったのだが・・・
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登り着くとそこは経塚山で、頂上はさらにその先だった。
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最高地点(1098m)は霊仙山の少し東側にあるらしい(上の写真の背景の山)。しかしもはやここに立ち寄る余裕は無い。
一度少し下ってから、足元に石灰岩の突起がたくさんある歩きにくい斜面を、強風にあおられてふらふらしながら登って、午後5時直前にようやく霊仙山の山頂(1084m)に到着した。
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もうあたりはすっかり夕刻の雰囲気で、展望を楽しむ余裕も無く、写真を撮ったら早々に下山に向かうことにした。
当初は醒ヶ井の方に下りようと思っていた。こちらに向かうと早めに車道に出られそうなので、車道に出てしまえば暗くなっても何とかなるだろうという目論見だったのだが、そちらへ向かう道がわからない。
少なくとも山頂からその方向には道らしきものは見あたらない。
私が持っている古い地図では来た道を少し北に戻った所から西に分かれているのだが、そういう標識は見あたらなかった。
と自分では思っていたのだが、帰ってから写真を見てみると、経塚山頂の標識に『落合・榑ヶ畑(くれがはた)』とあって、実はこれがその方向だったのだ。
山頂と経塚山の間に下りた時に、その方向に向かうかすかな踏み跡があって、少し行ってみたのだが、はっきりした標識が無かったので、この時間にこの状況で不安な方向に向かうのは危険と思って、その時点で来た道を引き返す決断をしたのだ。
登りが2時間半ほどだったので、道の状況を考えると2時間はかからずに下山できるだろうと思った。6時半くらいまでならライトを点けずに歩けると思ったので、その頃には登山道は終わっているはずだと思った。
とにかくこの強風から一時も早く逃れたいと思った。それには未知の不安な道を進むよりも、来たばかりの記憶の残る道を戻る方が、精神的にも楽だと思った。
八合目まで戻ると吹きさらしエリアからは脱出できた。しかしまだまだ風は強い。
時間はすでに午後6時前。何とか暗くなる前にしっかりした道まで戻りたいと思って、走れるようなところは走った。
ただ、結構疲れているはずなので、ミスで転倒したりしないよう、気持ちを落ち着けるつもりでジェルを補給した。
6時25分くらいにしっかりした道まで戻ることができた。
メモしてきた電車の時間を見ると、次の電車は6時55分くらいだ。何とかこの電車に間に合わせたいと思って、車道に出てからはずっと走った。
柏原駅に帰り着いたのは6時45分だった。
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何とか暗くなってしまう前に戻ってくることができた。
このところ登山教室の仕事が早く終わると、個人的にアフターを楽しむ習慣になってしまっているのだが、この日のアフターはいささかやり過ぎだと思った。
こういうことはもう少しほどほどにした方が良さそうだ。

清滝山

月曜日は登山教室の随行で滋賀県の清滝山へ行った。元々は4月4日の予定だったのだが、雨のために一週間延期になった。
『清滝』という名前を見ると京都の人間は前日に行った愛宕山麓の清滝を思い出すのだが、実は東海道本線を隔てて伊吹山の南側にある小さな山だった。

このところの登山教室は天気予報では晴れなのに、実際は曇りで気温が低い日が続いていたが、この日は陽が差して好天になりそうだった。ただし冷たい風が吹いていたので、ライトジャケットを着たままで歩き出した。
スタートは東海道本線の柏原駅(かしわばら)。
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中山道の宿場町として栄えた街だそうで、なかなか味のある街並みが残っている。
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中山道からそれて登山口へ向かうと、目の前に清滝山が見える。
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右前方にはつい先日登った伊吹山。
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清滝寺の参道はまだ桜がきれいだ。
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徳源院には京極家の墓所がある。
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境内の道誉ざくらがみごとだったが、ピークは1週間前くらいだっただろうか。
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いよいよ登山道に入る。滑りやすいかなりの急登がしばらく続く。
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登り始めて 20 分くらいで清滝山の山頂(438m)に到着した。山頂には NHK の電波塔が建っている。
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北には伊吹山がど〜ん。
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南は霊仙山と鈴鹿の山(鈴北岳?)。
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柏原の街並みが足元に広がっている。
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昼食を済ませて下山に向かう。
稜線にはミツバツツジ。
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下山路は階段。
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下山した場所は実は清滝寺のすぐ近くで、『清滝のイブキ』という大きなイブキの木がある。
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このあと、一部の人たちは京極家墓所の拝観に向かわれて、他は北畠具行の墓に向かう。
再度ちょっとした山道へ。
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フェンスを開けて少し登ると北畠具行の墓がある。
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山道を少し下ると中山道に合流した。
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ここから中山道をゆっくり 20 分ほど歩いて、柏原駅に帰り着いた。
しかしまだ2時半にもなっていない。
この日は早く終わることが想定されたので、時間があれば霊仙山を目指してみようかと企てていた。
しかし地図にルートを引いてみると、ピークまで 10km くらいある。下山も含めるとほぼ 20km だ。
清滝山から眺めた霊仙もかなり遠かった。
どうしようかと迷ったが、天気も良く、このまま帰るのはあまりにもったいない。
中山道を歩いて醒ヶ井までというのも頭に浮かんだが、元々あまり文化的な人間では無いし、中山道の知識があるわけでもないので、やはり行けるところまで行ってみようと思い、一人で霊仙に向かうことにした。

