某旅行会社の京都東山トレイルツアーの引率に行ってきた。少し暑すぎるくらいの好天だった。
大阪の会社の主催なので、基本は大阪からバスでの発着だったが、私はスタート地点の伏見稲荷には自宅からの直行の方がはるかに近いので、現地集合にさせていただいた。
総勢75名という大集団で、3つのグループに分けて、私は第1グループの先頭を歩く。第3グループの引率は某カルチャーセンターの登山教室で講師を努めておられる方で、いつも一緒に歩いている。
お客様の顔ぶれはおおむね登山教室の方々と同じような雰囲気だが、若干観光客的な空気が感じられる。中高年の女性がメインだが、若い女性も散見される。
9時半頃に伏見稲荷のバス駐車場を出発して、伏見稲荷は表参道から入る。ここを通るのは初めて。私はここの会社のツアーは初めてなので、ツアー会社のベテランの方にリードしていただく。
さすがに連休の好天の京都、しかも大人気の伏見稲荷ということで、大変な観光客でごったがえしている。その中を何十人もの集団を引き連れて行くのはかなり大変である。
歩き出して30分ほど、まだ石段上りの途中のあたりで早くも脱落者発生。後ろの方におられたのでどんな方かわからなかったが、おそらくそこそこの高齢の方だったようで、お一人で引き返して電車で帰られるとのこと。
本殿の参拝時間などを取りながら、おおむね1時間で四ツ辻に到着。ここでしばし休憩を取って、ようやく人混みから離れて北へ向かう。
少し前に10人ほどの集団がいたが、トレイルコースではなく東福寺方面に向かったのでほっとした。
泉涌寺への石段をゆっくり登って、来迎院で紅葉を眺めて、今熊野観音でトイレ休憩を取る。
その後しばらく住宅街を歩いて、今日初めての山道らしい山道に入る。木陰で日射しが遮られて空気が爽やかだ。グループが離れないように登りはゆっくり歩く。
火葬場への車道に出て、本日最大の注意ポイントの渋谷街道の横断。1号線から入っている車に細心の注意を払って、全員無事に渡り終えた。
もう12時近いので、そろそろ空腹を感じる人が出てきている模様だが、予定の東山山頂公園まではまだあと1時間くらいかかるだろう。
今日一番の登りの清水山への登りに入る。前の方におられる元気そうな方々はもっと速く行きたそうな感じだが、それを抑えるようにゆっくり上がる。
脱落者も無く、30分ほどで清水山山頂に到着した。みなさん、お昼が待ち遠しそうだ。ほとんどの方は大阪市内を7時過ぎに出られているので、今朝の朝食はかなり早かったはずだ。お腹も空くだろう。
第1グループと第2グループは予定通り東山山頂公園での昼食だったが、第3グループは東山山頂公園までは待ちきれない人たちが出たようで、ここで昼食にされたと後から聞いた。
東山山頂公園への滑りやすい道を少し登って、午後1時頃にようやく東山山頂公園に到着した。ようやく昼食。提供された弁当をいただいて、持ってきたお湯で暖かいお茶とコーヒーを飲んだ。
40分ほど休んで、展望台で京都市内と西方面の山々を眺めて、大日堂のさわりだけを散策して、トレイルコースへの山道に入る。あとは下りのみ。
尊勝院での紅葉はまだ少しというところだった。
後続グループとの時間調整のために粟田神社を境内まで上がって、蹴上から南禅寺に向かった。
このあたりはまた大変な人混みで、南禅寺で40分ほどの参拝時間を取ったが、私はとてもその人混みの中に入る気分になれずに、集合場所の近くの溝に腰掛けて時間をつぶした。
平安神宮そばのバス駐車場にゴールしたのは4時前で、思ったよりスムーズに行動できたようだった。
カルチャーセンターの登山教室と違って大変な人混みの中で旗を振りながら歩くなど、登山道を歩くよりはるかに大変な部分があった。観光ポイントでは見所などを質問されるようなこともあって、そういう方面の知識がほとんど無いので戸惑うこともあった。こういうツアーの引率は山登りとは違う難しさがあることを認識した。
ギャラは登山教室よりはるかに良かったので、もしまた依頼されたら行ってもいいとは思うが、ツアーガイド的なことをもっとしっかり準備しておかなければならないので、なかなか大変だと感じた。
来年の UTMF
来年の UTMF の概要がようやく発表された。
これまで4月末の開催だったのが(第1回は5月)、9月末になるとのこと。4月末だと夜間の山間部ではかなり気温が下がって、低体温症に陥るようなランナーが出るので、それを避けるためらしい。
これまでの3回は天候に恵まれてきたが、9月末だとまだ台風の心配もありそうで、自然条件だけはどうしようも無い。
