6月に大台ヶ原で松浦武四郎の碑にたどり着けなかったことがずっと心にひっかかっていた。
地図で見るとこの碑は車道からほんの200mくらいのところにあって、道はないけれどさほどヤブは濃くなさそうな気がするので、車道からたどり着けるのではないかと考えた。
このところずっと酷暑で日帰りエリアの低山にはとても行く気にならないので、今度は大台ヶ原を少し歩くつもりで行ってみようと思った。
8/21(月)の早朝に家を出た。
いつもの調子で途中で朝食を取って走って行ったのだが、何と大台ヶ原のドライブウエイが土砂崩れで通行止めになっている。おそらく先日通過した台風の影響だろう。
しかし幸いなことに通行止め箇所を迂回できるルートがあるようで、さらにトンネルを二つほど越えたところから狭い林道に入る指示が出ていた。
対向車が来たらとてもすれ違えないような道だったが、まだ早い時間なので下りてくる車はなかった。通行止め箇所を迂回して道が広くなってからも随所に土砂を取り除いたような箇所があった。
そんな条件の平日にもかかわらず、駐車場はそこそこの車が停まっていた。
準備を整えて9時20分に出発した。
しばらく車道を歩く。ウラジロモミ?
20分ほど歩いて、このあたりだろうか。
本当はここに入るためにはレクチャーを受けなければならないのだけれど、わずか200mくらい先の碑を見るだけなのでお許しください。
地図では平坦に行けるはずなのだがどうも入る場所を間違えたようで、少し下っていく。
おまけに水の流れる沢に出た。
どうもこの対岸の上が正しい場所のようで、登れそうな場所を探して這い上がった。そうしたら地図で想定したような地形になった。
松浦武四郎の碑まではほんのわずかだった。
武四郎は遺言で、死んだら骨は大台ヶ原に埋めてほしいと言っていたのだが、お墓は東京に建てられて、分骨がここに埋められた。
これで今日の主目的は完了。5分もかからずに車道に出た。
車道を少し戻って川上辻へ。
ここから以前に日出ヶ岳から下りてきた道で日出ヶ岳に向かう。
帰ってからこの写真を見たら立入禁止の文字の下に、シカのワナが仕掛けられていると書いてあった。この時にしっかり読んでいたらたぶん入らなかっただろうと思うが、前回よりさらにわかりにくくなっていた踏み跡に入って行った。
巴岳。標高不明。
次第に傾斜が急になって、日出ヶ岳が近づいてきた。
突然開けて、山頂の展望台が現れた。
前回はここから入ったのだが、もし本当にシカのワナを仕掛けているのであれば、ここにもそういう表記がないと危ないんじゃないかと思うのだが。
10時45分に日出ヶ岳の山頂(1695.1m)に到着した。
6月に来た時は熊野灘が望めたのだが、今日は遠方は雲に隠れていた。
冷たい飲み物を補給して、大蛇グラの方に向かう。
以前に登山ツアーの補助役で大台ヶ原を歩いたことがあるのだが、この時は脱落者が出て、その方に付き添ってビジターセンターに一度下山してから大蛇グラに向かったので、この先の正木ヶ原のあたりはまだ歩いたことがない。
展望台を過ぎるとしばらく木道が続く。山を歩いている気がしない。
正木嶺はどこかわからないうちに通り過ぎて、日出ヶ岳から30分ほどで正木ヶ原へ。
ほんの数十年前は鬱蒼とした森だったのだが、台風やらシカの食害などで、今はこんな姿になってしまった。
ほどなく尾鷲辻へ。
なぜか神武天皇の像。
このあたりは牛石ヶ原。
ほどなく大蛇グラへの分岐に到着。
大蛇グラでは運良く誰もいなかった。やっぱりビビる。
横の大岩壁。
分岐に戻ったら誰もいなかったのでおにぎり休憩にした。
それからシオカラ谷に向かってどんどん下る。標高差で150mくらい?
一瞬、渡渉? と思ったが、吊り橋がありました。ツアーで来た時に歩いているのだがもうすっかり失念していた。
そのあと100mくらい登り返して、午後1時過ぎに駐車場に戻ってきた。
幸か不幸かずっと曇りだったので強い日差しを浴びることはなかったが、そんなに涼しいというほどではなかった。
心残りだった武四郎の碑を訪れることができたので満足の一日でした。