愛宕山

日曜日は登山教室で愛宕山へ行ってきた。
今回は一回限りの特別イベントで、参加者がそれぞれの自分の体力を知るという目的で、自分のペースで愛宕山の表参道を登るという企画だった。
私は先頭で自分のペースで登っていいということだったので、久しぶりに心拍計をつけて臨むことにした。ただし上で作るぜんざい用の材料の分担(水 2L x 2)などがあって、荷物はそれなりにあった。
集合は清滝のバス停だったが、京都市内のバスには乗りたくないので、以前と同様に JR の保津峡駅から歩いて行くことにした。
保津峡駅付近はまだ桜がけっこうきれいだ。
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ほぼ 40 分で清滝に到着。
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バス停に集合してから鳥居の所に移動して、ここを9時53分にスタートした(80m)。
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いきなりなかなかの登りなので、オーバーペースにならないようにじっくりと登る。
20丁目を10時07分に通過して、25丁目は10時17分。
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心拍数は145くらい。まぁまぁというところ。
30丁目を10時28分に通過。
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湿度が高いのか、かなりあせをかいてきた。心拍数も上がってきて、登りが急なところでは155くらいまで上がる。
かわら投げスポットを10時42分に通過。ここは眺めが素晴らしい。
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水尾への分岐が10時48分。ここまで来るともう急な登りはなくなる。
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額の汗がサングラスにしたたり落ちる。
黒門を11時01分に通過。あとわずかだ。
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表参道は道幅が広いので、追い越しやすれ違いであまり気をつかわなくてもいいのがありがたい。
いよいよ最後の石段が見えてきた。
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愛宕神社本殿(924m)には11時10分に到着した。スタートして1時間17分だった。
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一人でトレランに行った時は標高差100mを10分というのが基準なので、ここの標高差(約850m)だと1時間25分が想定タイムになる。今日はこれだけということがあらかじめわかっていたので、若干速めのペースになった。
石段を下りたところで待つこと30分くらいで最初の人が現れて、最後尾までは30分くらいの差しかなかった。
もっと時間のかかる人も出るのではないかと思っていたので、思いのほかみなさんいいペースだったように思う。
その後は石段の横のスペースで昼食、そしてぜんざいを楽しんで、午後3時半頃に鳥居まで下りてきた。
バス停で解散して、私はまた一人で保津峡まで歩く。
トロッコ保津峡駅の近くでトロッコ列車が走っているのに出会ったが、木の間からだったのであまりはっきりとは見えなかった。
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どうも一般の登山者(登山客?)は下りが苦手という傾向があるように思われる。
私自身もバランスが悪いのでテクニカルな下りは苦手だが、脚筋力に関してはあまり問題無いと思っている。下山後に大腿四頭筋の筋肉痛が出るようなことはまずほとんど無い。
一般の方々はそのあたりの筋力に弱点があるようで、登りのスムーズさに比べると簡単な道でも下りが遅いと感じることが多い。
大腿四頭筋は通常の日常生活ではほとんど鍛えられることが無いので、意識的に階段の下りやスクワットなどで負荷を与えないと、山で苦労することになる。トラックやロードのランナーも同じようなものだが。