エントリー開始は3月の予定。参加費は昨年と同じく 36,000 円。
河口湖スタートゴールは変わらないようだが、コースの詳細は未定とのことで、例年のようにコース変更が出てくるだろう。
第1回の 156km から第3回の 168km まで毎回距離が延びて、おまけに制限時間は第1回が 48 時間だったのにその後は 46 時間と短くなっているので、完走率は毎回下がってきている。
UTMB などの他のメジャー大会との比較で言えば、昨年の第3回くらいの規模が標準レベルなのだろうとは思うが、これでは私が完走できる可能性は非常に小さいと言わざるを得ない。
できればそれまでにウルトラの大会を一つは走っておきたいが、これと言った大会はいずれも参加費が高く(2万円弱)、おまけにこのところ大会参加への意欲が減退してきているので、そこまで払って参加しようという気にはならない。
UTMF のようにそれが最大の目標レースであれば背に腹は代えられないが。
左足首の故障もまだすっきりしないし、UTMF もずいぶん先になってしまって、おまけに来年の3月にならないと参加できるかどうかもわからないし、どうにも意欲減退が否めない状態だ。
むしろしばらく冬眠していた登山熱の方が盛り返してきていて、この冬は久しぶりに山スキーに出かけてみようかという気になっている。
もう使わないだろうと思った古くて重いテントなどをオークションで処分して、軽量タイプの装備をこれもオークションで安く入手して揃えてきている。
久しぶりに山でテント泊をやってみたいと思っているが、さすがにいきなり雪山という訳にはいかないし、そんなに重い荷物は持ちたくない(持てない?)ので、近場の低山でのテント泊もいいかなと思っている。
信貴山、高安山
今日は登山教室の随行で生駒の信貴山、高安山へ行ってきた。
日曜日は初心者クラスなので、お寺や神社、展望エリアなどでゆっくりして、それでも5時前には家に帰っていた。
朝護孫子寺の下までバスで行って、10時前にスタート。もっと冷えるかと思ったが、それほどでもない。好天だ。
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紅葉が美しい。
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時間があるので朝護孫子寺の本堂へ上がる。
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展望台からは台高などたくさんの山が望める。
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山頂からはダイトレの山並みが目の前に。
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高安城倉庫跡に寄り道。
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昼食後は本道をはずれて高安山の三角点を踏む。ここは私は初めて。
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下山も初めてのルートで、恩智越え。しっかりした道で、下りたところには恩智神社がある。
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休憩だらけののんびり登山だったが、3時には恩智駅に到着した。
天気が良かったので、たまにはこんなのもいいかなと思った。
東山トレイル
来週は某トラベル会社のツアーで、東山トレイルの引率を依頼されている。
このコースは何度も行っているが、いつも一人でわき目もふらずに走るのみで、名所旧跡などには目もくれず、トイレの場所もあまり記憶していないので、そのあたりを再確認するために、ゆっくりと歩いてみることにした。
伏見稲荷駅のそばの公園をスタートしたのは12時過ぎ。さすがに好天の土曜日の昼ということで大変な人混みだ。
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本殿はいつもチラッと横目で見るだけ。
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いつもは千本鳥居は行かずに左側の脇道の方を行くのだが、今日はメインストリートへ。しかしあまりの人混みに耐えきれず、鳥居の外の土道の方を行く。
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『おもかる石』も行列。
