立山・雄山、浄土山

実は今週は月山、鳥海山を計画していたのだが、ポイントになる先週末の天気がかなり悪くなりそうだったので断念して、好天予報の週の半ばに立山へ行くことにした。

立山での春スキーはずっと以前から一度行きたいと思っていたのだが、アルペンルートの混雑と宿泊が難点で、これまで実行する機会が無かった。

先週末に週間予報を見てからアルペンルートと室堂山荘の予約状況を見ると、好天予報の水木でも山荘の個室が取れるようだったので、そのタイミングで朝一番のケーブルと山荘の予約を入れた。

5/16(火)の午後に家を出て、高速のパーキングエリアで夜を過ごしてから5/17(水)の朝6時にケーブル立山駅の駐車場に車を止めた。

始発の7時のケーブルで美女平に上がって、バスで室堂に向かう。バスの車内では観光案内の録音がずっと流されている。

窓越しに見えている滝は左が称名滝で右がハンノキ滝。

称名滝は落差 300m を超える日本最大の滝なのだが、ハンノキ滝は称名滝よりも大きいのに水量の多い時だけしか現れないので正規の滝としては認められていない。こんなにはっきりとハンノキ滝を見たのは初めてだった。

そんなせいもあるのだろうが、バスの案内ではハンノキ滝のことはまったく触れられていない。知らない人が見たら右のハンノキ滝のことを称名滝と思ってしまうのではないだろうか。

なかなか雪が出てこなくて不安になっていたが、2000m に近づいてくるとようやく雪が現れてきた。左手には大日岳。

さらに上がると剣岳の勇姿が望めるようになってきた。

8時過ぎに室堂に到着した。

まずは不要な荷物を預かってもらうために室堂山荘へ向かう。


✳︎赤が歩き、青が滑り

準備を整えて9時過ぎに出発した。好天のせいもあって平日でも登山者は多い。

私はだいたいは春でも山スキーの時はオーバーパンツとジャケットは羽織るようにしているのだが、さすがに今日はそれでは暑そうなのでフリースパンツと長袖のアンダーシャツ、フルジップ長袖シャツだけで歩き出した。

一ノ越が近づいてきた。

10時過ぎ、室堂山荘から1時間弱で一ノ越に到着した。ここの小屋は5年前の夏に講座で来て泊まった。

ここに板を置いて雄山をピストンする。できれば最高峰の大汝まで行きたいのだが。

この登りは岩がゴロゴロしていて歩きにくいことはわかっていたが、そこをスキーブーツで登るのは苦行以外の何物でもなかった。兼用靴とは言っても足首はほとんど曲がらないし、ソールは完全にフラットになっている。

普通の登山靴で軽快に登っていく人を何人も見送って、ようやく神社が見えてきた。

11時10分、一ノ越から1時間かかってようやく雄山神社(2991.8m)に到着した。

神社はまだ閉まっている。

神社が閉まっているおかげで無雪期にはお金を取られる山頂も開放されていた。

11時19分、雄山の山頂(3003m)に到着した。

山頂からは北アルプスのほぼ全山が望める大パノラマの光景だった。

神社の建物のそばの板に腰掛けておにぎり休憩にした。その後、一度は大汝に向かおうとしたのだが、最初の下りでのあまりの歩きにくさで断念することにした。

下りも大変だったが、運良く雷鳥に出会えた。

一ノ越からの滑りはほんの10分ほどで室堂山荘に戻った。

まだ午後1時過ぎなので山荘前のベンチでのんびりしてから二回戦に出かけることにした。

山荘の前に浄土山の斜面が広がっている。ここは傾斜もなだらかで距離も適当なのでここへ行くことにしよう。

1時間ほどかけて稜線まで上がった。またもや絶景で、正面に薬師岳。その左に黒部五郎岳。その向こうには笠ヶ岳が聳えている。写真からははずれているが槍ヶ岳もはっきりと見えていた。

東の方に目を向けると鍬崎山。

ほんの数分の滑りで山荘に戻ってチェックインした。

私が自分の意思で山小屋に泊まるのは二十数年前のヨーロッパアルプス以来のこと。日本の山小屋に随行以外で泊まったのは前回はいつだったのか思い出せない。

山小屋泊というのにあまりいい印象が無かったというのがその要因なのだが、ここはいい山荘だった。温泉も広くてゆったりできて、働いている人たちも非常に感じが良かった。これなら機会があればまた訪れてみたいと思った。