伊吹山

昨日は登山教室で滋賀県の伊吹山へ行ってきた。
伊吹はこれまで何度か登っているけれど、これまではすべて冬で、雪の無い季節に行くのは初めてだった。
もう少し好天を期待していたけれど、朝方かかっていた上部の雲はそのままで晴れ間はほとんど無く、山頂エリアは冷たい風が吹いて思いのほか寒かった。

電車とバスを乗り継いで、9時過ぎに登山口に到着した。登山口には三之宮神社。今日はめずらしく、シンプルに表登山道を往復する。
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百名山とやらにはまったく興味の無い私は、伊吹山が百名山の一つということを初めて知った。
車道から登山道に入る案内板が出ているが、ここに入らずにほんの少し車道を進むと、『ケカチの水』と呼ばれる湧水がある。
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この横から登山道に入る。
この山は石灰岩質で、前日かなりの雨だったので、足元が滑りやすい。
しばらく登って車道を横切って、かつてのゲレンデに出る。
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このあたりから琵琶湖が足元に眺められるようになる。
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伊吹山は植生の豊かさで有名だが、その方面にはいたって疎い私にはあまり興味の無い対象だったのだが、登山教室の皆さんはその方面に大変詳しい方が多く、『私は興味がありません』という訳にはいかない。
何度見てもなかなか花の名前が覚えられないが、できるだけ注意してしっかり眺めるようには心がけている。
五合目の広いエリアには花の名前を解説した看板が二カ所に立っていた。
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伊吹山スキー場がすでに営業していないということを昨日初めて知った。かつてのレストハウスなどか朽ちていて、リフトは撤去されている。一抹の寂しさは感じるけれど、自然の保護という観点ではいいことなのだろう。
まぁでも近場のスキー場がどんどん閉鎖されていくのは、自然保護というよりは単にスキー人口の減少で営業が成り立たなくなってきたというだけのことだと思うが。
冷たい風が強くなってきたので、脱いでいたジャケットを羽織る。
六合目を過ぎると高い木はまったく無くなる。この程度の標高で、しかも西日本で、こんなに木の無い山というのは珍しいのではないかと思う。
山頂エリアに近づくにつれて傾斜が強くなって、滑りやすい岩がたくさん出てきた。このあたりの斜面はスキーで滑り降りるには絶好のスロープだった。
12時半頃にようやく山頂(1,377m)に到着した。
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昼食後は山頂エリアを辿って三角点を目指す。
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それなりの展望は得られたが、寒かった。
今日は花の観賞というのも一つの期待だったようだが、まだいささか早かったようで、目ざとい人たちはいろいろと発見していたけれど、もし私が一人ならおそらく何も気付かずに通り過ぎただろう。
これはアマナというらしい。
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高山植物は陽に当たらないと花が開かないというものが少なくないようで、アマナも閉じたままのものが多かった。
五合目には大正時代にここでのスキー場に着目した中山再次郎氏の像が立っている。
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かつてあった愛宕山のスキー場も氏の発案とか。
午後4時過ぎ発のバスに合わせて、ちょうどいい時間に無事下山した。

銚子ヶ口

昨日は登山教室の随行で、鈴鹿の銚子ヶ口へ行ってきた。
私にとっても初めての山で、山名を聞くのすら初めてだった。

貸し切りバスで京都駅を7時半にスタート。名神を八日市で下りて、永源寺のそばを通って登山口の杠葉尾(ゆずりお)で下車して、9時半頃に登りだした。
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天気予報では好天で、暑くなりそうな気配。しばらく樹林帯をしっかり登る。
木の間に見えるのは釈迦ヶ岳。
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片方が切れ落ちたいやらしい部分があったり、滑りやすい急な登りに神経を使わされたりして、2時間少々で肩のような場所に到着した。本峰へはあとひと登り。
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期待に反して天候はいまひとつで、冷たい強風が吹き付ける。
登り着いたところはまだ東峰。
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ここから数分でようやく銚子ヶ口の山頂(1076.8m)に到着した。私にとっては今年初めての1000m越え。
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山頂は狭いので、少し下った広い場所で昼食。ちょうど12時だった。ここは風が当たらないのでゆっくりできた。
このあたりはイワカガミの群生地帯のよう。
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昼食後はさらに先へ進んでまずは西峰へ。
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ほどなく大峠。
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ここから有志で大峠ノ頭(1087m)へ向かう。本日の最高地点。
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沢筋には雪が残っている。
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大峠に戻って水舟の池へ。
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こんな場所にこんな大きな池があるとはちょっと驚き。
途中にはハルリンドウがちらほら。
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当初予定の場所はすべてトレースしたので、往路と同じ道を下山に向かう。午後2時前で、今日のコースはなかなかの長丁場だ。
水舟の頭への急登を登り上げる。
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その後は来た道を忠実に辿って、午後4時半頃に登山口に下山した。
なかなかシブイ山で、こんな機会でも無ければおそらく来ることも無かっただろうと思う。土曜日にもかかわらず出会った登山者は10人程度で、休日に近場の山へ行くならこういう山がいいなと思った。