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『こだま池』なんてしっかり見るのは初めて。
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四つ辻下の展望場所からは京都の絶景。30分ほどで四つ辻に到着。
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四つ辻からは荒神ヶ峰へ行ってみる。ここも初めて。
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展望が素晴らしいらしいが、どこからの展望なのかよくわからなかった。そのまま建物の脇の道を直進して、ほどなくいつもの道に合流した。
ようやく雑踏から解放されてほっとした。少し走ってみるが、やはり左足の調子はまだ良くない。
橋を渡ってからの住宅街では古い変な標識に惑わされたが、大きくはずれることなく進めた。下見に来ておいて良かった。
階段を上がって泉涌寺のエリアに入る。
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今熊野観音に休憩所とトイレがあるとのことで、少しルートをそれて確認しておく。どうも休憩所は階段を上がった上のようなので、建物だけを確認して本ルートに戻る。
このあたりの住宅街の道は記憶があやふやだったが、ミスは無しに六条山エリアへの山道に入った。
火葬場への車道に出る手前の山道の下りで、総菜パンをほうばる。
渋谷街道を注意して渡って、清水山へ向かう道に入る。少し急な登りがあるが、登りはすぐに終わる。
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清水山の山頂も初めて行ってみる。13時45分。展望はまったく無し。
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将軍塚へは14時ちょうどに到着した。
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ここでおにぎりを食べようかと思っていたが、数人の高齢者パーティがトイレ休憩で、先へ進みそうな雰囲気だったので、後で追い越すのがうっとうしいので先へ進むことにした。
ここからの下りは久しぶりに走れた。緩い下りでは左足の痛みも出ない。久しぶりのランで気持ち良かったが、あっと言う間に尊勝院へ到着。
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そして粟田神社へ。
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こんな時でないと行かないだろうと思って、境内まで上がってみた。
ここの手洗水はセンサーで自動的に流れるというハイカラなもの。そこで手を洗って、そばのベンチに腰掛けてあにぎりを食べた。
粟田神社の参道を通って三条通りへ出て、今日はここで終わることにした。14時半だった。
その後は三条京阪まで歩いて、寄り道もせずに帰ってきた。
山道はまったく不安は無かったが、住宅街は記憶があやふやで、下見に来ておいて良かった。これでもう大丈夫だと思う。
鎌ガ岳
今日は登山教室の随行で鈴鹿の鎌ガ岳へ行ってきた。
朝から気温が低く、特に午前中は西からの冷たくて強い風で、稜線歩きは寒かった。
いつものように貸し切りバスで京都から新名神を通って鈴鹿ドライブウェイへ。
新名神で思いがけない渋滞に出会ったが、事故だった。事故現場の横を通過する時に、頭から血を流した若者が救急車の横でぼぅっと立っているのが見えた。
武平峠(ぶへいとうげ)への登山口の駐車スペースは、平日だというのに満杯に近かった。
10時頃にスタートして、わずかな登りで武平峠に到着。
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ここからは稜線伝いに、風化した花崗岩のザレた道を行く。西からの風が冷たい。
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しかし鎌ガ岳までは近い。
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シャツ2枚だけではさすがに耐えきれず、途中で雨具の上を着て、11時過ぎに鎌ガ岳(1161m)に到着した。
