昨日は登山教室で滋賀県の伊吹山へ行ってきた。
伊吹はこれまで何度か登っているけれど、これまではすべて冬で、雪の無い季節に行くのは初めてだった。
もう少し好天を期待していたけれど、朝方かかっていた上部の雲はそのままで晴れ間はほとんど無く、山頂エリアは冷たい風が吹いて思いのほか寒かった。
電車とバスを乗り継いで、9時過ぎに登山口に到着した。登山口には三之宮神社。今日はめずらしく、シンプルに表登山道を往復する。
百名山とやらにはまったく興味の無い私は、伊吹山が百名山の一つということを初めて知った。
車道から登山道に入る案内板が出ているが、ここに入らずにほんの少し車道を進むと、『ケカチの水』と呼ばれる湧水がある。
この横から登山道に入る。
この山は石灰岩質で、前日かなりの雨だったので、足元が滑りやすい。
しばらく登って車道を横切って、かつてのゲレンデに出る。
このあたりから琵琶湖が足元に眺められるようになる。
伊吹山は植生の豊かさで有名だが、その方面にはいたって疎い私にはあまり興味の無い対象だったのだが、登山教室の皆さんはその方面に大変詳しい方が多く、『私は興味がありません』という訳にはいかない。
何度見てもなかなか花の名前が覚えられないが、できるだけ注意してしっかり眺めるようには心がけている。
五合目の広いエリアには花の名前を解説した看板が二カ所に立っていた。
伊吹山スキー場がすでに営業していないということを昨日初めて知った。かつてのレストハウスなどか朽ちていて、リフトは撤去されている。一抹の寂しさは感じるけれど、自然の保護という観点ではいいことなのだろう。
まぁでも近場のスキー場がどんどん閉鎖されていくのは、自然保護というよりは単にスキー人口の減少で営業が成り立たなくなってきたというだけのことだと思うが。
冷たい風が強くなってきたので、脱いでいたジャケットを羽織る。
六合目を過ぎると高い木はまったく無くなる。この程度の標高で、しかも西日本で、こんなに木の無い山というのは珍しいのではないかと思う。
山頂エリアに近づくにつれて傾斜が強くなって、滑りやすい岩がたくさん出てきた。このあたりの斜面はスキーで滑り降りるには絶好のスロープだった。
12時半頃にようやく山頂(1,377m)に到着した。
昼食後は山頂エリアを辿って三角点を目指す。
それなりの展望は得られたが、寒かった。
今日は花の観賞というのも一つの期待だったようだが、まだいささか早かったようで、目ざとい人たちはいろいろと発見していたけれど、もし私が一人ならおそらく何も気付かずに通り過ぎただろう。
これはアマナというらしい。
高山植物は陽に当たらないと花が開かないというものが少なくないようで、アマナも閉じたままのものが多かった。
五合目には大正時代にここでのスキー場に着目した中山再次郎氏の像が立っている。
かつてあった愛宕山のスキー場も氏の発案とか。
午後4時過ぎ発のバスに合わせて、ちょうどいい時間に無事下山した。