UTMF 2016

せっかくエントリー資格があるので取りあえず手続きだけはしておこうと思ってエントリーした UTMF 2016。
今年も2倍程度の競争率になったようだが、昨年に引き続いて当選した。
昨年は本番直前に体調をこわして、河口湖まで行っての DNS という情けない結果に終わり、しかもその後は椎間板ヘルニア、そして手術という散々な日々を過ごすことになったので、一時期は『UTMF』という言葉から意識的に距離を置いていたこともあった。
大会参加はしばらく辞めようと思っていたが、完全に辞めてしまうとそれでなくても低下する走力が一段とひどくなると思って、先週はキャノンボールランに参加した。
男女ペアで走力のある相棒と走ったせいか、終盤はこれまでで一番しっかり走れて(歩けて?)、復路はこれまでのベストタイムだった。
やはり大会で納得のいく結果が出ると気分はいいもので、昨年のキャノンボールランでは序盤の転倒で痛めた右膝の悪化で片道でリタイアして、失意で帰宅した後とはまったく違って、今回のUTMF の抽選はできれば当たってほしいと思っていた。
昨年は『当選』という文字が目に入った時は一瞬とまどいの気持ちがあったが、今年は『良かった良かった』と安堵した。
私がこういう大会で納得のいく結果が出せるかどうかのポイントは、走れるパートをきっちり走れるかどうかということ。特に UTMF はロードや平坦な部分が以外とたくさんあるので、ここで極力歩かないことが完走のポイントになる。
山岳パートを頑張って体力を消耗して、下山してからのパートを歩いてしまうというのだけは避けなければならない。
これまでいくつかのトレイルレースに参加してきた感触で言えば、山岳パートでの走力(歩き力)はそんなに悪くないと思うのだが、疲れてからの平坦なロードなどの簡単な部分での走力がまだまだ不十分だと思っている。どんなに遅くても、歩きになってしまってはいけない。
昨年もそこがポイントになるということは認識していたけれど、今年はもっとそのあたりに重点を置いた練習をしていきたいと思っている。