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四日市と伊勢湾が望める。
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ここからは南西方向に延びる鎌尾根を行く。
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離れてみると随分険しく見えるが、実際のところはそれほどではない。足元は滑りやすいが、慎重に行けばそれほどの危険は無い。
歩いてきた鎌尾根を振り返るとこんな感じ。
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途中で昼食を摂って、水沢岳(すいさわだけ 1029m 地形図では何故か宮越山となっている)を通って水沢峠へ。
ここから宮妻峡へ下りてきた。
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最後の30分ほどは林道だったが、それ以外はほぼ全コース、緊張感の耐えないルートだった。
久しぶりの鈴鹿で楽しかった。
白山
無事、白山に登ってきた。予報通りの天候で展望はまったく無く、ただ頂上まで行って帰ってきただけだったが、それでも行かないよりは良かったと思う。
土曜日の5時半頃に別当出合の駐車場に着いた。着いた時は他に3台ほどの車が止まっていたが、みんなその後帰ってしまって、一人での気楽な夜になった。
久しぶりに車中でナベの一人宴会。キムチ鍋に締めはおもちで、満足してシュラフに入った。予想以上に暖かい。
今朝は3時起床。暖かい朝だった。カップうどんとおにぎり、そしてコーヒーを飲んで、4時前に出発した。
駐車場は別当出合の施設から少し下の河原に近い場所にあるので、少し登って行かなければならない。施設はすでに営業を終了しているので、人の気配はまったく無い。
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真っ暗な中、吊り橋を渡っていよいよ登りに入る。久しぶりのプラブーツなので歩きにくい。雪もまったく無いので、このあたりはトレランシューズで行きたいくらいだ。
少しして右足首のあたりでヒモが当たっているように感じたので見てみたら、樹脂のベロの部分がはがれていた。さっそく経年劣化の洗礼を受ける。
4時半に中飯場を通過。5時18分に甚の助ヒュッテに到着した。人の気配はまったく無し。このあたりから雪が少し出てきた。
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しばらく行くと今度は右足の具合が何かおかしいと思って見てみたら、何とソールの前の方が剥がれてきている!! これは一大事だ。予想していたとは言え、本心では何とかなるのではないかと思っていた。しかし本当に起こってしまった。
まだ登りの半分くらいしか来ていない。本来ならここで引き返すべきだが、いくら何でもそういうわけにはいかない。
いつまで持つかわからないが、とりあえずテーピングテープでつま先のあたりをぐるぐる巻きにして様子を見ることにした。
何とか行けそうと思っていたら、今度は左足も同じようにソールが剥がれてきた!! 左足もテープでぐるぐる巻きにする。
あたりがうっすらと明るくなってきて、黒ボコ岩を6時10分に通過。
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弥陀ヶ原を越えて室堂への登りに入ると、道にも所々雪が出るようになってきた。テープのせいで雪の上が滑りやすい。急な部分でキックステップができないので、片手のストックともう片手はハイマツの枝を持ったりしながら何とか上がる。
室堂には6時半に到着した。
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さすがにここまで来ると気温も下がってきたので、ヤッケの上を羽織る。そして最後の登りに備えてジェルを補給。
オーバー手袋をはめて、鳥居をくぐって頂上を目指す。
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ガスがかかって上部の様子がまったくわからない。道は雪になったり岩が出たり。しかし雪はさほど堅くはないので、アイゼン無しでも何とか行ける。
