11/7 の土曜日は天候が今ひとつだったが、翌日は良さそう。
しかし月曜日は随行が控えているのであまり長距離長時間で疲れが残るような山行は避けたい。
さりとて交野や生駒ではもはや楽しみを感じられないので、大峰の山上ヶ岳の行場巡りにでも行ってみようと思った。
大橋茶屋の登山口まで早朝なら2時間くらいで行けるので、おおむね昼くらいまでには下りてこられるだろう。
予定通り7時過ぎに駐車場に到着した。途中、母公堂の前の駐車スペースはすでに満杯で、登山準備をしている人たちがたくさんおられた。女性も見受けられたのでおそらく稲村ヶ岳だろう。
もうそろそろシーズンオフなので登山者は少ないのではないかと思っていたのでちょっと意外で、ひょっとしたら山上ヶ岳も人が多いかもと心配したが、駐車場に停まっていた車は数台程度だった。
準備を整えて、7時26分に清浄大橋から山道に入った。今日のルートは三年前の冬に初めて来た時と同じルートを辿る。
今日は行場巡りをする予定なのでポールは持ってきていない。
一ノ世茶屋跡にある祠の役行者像が盗まれてしまっているらしい。
出発して 30 分少々で一本松茶屋。
この道は山上ヶ岳へ登るメインストリートなのでしっかり整備されている。
お助け水は前日は雨だったはずだが水はわずかしか流れていなかった。晩秋なので水が枯れているのだろう。
何とここにあった役行者像も盗まれてしまっているとのこと。自分の家に置いているのだろうか。それともネットオークション?
8時42分、奥駆道の洞辻茶屋に出た。
もちろん営業はしていない。
しばらく行って陀羅助茶屋。
さすがに標高 1500m まで来ると風が冷たい。
ほんのわずかで松清茶屋。
この先に分岐があって、今日は左の行者道を行く。実は三年前に来た時もそちらに行っていた。
階段などがしっかりと設えられているので急登も不安無く登れるが、大昔はどんなふうだったのだろうか。行者が多くて意外と整備されていたのかも知れないが。
鎖もしっかりしている。
三年前に来た時は積雪でルートがよくわからず、この朽ちた階段を上がってきたのを覚えている。
ほどなく鐘掛岩。
見上げるとこんな感じ。
案内者無しで勝手に行くなと書かれている。
単なる登山道で、危険なので行くなという警告なら行ってしまうところだが、ここは修行の場で、行者にとっては神聖な場所なので、ここは警告に従っておこう。
しかし岩の麓をトラバースして上がると、岩の上の方に向かう整備された道が。
これを辿ると鐘掛岩の上に出られそうなので、行ってみることにした。
無事、鐘掛岩の上に到着した。
岩の上からの大天井ヶ岳。
二年前にはあの左の稜線から大天井ヶ岳に登って、さらに山上ヶ岳まで周回したが、その時はここは通っていない。
正面左に稲村ヶ岳。その右の突起は大日山。
絶景を堪能したら奥駆道に戻って、西の覗へ。
身を乗り出す気にはなれません。
さらに進んで、宿坊のある方に向かう。もちろん宿坊は営業していない。
石段を上がって行ったら大峰山寺の山門が見えてしまった。裏行場への分岐を見落としたもよう。
少し戻って、ひょっとしてここ?
「通れません」と書いてあるが、やはりここでした。しかし・・・
またまた警告の表示。やはり事故が発生しているのだろうか。正規の修行においてもまれに事故が起こっているらしい。
私の場合、高齢の単独行なので、山での事故だけは絶対に避けなければならない。
今日はここを行くのが目的だったのだが、警告を無視して万が一でも事故を起こしたら取り返しがつかない。
大きな山の山頂直前で引き返さなければならないというようなわけでもないので、ここはムリはしないことにしておく。
9時41分、山頂(1719.4m)の湧出岩に到着した。
湧出岩の手前で下りてくる人とすれ違ったが、山頂エリアは誰もいない。
稲村ヶ岳は頂上部に雲がかかっていた。
本当なら腰を下ろして少しゆっくりしたいところなのだが、生憎風が冷たくて寒い。
先に向かって、レンゲ辻への分岐を通過。
初めて眺める日本岩。
そのまま周回して宿坊のあたりで来た道に合流して、行者道ではない方で下る。
陀羅助茶屋の中でおにぎり休憩にして、来た道をひたすら下った。登ってくる人たちと何度がすれ違ったが、全部で 10 人少々くらいだっただろうか。
11時16分、女人結界門に戻ってきた。
駐車場の車は少し増えていた程度だった。
一番の目的だった裏行場には行けなかったが、これで良かったのだろうと思う。誰にも迷惑をかけずに済んだので。
ところで、洞川温泉は知名度のわりにはいつも閑散としていて、これで営業が成り立っているのだろうかと心配するような状況だったのだが、この日はこれまでになく観光客が多かった。
日帰り温泉に入って帰ろうと思っていたのだが、すぐそばの大きな観光駐車場が満車に近い状態で、これではきっと混んでいるだろう思って諦めた。
代わりに以前に一度行った下市温泉の「ごんたの湯」へ立ち寄った。
すいていてゆっくりできて良かった。