六甲縦走キャノンボールラン

週末は六甲縦走キャノンボールランに参加してきた。
最後の最後で少し雨に降られたけれど、全般的に好天で気温は低めといういいコンディションだった。
大会の Facebook ページの情報で、夜間はかなりの低温予報(朝方は-7度とか!!)だったので、下に着る予定だった半袖Tシャツを急遽山用の長袖に替えた。
スタート時は上は長袖アンダーに長袖シャツ、下はロングタイツ。
土曜日の夜9時に須磨浦公園をスタートするが、アップの必要も無いので8時20分頃に到着。
寒いのでジャケットを脱ぐのはギリギリにしようと思っていたが、この大会の参加者は若者が多いせいか、この寒さにもかかわらず素肌を出したスタイルの人がたくさんいる。見ているだけでこちらまで寒くなる。
スタート前に何か説明があったが、少し離れた場所にいた。その後恒例の選手宣誓があって、いつの間にやら集団が動き出した。どうもスタートしたようだ。ほぼ予定通りの午後9時に須磨浦公園をスタートした。
往復の参加者は200人から300人程度なので、スタート直後の階段の混雑もそれほどではない。
空気が澄んでいて夜景が素晴らしい。月も満月に近い月齢だ。おかげで星はあまり見えない。
相棒の足の状態が多少気にはなるけれど、今のところは大丈夫とのこと。
須磨アルプスを下りて横尾の住宅街に入る直前の場所に何とエイドがある。こんな場所に夜にエイドがあるのは私は初めてだ。しかも並んでいるのは刺身と日本酒!!
一瞬躊躇したけれど、今回は目一杯楽しもうと思って参加したので、ハマチを一切れとおちょこに少し入った酒をいただいた。ウマイ!!
しばらくはエイドも無く、淡々と進む。
いつもビール付きのエイドのある菊水山の手前の水道局の前は、今回は無かった。ちょっとがっかり。
菊水山には試走時とほぼ同じ3時間15分くらいで到着。何と山頂にエイドがあり、ここもビールがあったけれど、さすがに寒いので缶詰の焼き鳥を温めたものを一切れいただく。
今回のシューズは HOKA を履いているのだが、どうも最初からしばしばつま先を引っかける。HOKA はソールが厚いせいか、以前からこういう違和感は感じていたが、長距離時のクッション性を考えて今回は HOKA にした。
鍋蓋山からの下りで走れる程度の緩い道を快調に走っていたら、左足を何かに引っかけ、ついに転倒。手をついて、ヒジのあたりを少し打ったけれど、幸い足や膝にはダメージはなかった。
大龍寺のエイドはいつも充実していて、小さなおにぎりと豚汁をいただいた。唐揚げがたくさんあったけれど、私は普段から唐揚げはあまり食べない。
気温が下がってきている感じだったので、桜茶屋でライトジャケットを羽織る。
摩耶山を登り切る少し手前に小さなエイドがあって、あたたかいレモンティーをいただいた。寒かったのでこれはおいしかった。
掬星台にはスタートして5時間半で到着した。恒例のカレーエイドに直行する。何と今回は生ハムをフランスパンにはさんだものまで並んでいる。どちらもおいしかったです。
一軒茶屋までエイドが3カ所くらいあったように思う。ドライブウェイに出たところにあったエイドのマーマレードのお湯割りもおいしかった。
一軒茶屋手前あたりからはぼつぼつ引き返してくる上位選手に出会うようになった。以前は復路は片道組と同じく朝8時のスタートだったが、今回は各自適宜引き返してもいいというルールになった。
塩尾寺下の広場にはスタートして9時間17分で到着した。広場にはエイドがあったので、スープをいただいた。さすがにビールを飲む余裕は無い。
手袋を脱ごうとしたら、転倒時についた左手をすりむいて結構出血しており、傷口に手袋がへばりついて痛かった。バンドエイドで応急手当をした。
持参したおにぎりを食べて、20分少々の休憩で午前6時40分に復路をスタートする。
休んだ直後はリズムが戻るまでが苦しい。急な車道を上がって登山道に入って、ようやくリズムが戻ってきた。長距離トレイルではどちらかと言うと走れる下りよりも歩いて登る登山道の方が楽だ。
ドライブウェイに出るまで1時間50分くらいかかった。
一軒茶屋にはエイドは無く、復路の最初のエイドはみよし観音を越えたあたりだった。ここでいただいた煮込みうどんは本当においしかった。味噌とキムチ味で、これまでのエイドで一番おいしかった。
六甲山牧場の手前、ドライブウェイから山道に入る分岐を見逃して、少し先まで行ってしまった。この分岐には屋根のある休憩所があって、その手前にもおなじようなものがあるのだが、二つ目をまだ一つ目と思い込んで通り越してしまった。ロスタイムは3分程度だったと思うが。
掬星台の東屋のエイドでは小さなラーメンをいただいた。餃子と鶏肉が入っていて、これもキムチ風味でピリッとしていておいしかった。ここまでスタートしてほぼ4時間。
1時間以上あとからスタートした片道の速い選手たちが急な山道をガンガン下って行く。こんな道でよくあんなに飛ばせるなと感心するが、かつての自分はどんな風にこういう所を下っていたのだろうか。
キャノンボールの片道のトップ選手のタイムはおおむね5時間前後。私がむかし六甲全山縦走タイムトライアルに3回参加した時のベストタイムは5時間1分なので、おおむね同じくらいのスピードで走っていたことになる。
登りは多少の山道でもほとんど駆け上がった記憶はあるけれど、下りはあんなには飛ばしていなかったと思う。
大龍寺のエイドではまた豚汁とおにぎりをいただいた。
菊水山の山頂のエイドではビールサーバーが見えたので、ついに解禁しようかと思ったところ、何と売り切れ。がっかりとほっとしたの半々という気分だった。
しかし鵯越の手前でビールサーバーを担いだ人に遭遇。ついにビール解禁にした。と言っても中くらいのカップに 2cm くらいなので、喉ごしを味わっただけという感じ。でもおいしかった。
菊水山を越えると、そろそろゴールが視界に入ってきた感じがする。まだ距離的には 10km 以上残っているけれど、あとは高取山と須磨アルプスを越えるだけ。最後の鉢伏山はコブのようなものだ。
鬼門の丸山の住宅街も迷わずに通過した。しかも今回はスロージョグとは言えまだ走っている。初めてキャノンボールに参加して須磨浦公園から往復した時は、復路のこのあたりはもうほとんど歩いていたと思う。HOKA のおかげか、相棒がいるせいか、何が要因なのか自分でもわからない。
須磨アルプスへの登山口の所のエイド(往路で刺身と日本酒を頂いた)でまたビールを少しいただいた。どうもブレーキが外れてしまったようだ。
ところがこのエイドを越えて坂道を少し上がった所の広場にまたまたエイドがあるではないか。しかもまた生ハム削りのパフォーマンス付き。
生ハム.jpg
『さっきのビールを残しておいたら良かった』と冗談を言ったところ、『ワインがあります!!』という元気なお返事。これは頂くしかないではないか。
携帯カップを差し出したところ、何と半分くらいまでついでくれた。危険地帯の須磨アルプスの手前で生ハムとワインを楽しんでいていいのであろうか・・・。
須磨アルプスも無事通過して、栂尾山あたりのショートカットもしっかり利用して、400段階段を下る頃にはもはや気持ちはゴールに飛んでいた。
もうあと30分以内だろうと思っていた頃、雨が降り出してきた。
鉢伏山では瀬戸内海の景色を眺めることもなく、早々に最後の石段の下りに向かった。
須磨浦公園にゴールしたのは午後4時50分。復路はこれまでで最速の10時間10分だった。
ゴール1.jpg
ゴール地点にはビールや日本酒が雑然と置いてあったので、勝手に頂いた。
それから三宮の銭湯へ。そしてラーメンとビールでプチ打ち上げをやって、眠い目をこすりながら帰宅した。