しばらく上がると突然、風が強くなってきた。このあたりだけなのか、天候の悪化なのか、よくわからない。ただ、気温はそれほど低くはないので、冬山のような状態では無い。
強風の中を耐えて上がると、あっさりと白山奥宮の石垣に到着した。ここは風がしのげるが、取りあえず御前峰の三角点まで行っておく。7時10分だった。
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御前峰の石柱で自分撮りをしたかったのだが、ここは強風が吹きさらしなので断念して、白山奥宮の石垣の陰でトライすることにした。
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展望はまったく無いので、早々に下山に移る。できるだけ早く強風のエリアから脱出したい。
そう思って少し急いで下っていたら、今度はソール全体が剥がれてきた!! つま先部分のテープで何とか留まっているという感じ。しかも両足とも。そうこうするうちに小雨も落ちてきた。
何とか処置しなければならないが、こんな場所で立ち止まっての作業などできない。ごまかしごまかしで、何とか室堂まで戻ってくることができた。
ここは雨も風もしのげるので、ベンチに腰掛けてブーツの補修をして、大福モチを食べた。雨が降ってきたので、オーバーズボンもはく。
8時過ぎに室堂を出発。はたして下までブーツがもってくれるだろうか。テープ補修はすぐに緩んできて、しばしばソールがパカパカと浮く。着地の瞬間にバランスを崩しかねないので、慎重に下る。
弥陀ヶ原の上のあたりで一人で登ってくる人に出会った。今日初めて登山者に対面した。その後、黒ボコ岩に下のあたりで二人パーティにも出会った。しかし今日出会ったのはこの2パーティだけだった。
甚の助ヒュッテの上あたりでもう一度ソールの補強をする。もうテープもほとんど残っていないので、これ以上ひどくなったらソールが剥がれた状態で歩かなければならないだろう。しかしここまで来ればはだしでさえなければ何とか下山できると思う。
中飯場の下あたりでついに左足のソールが完全に崩壊!! しかし何とか歩けそうだ。堅い樹脂なので濡れた岩などは非常に滑りやすいが、注意すれば何とかなる。アンバランスなので右足のソールも剥がしてしまおうと思ったが、テープが以外としっかり貼り付いていて、取ることができなかった。
吊り橋が見えてきて、ようやくゴールがすぐそこまで近づいてきた。
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10時8分、無事駐車場まで戻ってくることができた。
それにしてもこんなブーツでよく無事帰って来られたと思う。
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何事も無かったので良かったものの、もし事故でも起こしていれば無謀登山と言われたに違い無い。しかしこれも経験のうち。こんな経験はやろうと思ってもできるものではない。
冬山ブーツを新調すべきかどうか、悩ましい・・・。
思い立って白山へ
故障が長引いている。キャノンボールのおかげで治ったと思っていた左足首(ひょっとしたらアキレス腱?)の痛みがぶり返してきた。今週、2回ほどジョグに出かけたが、1km も行かないうちに痛みが出て止めてしまった。
そんなわけで、今日の練習会もパス。これからしばらく予定が詰まっているので、たとえ故障が治っても次に練習会に出るのは年末になりそうだ。
走るのはキビシイとは言え、歩きなら何とかなる。
と言うことで、急遽、山へ行ってみることにした。それも白山(2702m)。天気予報では明日は雨模様だが、午前中は何とか持つかもという期待で、出かけることにする。いずれにしても山の上では雪だ。
おそらく 20 年ぶりくらいであろう、プラスティックブーツを取り出してきた。経年劣化していると思われるので、突然の崩壊が心配だが、わざわざ新しいブーツを買うほどの意欲は無い。
久しぶりの本格的な雪山。かなりワクワクしている。
皆子山
昨日は登山教室の随行で皆子山(971.5m)へ行ってきた。
皆子山は京都府の最高峰だが、滋賀県との県境に位置している。完全に京都に位置している山で最高峰は峰床山(970m)。
より大きな地図で 皆子山 を表示
天気予報では降水確率 50% 以上だが、多少の雨なら中止にはしないというのがこの講座の方針。単に好条件の山歩きを楽しむというだけではなく、アクシデントや悪条件でも対応できる技術も学ぼうというのがスタンスなのだ。
