ブルンネル腺腫

私は60歳を過ぎてから何度か胃カメラの検診を受けている。

2年ほど前に受けた時に十二指腸にちょっとした腫瘍が見つかったのだが、医者の見立ててではガンではないだろうということでそのままにしておいた。

この春に検査を受けたところその腫瘍はそのままで、強いて言えば若干大きくなっているような感じもあった。

医者の勧めによって大学病院で精密検査を受けたところ、ブルンネル腺腫という腫瘍のようだがまだガン化はしていないとのこと。ただしこのまま置いておくと将来的にガン化する可能性は否定できない。

急いで何か対処しなければならないような状態ではないのでしばらく様子見でも問題無いが、今の大きさなら内視鏡の手術で切除できるがあまり大きくなると開腹しなければならないとのことだった。

それなら少しでも楽なうちにすっきりしてしまおうと思って、先週、手術を受けて切除してもらった。

入院したのは枚方市駅から淀川の方に少し行ったところにある関西医大附属病院。

あてがわれた部屋は9階で、休憩室の窓からは走り慣れた河川敷公園が見下ろせる。

6/28(水)に入院して翌日の昼過ぎに手術。点滴のための管を入れる注射を4回も失敗されて、5回目にようやく薬が流れるようになった。

4月の精密検査の時と同様に鎮静剤がよく効いて、知らないうちに手術は終わっていた。

幸いお腹の痛みなどはまったく無く、おかげでその後はとてつもなく退屈な時間になった。

手術後2日間は点滴のみで、薬の袋をぶら下げている台があるので移動のたびにこれを引き連れて歩かなくてはならない。

追加料金のいらない四人部屋だがベッド毎にテレビがあって、朝の6時から夜の10時まで WiFi も使えるので、それなりに時間潰しはできるけれど、ずっと座っているとお尻も痛くなるし、それ以上に気分的に耐えられなくなってくる。

YouTube でたまたま沢木耕太郎の「深夜特急」のテレビドラマ版の全編がアップされているのを見つけて、約5時間の長編を一気に楽しむことができたのが唯一の収穫だった。特に香港やパキスタンのシーンは昔が思い出されて懐かしかった。

点滴が取れたら6階にあるテラスに出てぼんやりしたり、狭いテラスをぶらぶら歩き回ったりして時間を潰した。

予定通り7/4(火)の朝に退院して、家まで1時間ほどかけてのんびり歩いて帰ってきた。

運動はムリしなければ大丈夫とのことだったので今朝(7/5)はいつもの 30 分コース(5km弱)を走ったが、1週間ぶりで気分良かった。

十二指腸にキズがあるのでしばらく食事内容に制約があるが、1週間ぶりに通常パターンの生活に戻れてほっとした。