キャノンボールランへ

今年もまた六甲縦走キャノンボールランに参加することになった。
ロードレースはしばらく参加するつもりは無く、トレイルも大会はもういいと思っていた。
しかしこの2月はじめ、キャノンボールのエントリーが始まって一日くらいたってからサイトを覗いてみたところ、パワー部門(全山往復)はまだエントリー可になっていた。
どうもこのところはスピード部門(片道)が人気沸騰で即刻満員になるが、パワーは以前に比べると参加希望者が減っているのではないかと感じられる。
大会への参加意欲が減退した今でも、この大会だけは目の前に『エントリー可』が見えると、そのまま素通りできない魅力がある。
と言うことで、勢いでエントリーすることにした。もはやかつてのようなスピードは望むべくも無いので、片道でタイムを追うことには興味が無い。
その後、クラブの練習会で、ある女性とおしゃべりしながら走っていたところ、どうもこういう大会に興味があるようだった。
彼女は大阪国際女子マラソンを3時間少々くらいで走る実力者で、鯖街道ウルトラの半サバ(全サバの半分少々の距離)や高山のウルトラで女子優勝というレベルなのだ。おんたけウルトラの 100K でも私より1時間以上速かった。
キャノンボールのパワーはすでに満員になっていたけれど、バディという男女ペアの部門はまだエントリー可だったので、主催者に問い合わせてバディに切り替えてもらうことになった。
そんなわけで強力なパートナーを得たのだが、本音を言えば安心というよりはプレッシャーだ。
2週間前に試走に行ったけれど、慣れていないせいか走れないような登山道ではあまり速くないものの、ロードでの走力はさすがのもの。六甲の縦走路はドライブウェイや住宅街などの車道部分が結構多いので、彼女が本気で走れば私より1時間以上は速いだろう。
昨秋のヘルニア手術のことは弁解がましく伝えてはいるけれど、あまりイライラさせるようなことはしたくない。
まぁ、そんなことを態度に出すような人ではないけれど。
と思っていたら、何と二日前に脚を痛めたとのこと。
彼女はこのあとにも本気レースをいくつか控えているので、ムリはしない方がいいと伝えたけれど、初キャノンボールランなのではやり行きたいとのことで、今晩のスタート地点の須磨浦公園に向かうことになった。
キャノンボールは降水確率が異常に高い大会で、今回も日曜日は怪しげだったけれど、さほど悪くは無さそうだ。
六甲の縦走は夜に限る、と言うのが私の印象。1年ぶりの夜景を楽しんできたいと思っている。