貸し切りバスで京都を出て、うまい具合にアシビ谷の入り口までバスで入れた。歩き出したのは9時過ぎ。小雨が降っているので雨具を着て出発する。
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昨日から雨が降っているのか、水量が多く、水も若干濁っている。『立ち入り禁止』の札をくぐってアシビ谷へ入って行く。
最初は荒れた林道を少し行くが、随所で路肩などが崩れている。
ほどなく本格的な登山道になるが、しばらくは沢沿いで、しかも近年の台風やら大雨やらで非常に荒れている。
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岩を飛んだり、淵をへつったり、1カ所ではロープを張って安全を確保しながら、ゆっくり進む。
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11時前にようやく皆子山へ上がるツボクリ谷の出会いに到着。ツボクリ谷に入ると谷はかなり小さくなるが、今度は傾斜が急になってくる。
昼過ぎにお昼休憩を取って、谷をつめてからは足元が濡れて滑りやすい急斜面を木の枝を頼りに登り切り、13時38分に皆子山の頂上に到着した。
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天候のせいもあり、展望はまったく無い。雨も収まっているので、雨具を脱いでライトジャケットに着替える。
下山は東側の尾根につけられたしっかりした道を平に下りる。私の若い頃はこの道は無かった。植林に使われていた道が登山道としてきれいに整備されたらしい。
昔はこのあたりは強烈なヤブ山で、ルートをはずすととんでもないことになってしまったのだが、何年か前に北山の笹が何十年に一度からの開花でその後一斉に枯れて、それまで激ヤブだったところがすっきりしてしまっているらしい。
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下山はルンルン道で、最後の方は少し急になっていたが、平の正教院には3時頃に下りてくることができた。
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なかなかのスリリングなルートで、よく全員ケガも無く歩き通せたことだと思う。お客様には30台の若い方もおられるが、平均するとおおむね60歳くらいだと思う。しかも女性の方が多い。なかなか大したものだと思う。
キャノンボールのダメージで、右足の腓骨筋の腱のあたりに痛みがあり、外果の上が少し腫れている。下りで特に痛みが出てくる。
キャノンボールの前は左足首の痛みで1週間ちかくまったく走っておらず、キャノンボール後は右足の痛みでまたまったく走っていない。もう2週間ほどまったく走っていない状態で、こんなことはいつ以来か思い出せないくらいだ。
そんな訳で今日の練習会も休み。少なくとも腫れが治まるまでは走る訳にはいかない。
これだけ完全休養が続くと、何となくそれが普通の生活パターンになってしまいそうで、若干心配ではある。ただ、どういう訳か体重はまったく変わらない。
Jack Bruce 逝く
数日前、Cream のベーシストだった Jack Bruce が亡くなった。往年の大物ロックバンドのメンバーはほとんどがすでに誰か他界しているのだが、数少ないフルメンバーの残っていた Cream もついにメンバーが欠けることになってしまった。
これでもう二度とあのサウンドを聴くことはできないのかと思うと、非常に淋しくなる。
私がロックに興味を持ち始めたのは 1970 年あたりなので、Cream の現役時代は知らない。
深夜放送や FM の番組などでいろんなバンドを聞いて、初めての本格派ロックバンドとして Led Zeppelin のコンサートに行ったりした。
Cream を初めて聞いたのもおそらくラジオで、ライブ演奏の Crossroad にはぶったまげた。特に Jack Bruce のベースはまるでリード楽器のような自由奔放な演奏で、あんな弾き方をするベーシストはジャズの世界でもまだいなかったと思う。
私にとって史上最高で最強のロックバンドは Cream で、Eric Clapton にしても Cream 時代の演奏が一番好きだ。本人は Cream 時代はあまりいい思い出ではないようだが。
もう 10 年以上前くらいだと思うが、Jack Bruce の来日公演が予定されていて、当然のごとくチケットを買って楽しみにしていた。
メンバーはドラムに Simon Kirke、ギターに Char というトリオ構成で、これは Cream サウンドの再現に間違い無いと非常に楽しみにしていたのだが、直前になって Jack の体調不良でキャンセルになってしまった。
結局 Jack Bruce は一度も生で見ることができなかった。
10 年ほど前にロンドンで再結成コンサートが4日ほど行われて、スカパーで放映されたのを録画して何度も何度も見た。今もしばしば見ている。
世界ツアーでもやってくれないかと期待していたが、残念ながらそうはならなかった。
コードのルート音を中心にきっちりとしたビートをきざむベースの演奏から大きく脱却して、メロディラインを奏でてリード楽器(ロックではほとんどがギター)と絡むような演奏スタイルは、Jack Bruce がおそらく最初だと思う。
実はクラシックではバッハなどのバロックはこういう手法なのだが、Jack は元々クラシックのコントラバス奏者だったので、それがバックボーンになっていたのではないかと思う。
いずれにしても『巨星落つ』の感が強い。合掌・・・。
第11回六甲縦走キャノンボールラン・復路編
ビヴィシートは思いのほか暖かかった。眠ってしまったら起きられなくなるのではないかと心配したが、寝入ることはなく、7時過ぎには起きて復路の準備を始めた。
持参した総菜パンとカロリーメイトを食べ、BCAA タブレットとヴァーム、気休めにとバッファリンを飲んだ。
定刻の8時に復路をスタートする。暑くなりそうだがウエアは往路のままで、上はノースリーブのドライメッシュシャツと長袖ジップシャツ、そして手袋。下は膝下までのスパッツとふくらはぎのストレッチストッキング。靴下は交換した。
スタート直後に狭い階段に入るので、極端な渋滞を避けるために少し前の方に並んだ。昨年は後ろからスタートしたので、ここでの渋滞がひどくて車道を大回りしたが、今年は階段をゆっくり上る。これくらいのペースがちょうど良い。
石段を登り切る頃にはすでに汗びっしょりという状態になっていた。今日の暑さはかなりのものになりそうだ。
高倉台の住宅街の歩道橋の登りは、昨年はジョグのリズムで上がったような記憶があるが、今日は走るだけの余裕が無い。ピーコックの自動販売機では早くもジュースか何かを買っている人が何人かいる。
400 段階段はちょうど往復で疲れている人がすぐ前にいたので、その人のペースでついて行く。道には前の人たちが落としたであろう汗のしずくが随所に残されている。昔はこの階段もジョグのリズムで上がりきったことなどを思い出しながら、何とか余裕を残して登り切った。
2カ所のショートカットはしっかりと利用して、須磨アルプスのエリアに入る。
今回の最大の失敗は、小石よけのスパッツを忘れたこと。往路でも途中から靴に入り込んだ小石が気になって、一度脱いで小石を出そうかと何度も思ったが、どうしても走れないほど大きなものは無かったので、何とか最後まで脱がずに走りきった。
このところ好天が続いているせいか、道が渇いていて小さな小石や砂などがさらさらと舞い上がりやすい。足を蹴った直後にカカトのあたりから小石が入るのがしばしば感じられて、特に風化した花崗岩の須磨アルプスのような場所ではそれが顕著だ。
靴の中が気になるが、どうせ脱いで小石を出してもすぐに同じような状態になるに違い無いので、走れないほどの大きな石でも入らない限りはがまんして行く。
妙法寺の住宅街では期待通りジュンマンエイドでコーラを2杯いただく。
大きな交差点はちょうど青信号だったので、ダッシュで何とか渡りきった。しかしそこ以外はスロージョグで、どんどん抜かれるばかりだ。車道では右股関節が痛い。
いつものショートカットで山道に入り、正式ルートに合流する。こういう登りになると周りとほぼ同じくらいのペースで、どちらかと言うと時々道を譲ってもらうようになる。
肉体的な疲労感は、スタートして4時間くらは徐々に疲労が蓄積してきて、その後はほとんど同じような状態がそのままずっと続く感じ。ペースは上げられないが、これくらいのペースならまだまだずっと歩き続けられる感じがする。
高取山の公園では水をたっぷり飲んだ。上に吹き出す水道だけなので、ボトルに補給することができない。
丸山の住宅街は須磨からだと迷うことは無い。安そうな自動販売機を探して、スポーツドリンクを買っておく。摩耶山くらいまでは今のもので行けそうだが、摩耶山の自動販売機は高そうな気がする。
水道局のエイドではおでんやフルーツポンチ、コーラ、お茶などをたっぷりいただいた。
この少し先で天然水をボトル満タンにして、いよいよ菊水山の登りにかかる。案の定、ハイカーの列に巻き込まれて先へ進むことができないが、止まってしまうほどの渋滞ではないので、まぁいいだろう。
しばらく行くとハイカー集団が道を譲ってくれて、また自分のペースで進めるようになった。六甲のハイカーはトレイルランナーに対して割と理解があるように感じる。このエリアは昔からそういうことをする人がめずらしくなかったせいもあるだろう。
菊水山はスタートから約3時間半で通過した。須磨スタートならおおむね3時間くらいなので、これくらいの遅れは想定内だ。
この先の走りやすいルートも、前のランナーがそこに入ってくれたおかげで間違わずにすんだ。昨年はここを見落として直進してしまった。距離的にはほとんど変わらないが、こちらのルートだとずっと緩い下りで行けるのだが、本道を行くと一度どんと下って、また登り返さなければならないのだ。
往路にあったエイドは復路では無かった。そして天王吊り橋を渡って鍋蓋の登りへ。
昨年は鍋蓋の登りでくたばってしまって、頂上手前の道ばたで腰を下ろしてしばらく休憩した。今回はそういうことにはならなさそうだ。
復路では大竜寺にはエイドは無く、次のエイドは市ヶ原。昨年食べそこねたおかゆをいただく。しかしスプーン数杯くらいなので、あまり食べた気がしない。
ここでは地元の女性演歌歌手が生でオリジナルのキャノンボールテーマソングを披露していた。ここで買えば CD が 100 円とのこと。
いよいよ復路最後にして最大の難関、摩耶山の登りに入る。約1時間の登りだ。自分はこういうパートは得意だと自分に言い聞かせて、止まらないように一歩一歩足を進める。
上部になるにつれて大きな石を大股で登るような箇所が多くなり、一段と足が疲れる。立ち止まって一息入れている人もしばしば見かけるが、何とか止まらずに歩き続ける。
最後のヘアピンのショートカットが見えた。これでようやく登りが終わる。広い道を少し行って、掬星台のエイドに入った。スタートからほぼ6時間だった。
昨年はカップラーメンを食べ損ねたが、今年は残り二つのうちの一つにありつけた。具無しのチキンラーメンだが、お腹が空いてきていたので本当にありがたい。ついでに小さなあんパンも二ついただいた。
ラーメンを食べていたら、そばにおられたハイカーの方が話しかけてこられた。気さくないい感じの方で、こちらも楽しくしゃべっていたのだが、あまり長居もしていられないのでそろそろリスタートしたい。
適当に話しを切り上げて、水道で水を補給して先へ向かった。30 分近く休憩してしまった。
車道部分はできるだけ走りたいのだが、ここまで来るともはや緩い下りでもスロージョグ、登りは早歩きが精一杯だ。昔、タイムトライアルの大会に出ていた頃はおそらく、このあたりはキロ5分かもう少し速いくらいで駆け抜けていたのだと思う。
次のエイドはすぐに現れた。お腹は一杯状態だったが、ピザまんがあるということでそれをいただいて、歩きながらほうばる。
登山道をしばらく上って車道に出ると、またまたエイド。小ぶりのハンバーガーをいただいてザックに入れて先へ進む。
おそらく最後のエイドであろう一軒茶屋で何かをいただいて(何か忘れた)、いよいよ長い東六甲縦走路に入る。おそらくゴールは18時半くらいになるだろう。
東六甲縦走路は緩いアップダウンの繰り返しが多く、なかなか高度が下がらない。下ったと思うとまた登りで、疲れた身には本当にイライラさせられる。
樹林帯に入るとそろそろ暗いので、サイドポケットに入れておいたハンドライトを取り出す。いつの間にか前後には誰もおらず、完全な単独走状態になっていた。しかしこういうのは好きだ。
東六甲縦走路では数人くらいに抜かれたが、みんなかなりのスピードで下って行って、それだけの走力があるのなら何故こんな位置で走っているのだろうと不思議に思った。
塩尾寺に近づくと少し急な部分がある。ハンドライトを持っているとこのような場所では不便だが、ヘッドランプは電池が切れかかっているので仕方ない。
ようやく車道に出て、ショートカットの階段を下って、さらにショートカットの山道を下った。この山道は急な上に足元が悪いので、要注意だ。ここまで来てつまらないケガはしたくない。タイムよりも安全第一で慎重に下りて、ようやく住宅街まで下りてきた。
前方にローソンのある交差点の明かりが見える。関係者が何人かいるようだ。何とか今回も完走できそうだが、やはりと言うべきか、3回目ともなると感動のようなものはほとんど無い。あるのは安堵感、それだけだ。
湯本台広場のゴールゲートをくぐった時は、スタートから10時間53分が経過していた。